有限会社芸者ネットワーク   作:クライングフリーマン

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塔子は、あるホテルのフロントから電話を受けた。
「清水の舞台?清水寺ですか。社長が午後からなので、出社次第伝えます。」



34.清水の舞台

 

========== この物語はあくまでもフィクションです =========

============== 主な登場人物 ================

橘[島]代子・・・仕事上、通称の島代子(しまたいこ)で通している。「有限会社芸者ネットワーク代表」改め「Geikoネットワーク」。元芸者。元プログラマー。小雪の先輩。芸妓の時の芸名は『小豆』。また、本部の住所も極秘である。後輩達には堅く口止めしてあるのだ。

飽くまでも、私的組織だが、警察にはチエを通じて協力している。可能なのは、情報提供だけである。カムフラージュの為、タウン誌『知ってはる?』を発行している。

戸部(神代)チエ・・・京都府警警視。東山署勤務だが、京都市各所に出没する。戸部は亡き母の旧姓、詰まり、通称。

烏丸まりこ・・・Geikoネットワークの事務員。

貴志塔子・・・代子がプログラマー時代、組んでいた相棒。ネットワークシステムは、2人の合作だ。

西川稲子・・・代子と塔子の、プログラマー修行時代の仲間。

神代チエ・・・東山署刑事。『暴れん坊小町』で知られる。

船越栄二・・・東山署副署長。チエを「お嬢」と呼んでいる。

 

 

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※京都には、京都伝統伎芸振興財団(通称『おおきに財団』)と京都花街組合連合会という組織が円山公園の近くにある。両者は、芸者さん舞妓さんの『芸術振興』の為にある。オフィシャルサイトも存在する。

現在、京都花街組合連合会に加盟している花街として、祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東の5つの花街があり、総称して五花街と呼んでいる。 鴨川の東側、四条通の南側から五条通までの花街。

※この物語に登場する『芸者ネットワーク(本作からGeikoネットワーク)』とは、架空の組織であり、外国人観光客急増に伴って犯罪が増加、自衛の為に立ち上げた、情報組織である。

会社名は『スポンサー』の一人、橘吉右衛門が命名した。

リーダーは、『代表』と呼ばれる、芸者経験のある、元プログラマーの通称島代子(しまたいこ)である。本部の場所は、小雪しか知らないが、『中継所』と呼ばれる拠点が数十カ所あり、商店や寺社と常に情報交換している。

※清水寺の「舞台」は、観音様への芸能奉納の場であり、崖にせり出した「懸造り(かけづくり)」と呼ばれる伝統工法で建てられています。現在では京都市街の絶景を楽しめる場所として有名ですが、本来の目的は本堂に祀られているご本尊である十一面千手観世音菩薩に、雅楽や能、歌舞伎などの日本の伝統芸能を奉納することでした。

※「清水の舞台から飛び降りる」は

「思い切った決断をする」という意味のことわざです。この言葉は、かつて清水寺の舞台から「清水の観音様に祈って飛び降りると命が助かり願いが叶う」という信仰に基づいて、実際に多くの人々が飛び降りたことに由来します。現代では飛び降りが禁止されており、かつての周囲の地面も木が茂り柔らかかったことと、信仰によるもので、生存率が約85%あったとされています。

 

 

午前9時。Geikoネットワーク本部。

塔子は、あるホテルのフロントから電話を受けた。

「清水の舞台?清水寺ですか。社長が午後からなので、出社次第伝えます。」

 

午後1時。

介護車椅子サービスが代子を乗せて、やってきた。

「早速やけど。」と塔子は話した。

「明日?取り敢えず連絡しよう。」

代子は、ホットラインの受話器を取った。

Geikoネットワークには、東山署とのホットラインがある。

代子の会社は情報提供だけで、実行部隊はない。

現地で対処するのは、東山署であり、神代チエのチームだ。

「了解しました。」返事をいたのは、副署長の船越だった。

 

翌日。午前8時。清水寺。『舞台』。

バンジージャンプを撮影しようと、外国人の撮影グループがやってきていた。

スタントマンらしき人間が飛び込もうとした瞬間、コケた。

待機していたチエが引っ張ったからだ。

「単純な撮影やったら、書類書いて貰ったら許可します。釘を一本も使わない建築とかね。でも、これはアカン。清水寺での飛び降りを禁止する「禁止令」は、明治5年(1872年)8月に京都府が発令しました。今でも、禁止です。『願掛け』は大抵迷信なんです。警視、迷信って何て言いますの?」と、住職がチエに尋ねた。

“Superstition, Do you want to die?”

 

午後1時。Geikoネットワーク。

「統計によれば、生存率は約85%。でも、教えん方がエエ情報やな。」と、塔子と稲子が笑った。

 

「でも、飛び込む位なら、紅葉鑑賞した方がええよ。あ、稲子。機関誌にそない書いてくれる?」

「心得ました・・・了解しました。」

「まあ、あそこで懸垂や雲梯するよりマシかな?」

「塔子。それは書いたらアカンえ。」

「はい。編集長。」と言って、塔子は敬礼をした。

 

烏丸が、おやつの『紅葉饅頭』を持って立ちすくんだ。

 

―完―

 

 

 

 

 

 

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