私はあなたの為ならば、たとえ死んでもかまわない   作:りゅぱん

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こんにちは

駄文失礼します。


1度目のエピローグ

 

「ねえ、さま…」

 

国に伝わる聖剣が義妹の胸を貫く。

柄を通じて暖かい液体が私の右手に流れ落ちていた。

 

「リリ、どう、して」

 

聖剣を刺した私自身が疑問に思ってしまう。

私は魔族と戦っていたはず。

焦りと後悔が入り混じった感情が体中を包み込む。

 

「あーあ、やっちゃったね。大切な妹を殺すなんて」

 

抱き合う形になっている私たちの後ろから、見た目が10歳ほどの少年がおちょくるように話しかけてきた。

 

「だ、だって。あなたたち魔族は人間に化けれて、それでこの子に」

 

「たしかに僕たち大魔族は人間に擬態できるけど」

 

ニタニタと笑う少年は笑いをこらえることができず、吹き出してしまう。

その笑い声が私の脳みそに直接響く。

 

違う。私が殺したのは魔族であって義妹ではない。

 

「くふふ、その子はずっとお姉様ーって、私は魔族ではありませーんって、言ってたのになぁ」

 

語尾を強調するように、人をあおるように少年は話す。

 

違う。違う。違う。

 

「それにしても傑作だったなあ。魔族の天敵である聖女とその姉が殺しあうなんて」

 

なんで。違う。嘘だ。違う。ちがう。ちがう。

 

「こうも簡単に罠にかかるなんて。あれ?人間は知恵だけが取り柄じゃなかったっけ?」

 

ちがう。ちがう。ちがうちがうちがうちがう。

こいつをころしていもうとを、たすけなきゃ。

 

「でも君のおかげで計画が二歩くらい前進したよ。君たちの言葉でいうと、チェックってやつ?」

 

ちがうちがうまちがいだちがうちがういやだどうしてどうしてどうして

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

 

胸から聖剣を抜き、あざ笑う少年へとその剣を振りかざす。

しかし簡単によけられ、少年の反撃により右腕ごと聖剣を吹き飛ばされた。

右腕がないことに気が付いてもなぜか痛みはなく、残された左手で腰の短剣をかまえる。

すかさず少年にとびかかるが何があったか認識できないまま壁にたたきつけられる。

 

「右腕無くなっても飛びかかってくるとか君本当に人間?」

 

地面に転がった私を足蹴にそうつぶやく少年。

そんな少年に向けて短剣を突き出そうとしたのだが、体は全くいうことを聞かなかった。

 

「うおっ。まだ動こうとするのかい?タフだね。人間にしておくにはもったいない」

 

そう言うと、少年は私の体から足をどけスタスタと少年が持ってきたであろう鞄のところまで歩いて行った。

 

「ちょっと待っててね。確かこの辺に…あった」

 

少年の手には見たことのない形状のものを手に持っていた。

 

「これはね、魔族の力を強くする道具なんだけどね。人間にも効くか試したかったんだ」

 

こちらに向かってくる少年はまるで覚えたての魔法を試したいくらいの顔だった。

 

「な、にそれ。それで、リリ、アーナを」

 

「いやいや違うよ!君の妹さんの体が魔族化していたのは僕のせいじゃないよ。たぶん彼女はもともと魔族に憑かれてたんだね」

 

もともと憑かれていた?

痛みで考えがまとまらない。

ただ一つだけわかったことはあの道具で魔族になってしまうかもしれないこと。

私は最後の力を振り絞り、短剣を持った左腕をあげる。

息も切れてすごく気持ち悪い。

だがなぜか、すがすがしい気分ではあった。

 

「あなたの、望み通りになんて、させない」

 

痛かった。怖かった。義妹を殺してしまったこと。

 

「ねえ、神様でもなんでもいい」

 

痛かった。怖かった。自分が傷ついていること。

 

「どうか、どうか」

 

すぐに散る命だけど。こんな命でもいいのならば

 

「どうか、いもうとを、おすくいください」

 

自らの首元に短剣を突き刺した。

 

 

 

 

 

「なんてことだい。この子自分の首を掻っ切るなんて。正気じゃないよ」

 

「これじゃ魔族にできないじゃないか」

 

「あーあ、つまんない」

 

「じゃあね」





・マルローネ・バストーラ(18)
身長164cm 
政治家の娘、学年次席

・リリアーナ・バストーラ(17)
身長156cm
父の再婚相手の連れ子、国が定める聖女
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