有限会社芸者ネットワーク   作:クライングフリーマン

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12.狙われた「まちや」

========== この物語はあくまでもフィクションです =========

============== 主な登場人物 ================

島代子(しまたいこ)・・・有限会社芸者ネットワーク代表。元芸者。元プログラマー。小雪の先輩らしいが、小雪以外には、本名は知られていない。芸者の時の芸名は『小豆』。また、本部の住所も極秘である。後輩達には堅く口止めしてあるのだ。

飽くまでも、私的組織だが、警察にはチエを通じて協力している。可能なのは、情報提供だけである。

戸部(神代)チエ・・・京都府警警視。東山署勤務だが、京都市各所に出没する。戸部は亡き母の旧姓、詰まり、通称。

烏丸まりこ・・・芸者ネットワークの事務員。

貴志塔子・・・代子がプログラマー時代、組んでいた相棒。ネットワークシステムは、2人の合作だ。

西川稲子・・・代子と塔子の、プログラマー修行時代の仲間。

 

茂原太助・・・東山署生活安全課警部補。

灘康夫・・・京都府知事。元作家。「康夫ちゃん」のニックネームがある。

金平桂子・・・京都市市長。

白鳥純一郎・・・チエの許嫁。京都府警勤務の巡査。実は、大前田警視正の息子。母の旧姓を名乗っている。

小雪(嵐山小雪)・・・チエの小学校同級生。舞妓を経て、芸者をしている。

神代宗佑警視正・・・京都府警東山署署長。チエの父。

 

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※京都には、京都伝統伎芸振興財団(通称『おおきに財団』)と京都花街組合連合会という組織が円山公園の近くにある。両者は、芸者さん舞妓さんの『芸術振興』の為にある。オフィシャルサイトも存在する。

現在、京都花街組合連合会に加盟している花街として、祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東の5つの花街があり、総称して五花街と呼んでいる。 鴨川の東側、四条通の南側から五条通までの花街。

※この物語に登場する『芸者ネットワーク』とは、架空の組織であり、外国人観光客急増に伴って犯罪が増加、自衛の為に立ち上げた、情報組織である。

リーダーは、『代表』と呼ばれる、芸者経験のある、元プログラマーの通称島代子(しまたいこ)である。本部の場所は、小雪しか知らないが、『中継所』と呼ばれる拠点が数十カ所あり、商店や寺社と常に情報交換している。

※京都の町屋とは?

京都の方々は通常の民家とは違い、お店を一体化した建物、町家(町屋)を建てたのです。 つまり「町家」は家の意味で「町屋」はお店を指す言葉だったのです。

 

午後3時。芸者ネットワーク本部。

事務所の電話が鳴った。まりこが取ったが、すぐに代子に目で合図し、代子は転送された受話器を取った。

「ああ。おかあさん。」おかあさんとは、代子が、かつて所属していた『置屋』の女将である。

「何ですって?」すぐに、代子はIP電話の子機を取り上げた。

電話はすぐに繋がった。

午後3時。東山署。署長室。

電話の応答をしたのは、署長の神代警視正だった。

「町屋の火事なら、今祇園新橋でえらいことに・・・何ですって?すぐに対処します。」

神代は、すぐにチエのスマホに電話をした。

「狙われたのは、祇園新橋だけやない。今、芸者ネットワークから電話があった。観光客の1人が、『次は北区の町屋』って言ったそうや。肩が当たった芸者が拾ったメモには、京都市の町屋の一覧が書かれていた。他は捜査員を向かわせるから、お前は、『らくたび 京町家紫野別邸(荒川家住宅)に向かえ!!』

午後4時。らくたび 京町家紫野別邸(荒川家住宅)近く。

外国人の男達が、大きなリュックを肩に背負い、近寄ろうとしていた。

パトカーから降りたチエは言った。

"No questions asked"(問答無用)

男達は逃げようとしたが、チエがグーパンチを浴びせた。

白鳥達が駆けつけた時は、ズボンのベルトが外れた男達が地面に横たわっていた。

午後7時。京都府警。記者会見場。

灘知事、金平市長、大前田警視正が会見に臨んでいた。

「祇園新橋の火事は2階の飲食店部分が燃えただけでしたが、他の町屋は、全て事前に取り押さえました。」

「どうして、事前に対処出来たのですか?」と、記者の1人が尋ねた。

「約50名のグループの仕業でしたが、その内の一人が親日家で、『両親の呵責』で告発したのです。指令を出した人間は来日せず、『京都のまちやに怨みがある』と言って亡くなったらしい。我々は、これから、その人物に所縁のある『町屋』という名前の人物を探します。トラブルに心当たりのある、ご本人または知人の方は通報願います。当該人物はアメリカの方ですし、いかなる事件であっても原因の事件に我々はタッチ出来ません。間違いであっても構いません。通報願います。」

「それにしても、スピード逮捕ですね。」と、別の記者が言った。

「京都府を舐めたらあきまへん。」と、灘知事が言った。

「京都市を舐めたらあきまへん。」と、金平市長が言った。

「京都府警も舐め・・・侮らないで頂きたい。」と、大前田が言った。

午後7時。芸者ネットワーク。

まだ残っていた、稲子、塔子、そして、代子が言った。

「芸者ネットワーク、舐めたらあきまへんえ。」

―完―

※奥行きのある細長い造りから「鰻の寝床」と呼ばれる京町家。京都の象徴といえる存在であり、長い歴史の中で様々な暮らしの知恵と工夫を積み重ねながら発展してきました。住み、働き、学び、憩うことのできる京町家は、住民の力で現在まで受け継がれてきました。

しかし、近年は取り壊されることも多く、その数は減少傾向。そのような中、民間の取組により2017年には3月8日がMarch8として「町家の日」に制定されるなど、京町家の保全と再生に向けた積極的な取組が推進されています。

京町家の意匠や多様な町家建築、それらが形成するまち並み、生活文化…すべて京都の貴重な文化遺産です。

 

 

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