有限会社芸者ネットワーク   作:クライングフリーマン

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「おはようございます。」
金平市長が入って来た。
「市長。成人式、お疲れ様です。」と、稲子が対応した。
「今は、『青年の集い』やけどね。代子さんは?」
事情を聞き、市長は帰って行った。



42.狙われた神父

 

========== この物語はあくまでもフィクションです =========

============== 主な登場人物 ================

橘[島]代子・・・仕事上、通称の島代子(しまたいこ)で通している。「有限会社芸者ネットワーク代表」改め「Geikoネットワーク」。元芸者。元プログラマー。小雪の先輩。芸妓の時の芸名は『小豆』。また、本部の住所も極秘である。後輩達には堅く口止めしてあるのだ。

飽くまでも、私的組織だが、警察にはチエを通じて協力している。可能なのは、情報提供だけである。カムフラージュの為、タウン誌『知ってはる?』を発行している。

戸部(神代)チエ・・・京都府警警視。東山署勤務だが、京都市各所に出没する。戸部は亡き母の旧姓、詰まり、通称。

烏丸まりこ・・・Geikoネットワークの事務員。

貴志塔子・・・代子がプログラマー時代、組んでいた相棒。ネットワークシステムは、2人の合作だ。

西川稲子・・・代子と塔子の、プログラマー修行時代の仲間。

 

船越栄二・・・東山署副署長。

金城神父・・・チエが日曜学校に通っていた頃の神父。

 

金平桂子・・・京都市市長。

茂原太助・・・東山署生活安全課警部補。

小雪(嵐山小雪)・・・チエの小学校同級生。舞妓を経て、芸者をしている。

中町巡査・・・茂原の交代要員だったが、そのまま勤務している巡査。

 

 

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※京都には、京都伝統伎芸振興財団(通称『おおきに財団』)と京都花街組合連合会という組織が円山公園の近くにある。両者は、芸者さん舞妓さんの『芸術振興』の為にある。オフィシャルサイトも存在する。

現在、京都花街組合連合会に加盟している花街として、祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東の5つの花街があり、総称して五花街と呼んでいる。 鴨川の東側、四条通の南側から五条通までの花街。

※この物語に登場する『芸者ネットワーク(本作からGeikoネットワーク)』とは、架空の組織であり、外国人観光客急増に伴って犯罪が増加、自衛の為に立ち上げた、情報組織である。

会社名は『スポンサー』の一人、橘吉右衛門が命名した。

リーダーは、『代表』と呼ばれる、芸者経験のある、元プログラマーの通称島代子(しまたいこ)である。本部の場所は、小雪しか知らないが、『中継所』と呼ばれる拠点が数十カ所あり、商店や寺社と常に情報交換している。

 

1月13日。午前9時。Geikoネットワーク。

「おはようございます。」

金平市長が入って来た。

「市長。成人式、お疲れ様です。」と、稲子が対応した。

「今は、『青年の集い』やけどね。代子さんは?」

事情を聞き、市長は帰って行った。

午後2時。塔子が代子と一緒に出勤した。

「社長。今、『西陣タオル』さんから、文芸会館の講演を邪魔してやる、とアメリカさんが言うてたって言って来ました。若社長さんは英語、出来るんです。」と、稲子が言った。

「文芸会館、って文化芸術会館?いつ?」代子の問いに、「今日です。」と稲子は答えた。

代子は躊躇なく、東山署のホットラインの受話器を取り、スピーカーをオンにした。

電話に出たのは、副署長の船越だ。

「文化芸術会館ですか。了解しました。」

 

午後4時。府立文化芸術会館。

金城神父の講演が行われていた。

金城神父は、普段は信者を待っている立場だが、チエが京都大学卒業であることから、週一回、宗教学の講義を行っている。

一般的な宗教観や歴史を語る講演だが、実は京都大学の学生の『補習』にもなっている。

無論、入場料は無料である。

 

突然、壇上に上がろうとしたアメリカ人がいた。

"It is not about smearing Christianity or proselytizing it." (キリスト教を汚す訳でも布教するわけでもない。)

 

金城神父は、ただ頷くだけだった。

茂原と中町がアメリカ人が逮捕連行して行った。

チエは、「先生。続けて下さい。」と言い、頭を下げて去った。

「えー、ハプニングがありましたが・・・。」と金城神父は何食わぬ顔で講演を続けた。

 

午後4時半。Geikoネットワーク。

東山署に行っている、小雪から代子のスマホに電話があった。

代子は、スピーカーをオンにした。

「ねえさん、ありがとう。今、チエちゃんが取り調べ終ったとこ。例のイカサマガイド誌持ってて、『聖職が金儲けしている』って信じていたらしいの、あの観光客。」

「ほんまに?迷惑な雑誌やなあ。ありがとう、小雪ちゃん。」

「日本に、京都に来たこともなくて、噂や妄想で書く。アメリカも日本もオールドメデイアはアカンな。」と烏丸が言い、「まりちゃん言う様になったなあ。」と、塔子が褒めた。

いつまで、こういう景色かな、と思いながら、代子は書類の整理に取りかかった。

 

―完―

 

 

 

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