黒澤陣、名探偵コナンに登場する黒の組織の幹部、ジンの本名。
もの凄く名探偵コナンに詳しい訳ではないが、主人公に毒薬飲ませたのがジンだということぐらいは知っている俺が、何故か生まれ変わったら黒澤陣になっていたことには驚いた。
生まれて育ち、ちゃんと手が動かせるようになると、幼い頃から銃の扱い方を両親から叩き込まれるあたり、どう考えてもこの家庭は、まともな家庭という訳ではないらしい。
手先がかなり器用なおかげで部品からでも素早く銃を組み立てられるようになったが、それからは銃撃で的当てをするように言われ、ひたすら銃を撃つ日々。
それなり才能があったのか銃の腕前が上がった俺は、狙いを外すようなことは無い。
更にはリボルバーを使った早撃ちにも適性があったようで、素早く抜いた銃で的を瞬時に撃ち抜くこともできるようになった俺。
左利きではあるが両手が使えるように矯正も行い、今では両利きとなった俺は、どちらの手で引き金を弾いても狙った場所を撃ち抜ける。
ある程度身体が大きくなってきたところで、父親から格闘術を学ぶことになったが、此方は銃よりも才能があって、父親の動きを見ただけで容易く真似ることが可能だった。
荒事に才能がある子に喜んでいた今生の俺の両親は、まともな親ではないことは確かだ。
そんな両親が死んだのは俺が14歳の時で、敵対組織との抗争で死ぬことになった両親は、何らかの組織に所属していたらしい。
両親が死亡したことを教えてくれたのはピスコと名乗った男性であり、死んだ両親が同じ組織に所属していたことだけ明かす。
それからピスコは「これからきみはどうするのかな?組織に所属するなら口添えはするが」と俺に聞いてきた。
「いや、俺は自由に生きるさ」
「そうかね、それは残念だ。きみは優秀だと、ご両親から聞いていたんだが」
組織への加入を断った俺に、とても残念そうな顔でそう言いながら、素早く懐に手を入れて銃を取り出そうとしたピスコ。
明らかに此方を始末しようとしている相手に容赦をしてやる必要はなく、ピスコが此方に銃を向ける前に構えたシングルアクションのリボルバーで行った早撃ち。
0.1秒よりも早く行われた早撃ちにより、放たれたリボルバーの弾丸はピスコの銃を弾き飛ばした。
「両親が死んだことを教えてくれたのには感謝してるんでな。あんたの眉間を狙わなかったのは、その礼だ。次に会った時、俺にまた銃を向けるなら、その時は容赦はしない」
「肝に命じておこう。きみと再び出会わないことを願っている」
その後、両親が残した金銭と着替えに銃と銃弾を持って家を出た俺は、荒事に巻き込まれることになったりもしたが、鍛えられた銃の腕と格闘術で切り抜けていく。
そんな日々を過ごしていくと俺が16歳になった頃に、路地裏に倒れている男性を発見したが、どう見てもルパン三世にしか見えない相手に、そう言えばルパンとコナンはクロスしてたりもしたな、と思い出した俺。
ルパン三世らしき相手は一応怪我人ではあるので、治療はした方が良さそうだと考えて、背負って移動した俺は隠れ家で治療を行っておいた。
治療が終わってもまだ立てるような状態ではないルパン三世に、食事も提供したりしていると、ルパン三世を狙っている相手に襲撃されることもあったが、早撃ちと格闘術で、やたらと強い敵を倒したりしていると復活したルパン三世。
「助けてくれた子ども相手に、なーんのお礼もしないで立ち去るのは、よくないと思うのよおじさんは」
「礼が欲しくて助けた訳じゃないけどな」
「それにおじさんを守る為に戦ってくれた子どもに何の礼もしないなんて、じいさんにも顔向けできないことする訳にはいかないのよ」
ふざけた口調でも真剣な顔をしたルパン三世は、俺にお礼がしたいと本気で思っているみたいだ。
ルパン三世を前に、改めて何か欲しいものがあったか考えてみると、思い付いたのは1つ。
「ここを離れて日本で暮らしてみたいとは思っているが、それは難しいかな?」
「ヌフフ、おじさんに、全部まーかせなさい」
笑顔のルパン三世が俺の隠れ家を飛び出していってから1時間後、戻ってきたルパン三世は俺の本名を使った偽造パスポートと、日本の国籍に加えて、住む家や必要なものまでを用意してくれているようだった。
「ついでにおじさんが日本まで送り届けちゃうサービス付きなのよん」
片目を閉じてウインクしながら言ってきたルパン三世に連れられて、こっそりと日本に密入国した俺は、ルパン三世に感謝を伝え、その日から日本での生活を始めていく。
しばらくは働かなくても生きていける程度に用意されていた日本円。
今の俺は高校生くらいの年齢ではあるが、特に高校に通うことなく日々を過ごしていた。
ある日立ち寄った本屋で漫画などを探してみたが、流石に前世で人気だった漫画などは存在していないようである。
シャーロック・ホームズや推理小説関係以外は基本的にパチモノみたいなのしか存在していないこの世界は、漫画やアニメに特撮好きには厳しい世界かもしれない。
前世の友人だったら、仮面ヤイバーが有って仮面ライダーが無いのは何でだオラァ、とキレるのは間違いないし、俺は俺でジャンプ系列の漫画が無いのが悲しいところだな。
この世界にはドラゴンボールとジョジョの奇妙な冒険が無く、スラムダンクにキン肉マンも北斗の拳も無ければ、るろうに剣心や幽☆遊☆白書に遊戯王も無いんだ。
それはそれで悲しいことだと思った俺は、この世界では自分だけが知っている様々な漫画を、かなり手先が器用なこの身体なら再現できるのではないかと考えた。
試しに必要なものを買い込んでドラゴンボールを描いてみたが、確かにあの絵柄を再現出来ていて、懐かしさに思わず涙が溢れそうになったが、なんとか堪える。
しばらく家にこもって描いていったドラゴンボールを、ジョジョの奇妙な冒険の岸辺露伴並みの速度で描き上げていき、完成したドラゴンボール1巻。
1巻の大きさは週刊少年誌くらいで、話数はそれなりに多い。
ドラゴンボールは俺のオリジナルという訳ではないので、特に出版社に公開したりはしないで、たまに俺が家で読み返す為に作成しただけである。
それから身体が鈍らないように運動する時以外は、再現した前世の漫画を描いていく日々を過ごしていると、ガラの悪い高校生達に絡まれていた中学生の少年を発見。
見てみぬふりをするのも良くないかと考えて、ガラの悪い高校生達の1人が、中学生目掛けて振るう拳を割り込んで受け止め、軽く拳を握ってやると悲鳴を上げた高校生。
握った手を離し、目付きが悪く体格がいい銀髪の男である俺が殺気を込めて睨むと、怯えて逃げていった高校生達。
残っていた中学生は俺を外国人だと思って拙い英語で話しかけてきたが「日本語で大丈夫だ」と伝えると「ちゃんとお礼言いたかったから、日本語通じるなら良かった」と安心した顔で言ってきた中学生の少年。
「オレは萩原研二って言うけど銀髪のお兄さんは何て名前?」
「黒澤陣だ」
「その銀髪と顔で日本の人とか驚きなんだけど!」
そんな会話を萩原としていると此方に向かって慌てた様子で走ってきた男子中学生が1名。
「萩原、無事か!?」
「じんぺーちゃん、うん無事だよ。この人が助けてくれた」
萩原にじんぺーちゃんと呼ばれていた中学生は、松田陣平という名前であり、萩原とは長い付き合いの親友であるそうだ。
その日から萩原と松田と出会うことが増えて、俺の家に来ることもあった2人。
銃や銃弾などは隠し部屋にしまってあるので、2人に見付かることは無かったが、描いて完成させていた漫画本などを発見されて、漫画家だったのかと勘違いされたりもした。
様々なジャンプ系の漫画を読んでいた萩原と松田の2人は、夢中になって漫画を読んでいたが、名作のジャンプ漫画達をかなり気に入っていたみたいだ。
バトル系の名作ジャンプ漫画は、まだまだ少年である萩原と松田の心を掴んだようである。
一応完全なオリジナルとは言えないが、名探偵コナンの絵柄で描いたシャーロック・ホームズの漫画を試しに出版社に送ってみると、連載が決まり、漫画家として働くことになった俺。
ペンネームとして黒山剛昌という名前を使い、描いていったシャーロック・ホームズの漫画は、かなり人気になったようで、アニメ化も決まったらしい。
忙しい日々を過ごしていると、時は過ぎ去っていき、俺の家を溜まり場にしていた萩原と松田も高校生となって、将来の進路を考えることになった2人。
しっかりと考えて警察になることを目指すと決めた2人は、警察学校に行くことになるようだ。
「まあ、流石に両さんみたいな警官にはならないけどね」
「あんな警官が現実にいたらヤベェだろ研二」
こち亀を読みながら言う萩原に、遊戯王を読んでいた松田が呆れた顔で言っていた。
その後、俺が描いたシャーロック・ホームズの漫画のアニメが映画になったりもして、更に月日が経過すると警察学校を卒業した萩原と松田が友人達を連れて俺の家までやって来る。
「また知らない漫画増えてる!」と驚く萩原。
「またしばらく陣さんの家に通わねぇとな」と喜ぶ松田。
俺の家にある漫画の数々を夢中になって読んでいた萩原と松田の友人達。
諸伏と降谷に伊達という萩原と松田が警察学校で仲良くなった3人。
それぞれがそれぞれの好みの漫画を読んでいた全員が、楽しそうに漫画を読んでいたので、後で感想を聞いてみるとしよう。
ちなみに黒の組織は、この転生ジンを狙っていたので、ルパン三世とその一味に壊滅させられていたりします
その為、諸伏と降谷が黒の組織に潜入することが無くなりました