怪盗キッドへと叩き付けられた挑戦状、それに対して予告状で応えた怪盗キッド。
それから数日後、天空の難破船の事件は工藤新一によって解決されたようで、赤いシャムネコを名乗っていた傭兵達も全員捕まったようだ。
俺は俺で阿笠博士に装備の開発資金を提供し、防具となるプロテクターを用意してもらったが、阿笠博士が開発してくれた衣服の下に仕込めるプロテクターはかなり頑丈で、対物ライフルでも貫通できない強度がある。
間違いなく天才な阿笠博士が技術を悪用するようなことがないのは、阿笠博士が善良な人だからかもしれない。
阿笠博士に用意してもらったプロテクターを受け取ってから数日後、俺宛に荷物が届く。
荷物の中身は黒い鉄扇で、誰から贈られた物かと思っていると、添えられていた手紙の表面には「おじさんからのプレゼント」と書かれていた。
どうやらこの総金属製の鉄扇はルパン三世からの贈り物であるようだが、加工して色を黒に変えたオリジナルメタルとやらが使われているようである。
確かオリジナルメタルはルパン三世のアニメ、天使の策略、夢のカケラは殺しの香りに登場した金属で、斬鉄剣が刃こぼれする強度を持つ金属だった筈だ。
加工するには特殊な薬品が必要なオリジナルメタルはピンク色だったような気がするが、目立たない黒色に変えてくれたのはありがたいところだな。
何故ルパン三世が俺に鉄扇を贈ったかも、手紙には書かれていたが、最近事件が多発している物騒な日本で、普段から持ち歩けそうな自衛手段を渡しておこうと考えたからみたいだ。
ルパン三世から心配されるくらいに事件が多発している日本では、これからも事件が起こるだろう。
コナンの劇場版の数だけ事件が起こる可能性があるので、なんとも言えない。
阿笠博士に用意してもらったプロテクターとルパン三世から贈られたオリジナルメタル製の鉄扇で、投擲用のペン以外の装備がそれなりに充実したことは確かだ。
それはそれとして天空の難破船の次は、沈黙の15分であり、ダムが爆破される危険な事件で、コナンが雪崩に巻き込まれて死にかける話でもある。
工藤新一は江戸川コナンになっていないが、沈黙の15分の事件が原作通りに進めば工藤新一が雪崩に巻き込まれる可能性は高い。
万が一、雪崩に巻き込まれた工藤新一が死んでしまった場合、これからも間違いなく起こる様々な事件が解決されない可能性も出てくるので、工藤新一に死んでもらっては困るな。
という訳で、新潟県北ノ沢村に向かい、沈黙の15分の犯人である山尾渓介が北ノ沢ダムに仕掛けていた爆弾を手早く解体していくことにした。
指紋などの痕跡を残すことなく解体した爆弾の数々を集めて隠しておき、工藤新一による推理で犯人だと指名された山尾渓介が警察に捕まってから、なに食わぬ顔で爆弾を発見したと警察に伝えて、爆弾を回収してもらう。
とりあえずこれでダムが爆破されることは避けられたので、工藤新一が無茶なことをする必要もなくなった。
沈黙の15分も無事に終わり、次は11人目のストライカーだが、犯人が事件を起こした理由である本浦知史という少年は無事に病院に運ばれて生きている為、事件自体が起こらないかもしれない。
3ヶ月前にサッカーの観戦をしていた時、近くに居た老人の体調が悪そうだった為、急いでタクシーを呼んで近場の病院まで連れていったことがあった。
11人目のストライカーで犯人が事件を起こした理由は本浦知史を乗せた救急車を、体調が悪い老人の為に呼ばれた救急車だと勘違いした毛利小五郎達が引き留めていたことで、病院への搬送が間に合わず本浦知史が死亡したことだった筈だ。
俺が老人をタクシーで病院まで連れていったことで、本浦知史を乗せた救急車を止めようとする者が居なくなり、今も本浦知史は生きている。
その為、11人目のストライカーの事件は起こることはなかった。
11人目のストライカーの次は、絶海の探偵だが、毛利蘭でも勝てない格闘能力を持つ工作員Xが登場する話でもあるな。
工作員のXに毛利蘭が海に落とされてしまう話でもあり、毛利蘭に命の危険がある話だ。
近々舞鶴湾で海上自衛隊によるイージス護衛艦「ほたか」の体験航海が開催されるが、絶海の探偵の舞台であるそれに俺も参加してみるとしよう。
参加者の中には工藤新一や毛利蘭に毛利小五郎の姿もあり、雨宮勇気とその父親を名乗る工作員Xの姿もあった。
対潜戦闘訓練が終了する直前に未確認物体が艦へ接近し、物々しい空気に包まれた艦内。
航海長は訓練だと誤魔化していたが、工藤新一は疑念を抱いているようだった。
それから絶海の探偵の事件が始まっていき、事件の調査を進める工藤新一と共に行動をしている毛利蘭。
俺は俺で雨宮勇気の父親のフリをしている工作員Xを、偶然を装って監視していたが、そんな俺が邪魔になったのか本性を現した工作員Xが襲いかかってきた。
犯罪組織ではなく某国の工作員であるXは、格闘能力がそれなりに高く、素手の戦いなら間違いなくピンガよりも強い。
まあ、素手の戦いで毛利蘭に不覚を取るようなピンガよりも、格闘戦で毛利蘭に勝利した工作員Xの方が強いのは当然だろう。
甲板を踏み締めて間合いを詰め、拳による打撃を連続で繰り出す工作員Xの攻撃を捌いて、受け流しながら掴んだXの腕を捻り上げて投げを放ち、甲板へと叩き付けたXの身体。
甲板へと投げられても立ち上がろうとしたXの顔面へと容赦なく追撃の蹴りを叩き込み、四肢の関節を外してから気絶させておく。
その後、雨宮勇気という少年を保護しておき、少年の証言と工藤新一の推理によって正体を明かされた工作員Xは、警察に逮捕された。
雨宮勇気の本物の父親も無事に保護され、工作員Xの仲間も逮捕されて終わった絶海の探偵の事件。
毛利蘭が工作員Xによって海に落とされるような事態を避けられたのは悪いことではないな。
劇場版だとコナンか毛利蘭がピンチになることが多いが、それを避けることができるなら避けておきたいところだ。
そんなことを考えながらナイトバロンの漫画を描き上げて、米花町に漫画の原稿を渡しにいった帰り道、工藤新一と毛利蘭がデートしている場面を目撃。
2人の関係は幼馴染みから恋人にまで発展しているようで、手を繋ぎながら楽しげに歩いていた。
工藤新一と毛利蘭は、ある程度親密になっているみたいだな、と思いながら遠目で2人の様子を見ている俺と同じく、2人を見守っている女性を発見。
大切な宝物を見るような目で工藤新一と毛利蘭のカップルを見ている女性は間違いなく変装をしているが、悪意は欠片もない。
女性の変装は見事な変装ではあるが、変装中の女性が工藤新一の母親なら、あのカップルに突撃していくだろうな。
変装が得意な女性で、工藤新一と毛利蘭を大切にしている相手となると、どう考えても約1名の女性が思い浮かぶ。
それは黒の組織壊滅と同時に死亡したと見なされていた幹部の女性。
表の世界では大女優の顔を持つ女性の死を、裏を知らない面々は惜しんでいた。
そんな女性が実は死を偽装して生き延びていて、変装をした状態で日本で隠れて生きていたとするなら、女性にとって特別な存在を見てみたいと思っても不思議ではない。
俺の予想は当たっていそうな気がするが、工藤新一と毛利蘭に、あの女性が危害を加えるつもりはなさそうだ。
死を偽装してまで隠れ潜んで生きている相手を、態々殺しにいくほど俺は暇ではない。
今回は見なかったことにしておくとしよう。