張り詰めた空気の中、試験委員の男が口を開いた。
「第1位。チーム・テンペスト――エリオット・ヴェイン。41ポイント」
その名が読み上げられた瞬間、エリオットはわずかに口元を緩めただけで、何も言わなかった。
「第2位。チーム・タイダル――アレン・クロフォード。40ポイント」
アレンは小さく息を吐き、静かに目を閉じる。安堵とも、次への覚悟ともつかない表情だった。
「第3位。チーム・レドックス――八上遊幾。38ポイント」
その名前が響いた瞬間――遠く離れた星見の丘では、歓声が弾けた。
「やった……! 遊幾兄ちゃんだ!」
「すごい……これでライセンス取得まであと一歩だ!」
子供たちの声が重なり、画面の向こうの遊幾の姿を食い入るように見つめる。
大広間では、遊幾が一瞬目を見開き、それからゆっくりと拳を握りしめた。
――だが。
発表は、まだ終わっていない。
残る枠は、あと一つ。
誰もが言葉を失い、ただ次の名を待つ。
そして――
「第4位。チーム・レドックス――大源寺健斗。30ポイント」
「――よっしゃあ!!」
健斗の声が、大広間に響き渡った。
星見の丘でも、再び歓声が上がる。
「えっ、あの人も通ったの!?」
「結姉ちゃんの同級生だよね!」
「すごいじゃん、しかも同じチームだし!」
結は画面を見つめたまま、ふっと笑みをこぼす。
「……やるじゃん、健斗」
その後、獲得ポイントのランキング表がスクリーンに映し出された。次点はカルロ・ジマーマンで29ポイントだった。
名前を呼ばれなかった者たちは――それぞれの形で結果を受け止めていた。
巻島連次は、奥歯を噛みしめ、悔しさを隠そうともせずに俯く。日向ヒロは、小さく肩をすくめ、「仕方ない」とでも言いたげに息を吐いた。
そして――カルロは。
「……」
何も言わず、ただ静かに前を見据えていた。
その表情には、悔しさも怒りも浮かんではいない。ただ事実を受け入れるような、乾いた表情だった。
やがて試験委員の声が、再び場を支配する。
「続いて、2次ラウンドの対戦カードを発表します」
視線が一斉に向けられる。
「第1デュエル――アレン・クロフォード 対 八上遊幾」
「第2デュエル――エリオット・ヴェイン 対 大源寺健斗」
遊幾はその名を聞き、ゆっくりと顔を上げた。次に戦う相手――アレンをまっすぐに見据える。
「第2デュエルが終了し、複数のチームの受験者が残っていた場合は、勝者同士で第3デュエルを行います」
受験生の間で再び緊張感が高まっていく。
「2次ラウンドは6階のデュエル場で行います。第1デュエルは17時30分より開始します。第2デュエルの受験者は、それまで各自の部屋にて待機すること」
簡潔な説明が続き――
「以上で、1次ラウンドの結果発表は終了となります」
その一言をもって、場の緊張が解かれた。
ざわめきが戻り、受験者たちはそれぞれの思いを胸に、大広間を後にしていく。
その中で――
「おい」
背後から声をかけられ、遊幾が振り返る。
そこに立っていたのは、カルロだった。
「……がんばれよ」
短い一言。
遊幾は一瞬きょとんとしたあと、すぐに笑みを浮かべる。
「――おう!」
力強く頷き返す。
カルロはそれ以上何も言わず、踵を返した。
自室に戻った遊幾は、椅子に腰を下ろすと、静かにデッキを広げた。カードを一枚一枚めくりながら、頭の中で幾通りもの展開をなぞっていく。
構築を調整しながら、思考を研ぎ澄ませていく。時間は、刻一刻と過ぎていった。
そして――17時30分。6階、デュエル場。
高い天井に反響する足音。整えられたフィールドを挟み、二人のデュエリストが向かい合う。
――その様子を、配信画面を通し、星見の丘でも見守っていた。
「いよいよはじまるね」
「うん」
画面に映る遊幾の姿を、子供たちは固唾をのんで見つめている。
そしてデュエル場で、先に口を開いたのは、アレンだった。
「チーム・タイダルのアレン・クロフォードだ。よろしく頼む」
遊幾も一歩前に出て、応じる。
「チーム・レドックス、八上遊幾だ」
その名を聞いた瞬間――
「……八上?」
アレンの眉が、わずかに動いた。
遊幾は小さく首を傾げる。
「そうだけど……何か?」
「……いや。なんでもない」
アレンはすぐに視線を戻し、表情を崩さずに言った。
そして、少し間を置いた後、審判の声が、場に響いた。
「――それでは、2次ラウンド第1デュエルを開始してください」
空気が、張り詰める。
遊幾とアレン、両者がデュエルディスクを構えた。
「レギュレーションカード、モダン・レギュレーション発動!」
「モダン・レギュレーション、Activate!」
「……デュエル承認……デュエル承認……」
「デュエルタイプ、スタンダード・ゲームモード。READY」
「「デュエル!」」
チーム・レドックス
LP : 8000
VS
チーム・タイダル
LP : 8000
【ターン1】――遊幾のターン
→[ドローフェイズ]
「俺の先攻、ドロー」
遊幾 手札:5→6
→[スタンバイフェイズ]→[メインフェイズ1]
「俺は《魔道化リジョン》を召喚」
赤い帽子を被った細身の黄色い道化師が、くるりと宙で一回転してフィールドに降り立つ。
魔道化リジョン
【魔法使い族/効果】
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズに魔法使い族モンスター1体を表側攻撃表示でアドバンス召喚できる。
②:このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。自分のデッキ・墓地から魔法使い族の通常モンスター1体を選んで手札に加える。
「カードを1枚セットして」
→[エンドフェイズ]
「ターンエンドだ」
アレン LP:8000、手札:5
①魔道化リジョン(ATK:1300)
遊幾 LP:8000、手札:4
【ターン2】――アレンのターン
→[ドローフェイズ]
「俺のターン」
アレン 手札:5→6
→[スタンバイフェイズ]→[メインフェイズ1]
「俺は手札から永続魔法《補給部隊》を発動」
補給部隊
①:1ターンに1度、自分フィールドのモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動する。自分は1枚ドローする。
「そして手札から、《サイバー・ドラゴン》を特殊召喚。こいつは相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、手札から特殊召喚できる」
「さらに《プロト・サイバー・ドラゴン》を召喚」
アレンのフィールドに大小の蛇型の機械竜が召喚される。
サイバー・ドラゴン
【機械族/効果】
①:相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
プロト・サイバー・ドラゴン
【機械族/効果】
①:このカードのカード名は、フィールドに表側表示で存在する限り「サイバー・ドラゴン」として扱う。
(※テキストエラッタ)
「まずは数を揃えさせてもらう」
→[バトルフェイズ]
「バトル。《サイバー・ドラゴン》で《魔道化リジョン》を攻撃」
サイバー・ドラゴン ATK:2100 VS ATK:1300 魔道化リジョン
「ぐ……」
遊幾 LP:8000→7200
魔道化リジョン→戦闘破壊
「この瞬間、《魔道化リジョン》の効果発動。このカードがフィールドから墓地へ送られた時、デッキから魔法使い族の通常モンスター1体を手札に加えることができる。俺は《魔法剣士ネオ》を手札に加える」
「だが、まだバトルフェイズは終わっていない。《プロト・サイバー・ドラゴン》で
プロト・サイバー・ドラゴン ATK:1100 → 遊幾 LP:7200
「ぐうぅぅ!」
遊幾 LP:7200→6100
「あぁ……ライフが1900も削られちゃった」
ゲンが不安そうに画面越しの遊幾を見つめる。
「B級はライフ8000スタートだ。まだかすり傷みてぇなもんだ」
マックスは余裕の表情でゲンを勇気づける
→[エンドフェイズ]
「俺はこれでターンエンドだ」
アレン LP:8000、手札:3
①サイバー・ドラゴン(ATK:2100)、②プロト・サイバー・ドラゴン(ATK:1100)、③補給部隊
遊幾 LP:6100、手札:5
【ターン3】――遊幾のターン
→[ドローフェイズ]
「俺のターン」
遊幾 手札: 5→6
→[スタンバイフェイズ]→[メインフェイズ1]
遊幾は手札を見渡して、一呼吸入れてから口を開いた。
「攻撃力2100のモンスターか、手強いな。出し惜しみはしてられない。全力で行く」
そして手札から一枚のカードを取り出す。
「俺は手札から、魔法カード《融合》を発動。――手札の《砦を守る翼竜》と《
融合
①:自分の手札・フィールドのモンスターを融合素材とし、融合モンスター1体を融合召喚する。
砦を守る翼竜
【ドラゴン族/通常】
山の砦を守る竜。天空から急降下して敵を攻撃。
魔導獣 ケルベロス
【魔法使い族/効果】
①:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分または相手が魔法カードを発動する度に、このカードに魔力カウンターを1つ置く。
②:このカードの攻撃力は、このカードの魔力カウンターの数×500アップする。
③:このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時にこのカードの魔力カウンターは全て取り除かれる。
遊幾の2体のモンスターが《融合》魔法カードによって生み出された螺旋の空間に取り込まれていく。
「白銀に煌めく聖なる竜よ、黄金の軌跡を描きてその翼に魔力を宿せ!」
「融合召喚‼︎」
「現れろ! レベル5! 《
空間から新たに、白銀の鱗に覆われた二足歩行の竜が姿を現した。顔から翼にかけて、幾何学的な金色のラインが淡く輝いている。
「おぉ〜! 融合モンスター、カッコイイ〜!」
ゲンが目を輝かせながら画面を見つめる。
魔光竜 ウィズドレイク
【ドラゴン族/融合/効果】
レベル4以下のドラゴン族モンスター + 魔法使い族・光属性モンスター
①:このカードが標準モンスターと戦闘する場合、ダメージステップの間このカードの攻撃力は戦闘を行うお互いのモンスターのレベルの合計×100アップする。
②:このカードが上位モンスターとの戦闘または相手の上位モンスターの効果によって破壊された場合に発動できる。自分は相手フィールドの上位モンスターの数だけドローする。
(オリカ)
「さらに《魔法剣士ネオ》を召喚」
剣を装備した魔法使い族のモンスターが後に続く。
魔法剣士ネオ
【魔法使い族/通常】
武術と剣に優れた風変わりな魔法使い。異空間を旅している。
→[バトルフェイズ]
「《
「だが、攻撃力は互角。手札を3枚消費して相打ちが狙いか⁉︎」
<<ダメージステップ>>
「いや、ウィズドレイクは標準モンスターと戦闘する時、攻撃力が、戦闘を行うお互いのモンスターのレベルの合計×100アップする。ウィズドレイクと《サイバー・ドラゴン》のレベルの合計は10。よって攻撃力は1000アップだ!」
魔光竜ウィズドレイク ATK:2100→3100
「〝ノルム・ブレイズ〟!」
魔光竜ウィズドレイク ATK:3100 VS ATK:2100 サイバー・ドラゴン
「くっ」
アレン LP:8000→7000
サイバー・ドラゴン →戦闘破壊
「だがこの瞬間、《補給部隊》の効果発動。カードを1枚ドローする」
アレン 手札:3→4
「続けて《魔法剣士ネオ》で《プロト・サイバー・ドラゴン》を攻撃」
「さらにこの瞬間、リバースカードオープン! 《マジシャンズ・サークル》! お互いのプレイヤーはデッキから攻撃力2000以下の魔法使いモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。俺は《プライム・マジシャン》を特殊召喚」
いくつかの数字が描かれたローブを身に纏った魔法使いが遊幾のフィールドに降り立つ。
「俺のデッキに魔法使い族モンスターは存在しない」
マジシャンズ・サークル
①:自分または相手の魔法使い族モンスターの攻撃宣言時に発動できる。お互いのプレイヤーは、それぞれ自分のデッキから攻撃力2000以下の魔法使い族モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する。
プライム・マジシャン
【魔法使い族/効果】
このカード名の①②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分フィールドのモンスターが魔法使い族モンスター2体のみの場合に発動できる。相手フィールド全てのモンスターの攻撃力は1100ダウンする。
②:自分フィールドに攻撃力または守備力が1700の魔法使い族モンスターが存在する場合、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。
③:このカードをリリースして発動できる。自分の墓地からレベル7の魔法使い族の通常モンスター1体を特殊召喚する。
(オリカ)
「ならバトル続行だ!」
魔法剣士ネオ ATK:1700 VS ATK:1100 プロト・サイバー・ドラゴン
アレン LP:7000→6400
プロト・サイバー・ドラゴン→戦闘破壊
「《プライム・マジシャン》で
プライム・マジシャン ATK:1900 → アレン LP:6400
「ぐぅっ……」
アレン LP:6400→4500
「へへ、数ならこっちも負けてないぜ!」
→[メインフェイズ2]
「さらに《プライム・マジシャン》の効果発動。攻撃力1700の《魔法剣士ネオ》がいる時、フィールドのカードを1枚破壊できる。俺は《補給部隊》を破壊する」
補給部隊→破壊
「やったー!」
「これで形勢逆転だ!」
星見の丘で、ゲンとタケルが声を上げて喜ぶ。
→[エンドフェイズ]
「俺はこれでターンエンドだ」
アレン LP:4500、手札:4
①魔光竜ウィズドレイク(ATK:2100)、②魔法剣士ネオ(ATK:1700)、③プライム・マジシャン(ATK:1900)
遊幾 LP:6100、手札:2
【ターン4】――アレンのターン
→[ドローフェイズ]
「俺のターン」
アレン 手札4→5
→[スタンバイフェイズ]→[メインフェイズ1]
「俺は《サイバー・ドラゴン・ネクステア》を召喚。そして効果発動。墓地から《サイバー・ドラゴン》を攻撃表示で特殊召喚」
羽状のパーツを備えた、流線型の機械竜が姿を現し、前のターンで破壊された《サイバー・ドラゴン》が光の中から復活する。
サイバー・ドラゴン・ネクステア
【機械族/効果】
このカード名の②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードのカード名は、フィールド・墓地に存在する限り「サイバー・ドラゴン」として扱う。
②:手札から他のモンスター1体を捨てて発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
③:このカードが召喚・特殊召喚した場合、攻撃力か守備力が2100の、自分の墓地の機械族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は機械族モンスターしか特殊召喚できない。
「標準モンスターを並べたところで、俺のウィズドレイクには勝てないぜ」
遊幾はゆとりのある雰囲気でアレンに話す。
「それは分かっている」
アレンは表情一つ変えず言葉を返す。
「《サイバー・ドラゴン・ネクステア》はフィールド・墓地に存在する時、《サイバー・ドラゴン》として扱う。俺は魔法カード《融合》を発動。フィールドの『サイバー・ドラゴン』2体を融合!」
アレンのフィールドでも空間が歪む。
「鋼鉄を纏いし2体の機竜よ、その力を重ね、破壊の回路を構築せよ!」
「融合召喚‼︎」
「現れろ! レベル8、《サイバー・ツイン・ドラゴン》!」
歪んだ空間が収束し、一つの鋼鉄の胴体から二本の長い首を伸ばした双頭の機械竜が姿を現し
た。
サイバー・ツイン・ドラゴン
【機械族/融合/効果】
「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」
このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。
①:このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。
→[バトルフェイズ]
「融合モンスターならウィズドレイクは強化されない。《サイバー・ツイン・ドラゴン》、《
サイバー・ツイン・ドラゴン ATK:2800 VS ATK:2100 魔光竜ウィズドレイク
魔光竜ウィズドレイク →戦闘破壊
「くっ……」
遊幾 LP:6100→5400
「この瞬間、《
遊幾 手札: 2→3
「攻撃対象は《
遊幾はアレンのプレイングに注文を付けるかのように、問いを投げかけた。
「それも分かっている。《サイバー・ツイン・ドラゴン》は一度のバトルフェイズに2回の攻撃が可能だ」
「何⁉︎」
「《サイバー・ツイン・ドラゴン》で《プライム・マジシャン》を攻撃! 〝エヴォリューション・ツイン・バースト〟!」
サイバー・ツイン・ドラゴン ATK:2800 VS ATK:1900 プライム・マジシャン
「ぐぅっ……」
遊幾 LP:5400→4500
プライム・マジシャン →戦闘破壊
「ライフが並んだ……」
白熱する戦いに思わずメイが言葉を漏らすと、
「どちらも一歩も引かない互角の戦いね……」
結も同調しながら声をだす。
→[メインフェイズ2]
「俺はカードを1枚伏せて」
静かにカードをセットする。
→[エンドフェイズ]
「ターンエンド」
アレン LP:4500、手札:2
②サイバー・ツイン・ドラゴン(ATK:2800)
①魔法剣士ネオ(ATK:1700)
遊幾 LP:4500、手札:3
【ターン5】――遊幾のターン
→[ドローフェイズ]
「俺のターン」
遊幾 手札: 3→4
→[スタンバイフェイズ]→[メインフェイズ1]
「俺は《プリズマン・ディフューズ》を召喚。そしてこのカードの召喚時、効果発動。デッキから《プリズマン》を手札に加える。そして通常モンスターを加えたことにより、プリズマンの攻撃力分ライフを回復する」
遊幾 LP:4500→5300
プリズマン・ディフューズ
【岩石族/効果】
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①: このカードが召喚した時に発動できる。デッキから「プリズマン」モンスター1体を手札に加える。この効果で手札に加えたモンスターが通常モンスターだった場合、さらにそのモンスターの攻撃力分だけLPを回復する。
②:このカード以外の自分フィールドの光属性モンスター1体と、相手フィールドの光属性モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に戻す。
(オリカ)
プリズマン
【岩石族/通常】
透き通った水晶の塊。光を集めてレーザーを放つ。
「そして《プリズマン・ディフューズ》のさらなる効果発動。お互いのフィールドの光属性モンスターを手札に戻す! おれは《魔法剣士ネオ》と《サイバー・ツイン・ドラゴン》を手札に戻す」
「何だと⁉︎」
アレンがクールな表情を少し崩しながら声を発した。
魔法剣士ネオ→手札
サイバー・ツイン・ドラゴン→EXデッキ
(こいつ……まさか《サイバー・ツイン・ドラゴン》の能力を知った上でわざと⁉︎)
「うまい‼︎」
タケルが声を上げると
「《魔法剣士ネオ》が攻撃されなくてラッキーだったね」
ゲンが続いた。するとマックスが口を挟んだ。
「ラッキーなんかじゃねぇな。これは遊幾の計略さ」
「ケイリャク?」
メイが首を傾げる。
「簡単に言えば前のターン、《サイバー・ツイン・ドラゴン》の攻撃対象はアレン自身が選んだように見えるが、実は遊幾の言葉によって誘導されていたのさ」
「すげ〜〜」
マックスの説明にゲンが感心していると、
「自分のデッキの戦術だけじゃない。相手との駆け引きもデュエルの醍醐味じゃな」
忠雄が最後に付け加えた。
→[バトルフェイズ]
「《プリズマン・ディフューズ》でプレイヤーに
「罠発動、《カウンター・ゲート》。攻撃を無効にしてカードを1枚ドロー。ドローしたカードがモンスターの場合、召喚できる」
アレン 手札2→3
カウンター・ゲート
①:相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。その攻撃を無効にし、自分はデッキから1枚ドローする。そのドローしたカードがモンスターだった場合、そのモンスターを表側攻撃表示で通常召喚できる。
「引いたカードは《サイバー・フェニックス》――よってそのまま召喚する」
大きな翼を持った鳥型の機械族モンスターが舞い降りる。
サイバー・フェニックス
【機械族/効果】
①:このカードがモンスターゾーンに攻撃表示で存在する限り、自分フィールドの機械族モンスター1体のみを対象とする魔法・罠カードの効果は無効化される。
②:このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。自分はデッキから1枚ドローする。
→[メインフェイズ2]→[エンドフェイズ]
「俺はこれでターンエンドだ」
アレン LP:4500、手札:2
②サイバー・フェニックス(ATK:1200)
①プリズマン・ディフューズATK:1200)
遊幾 LP:5300、手札:5
【ターン6】――アレンのターン
→[ドローフェイズ]
「俺のターン」
アレン 手札2→3
→[スタンバイフェイズ]→[メインフェイズ1]
「俺は《サイバー・ラーバァ》を召喚」
幼蛇の機械族モンスターが《サイバー・フェニックス》の横に並ぶ。
サイバー・ラーバァ
【機械族/効果】
①:このカードが攻撃対象に選択された場合に発動する。このターン、自分が受ける全ての戦闘ダメージは0になる。
②:このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。デッキから「サイバー・ラーバァ」1体を特殊召喚する。
→[バトルフェイズ]
「《サイバー・フェニックス》で《プリズマン・ディフューズ》に攻撃」
サイバー・フェニックス ATK:1200 VS ATK:1200 プリズマン・ディフューズ
サイバー・フェニックス →戦闘破壊
プリズマン・ディフューズ →戦闘破壊
「《サイバー・フェニックス》の効果発動。デッキからカードを1枚ドロー」
アレン 手札3→4
「《サイバー・ラーバァ》で
サイバー・ラーバァ ATK:400 → 遊幾 LP:5300
「う……」
遊幾 LP:5300→4900
→[メインフェイズ2]→[エンドフェイズ]
「俺はこれでターンエンド」
アレン LP:4500、手札:3
②サイバー・ラーバァ(ATK:400)
遊幾 LP:4900、手札:5
【ターン7】――遊幾のターン
→[ドローフェイズ]
「俺のターン」
遊幾 手札: 5→6
→[スタンバイフェイズ]→[メインフェイズ1]
「俺はモンスターをセットし」
→[エンドフェイズ]
「ターンエンド」
アレン LP:4500、手札:3
①サイバー・ラーバァ(ATK:400)
遊幾 LP:4900、手札:5
「デュエルが落ち着いてきたわね……」
結が言葉を漏らす。
「ああ。だがまた激しくなるさ」
マックスがそれに答えると、
「今は嵐の前の静けさといったところか……」
忠雄も同調した。
【ターン8】――アレンのターン
→[ドローフェイズ]
「俺のターン」
アレン 手札3→4
→[スタンバイフェイズ]→[メインフェイズ1]
「《サイバー・ヴァリー》を召喚」
小型の機械竜が姿を現す。
サイバー・ヴァリー
【機械族/効果】
①:以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカードが攻撃対象に選択された時、このカードを除外して発動できる。自分はデッキから1枚ドローし、その後バトルフェイズを終了する。
●自分フィールドの表側表示モンスター1体とこのカードを対象として発動できる。その自分の表側表示モンスターとこのカードを除外し、その後自分はデッキから2枚ドローする。
●自分の墓地のカード1枚を対象として発動できる。フィールドのこのカードと手札1枚を除外し、その後対象のカードをデッキの一番上に戻す。
「そして魔法カード《アイアンドロー》を発動。カードを2枚ドロー」
アレン 手札2→4
アイアンドロー
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:自分フィールドのモンスターが機械族の効果モンスター2体のみの場合に発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。このカードの発動後、ターン終了時まで自分は1回しかモンスターを特殊召喚できない。
「さらに《サイバー・ヴァリー》の効果発動。このカードと《サイバー・ラーバァ》を除外し、再びカードを2枚ドローする」
アレン 手札4→6
「俺は再び《サイバー・ドラゴン》を特殊召喚」
→[バトルフェイズ]
「《サイバー・ドラゴン》でセットモンスターを攻撃」
裏守備モンスター▶︎マジカル・アンダーテイカー
サイバー・ドラゴン ATK:2100 VS DEF:400 マジカル・アンダーテイカー
マジカル・アンダーテイカー→戦闘破壊
「《マジカル・アンダーテイカー》の効果発動。墓地から《魔道化リジョン》を守備表示で特殊召喚」
マジカル・アンダーテイカー
【魔法使い族/リバース/効果】
①:このカードがリバースした場合、自分の墓地のレベル4以下の魔法使い族モンスター1体を対象として発動できる。その魔法使い族モンスターを特殊召喚する。
→[メインフェイズ2]
「俺はカードを1枚伏せて」
→[エンドフェイズ]
「ターンエンドだ」
アレン LP:4500、手札:4、除外:2
②サイバー・ドラゴン(ATK:2100)
①魔道化リジョン(DEF:1500)
遊幾 LP:4900、手札:5
【ターン9】――遊幾のターン
→[ドローフェイズ]
「俺のターン、ドロー」
遊幾 手札: 5→6
→[スタンバイフェイズ]→[メインフェイズ1]
「俺は速攻魔法《
魔道化リジョン→破壊
セットカード→破壊(《サイバネティック・オーバーフロー》を破壊)
超獸の咆哮
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:自分フィールドのモンスター1体と相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。
「この瞬間、《魔道化リジョン》の効果を再び発動」
「だが俺も、破壊された《サイバネティック・オーバーフロー》の効果発動。デッキから《サイバー・レヴシステム》を手札に加える」
サイバネティック・オーバーフロー
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分の手札・墓地及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、「サイバー・ドラゴン」を任意の数だけ選んで除外する(同じレベルは1体まで)。その後、除外した数だけ相手フィールドのカードを選んで破壊する。
②:フィールドのこのカードが効果で破壊された場合に発動できる。デッキから「サイバー」魔法・罠カードまたは「サイバネティック」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
サイバー・レヴシステム
①:自分の手札・墓地から「サイバー・ドラゴン」1体を選んで特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは効果では破壊されない。
「俺は《闇・道化師のサギー》を手札に加える」
「そして魔法カード《闇の誘惑》を発動。デッキからカードを2枚ドローし、《闇・道化師のサギー》を除外する」
闇・道化師のサギー
【魔法使い族/通常】
どこからともなく現れる道化師。不思議な動きで攻撃をかわす。
闇の誘惑
①:自分は2枚ドローする。その後、手札に闇属性モンスターが存在する場合、その内の1体を選んで除外する。存在しない場合、自分の手札を全て墓地へ送る。
(制限グレード3)
「俺は《魔法剣士ネオ》を再び召喚。そして装備魔法《ワンショット・ワンド》を装備。攻撃力を800アップする」
魔法剣士ネオ ATK:1700→2500
ワンショット・ワンド
魔法使い族モンスターにのみ装備可能。
①:装備モンスターの攻撃力は800ポイントアップする。また、装備モンスターが戦闘を行ったダメージ計算後、このカードを破壊してデッキからカードを1枚ドローできる。
→[バトルフェイズ]
「《魔法剣士ネオ》で《サイバー・ドラゴン》を攻撃」
魔法剣士ネオ ATK:2500 VS DEF:2100 サイバー・ドラゴン
「くっ……」
アレン LP:4500→4100
サイバー・ドラゴン→戦闘破壊
「さらに《ワンショット・ワンド》の効果発動。ダメージ計算後にこのカードを破壊することで、カードを1枚ドローする」
遊幾 手札: 4→5
→[メインフェイズ2]
「俺はカードを3枚セットし」
→[エンドフェイズ]
「ターンエンドだ」
アレン LP:4100、手札:5、除外:2
①魔法剣士ネオ(DEF:1700)
遊幾 LP:4900、手札:2、除外:1
【ターン10】――アレンのターン
→[ドローフェイズ]
「俺のターン」
アレン 手札5→6
アレンはドローしたカードを見て、目つきが鋭くなった。
→[スタンバイフェイズ]→[メインフェイズ1]
「このターン、勝負をかけさせてもらう」
アレンの言葉に、遊幾の拳に力がこもる。
「まずは、その伏せカードを取り除かさせてもらおう。俺は魔法カード、《大嵐》を発動。フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!」
大嵐
①:フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。
「まずい‼︎」
アレンの魔法カードを見て、タケルが反射的に声を上げた。
「遊幾兄ちゃんの魔法・罠カードが全部破壊されちゃう!」
ゲンも続いて声を上げる。
「リバースカードオープン、速攻魔法《表裏一体》!」
遊幾は一番左側に伏せていたカードを即座に発動した。
「このカードの効果により、自分フィールドの光または闇属性モンスターをリリースし、手札かエクストラデッキからレベルと種族が同じで属性の異なる光・闇属性モンスターを特殊召喚する。――俺は光属性の《魔法剣士ネオ》をリリースし、エクストラデッキから、闇属性モンスター《闇・道化師のピカーロ》を守備表示で特殊召喚する!」
《魔法剣士ネオ》が消え、遊幾のフィールドにカードが置かれる。――次の瞬間、置かれたカードがクルクルと回転し、黒と紫の服に、左右で表情の異なる仮面、三角帽子を被ったピエロのモンスターが現れた。
《闇・道化師のピカーロ》は《大嵐》を見ると、仮面の表情を歪めるように肩を動かすと、華麗に半回転し、遊幾のセットしたカードを持ち上げる。《大嵐》が過ぎ去った後、持ち上げたカードを元に戻した。
「何⁉︎」
「《闇・道化師のピカーロ》がいる限り、魔法&罠ゾーンにセットされたカードはフィールドのカードの効果で破壊されないのさ!」
表裏一体→破壊
表裏一体
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分フィールドの光・闇属性モンスター1体をリリースして発動できる。そのモンスターと元々の種族・レベルが同じで、元々の属性が異なる光・闇属性モンスター1体を手札・EXデッキから特殊召喚する。
②:自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の光・闇属性モンスターをそれぞれ1体ずつ対象として発動できる。そのモンスター2体をデッキに戻してシャッフルする。その後、自分はデッキから1枚ドローする。
闇・道化師のピカーロ
【魔法使い族/融合/効果】
「闇・道化師」モンスター ×2
①:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、魔法&罠ゾーンにセットされたカードはフィールドのカードの効果で破壊されない。
②:このカードが墓地へ送られた時、墓地のこのカードを除外して発動できる。このカード以外の除外状態の「闇・道化師」モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン、戦闘・効果で破壊されない。
(オリカ)
「助かった〜」
メイが胸を撫で下ろした。
「フッ、厄介なモンスターがいたものだな。だが続けさせてもらう」
予想外の展開ではあったにもかかわらず、アレンの闘志はさめてはいない。
「俺は《サイバー・ドラゴン・コア》を召喚。そして効果発動。デッキから『サイバー』魔法・罠カードまたは『サイバネティック』魔法・罠カードを手札に加える。――俺はデッキから《サイバー・ネットワーク》を手札に加える」
サイバー・ドラゴン・コア
【機械族/効果】
このカード名の②③の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
①:このカードのカード名は、フィールド・墓地に存在する限り「サイバー・ドラゴン」として扱う。
②:このカードが召喚した場合に発動する。デッキから「サイバー」魔法・罠カードか「サイバネティック」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
③:相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「サイバー・ドラゴン」モンスター1体を特殊召喚する。
「さらに、魔法カード《サイバー・レヴシステム》を発動。墓地から《サイバー・ドラゴン・ネクステア》を特殊召喚。さらに《サイバー・ドラゴン・ネクステア》の効果発動。墓地から《サイバー・ドラゴン》を特殊召喚」
瞬く間にアレンのフィールドに3体のモンスターが展開される。
「ふむ。モンスターを並べてきたようじゃが、《闇・道化師のピカーロ》は破壊された時、除外されている《闇・道化師のサギー》を特殊召喚できる。しかもそのターン、その《闇・道化師のサギー》は破壊されない。――遊幾のフィールドは盤石じゃな」
忠雄が解説を加えると、
「それなら安心ね!」
と結が軽く頷いて答える。
「《サイバー・ドラゴン・コア》も《サイバー・ドラゴン・ネクステア》同様、フィールドでは《サイバー・ドラゴン》として扱う」
そしてアレンは一呼吸置いた後、手札からカードを発動する。
「俺は魔法カード《パワー・ボンド》を発動! ――これは機械族専用の融合魔法カード。俺はフィールドの3体の『サイバー・ドラゴン』を融合!」
アレンのフィールドが大きく歪み、3対の『サイバー・ドラゴン』が飲み込まれていく。
「鋼鉄を纏いし3体の機竜よ、今その力を束ね、終焉の回路を構築せよ!」
「融合召喚‼︎」
「現れろ! レベル10。《サイバー・エンド・ドラゴン》!」
空間が元に戻り、鋼鉄の胴体から三本の長い首を扇状に伸ばした巨大な機械竜が、重々しい咆哮と共にアレンのフィールドへ降臨する。
パワー・ボンド
①:自分の手札・フィールドのモンスターを融合素材とし、機械族の融合モンスター1体を融合召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は、その元々の攻撃力分アップする。このカードを発動したターンのエンドフェイズに自分はこの効果でアップした数値分のダメージを受ける。
サイバー・エンド・ドラゴン
【機械族/融合/効果】
「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」
このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。
①:このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。
「《パワー・ボンド》の効果で特殊召喚されたモンスターは、元々の攻撃力分、攻撃力がアップする」
サイバー・エンド・ドラゴン ATK:4000→8000
「攻撃力8000‼︎」
圧倒的な攻撃力に遊幾は思わず声を発する。
「さらに《サイバー・エンド・ドラゴン》は、守備表示モンスターを攻撃した際、その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与えることができる!」
「「「えーーーー‼︎」」」
まさかの急展開に星見の丘では悲鳴が上がる。
「《闇・道化師のピカーロ》の守備力って?」
メイが現状を確認しようとすると、タケルが答える。
「1800だよ。そして《サイバー・エンド・ドラゴン》の攻撃力との差は6200。この攻撃が通ったら……」
「遊幾兄ちゃんが負けちゃう……」
ゲンが真っ青な顔で声を漏らす。
「忠雄さん、磐石どころか大ピンチじゃない⁉︎」
結が興奮気味に声を発すると、
「むぅ……」
忠雄も険しそうな表情で画面を見つめる。
《サイバー・エンド・ドラゴン》の三つの口が、ゆっくりと《闇・道化師のピカーロ》へ向けられる――。
──白熱するB級のデュエル。遊幾はこのピンチを乗り越えられるのだろうか──
この辺りからオリジナル要素(用語)が増えてくるので、基本情報に記載した内容をこちらでも書いておきます。
・上位モンスター(じょういモンスター)
R(儀式)モンスター、F(融合)モンスター、Sモンスター、Xモンスター、Pモンスター、Lモンスター、?モンスター、?モンスターの総称
・標準モンスター(ひょうじゅんモンスター)
上位モンスター以外のモンスター