「………………ん」
強い日差しに目を焼かれ手で遮りベルは目を覚ます
外を見れば日は既に傾き遠くの空を赤く焼いている
「すっかり昼夜逆転したな」
沈んでいく太陽を見ながら頭を掻き体を伸ばす。メキメキと体が音を鳴らし次に腹が空腹を訴えてくる
「……………………」
ズタ袋から適当な肉を取り出し口に放り込み残りの量を確認する。パンパンに詰まっていた中身は底が見える程まで減っていた
「随分減ったな、それに乾燥して固くなってるし少し腐ってるのもある。そろそろ新しいのを取りに行かないとな」
小腹を満たし深夜まで身を潜めると外套を纏い屋根の上を歩く
(今日も外れの日だな)
屋根から道を見下ろし人通りを確認する。ここ最近はベルを恐れてか夜の人通りがめっきり無くなり食事にありつく事が難しくなっており特にエルフは滅多に口に出来ない、それが女であればなおのことだ
「あの~、誰か居ませんか~?」
しかし今日はベルに運が向いていたらしく道の真ん中でウロウロしている外套の人物がいた。顔は隠れて良く見えないがエルフ特有の長い尖った耳があり声からして若い女、エルフの少女だろうとベルは予想をつけた。息を殺しエルフの少女の真上まで移動し飛び降りる
「ッ!!」
少女にその爪が食い込もうとした瞬間。夜の闇が明るく照らされ炎がベルを襲う。黒い煙から出るとエルフの少女の背後に5人程人が立っている。その人達は全員が武器を持ちベルは彼らについて知っていた
「【ロキ・ファミリア】」
「初めましてと言うべきかな?【喰種】」
「何の用だ?」
「うちの団員を食べようとして何の用も何も無いだろう。良くやった、レフィーヤ」
外套が剥がれ橙色の長い髪が現れる
「君はギルドから懸賞金を懸けられていてね。知らなかったかい?」
「……………………………【ロキ・ファミリア】」
「おい、テメェ何時までその面隠すつもりだ?正体見せやがれ!!」
目にも止まらぬ速度でベート・ローガが駆けベルの顔面に蹴りを入れる
「ロキ・ファミリアロキ・ファミリアロキ・ファミリアロキ・ファミリアロキ・ファミリアロキ・ファミリアロキ・ファミリアロキ・ファミリア…………………………………………【ロキ・ファミリア】アアアアアアアアアア!!!!」
ベルの両目が黒く染まりガキンッ!!と金属がぶつかり合う様な音が響きベートが押し負け着地する
「何だ今の⁉」
「全員警戒しろ!!」
フィンの号令で全員が武器を構えレフィーヤとリヴェリアが詠唱を始める
土煙が晴れる前に影が飛び出しガレスが盾で防ぐが吹き飛ばされる
「ガレス⁉」
「ッ!!」
煙が晴れベルの姿が露になると【ロキ・ファミリア】の面々は驚愕する
「あれは…………」
「赤黒い」
「尻尾?」
ベルの尾骶骨から伸びた尻尾は5m程ありベル自身も事態を把握出来ないのかポカンとしていた
「尻尾?………………ハハッ」
しかしすぐに使い方を理解したのか尻尾を操り【ロキ・ファミリア】に迫る
「クソッ!!こんな話聞いてねぇぞフィン!!」
「ああ、僕もだ!!リヴェリア!!レフィーヤ!!」
「「【汝は業火の化身なり。ことごとくを一掃し、大いなる戦乱のまくひきを。焼き付くせ、スルトの剣 我が名はアールヴ】【レア・ラーヴァテイン】!!」」
二重に放たれたレア・ラーヴァテインがベルを襲いその身を焼く
炎が収まりそれなりのダメージを期待するが現れたベルは鎧の様な物を纏い平然としていた
「動物の体を模倣するスキルか?」
「本人の素の防御力も相まってとてつもない防御力だ。鎧に覆われてない部分を狙え!!」
フィンの言葉にアイズとティオネとティオナのアマゾネス姉妹がベルに迫る
「また、また僕を殺すのか?」
「ッ!!」
ベルの言葉に思わずアイズは動きを止めアマゾネス姉妹は予想外の事に連携が崩れベルの尻尾に凪ぎ払われアイズは剣で受ける
「貴方………………もしかして」
「今更思い出したのか?そうだよな…………僕みたいな弱い奴を覚えてるわけ無いよな!!僕はお前達のせいで怪物になったのに…………僕を殺しておきながら今度は蘇って必死に生きてる僕を殺そうとするのか!!」
ベルが外套のフードを取り払いその顔を見せるとアイズはこれまで誤魔化していた罪悪感に押し潰される様な思いを抱いた
と言うわけで最初は尾赫と甲赫でした
流石にいきなり全ブッパしちゃうと【ロキ・ファミリア】の勝ち目が無くなるので残りと全ブッパはまた別の機会に