「……私のミスでした」
気が付くと俺は電車に座っていた。確かここに来る前は…そうだ殺し屋と真逆の生き方を考えていたはずだ。
「私の選択、そしてそれによって招かれたこの全ての状況」
目の前の席には青い髪そしてかなり出血をしている女性がいた。
「その傷、大丈夫かい?」俺は彼女を止血しようと思ったが、体が動かなかった。
「結局、この結果に辿り着いて初めて、あなたの方が正しかったことを悟るだなんて……
「……今更図々しいですが、お願いします。鶴城先生」
…驚いた。彼女は裏社会に繋がりがあるのか?いや、だったら何故俺とここまで冷静に話している?
「きっと私の話は忘れてしまうでしょうが、それでも構いません」
「何も思い出せなくても、おそらくあなたは同じ状況で、同じ選択をされるでしょうから……」
「ですから……大事なのは経験ではなく、選択」
「責任を負う者について、話したことがありましたね」
「あの時の私には分かりませんでしたが……今なら理解できます」
「大人としての、責任と責務。そして、その延長線上にあった、あなたの選択」
「それが意味する心延えも」
「……ですから、先生。私が信じられる大人である、あなたになら、この捻れて歪んだ先の終着点とは、また先の結果を……」
「そこへつながる選択肢は……きっと見つかるはずです。だから先生、どうか…――を…お願いします」
…俺が先生なんてする資格があるのか?だけど、あんなボロボロになってまで頼んできたんだ。それに贖罪の意味を含めて俺みたいにならないように教えるのがいい。
「……フフッ…やっぱり貴方は…――」
なんだ?意識が急に遠のいて……
「先生、起きてください。先生......!先生!」
「…何だい?」次に俺が目を覚ましたのは、どこかのビルの中だった。目の前で声を掛けてきたのはさっきの女性と同じ服をした長い黒髪に尖った耳、そして頭の上に光輪がある女性だった。
「ここは…どこだ?」
「……少々待っていてくださいとは言いましたが……お疲れのようですね。なかなか起きないほど熟睡されるとは」
「…君は?」「私は七神リンと申します、学園都市『キヴォトス』の連邦生徒会所属の幹部です。」
名乗った少女は、キヴォトスについての説明を始める。
ここは数千の学園が集まってできた巨大な学園都市で、この都市の行政を担う中央組織が、連邦生徒会らしい。
「そして、先生には、キヴォトスで先生として働いてもらうことになります。…失礼ですがお名前は?」
「…鶴城史之舞だ。それより、何故俺が先生になったんだ?」「それは……すみません。私も鶴城先生がここに来た経緯を詳しくは知らないのです。全ては連邦生徒会長がお決めになられたことですので」「ここから先は場所を移しましょう。道中お話しますので」「分かった。」…先生か、俺にそんな仕事ができるとは思えない。だが…「何かありましたか?鶴城先生」「…いや、何でもない。」エレベーターに乗りながら考える。…顔は思い出せないけど誰かが俺に託したんだ。その期待には答えるべきだな。
「鶴城先生、つきまし──「ちょっと待って!代行!見つけた、待ってたわよ!連邦生徒会長を呼んできて!」……はぁ」
扉が開くと、ほぼ同時に喧騒の中から一際鼓膜を突くような大きな声が聞こえ、思わず顔を顰め、隣にいたリンは面倒くさいという感情を隠しもせずに溜息をついた。
初投稿です。そしてリアルの都合上更新がとても遅くなります。ご了承ください。