遊戯王OS   作:ペント

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第7話「クアドラ・サバイバル開幕」

午後3時30分。遊幾は試験会場となる施設の前に立っていた。六階建ての建物は、コンクリートの無機質さと、どこか合宿所のような簡素さを併せ持っている。だが、ここで二泊三日にわたる試験が行われるのだと思うと、自然と背筋が伸びた。

 

入口の受付で名前を告げると、係員が簡素な笑みと共に部屋の鍵を差し出した。

「三階、部屋番号は308です。説明会は本日17時より、五階の大広間で行われます。それまで各自の部屋で待機をお願いします」

「わかりました。ありがとうございます」

 

鍵を受け取り、静かに頭を下げると、遊幾は館内へと足を踏み入れた。三階の部屋は簡素ながらも清潔で、必要なものは一通り揃っている。窓からは、遠くに森林の緑がちらちらと見えた。

 

(いよいよか……)

ベッドに腰掛けた遊幾は、デッキを取り出して静かにカードに目を通す。C級ライセンス試験の時から使ってきたカード、神社巡りで新たに入手したカード。すべてを使って、試験に挑む覚悟はできていた。

 

時刻は17時前になり、遊幾は五階の大広間へと向かった。

広々とした会場には、すでに多くの受験生が集まり、ざわざわとした空気が漂っていた。遊幾は辺りを見回し――すぐにその中に、見覚えのある背中を見つける。

「健斗!」

声をかけると、健斗が振り返った。

「遊幾……! 無事に来たんだな。そっちは神社巡りの成果、あったか?」

「ああ。いいカードを引けたよ。そっちは?」

「まあまあってとこだな。あとはやるだけ、って感じだ」

二人が軽く言葉を交わしたところで、最後の受験生が入室し、大広間の扉が重々しく閉じられた。

 

総勢二十四名。全員が真剣な表情で中央の壇上を見つめていると、やがてスーツ姿の男が現れた。試験委員と思しきその人物は、無駄のない動作でマイクの前に立ち、開口一番、はっきりと告げた。

「それではこれより、B級デュエリスト認定試験――『クアドラ・サバイバル』の試験説明を開始します」

 

会場にぴんと緊張が走る。

 

「まずは試験の日程と流れについて。試験は『1次ラウンド』および『2次ラウンド』の二部構成となっており、1次ラウンドは明朝8時から深夜24時まで、そして明後日の7時から16時まで、計25時間にわたって行われます」

大きなモニターに、時間帯のスケジュールが映し出される。

「そして、明後日の17時からは2次ラウンドが行われる予定です」

 

タイムスケジュールの説明を終えると、係の者が台車を押して黒く塗られた大きな箱を運んできた。天板の中央には、手を差し入れられるほどの丸い穴が空いている。

 

「次に、チーム分けを行います。これより皆さんには、こちらの箱から一人ずつ、球状のカプセルを引いてもらいます。中には、各自が属するチーム名と、チームメダルが二枚入っています。受験番号の若い順に、順番に前へ出てください」

 

係員が番号を読み上げていくたび、受験生たちは順に壇上へ進み、黒箱に手を差し入れてカプセルを取り出していった。やがて遊幾の番が回ってくると、彼も手を差し入れ、つるりとした球体を引き出した。

 

指定された台の上で、カプセルをゆっくりと開く。中には、赤銅色に輝くメダルが二枚と、「レドックス」の文字が記されたチームプレートが収められていた。

(レドックス……それが俺のチームか)

 

全員がカプセルを引き終えると、試験委員が声を張った。

「では、自身のチームが判明した方は、チームごとに指定されたエリアへ集まってください」

 

場内の案内に従って受験生たちが動き始める。遊幾も、赤銅色のメダルを掲げながら、レドックスの集合場所へと足を向けた。そこにはすでに数人が集まりはじめていたが――その中に、健斗の姿があった。

「健斗……!」

「おぉ、遊幾! 奇遇だな、同じチームだなんてさ」

遊幾は健斗と同じチームになったことで、どこか心強さが芽生えた気がした。

 

全員がそれぞれのチームに分かれたのを確認すると、再び試験委員が口を開いた。

「では次に、皆さんの所持している通信機器類をすべて係に預けてください。その代わりとして、こちらの『クアドラウォッチ』をお渡しします。これは試験中、自身の状態の確認やデュエルを行う際に使用する重要なデバイスです」

 

係員たちが順次ウォッチを配っていく。遊幾の手元にも、やや厚みのある金属製の腕時計型デバイスが届いた。文字盤部分はデジタル液晶で、縁にはいくつかのボタンが並んでいる。

 

「このウォッチには、以下の三つのモードが搭載されています――」

壇上のスクリーンに、『スタンバイモード』『デュエルモード』『セーフモード』の三つの文字が大きく映し出される。

 

「『スタンバイモード』は、デュエル可能な待機状態。この状態では、『クアドラウォッチ』がオレンジ色に発光します。『セーフモード』は休憩状態で、他者からデュエルを挑まれることはありません。こちらは緑色に発光します。そして『デュエルモード』は、デュエル中に自動で切り替わる専用モードです」

 

遊幾はさっそくサイドボタンを押して、モードの切り替えを試してみた。インジケーターがスライドし、時計の縁がふっとオレンジに光る。もう一度ボタンを押すと、今度は表示がセーフモードに変わり、色が緑へと変化する。操作は直感的で、すぐに使いこなせそうだった。

 

「この『クアドラウォッチ』を駆使して、試験中の自身の状態を適切に管理してください。モードの変更は一分単位で可能です」

壇上の試験委員がそう言うと、会場の緊張感が、じわりと高まった。

 

そして、いよいよ試験の核が語られる。

「試験会場は、この建物の裏手に広がる《ヴェルデ大自然公園》です。森林エリア全体が1次ラウンドのバトルフィールドとなります。皆さんはそこを移動しながら、他の受験生と遭遇し、自身のチームメダルを賭けてデュエルを行ってください」

壇上のカーテンが開かれ、窓の向こうに果てしなく広がる緑の海が見えた。樹海のような光景に、一部の受験生がどよめく。

 

「みなさんは『スタンバイモード』のデュエリストに対して『クアドラウォッチ』を使用することでデュエルを挑むことができます。挑戦を受けたものは、これを断った場合不戦敗となるのでご注意ください」

 

「1次ラウンドのルールは単純明快。勝者は敗者からチームメダルを一枚得ます。自身のチームメダルをすべて失うと、その時点で失格、つまり脱落となります」

受験生の間に緊張が走る。遊幾も、腕時計に手を添えた。

 

「1次ラウンドを突破する最低条件は、全四チーム――『チーム・レドックス』『チーム・タイダル』『チーム・ブラスター』『チーム・テンペスト』のチームメダルを一枚ずつ集めること。そして、その条件を満たした者のうちポイント上位四名が2次ラウンドへと進出します」

 

だが、ここで受験生の一人が手を挙げた。

「すみません、ポイントというのは具体的にどうやって加算されるんでしょうか?」

 

壇上の男は、一度言葉を切ってから、質問に答える形で続けた。

「ポイントの内訳について説明しましょう。まず、現在所持しているメダル1枚につき2ポイントが加算されます。そして、『スタンバイモード』または『デュエルモード』で過ごした時間が1時間ごとに1ポイント。この二つの合計が、1次ラウンド終了時点での個人ポイントとなります。ただし、時間によるポイントは24ポイントが上限ですので、1時間はご自身の休憩に充ててください」

場内に軽いざわめきが走る。単に勝敗だけでなく、滞在時間や戦う姿勢までもが成績に影響する――。試験の厳しさが、さらに色濃く感じられた。

 

試験委員の男は、続けて補足を入れた。

「それからもう一点、捕捉事項があります。明日に限り特例措置があり、バトルフィールドの外側に一時退避できる施設を用意しています。そこではチームメダルを1枚しか持っていない受験生に対して、もう1枚を支給する救済処置を行います。ただし――」

男の声に、わずかに重みが加わる。

「その施設を利用した時点で、『クアドラウォッチ』は自動的に『セーフモード』に切り替わり、そこから4時間は『スタンバイモード』に戻すことができません」

つまり、救済を受ければ最低限の敗退リスクは回避できるものの、少なくとも4時間はポイントが加算されず、敵にデュエルを挑むこともできなくなる、ということだ。

 

(……メダル1枚で2ポイント。4時間のセーフモードで失うのは4ポイント。実質的には2ポイント失うってことか。それにこのルール、サバイバルの中にトーナメントの要素を組み込んでいるな。最初に負けた者の多くは、この救済措置を利用するだろう。となれば、バトルフィールドには必然的に勝者が残ることになる)

遊幾は冷静に計算しながら、試験の過酷さと、それを裏返した絶妙なバランス設計に舌を巻いていた。

 

試験委員はさらに、いくつかの注意事項を読み上げた。

「またメダルの受け渡しは、デュエルの勝敗に基づくもの以外は一切禁止です。いかなる理由があっても、譲渡・交換・盗難などが発覚した場合は、即刻失格となります。また、1次ラウンド中、同一の相手と二度デュエルすることはできません」

ルール違反に対する警告は、短く、だが確実に重く会場に響いた。

 

試験委員は一息ついてから、今度は次の段階の説明へと移った。

「続いて、2次ラウンドについて説明します。こちらは、皆さんがすでに知っている通り、B級ライセンス試験における公式ルールに基づいた勝ち残り戦です」

遊幾は静かに息を呑んだ。ここから先は、正真正銘の本番――。

 

「1次ラウンドを突破した上位4名によってデュエルを行い、敗北者は即座に脱落。試合の組み合わせは、4名の所属チームおよび、1次ラウンドの成績によって決定されます。そして、最終的に勝ち残ったメンバーが全員同じチーム所属であった場合、その時点で2次ラウンドを終了し、残ったものを合格とします」

つまり、1次ラウンドの成績と戦略、そしてチーム全体の連携次第で、結果が大きく変わる可能性があるというわけだ。

 

「なお、2次ラウンドはこの施設の六階特設デュエルフロアにて行われます」

 

説明はこれで終わりかと思われたが、もうひとつ、重要な案内があった。

「最後に、本日24時までに隣室にて、1次ラウンドで使用するデッキの登録を済ませてください。登録したデッキから変更できるカードの枚数は10枚まで。11枚以上変更した場合、違反とみなされます」

このルールに、多くの受験生がどよめいた。自由度の高いデュエルにおいて、デッキ内容を固定されることがいかに戦術に影響するかを、誰もが理解していたからだ。

 

さらに、もう一つの案内。

「四階には、各チーム専用のミーティングルームを用意しています。使用は自由ですが、入室には、先ほど配布されたカプセルがキーとして必要です。他チームの部屋には入れないようになっていますので、ご了承ください」

最後の案内を終えると、試験委員は書類を整え、壇上を離れた。

 

説明会が終わり、遊幾が大広間から出ようとすると同じチームの青年がチーム全体に声をかけてきた。

「みんな、よかったら今夜7時、ミーティングルームに来てくれ」

チーム・レドックスの受験生はその言葉を聞いた後、各々自分の部屋に戻っていった。

 

そして時刻は午後7時。遊幾がチーム・レドックス用のミーティングルームに足を踏み入れると、すでに三人の姿があった。顔を見合わせると、先ほどの青年が軽く手を挙げた。

「四人か。全員ってわけにはいかなかったか……。ま、仕方ないな。俺は白瀬ミナト。よろしく」

シャープな目元と落ち着いた雰囲気を持つ青年が最初に口を開くと、その隣にいた少女が手をひらひらと振って笑顔を見せた。

「私は柏木マリナ。よろしくね。あと二人は来ないのかな?」

「チーム戦とはいっても、実質は個人戦みたいなもんだからね。義務じゃない以上、来ない人もいるさ」

ミナトの言葉に、マリナは肩をすくめて苦笑した。

 

遊幾と健斗もそれぞれ自己紹介をし、自然と会話が生まれていく。

「君たち、さっき話してたよね? 知り合い?」

ミナトが尋ねると、健斗がうなずいた。

「ええ、俺たちエルダ島の出身なんだ。まあ、ちょっとしたライバルみたいな関係でさ」

「へえ、なんかいいね。仲間であり、ライバル……そういうの嫌いじゃないな」

マリナが目を輝かせながら口を挟んだところで、ミナトが話し始めた。

「作戦ってほどでもないけど、俺が集めた情報を共有しておくよ。要注意人物として、チーム・タイダルのアレン・クロフォードってやつがいる。プラチナブロンドの髪で背が高いのがいただろ。冷静で、戦いに一切の無駄がない。今回の最有力候補の一人だ」

 

「最有力候補ってことは、強いのか?」

健斗の問いに、ミナトが答える。

「ああ、だから見かけても勝負を挑むのは避けた方がいい。もっとも向こうから挑まれたら避けようがないけどな」

だが、遊幾は眉をひそめたあと、静かに言った。

「……ありがとう。でも、俺は強いデュエリストと戦ってみたい」

その言葉に健斗も続く。

「俺もだぜ。せっかくの試験だし、避けるってことはしたくない」

(デュエルキングを目指す人間が、強いデュエリストを避けたんじゃ話にならないしな……)

健斗は穏やかな口調で話してはいたが、心の中の闘志はみなぎっていた。

 

「そうか、なら君たちが勝つことを願うとするよ」

ミナトが肩をすくめると、今度はマリナが口を開いた。

「じゃあ、私も一つ。カルロ・ジマーマンって人がいるわ。チーム・ブラスターに赤いバンダナを巻いている筋肉質な受験生いたでしょ。聞いた話によると、型破りなデュエルをするらしいから、注意してね」

 

「ありがとう、ただ……俺はあんまり情報とか持ってないんだ」

遊幾が少し申し訳なさそうに言うと、健斗も続いた。

「俺も。相手の顔も名前もほとんどわかんねえな……」

 

だがミナトは首を横に振った。

「気にしなくていい。俺もチームの誰かが勝ち上がってくれれば、そのぶん合格のチャンスが広がるってだけの話だから」

その言葉に、マリナが微笑みながら頷く。

「ま、そういうわけで。せっかくだから、お互いがんばろうよね!」

「おう! 俺は絶対合格するからな!」

健斗の力強い言葉に、遊幾も小さく拳を握る。

「……ああ。俺も全力でやる」

こうして、チーム・レドックスのささやかな作戦会議は幕を閉じた。

 

夜も更け、遊幾は自室のベッドの上でカードを広げながら、何度もデッキを見直していた。最適な構成を考え、登録するカードを決める。そして五階にある端末に赴き、1次ラウンドで使用するデッキの登録を済ませた。

 

 

-----------そして、翌朝。

7時40分。受験生たちは試験場となる『ヴェルデ大自然公園』の前に集められ、チームごとにそれぞれのゲートに案内された。

遊幾たち、チーム・レドックスが配属されたのは、公園南西に伸びる『ゲートC』。

一人ずつ試験場に入っていき、8時に『ヴェルデ大自然公園』にサイレンが鳴り響いた。

試験開始の合図である。

 

──1次ラウンド、開幕。

時間は8時25分。遊幾は緑の中をゆったりと歩いていた。風の匂い、木々のざわめき、鳥のさえずり。試験とはいえ、自然に囲まれたこの空間は、彼の心を静かにしてくれる。

 

その時、クアドラウォッチに速報が表示された。

《脱落者1名発生》

詳細を確認すると、チーム・ブラスターの受験生が一人脱落したようだ。

 

(そんな⁉︎……いくらなんでも早すぎる。もう2敗したのか? いやそもそも、すでに2回もデュエルを? 1敗した時に救済措置は使用していない? あるいは何かしらの反則行為か?)

様々な可能性を考えながら遊幾が立ち止まって表示を見つめていると、背後から低く張りのある声が飛んできた。

「おい、オレとデュエルしてくれ!」

 

振り返ると、赤いバンダナを額に巻いた、がっしりとした体格の青年がそこに立っていた。

(カルロ・ジマーマン!)

昨晩マリナから情報を得ていたため、遊幾は咄嗟に相手の名前が思い浮かぶと同時に承諾の返事をしていた。

「ああ! もちろんさ」

 

カルロはクアドラウォッチを使って正式に対戦を申し込みながら自己紹介をする。

「オレはカルロ・ジマーマン。よろしく頼むぜ!」

「俺は八上遊幾。こちらこそ」

 

そして二人がデュエルディスクを構えた。

 

「レギュレーションカード、モダン・レギュレーション発動!」

「レギュレーションカード、モダン・レギュレーション発動!」

 

「……デュエル承認……デュエル承認……」

「デュエルタイプ、スタンダード・ゲームモード。READY」

 

「デュエル!」

 

八上遊幾【C級】

チーム・レドックス

LP : 4000

 

VS

カルロ・ジマーマン【C級】

チーム・ブラスター

LP : 4000

 

デュエルが開始されると、二人のクアドラウォッチの光が赤色に変わった。

 

【ターン1】――遊幾のターン

→[ドローフェイズ]

「俺の先攻、ドロー」

遊幾 手札:5→6

 

→[スタンバイフェイズ]→[メインフェイズ1]

「俺は《魔導獣(マジックビースト) ケルベロス》を召喚。そしてカードを1枚セットする」

 

魔導獣マジックビースト ケルベロス

光属性 レベル4 ATK/1400 DEF/1400

【魔法使い族/効果】

①:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分または相手が魔法カードを発動する度に、このカードに魔力カウンターを1つ置く。

②:このカードの攻撃力は、このカードの魔力カウンターの数×500アップする。

③:このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時にこのカードの魔力カウンターは全て取り除かれる。

 

 

→[エンドフェイズ]

「ターンエンドだ」

 

カルロ LP:4000、手札:5

 
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①魔導獣 ケルベロス(ATK:1400)

遊幾 LP:4000、手札:4

 

【ターン2】――カルロのターン

→[ドローフェイズ]

「オレのターン」

カルロ 手札:5→6

 

→[スタンバイフェイズ]→[メインフェイズ1]

「《魔導獣(マジックビースト) ケルベロス》に伏せカードが1枚、面白いじゃねぇか。その伏せカードは魔法か? と見せかけて罠か? はたまたブラフか?」

「だがそんなことはオレには関係ねぇ! オレのやることは決まってるぜ。モンスターをセット。さらにカードを3枚伏せる」

 

→[エンドフェイズ]

「これでターンエンドだ」

 

カルロ LP:4000、手札:2

 
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34

遊幾 LP:4000、手札:4

 

【ターン3】――遊幾のターン

→[ドローフェイズ]

「俺のターン」

遊幾 手札: 4→5

 

→[スタンバイフェイズ]→[メインフェイズ1]

「モンスターを守備表示で出してきたならこいつの出番だ! 《ツイン・ブレイカー》を召喚」

 

ツイン・ブレイカー

闇属性 レベル4 ATK/1600 DEF/1000

【戦士族/効果】

①:このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、もう1度だけ続けて攻撃する事ができる。

②:このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

 

→[バトルフェイズ]

「《ツイン・ブレイカー》で裏守備モンスターに攻撃」

 

「貫通能力のあるモンスターか! だがダメージを受けるつもりはないぜ。永続罠《スピリットバリア》発動! こいつはモンスターが存在する限り、戦闘ダメージを受けなくするカードだ」

遊幾の攻撃宣言に対して、カルロも罠カードで対応した。

 

裏守備モンスター▶︎きつね火

 

ツイン・ブレイカー ATK:1600 VS DEF:200 きつね火

きつね火→戦闘破壊

 

スピリットバリア

永続罠

①:自分フィールド上にモンスターが存在する限り、このカードのコントローラーへの戦闘ダメージは0になる。

 

きつね火

炎属性 レベル2 ATK/300 DEF/200

【炎族/効果】

①:このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られたターンのエンドフェイズに発動する。このカードを墓地から特殊召喚する。

②:このカードがフィールドに表側表示で存在する限り、A召喚のためにはリリースできない。

(※テキストエラッタ)

 

「だが《ツイン・ブレイカー》は守備モンスターを攻撃した場合、もう1度攻撃できる! 《ツイン・ブレイカー》で直接攻撃(ダイレクトアタック)!」

 

「罠発動《ヴォルカニック・エミッション》! この効果でデッキから《ヴォルカニック・ロケット》を攻撃表示で特殊召喚する」

カルロは再び罠カードを発動し、遊幾の攻撃に対抗し、さらにモンスター効果を発動する。

「そして《ヴォルカニック・ロケット》の効果を発動する。デッキから《ブレイズ・キャノン》を手札に加える」

 

ヴォルカニック・エミッション

通常罠

①:以下の効果から1つを選択して発動できる(このカード名の以下の効果はそれぞれ1ターンに1度しか選択できない)。

●デッキから「ヴォルカニック」モンスター1体を選び、手札に加えるか召喚条件を無視して特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに手札に戻る。

●フィールドの炎族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。自分フィールドのモンスターを対象として発動した場合、この効果で与えるダメージは半分になる。

 

ヴォルカニック・ロケット

炎属性 レベル4 ATK/1900 DEF/1400

【炎族/効果】

①:このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚した時に発動できる。自分のデッキ・墓地から「ブレイズ・キャノン」カード1枚を手札に加える。

 

ブレイズ・キャノン

永続魔法

①:相手フィールドのモンスター1体を対象としてこの効果を発動できる(この効果を発動するターン、自分のモンスターは攻撃できない)。手札から攻撃力500以下の炎族モンスター1体を墓地へ送り、対象の相手モンスターを破壊する。

 

 

「ヴォルカニック‼︎……ってことは」

立て続けに登場したヴォルカニックカードに遊幾が反応すると、

「そうさ、オレのデッキはバーンデッキ! なんせオレのモットーは、相手のライフを燃やして燃やして燃やしまくることだからな! ハッハッハ」

と、カルロは熱気のこもった口調で答えた。

 

しかし、その後カルロは声のトーンを落として話し始めた。

「そうさ、バーンデッキだからこそオレはB級ライセンスを取らなくちゃいけないのさ……」

 

──ついに始まったクアドラ・サバイバル。そして遊幾の初戦の相手、カルロがB級を目指す理由とは──

 

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