夜が明ける
太陽の光が街を照らし何時もの日常を優しく見守る
「ハァ…ハァ…ハァ………………クソ!!クソ!!クソ!!」
しかし、そんな太陽の光の元で生きていけない者からすればそれは忌々しく妬ましいものだ
ベルも実際血が止まらない腕を抑えながらその光景を見ている
(血が止まらない。奴らに邪魔されたせいで腹も減った!!)
腹を鳴らし血を滴らせ息を切らせ壁に寄りかかり苛立ちを募らせる
(兎に角治療して、その後食事だ。でも何処に行けば)
「おい、兄ちゃん大丈夫か?血が出てる………………え?」
声を掛けてきた男にベルは歯を突き立てその肉を貪る
「ん?」
すると切り飛ばされた筈の左腕が盛り上がりメキメキと音を立て再生する
「凄い。こんな力もあったのか」
ベルは再生した左腕を見ながらそう呟き改めて自身の体の変化に驚く。食事を終えたベルはその場を離れ少し眠る、目が覚めると最初はボーッとしながらも思考が回り始め万全とは行かなくともある程度回復し次の事を考えられる余裕が出てくる
「……………………そう言えばあの時の尻尾と鎧は何だったんだ?」
ベルは自身の体とその背後を見ると【ロキ・ファミリア】との戦いで生えてきた尻尾と鎧が無くなっている事に気付く
「次に奴らと戦う時の為にあの力は自在に使える様にしたい。どうしたらまた出るんだ?……………………ふん!!」
左手に力を込めるとメキメキと左手全体を覆う様に黒い鎧が形成される
「鎧は出た………………尻尾は?………………こうか?」
獣人の様に尻尾が生えたイメージをするとあの時と同じ赤黒い尻尾が生えてきた
「出現の仕方に違いがあるのか、鎧は力を込めた場所に尻尾はイメージ………………兎に角この2つの力を使いこなせる様にならないと」
立ち上がり尻尾を伸ばせるだけ伸ばしてみる。やはり前回の戦闘の時と同じく5m程行くと伸びなくなった
「射程は5m位か、威力も割りとある方だけど鎧は文字通り防御力特化、尻尾はバランス型か…………良し大体分かったかな、問題は………………」
ベルは尻尾と鎧を見て呟く
「どうやったら消えるのか…………鎧の方はもう力を込めてないのに消えないし尻尾もイメージしてないのに消えない………………逆に脱力してみると…………お、鎧は消えた尻尾の方は………………普通の人間をイメージすれば良いのか」
消えた鎧と尻尾に安堵し息を吐く。外を見れば日も傾き空が赤く焼けており空腹感に襲われる
「そろそろ食事にしよう、今日は邪魔が入らないと良いけど」
ベルはそう言うと外套に身を包み街に出ると獲物を探し街を彷徨った