戦慄の楽譜の犯人は譜和匠で、爆弾を使うことが多い犯人でもあり、狙撃なども行ったりするアグレッシブな犯人だが、この世界では戦慄の楽譜の事件は起こることはないと断言できる。
3年前俺は、漫画の取材で向かった場所の近くで、酔っ払って崖から落ちそうになっていた男性を助けたことがあった。
助けた男性の名は相馬光であり、戦慄の楽譜の犯人の息子で、譜和匠が事件を起こした理由は、相馬光が無理矢理飲まされた酒で前後不覚となり崖から転落死したからだった筈だ。
相馬光が死亡するようなことがなく現在も生きている為、戦慄の楽譜の事件が起こることはないだろう。
ちなみに秋庭怜子の婚約者でもあった相馬光は秋庭怜子と結婚し、秋庭怜子は相馬怜子となっていたみたいだ。
戦慄の楽譜の次は漆黒の追跡者で、黒の組織が登場する話ではあるが、既に黒の組織は壊滅しているな。
黒の組織のジンだった筈の俺が組織に所属しておらず、ルパン三世によって黒の組織が壊滅させられたことで、変わったことは沢山ある。
それでも黒の組織の残党が生き残っていれば、何かしらの事件を起こすかもしれない。
警戒は怠らないようにしておくとしよう。
そんなことを考えながら自宅で漫画を描いていき、完結まで描いていったグラップラー刃牙の漫画。
チャンピオンとしての刃牙の戦い、少年だった頃の刃牙の激闘、そしてトーナメントでの兄弟対決。
それら全てを描いて、書庫の本棚にグラップラー刃牙を全巻収め、次は続編のバキを描いていく。
最凶死刑囚達との戦い、中国での海王が海皇となる為のトーナメントから連合軍との勝負、アライJr.との戦いと、再び父親と戦うことを決めた刃牙。
全てを描き、バキも全巻描き終えたら、次は範馬刃牙を描いていき、刃牙と勇次郎の親子喧嘩を最後まで描いていった。
ちょうど刃牙シリーズを範馬刃牙まで描き終えて、書庫の本棚にしまったところで、俺の自宅までやって来た松田。
「新しい漫画が増えてるな。どんな漫画なんだ?」
そう聞いてきた松田に「格闘漫画だな。シリーズ物で1番最初がグラップラー刃牙、次がバキで、その次が範馬刃牙だ。まあ、詳しくは語らないから、気になるなら読んでみるといい」と答えておいた。
格闘漫画ということで興味を持ったようで、松田はグラップラー刃牙を手に取り、漫画を開く。
「夜叉猿とかヤベェな」
そんなことを言いながらも集中して熟読していたグラップラー刃牙。
「兄弟対決は刃牙の勝ちか」
それからグラップラー刃牙を読み終わり、続けてバキを読んでいた松田は「なんか絵柄が変わったな」と言いながらも夢中で読み耽っていた。
「毒が裏返って、飯食べてから14キロの砂糖水飲んだらムキムキになるのは、どういうことなんだろうな」
不思議そうに首を傾げて言っていたがバキも読み終わって、最後に範馬刃牙に手を伸ばした松田は「また絵柄が」と言いながらも範馬刃牙を読み進めていき、地上最強の親子喧嘩を最後まで見届けてから、範馬刃牙の最終巻を閉じる。
「どうだった?」
「面白かったな。シリーズが進む事に勇次郎がどんどん丸くなっているように感じたが」
「確かにそれはそうかもしれない。グラップラー刃牙の頃の勇次郎は危険な人だったが、範馬刃牙の頃になるとお父さんって感じになっていたからな」
「確かに範馬刃牙だとエア味噌汁作ってくれるくらいには優しさがあったよな」
グラップラー刃牙シリーズの話題で松田と盛り上がっていると、スマートフォンを取り出した松田は「悪いな陣さん、急ぎの仕事が入ったみたいだ」と言って俺の家を出ていった。
この世界は短期間で技術が格段に進歩していて、いつの間にか携帯からスマホに代わっていたりもする連絡手段。
スマートフォンが世間に普及して、持っているのが当たり前になってから、作中にスマホが登場する漫画を描くと決めていたが、そろそろ描いても問題無さそうだ。
という訳で、描きたくてたまらなかった僕のヒーローアカデミアがようやく描けると頑張って描いていった結果、完成した僕のヒーローアカデミア全巻。
ようやくヒロアカを書庫の本棚に収めることができると、喜んで本棚に入れていったヒロアカとおまけのファンブック達。
後数日生まれ変わるのが遅ければ、ヒロアカのファイナルファンブックも収めることができたんだがな、と残念に思う気持ちもあったが、最終巻まで揃ったヒロアカには満足している。
次は暗殺教室でも描いてみようか、と考えていると俺の自宅のインターホンが鳴った。
玄関にまで歩いていく最中、外から感じた殺気。
玄関越しに感じる殺気は強く、扉の先に居る相手は俺を殺すつもりなのは確実だろう。
玄関を開いた瞬間に銃を向けられて発砲される可能性が高そうだが、開けずに警察を呼べば、その警察が殺されてしまいそうだ。
俺が対処した方が、余計な犠牲者が出なくて済みそうだと考えて開けることにした玄関。
投擲用にペンを構えながら、玄関を開き、予想通りに拳銃を持っていた相手が此方に銃口を向けるよりも素早く、投擲したペン。
襲撃者が銃を持っている手の人指し指に突き刺さったペンにより、引き金を弾けなくなった片手から、もう片方の手に銃を持ち換えようとした瞬間を狙い、もう1本ペンを投擲し、弾き飛ばした拳銃。
襲撃者が銃に手を伸ばすよりも俺が間合いを詰める方が早く、放った拳を襲撃者の鳩尾にめり込ませ、追撃のアッパーカットを襲撃者の顎に叩き込んだ。
俺が繰り出した2発の打撃で完全に意識が飛んでいた襲撃者の外見をしっかりと確認してみたが、金髪でコーンロウの髪型にサングラスを着用した襲撃者は黒鉄の魚影に登場したピンガで間違いない。
ちょいとピンガの出番が早すぎるような気がするが、黒の組織の残党が生き残っていることが確かだと理解できた。
ヒットマン紛いのことを行ってきたピンガの目的は、俺の殺害だったんだろうが、それは失敗に終わったな。
とりあえずピンガの身体を縛って、動けなくしてから処理しておくとしよう。
ピンガがどの程度まで俺について知っているかは分からないが、生かしておいても良いことはない。
それからピンガの処理も完了し、痕跡も全て消し去ることに成功。
さよならピンガってところだな。
その後は特に何事もなかったが、漆黒の追跡者の事件で登場するアイリッシュが生き残っていれば、何かしらの行動を起こすのではないかと考えていた。
しかし今回の事件でアイリッシュが現れることはなかったようだ。
アイリッシュは組織の壊滅で死亡したのか、目的があって潜伏中なのか、どちらであるかは分からないが、油断は大敵だな。
何があっても対応できるような心構えをしておいた方がいいかもしれない。
劇場版は、やることが派手だから、何が起こってもおかしくはない筈だ。
黒の組織が関係ない事件は、特に介入しなければ起こるとするなら、劇場版の数だけ大きな事件が起こる可能性がある。
そして黒の組織が関わる事件は、何が起こるかは予想できない。
今回のピンガの襲撃は原作にはない出来事だった。
黒の組織は壊滅していても、残った残党が事件を起こすこともあるだろう。
何も聞かずに手早く処理したのでピンガが俺を狙った理由までは分からないが、何らかの目的があって俺を狙ったのは間違いなさそうだ。
まあ、黒の組織に所属していた程度の敵なら問題なく倒せるが、ルパン三世に出てくるようなやたらと強い敵を雇ったりされると面倒ではあるな。
ルパン三世とその一味と戦える敵は、コナンの犯人とは比べ物にならないほど強い。
怪我したルパン三世を保護していた時に何度か戦ったことがあるが、段違いの強さを持っていた。
そんな強敵と遭遇する可能性があるとするなら、念の為に投擲用のペン以外にも、持ち歩けそうな装備を阿笠博士に頼んで開発して貰うのも悪くはないな。