「ふっ、ドラゴンか……確かに最強の種族と言われてはいるな。面白い」
連次は鼻で笑い、遊幾の挑発を真正面から受け止めるようにわずかに顎を上げた。
「俺はカードを1枚セットして」
→[エンドフェイズ]
「ターンエンドだ」
連次 LP:4000、手札:5
①エンシェント・ドラゴン(ATK:1400)
遊幾 LP:4000、手札:4
【ターン2】――連次のターン
→[ドローフェイズ]
「行くぜ、オレのターン」
連次 手札:5→6
→[スタンバイフェイズ]→[メインフェイズ1]
「へへっ、モンスターだけで勝ち残れるほど、このサバイバルが甘くないってことを、あんたに教えてやるぜ。オレは魔法カード《地割れ》を発動。《エンシェント・ドラゴン》を破壊する」
大地が裂け、翼を広げた古代竜が呑み込まれる。
エンシェント・ドラゴン→破壊
「なに⁉︎」
「さらに《レッド・ガジェット》を召喚!」
赤い歯車を背負った機械兵が姿を現す。
「そして《レッド・ガジェット》の効果発動、デッキから《イエロー・ガジェット》を手札に加える」
レッド・ガジェット
【機械族/効果】
①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。デッキから「イエロー・ガジェット」1体を手札に加える。
→[バトルフェイズ]
「先手はもらった! 《レッド・ガジェット》で
「そうはいかないぜ! リバースカードオープン、《戦線復帰》。《エンシェント・ドラゴン》を守備表示で特殊召喚」
淡い光が走り、古代竜が翼を前へ閉じるように畳みながら姿を現した。
戦線復帰
①:自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
「悪いが、誰もモンスターだけで戦うなんて言ってないぜ」
「そいつの守備力は1300か。やるじゃねぇか。まっ、そう簡単にはいかねぇか」
→[メインフェイズ2]
「オレはカードを1枚伏せて」
→[エンドフェイズ]
「ターンエンドだ」
連次 LP:4000、手札:4
②レッド・ガジェット(ATK:1300)
①エンシェント・ドラゴン(DEF:1300)
遊幾 LP:4000、手札:4
【ターン3】――遊幾のターン
→[ドローフェイズ]
「俺のターン」
遊幾 手札: 4→5
→[スタンバイフェイズ]→[メインフェイズ1]
「俺は魔法カード《スタンピング・クラッシュ》発動。このカードは自分フィールドにドラゴン族モンスターがいる時、魔法・罠カード1枚を破壊し、さらに500ダメージを与えることができる。俺はそのセットカードを破壊する」
セットカード→破壊(《
連次 LP:4000→3500
スタンピング・クラッシュ
①:自分フィールドにドラゴン族モンスターが存在する場合、フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊し、そのカードのコントローラーに500ダメージを与える。
(※テキストエラッタ)
炸裂装甲
①:相手モンスターの攻撃宣言時、攻撃モンスター1体を対象として発動できる。その攻撃モンスターを破壊する。
「モンスターを破壊する罠か」
「ちっ」
連次は顔をしかめる。
「俺はさらに《砦を守る翼竜》を召喚。そして《エンシェント・ドラゴン》を攻撃表示に変更!」
砦を守る翼竜
【ドラゴン族/通常】
山の砦を守る竜。天空から急降下して敵を攻撃。
→[バトルフェイズ]
「バトル! 《砦を守る翼竜》で《レッド・ガジェット》に攻撃!」
砦を守る翼竜 ATK:1400 VS ATK:1300 レッド・ガジェット
連次 LP:3500→3400
レッド・ガジェット→戦闘破壊
「続けて《エンシェント・ドラゴン》で
エンシェント・ドラゴン ATK:1400 → 連次 LP:3400
「ぐぅぅっ!」
連次 LP:3400→2000
「《エンシェント・ドラゴン》が直接攻撃によってダメージを与えたことによって、効果発動。レベルを1つ上げ、攻撃力を500アップする」
エンシェント・ドラゴン レベル:4→5
エンシェント・ドラゴン ATK:1400→1900
→[メインフェイズ2]→[エンドフェイズ]
「俺はターンエンドだ」
連次 LP:2000、手札:4
①エンシェント・ドラゴン(ATK:1900)、②砦を守る翼竜(ATK:1400)
遊幾 LP:4000、手札:3
【ターン4】――連次のターン
→[ドローフェイズ]
「オレのターン」
連次 手札:4→5
→[スタンバイフェイズ]→[メインフェイズ1]
「やるじゃないか。でもな、戦況をリードしてるなんて思ったら大間違いだぜ。魔法カード《ブラック・ホール》を発動。フィールドのモンスターをすべて破壊する!」
黒い重力が竜たちを吸い込み、2体のドラゴンが粉砕される。
砦を守る翼竜→破壊
エンシェント・ドラゴン→破壊
ブラック・ホール
①:フィールドのモンスターを全て破壊する。
(制限グレード3)
「なっ……また魔法カードで俺のドラゴンが……!」
「そうさ、戦闘しなくたってモンスターは破壊できる。オレは《イエロー・ガジェット》を召喚」
黄色の機械兵が前線に躍り出る。
「《イエロー・ガジェット》の効果発動。デッキから《グリーン・ガジェット》を手札に加える。さらに永続魔法《機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-》を発動。この効果により、俺のモンスターの攻撃力が500アップする」
イエロー・ガジェット ATK:1200→1700
レッド・ガジェット
【機械族/効果】
①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。デッキから「グリーン・ガジェット」1体を手札に加える。
機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカード名の③の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:フィールドの表側表示モンスターは機械族になる。
②:自分フィールドの機械族モンスターの攻撃力・守備力は500アップし、相手フィールドの機械族モンスターの攻撃力・守備力は500ダウンする。③:墓地のこのカードを除外し、手札を1枚捨てて発動できる。デッキから機械族・地属性モンスター1体を手札に加える。
→[バトルフェイズ]
「フィールドはガラ空きだぜ! 《イエロー・ガジェット》で
イエロー・ガジェット ATK:1700 → 遊幾 LP:4000
「ぐわぁぁぁっ!」
遊幾 LP:4000→2300
→[メインフェイズ2]→[エンドフェイズ]
「これでライフはほぼ並んだな。ターンエンドだ」
連次 LP:2000、手札:3
①イエロー・ガジェット(ATK:1700)、②機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-
遊幾 LP:2300、手札:3
丘の上で風に吹かれながら、健斗は二人のデュエルをじっと見下ろしていた。
「……このデュエル、連次の方に分があるな」
思わず独り言が漏れる。
遊幾はドラゴンを展開し、正面からの打撃で押し切ろうとしている。
だが連次は攻撃に頼らない。魔法や罠で相手のモンスターを処理している。そしてガジェットモンスターには“召喚された時に仲間を呼ぶ能力”がある。連次のモンスターは途切れない。
(こういう消耗戦になると……遊幾の方が不利だ。このままじゃ、押し切られるかもしれない)
そう分析しながらも、健斗はもう一つ、別のことが気になっていた。
(……なんか変だ)
最初に遊幾とデュエルしたときの光景が脳裏に浮かぶ。
(あの時、遊幾は魔法使い族のデッキだったはず。一週間の神社巡りで変わってしまったのか? それに、言葉ではうまく言い表せねぇが、なんとなく雰囲気もあの時とは違う)
「お前……本当に、前にデュエルした時と同じ遊幾なのか?」
小さく呟いたその言葉は、丘の上の風にかき消されていった。
【ターン5】――遊幾のターン
→[ドローフェイズ]
「俺のターン」
遊幾 手札: 3→4
→[スタンバイフェイズ]→[メインフェイズ1]
遊幾は苦しい表情を隠しながら、静かにプレイを続ける。
「モンスターをセット、さらにカードをセット」
→[エンドフェイズ]
「ターンエンド」
連次 LP:2000、手札:3
①イエロー・ガジェット(ATK:1700)、②機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-
遊幾 LP:2300、手札:2
【ターン6】――連次のターン
→[ドローフェイズ]
「オレのターンだ、ドロー」
連次 手札:3→4
→[スタンバイフェイズ]→[メインフェイズ1]
遊幾の慎重な動きを見て、連次は口角をつり上げた。
「そろそろ分かってきたんじゃないか? オレとあんたのデッキ、どっちのデッキが回ってるか。守りを固めてきたようだが、もう遅い!」
そう言って連次は叩きつけるようにカードを発動する。
「魔法カード《シールドクラッシュ》を発動。そのセットモンスターを破壊する」
セットモンスター→破壊(《洞窟に潜む竜》を破壊)
シールドクラッシュ
①:フィールドの守備表示モンスター1体を対象として発動できる。その守備表示モンスターを破壊する。
洞窟に潜む竜
【ドラゴン族/通常】
洞窟に潜む巨大なドラゴン。普段はおとなしいが、怒ると恐ろしい。財宝を守っていると伝えられている。
「くっ……セットしたモンスターまで魔法で……」
遊幾は悔しげに顔をしかめた。
「そして《グリーン・ガジェット》を召喚!」
緑の機械兵が出現する。
グリーン・ガジェット ATK:1400→1900
グリーン・ガジェット
【機械族/効果】
①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。デッキから「レッド・ガジェット」1体を手札に加える。
「効果発動! デッキから《レッド・ガジェット》を手札に加える。さらに魔法カード《アイアンドロー》を発動。カードを2枚ドローする」
連次 手札:2→4
アイアンドロー
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:自分フィールドのモンスターが機械族の効果モンスター2体のみの場合に発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。このカードの発動後、ターン終了時まで自分は1回しかモンスターを特殊召喚できない。
→[バトルフェイズ]
「《イエロー・ガジェット》で
「ぐわぁぁぁぁ!」
遊幾 LP:2300→600
「とどめだ! 《グリーン・ガジェット》でダイレクトアターック!」
<ダメージ計算時>
「まだ終わらせないぜ! 罠発動、《ガード・ブロック》。戦闘ダメージを0にしてカードを1枚ドローする」
遊幾 手札: 2→3
ガード・ブロック
①:相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、自分のデッキからカードを1枚ドローする。
→[メインフェイズ2]
「ちっ、罠カードでギリギリ凌いだか。だが次は同じようにはいかないぜ。オレはカードを1枚伏せて」
→[エンドフェイズ]
「ターンエンドだ!」
連次 LP:2000、手札:3
①グリーン・ガジェット(ATK:1900)、②イエロー・ガジェット(ATK:1700)、③機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-
遊幾 LP:600、手札:3
【ターン7】――遊幾のターン
→[ドローフェイズ]
「俺のターン、ドロー」
遊幾 手札: 3→4
→[スタンバイフェイズ]→[メインフェイズ1]
ドローしたカードを見て、遊幾はそっと胸の内で息を整えた。
(状況は厳しい……けど、このカードに賭けるしかない)
「魔法カード《ワン・フォー・ワン》を発動。手札の《アナザー・バース・ドラゴン》を墓地へ送り、デッキから《輪廻竜サンサーラ》を守備表示で特殊召喚する」
ワン・フォー・ワン
①:手札からモンスター1体を墓地へ送って発動できる。手札・デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する。
輪廻竜サンサーラ
【ドラゴン族/効果】
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:ドラゴン族モンスターをアドバンス召喚する場合、このカードは2体分のリリースにできる。
②:墓地のこのカードを除外し、自分の墓地のレベル5以上のドラゴン族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。その後、そのモンスターをアドバンス召喚できる。
紫色の小さな竜がゆらりとフィールドに姿を現した。だが次の瞬間、ギギ……と金属が組み上がるような音が響き、鱗は鈍い鉄色へと変質していく。関節が軋み、竜の身体は機械仕掛けのものへと姿を変えていった。
輪廻竜サンサーラ ドラゴン族→機械族
「こ、これは……」
思わず声を漏らす遊幾に、連次は得意げに肩をすくめる。
「おっと、悪いな。《機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-》の説明が不足していた。このカードはフィールドのモンスターを全て機械族に変える。そして相手フィールドのモンスターの攻撃力と守備力が500ダウンさせるのさ。もっとも、そのドラゴンの攻撃力と守備力は0だから、何も変わらないけどな」
「くっ……俺はさらにカードを2枚伏せる」
遊幾の表情は硬い。だが、その目だけはまだ前を捉え続けていた。
→[エンドフェイズ]
「俺はターンエンドだ」
連次 LP:2000、手札:3
②グリーン・ガジェット(ATK:1900)、③イエロー・ガジェット(ATK:1700)、④機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-
①輪廻竜サンサーラ(DEF:0)
遊幾 LP:600、手札:0
丘の上からその様子を見ていた健斗は、思わず眉をひそめた。
(……やばいな。完全に押されてる。遊幾のやつ、防戦一方じゃないか)
けれど心配が胸を占める一方で、ふっと脳裏に自分とのデュエルがよぎる。
(でも、あいつ……俺の時もこんな状況からひっくり返したんだよな。ならあいつを信じるしかないか)
健斗は肩の力を抜き、小さく笑った。
【ターン8】――連次のターン
→[ドローフェイズ]
「オレのタァーン!」
連次 手札:3→4
→[スタンバイフェイズ]→[メインフェイズ1]
「どうやら状況を打破することはできなかったみたいだな。このターンで終わらせる。《レッド・ガジェット》を召喚。そして効果によりデッキから《イエロー・ガジェット》を手札に加える」
レッド・ガジェット ATK:1300→1800
→[バトルフェイズ]
「まずは《イエロー・ガジェット》で《輪廻竜サンサーラ》に攻撃!」
イエロー・ガジェット ATK:1700 VS DEF:0 輪廻竜サンサーラ
輪廻竜サンサーラ→戦闘破壊
「そして《グリーン・ガジェット》で
「その攻撃は通させない! リバースカードオープン、《連壁のバリア -デュアル・フォース-》! 相手モンスターの攻撃を無効にし、攻撃モンスターの攻撃力分、相手フィールドの攻撃表示モンスターの攻撃力をダウンさせる」
「また罠カードで凌ぎに来たか。だが残念だったな! 罠発動、《トラップ・スタン》! これでこのターン、このカード以外のフィールドの罠カードの効果は無効だ!」
「だが俺はさらに罠を発動する!」
「なっ、2枚目の罠だと⁉︎」
「リバースカードオープン、《裁きの天秤》。相手フィールドのカードの枚数が、自分の手札、フィールドの枚数より多い場合、その差だけドローする。俺は3枚ドロー」
遊幾 手札: 0→3
「フハハ、残念だがドローしたところで状況は変わらん! 戦闘は続行だ!」
連壁のバリア -デュアル・フォース-→効果無効
《グリーン・ガジェット》が遊幾めがけて突進する。
――が、次の瞬間。地面から光の壁が走り上がり、遊幾の前に展開された。触れた《グリーン・ガジェット》の輪郭が光に覆われ、連次のモンスター達が次々と光に包まれていく。
「な、何だこれは‼︎」
連次は予想外の出来事に驚きの表情を隠せない。
「フン、悪かったな。俺も《連壁のバリア -デュアル・フォース-》の説明が不足していた。このカードにはもう一つの効果があるのさ」
「バカな! もう一つの効果も何も、そのカードの効果は全部《トラップ・スタン》で無効になったはずだろ⁉︎」
「それがそうでもないのさ。デュアル・フォースの二つ目の効果は、このカードが墓地に送られた時に発動する。《トラップ・スタン》はフィールドの罠を無効に出来ても、墓地で発動する罠の効果は無効に出来ない!」
「何⁉︎ 墓地で発動する罠だと‼︎」
「ああ、そしてその効果は――ターンプレイヤーの攻撃力0以外の攻撃表示モンスターを全てデッキに戻す!」
「なにぃーー⁉︎」
光に包まれていた連次のガジェット達が吸い込まれるようにデッキへ戻っていく。
グリーン・ガジェット→デッキ
イエロー・ガジェット→デッキ
レッド・ガジェット→デッキ
連壁のバリア -デュアル・フォース-
①:相手モンスターの攻撃宣言時に、その攻撃モンスター1体を対象として発動できる。その攻撃を無効にし、相手フィールドの全ての攻撃表示モンスターの攻撃力は、その攻撃モンスターの攻撃力分ダウンする。
②:魔法&罠ゾーンのこのカードが墓地に送られた時に発動できる。ターンプレイヤーのフィールドの攻撃力0以外の攻撃表示モンスターを全てデッキに戻す。
(オリカ、制限グレード3)
トラップ・スタン
①:このターン、このカード以外のフィールドの罠カードの効果は無効化される。
裁きの天秤
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:相手フィールドのカードの数が自分の手札・フィールドのカードの合計数より多い場合に発動できる。自分はその差の数だけデッキからドローする。
これを見ていた健斗は思わず身を乗り出した。
「遊幾の罠、すげーじゃんか! 効果を無効にされても発動って、まさに無敵の罠だぜ!」
→[メインフェイズ2]
「くっ、だがまだだ。魔法カード《命の水》を発動、墓地から《レッド・ガジェット》を特殊召喚する」
レッド・ガジェット ATK:1300→1800
命の水
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:自分フィールドにモンスターが存在しない場合、自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。このカードの発動後、ターン終了時まで自分はこの効果で特殊召喚したフィールドのモンスター以外のモンスターの効果を発動できない。
「そして効果により《イエロー・ガジェット》を手札に加える。――そしてカードを1枚伏せる」
→[エンドフェイズ]
「ターンエンドだ!」
連次 LP:2000、手札:3
②レッド・ガジェット(ATK:1700)、②機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-
遊幾 LP:600、手札:3
【ターン9】――遊幾のターン
→[ドローフェイズ]
「俺のターン」
遊幾 手札: 3→4
→[スタンバイフェイズ]→[メインフェイズ1]
(さすがにこれ以上はドラゴンは引けないか……でもいいカードが来てくれた!)
「俺は《バオバブーン》を召喚」
ヒヒの顔を持つ樹木モンスターが出現する――が、すぐに機械仕掛けの外殻へと変質する。
バオバブーン 植物族→機械族 ATK:1200→700
バオバブーン
【植物族/効果】
①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。自分はデッキから1枚ドローし、その後手札を1枚選んでデッキの一番上または一番下に戻す。
②:このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。デッキから「バオバブーン」を任意の数だけ特殊召喚する。
「へぇ~。ドラゴン以外も使うのかよ」
「まあな。《バオバブーン》の効果発動、デッキからカードを1枚ドローし、その後手札を1枚デッキの一番上または下に戻す。俺はデッキの一番下に戻す」
遊幾 手札: 4→4
「そして速攻魔法《
バオバブーン→破壊
機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-→破壊
レッド・ガジェット ATK:1800→1300
超獸の咆哮
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:自分フィールドのモンスター1体と相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。
「さらにこの瞬間、《バオバブーン》の効果発動! デッキから《バオバブーン》を2体、攻撃表示で特殊召喚する」
2体の《バオバブーン》が並んで姿を現す。
「あれー、どうせなら《レッド・ガジェット》を壊せばよかったんじゃないの? そいつらじゃ、バトルで勝てないぜ?」
「ああ。だから――このデュエルの決着は、俺のエースでつける」
「エースだと?」
「墓地の《輪廻竜サンサーラ》の効果発動、このカードを除外し、墓地の《アナザー・バース・ドラゴン》を手札に加える」
遊幾は墓地のカードを1枚除外し、別の1枚を手札に加えた。
「そして、この効果で手札に加えたモンスターは、そのままアドバンス召喚できる!」
《バオバブーン》2体が光となって消えると、次の瞬間――空間にミシミシと裂け目が生じた。裂け目の奥から紫の龍が空間を割って現れた。
「アドバンス召喚――《アナザー・バース・ドラゴン》!!」
紫の龍が咆哮し、地を震わせる。
アナザー・バース・ドラゴン
【ドラゴン族/通常】
数多の次元を統べし竜。時の覇者にのみ見えん。
→[バトルフェイズ]
「《アナザー・バース・ドラゴン》で《レッド・ガジェット》に攻撃!」
《アナザー・バース・ドラゴン》が光を纏い、《レッド・ガジェット》に突進する。
「ヘッ、残念残念。罠発動、《
「やはりそう来たか。悪いがそのカードは読んでいた! 手札から速攻魔法《青竜の
青竜の護符
①:フィールドのドラゴン族・戦士族・魔法使い族1体を対象として発動できる。ターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力・守備力は800アップし、このターンに1度だけ戦闘及びカードの効果では破壊されない。
(オリカ)
「な……なんだってーー!?」
アナザー・バース・ドラゴン ATK:2500→3300
アナザー・バース・ドラゴン ATK:3300 VS DEF:1300 レッド・ガジェット
轟音とともに衝撃が走り、連次は数歩後ろへとよろめいた。
「ぐわぁぁーーーーーっ!」
連次 LP:2000→0
デュエル終了 勝者:八上遊幾
ソリッドビジョンが消え、静寂が戻る。 遊幾はデュエルディスクを下ろし、蓮次へと歩み寄った。
「……ありがとう、蓮次。楽しいデュエルだったぜ」
悔しげにカードを片づけていた蓮次は、肩をすくめるように息を吐いた。
「それは勝者のセリフだな――といいたいところだが、まあオレも正直楽しかったよ。でもな、本当の勝者はこのサバイバルで決まる。まだ戦いは終わってないぜ」
「確かにな。……ここからが本番かもな」
遊幾は軽く笑い、蓮次もわずかに口元をほころばせた。
デュエルの一部始終を見ていた健斗は小さくガッツポーズを作っていた。
「……よっしゃ。さすがだぜ、遊幾」
勝利に胸をなでおろしながらも、健斗の心には小さなひっかかりが残る。
(でも……さっきの遊幾、やっぱりどこか変だったよな。気のせい、かもしれねぇけど)
その違和感を抱えたまま、健斗は静かにその場を後にした。
遊幾のデュエルが終わってから、どれほど歩いただろうか。沈みゆく夕日が木々の間から差し込み、森を赤く染めていた。健斗は額の汗を拭い、ゆっくり息を整える。
(……そろそろ、対戦相手を見つけねぇと)
胸にはまだ遊幾のデュエルの興奮が残っていたが、深く息をつき気持ちを切り替えるように歩みを進めた。
そのとき――
「やあ、また会ったね」
不意に呼びかけられ、健斗はそちらを振り向く。木陰から現れたのは、最初に対戦した日向ヒロだった。
前に会ったときよりも、どこかそわそわして落ち着かない。いや――落ち着いていないのではなく、妙に浮ついているような気配だ。
「……日向か」
「そんながっかりしたような顔で見ないでくれよ。君、対戦相手探してるんでしょ。ゲンダイ君?」
「大源寺だ。……ああそうさ、悪かったな」
「いいよいいよ。僕とはもうデュエルできないわけだしね」
と軽く笑いながらも、目線がどこか泳いでいる。
「そうだ、向こうの林の奥で、デュエルしたがってる受験生を見かけたよ」
と指さす先は、夕日が届かず黒く沈む林の中。
「……本当か?」
「ウソなんてつかないさ。でも早くしないと、その人どこか行っちゃうかもしれないよ?」
にやっと笑う日向に軽く手を挙げ、
「助かった、日向!」
とだけ言い残し、健斗は林の奥へ駆け出した。
(一体誰だ? チーム・ブラスターであってくれるとありがたいが……)
木々の間を抜けながら、健斗は期待と不安の入り混じった思いを胸に、その影の奥へと足を進める。
──サバイバルは夕暮れ時に。健斗の向かう先で待ち受ける相手とは──