生まれ変わったら黒澤陣   作:色々残念

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思い付いたので更新します
本日2回目の更新になりますね


おじさんを見逃す転生ジン

新型仮想体感ゲーム機コクーンの完成披露パーティーが開かれ、それに黒山剛昌として招待されることになった俺。

 

他にも工藤新一と付き添いの毛利蘭などが呼ばれていたパーティーは盛り上がっており、親のしつけがなっていない子ども達がパーティー会場でサッカーまでやっていたりもした。

 

今回コクーンで遊べるゲームのシナリオを担当した工藤優作もパーティー会場に来ており、工藤新一と毛利蘭のカップルをからかっているようである。

 

まあ、毒を飲まされることがなかった工藤新一がコナンにならなかったので、工藤新一と毛利蘭のカップルは、少しは関係が進展している筈だ。

 

コクーンとは日本のゲームメーカーとシンドラーカンパニーが共同開発した体感シミュレーションゲームを楽しめる新型のゲーム機。

 

繭の形をしたカプセルに入って催眠状態となり、音声認識システムを持つゲームと対話しながらバーチャルリアリティの世界を楽しむことが可能なゲーム機こそがコクーンであり、コクーンの登場によりゲーム業界の地図が一挙に書き換えられるとまで言われているらしい。

 

ゲーム中は人間の五感に働きかけ、痛みなどの感覚が全てプレイヤーに伝わるようになっているみたいだが、電気的に中枢神経に働きかけるシステムが導入されているため人体に害はないとされているとのことだ。

 

前世の世界でもバーチャルリアリティを楽しめるゲーム機は存在していなかったが、やはりこの世界は技術の進歩が早い。

 

それはそれとしてパーティー会場でサッカーやってる子ども達は、間違いなくクソガキと言われても仕方がない行いをしていることに気付いていないようだな。

 

こんなのが日本の未来を担うとなるとすれば、人工知能のノアズ・アークじゃなくてもリセットしようと考えてもおかしくはない。

 

そんなことを思っていると大人しい子どもを連れた男性を発見したが、男性と子どもは変装をしており、本来の顔を隠している。

 

子どもの方は誰かは分からないが、男性の方は誰なのかが直ぐに分かった俺は「何しに来たんだ?おじさん」と変装しているルパン三世に話しかけてみた。

 

「あらら、陣ちゃんには分かっちゃった?おじさんも腕が鈍ったかな」

 

「覚えがある気配がしたから分かっただけだな。殆ど勘みたいなもんだぞ」

 

「勘が鋭いのねえ陣ちゃんは」

 

「それで、天下の大泥棒のおじさんは、子ども連れで何をする気なんだ?」

 

「おじさんは、2年前から預かってた子を本当の親に帰しに来たのよ」

 

「嘘は言っていないみたいだが、それだけじゃなさそうだな」

 

「まあ、ちょいと落とし前をつけなきゃならねぇ相手がいるのさ」

 

真剣な声色で言ったルパン三世の目線はシンドラーカンパニー社長、トマス・シンドラーに向いており、ルパン三世が狙っている相手はトマス・シンドラーで間違いないようだ。

 

トマス・シンドラーがどうなろうが、正直どうでもいいので、特に俺はルパン三世を止めたりはしない。

 

「俺は知り合いのおじさんに話しかけただけで、何も知らなかったということにしておくさ」

 

それだけ言ってルパン三世に背を向けた俺は、ゲームの開発者である樫村忠彬を探す。

 

しばらく歩いて発見した樫村忠彬に向けられている強い殺気は、明らかにトマス・シンドラーから発せられていたが、樫村忠彬は気付いていない。

 

このままだとトマス・シンドラーに樫村忠彬は殺されてしまうだろう。

 

軽く手招きして呼び寄せた樫村忠彬の耳元で「トマス・シンドラー社長が貴方に殺気を向けていたから、1人になるのは避けた方がいい」と囁くような声で忠告しておき「誰か信頼出来る人と一緒に居た方がいいが、誰も居ないなら俺が近くに居よう」と提案。

 

樫村忠彬の近くを離れない俺に苛立っていたトマス・シンドラー社長。

 

俺と樫村忠彬を離そうと「シンドラー社の者だけにしか話せない重要で内密な話が」と言うが「そうか、それは後にしてほしい」と俺が言い放つと更に苛立ち始めたジャック・ザ・リッパーの子孫。

 

トマス・シンドラーはジャック・ザ・リッパーの子孫であることを隠しているが、それを知った相手を始末しようとしてきたことは確かだ。

 

そんな状態で巻き起こったノアズ・アークによるコクーンの乗っ取りにより、子ども達がゲーム内に捕らわれてしまった。

 

ゲームに参加した50人の子ども達の中には工藤新一と毛利蘭も含まれていたが、あの2人が居るならゲームはクリア出来るかもしれないな。

 

人工知能ノアズ・アークは2年前に行方不明になったヒロキ・サワダという少年が開発した成長する人工知能であるらしく、行方不明になる前のヒロキによって一般の電話回線へと解き放たれていたようだ。

 

ノアズ・アークに乗っ取られたゲームが進行していく最中、ルパン三世が動き出す。

 

母が亡くなった為、トマス・シンドラーの養子となったヒロキ・サワダだったが、事故とされていたヒロキの母の死の真相は、トマス・シンドラーによる殺害だと語ったルパン三世。

 

「デタラメだ!」と喚くトマス・シンドラーに対して突き付けていく証拠の数々、決定的な場面が撮影された写真や、殺害に使った道具などを手品のように取り出してルパン三世は見せ付ける。

 

時効がまだ成立していない殺人の罪を明かされていくトマス・シンドラーへと追い討ちをかけるように、トマス・シンドラーがジャック・ザ・リッパーの子孫であることもルパン三世によって明かされた。

 

絶望で膝をついたトマス・シンドラーを、ルパン三世によって呼び出されていた警察が連行していく。

 

どうやらルパン三世はサワダ・ヒロキの母親と知り合いだったようで、彼女の死の真相を明かす為に証拠を集めていたらしい。

 

そしてルパン三世と一緒に居た変装した子どもの正体は、ヒロキ・サワダ少年であり、行方不明とされていた2年前からルパン三世に保護され、変装してルパン三世の知り合いの家に匿われていたとのことだ。

 

樫村忠彬は実の息子であるヒロキを抱きしめて「ヒロキが無事で良かった」と涙を流す。

 

ノアズ・アークに乗っ取られたゲームは、工藤新一によってクリアされ、無事に解放された子ども達。

 

ちなみにノアズ・アークはヒロキ少年が生きていることを知っており、今回の件はシンドラーカンパニーへの嫌がらせも兼ねていたようである。

 

「んじゃ、おじさんは帰るとするかねえ」

 

樫村忠彬とヒロキ少年を見て、笑みを浮かべたルパン三世は去っていった。

 

この世界のベイカー街の亡霊では、死んでいた相手が生きており、トマス・シンドラーだけが破滅したのは、悪いことではないな。

 

今回は工藤新一よりもルパン三世が活躍していたが、流石はルパン三世といったところだろう。

 

そんなことがあり、社長の不祥事でシンドラーカンパニーが潰れることになったりもして、ゲーム機であるコクーンの一般公開もなくなったそうだ。

 

外部からハッキングされて乗っ取られる危険性があるゲーム機には安全は保証されていない。

 

遊ぶのが命がけになってしまう可能性があるようなゲーム機で、遊びたいと思う奴は居ないということでもあるな。

 

技術の進歩は素晴らしいが、それを悪用するものも必ず出てくる。

 

今回はノアズ・アークという悪意があまりない人工知能だったからいいが、悪意のある人間が行っていれば本当に死人が出ていてもおかしくはなかった。

 

危険性があるなら、コクーンに使われた技術は、一般に公開してはいけない技術でもある筈だ。

 

潰れたシンドラーカンパニーの社員が技術を悪用しないことを願っておくとしよう。

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