マネモブだからと追放されました~俺は500億稼いで灘・真・神影流使えるけど元チーム大丈夫?今更戻ってこいと言われても遅すぎを超えた遅すぎ。いくらなんでも戻るわけねぇだろゴッゴッ   作:マネモブァ

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Battle.3無様すぎて哀れだろ…殺してやれ

「あががっ」

 

 落下の衝撃が身体を通り抜け、骨が悲鳴をあげる。 すごく痛い。誰かどうして俺が落ちたのか教えてくれよ。

 地面に倒れ込んだまま、俺はぼんやり天井を見上げる。 痛みでまともに動けない。それでも、動かなきゃ、きっと次の災難が来る。

 そう思った矢先──

 

 ゴゴゴゴゴゴ……

 

 嫌な音が、頭上から聞こえた。

 

「あはっ先客が居たんだ……せめて人間ではあってくれよ」

 

 落下時に舞い上がった砂煙も晴れてきて、ようやく俺の視界が開く。

 目の前にいたのは、四足歩行の獣。いや、獣人。

 身長は二メートルを超え、全身を覆う灰色の毛並み。鋭く光る瞳と、獰猛そうな牙。

 

「獣人!俺を助けろ。人種は違うが同じ人間…たとえ見捨てれば罪悪感に苛まれるはずだ」

 

 俺は叫んだ。それはもう痛々しいくらい必死だった。

 だが、獣人は俺の訴えに微動だにしなかった。

 いや、それどころか。

 

「──グルルルル」

 

 喉の奥から、獰猛な唸り声を漏らす。

 

「ウアアア獣が濃いタイプダーッ 助ケテクレーッ」

 

 悲鳴を上げながら俺は転がるように逃げ出した。

 痛み? そんなもん、命の危機の前じゃ関係ない。

 

 だが。

 

「──グルァァァァッ!!」

 

 背後から獣人の吠え声が追いかけてくる。

 重い足音が、ドスン、ドスンと迫ってきた。

 

 ──ダメだ、追いつかれる!

 

 焦った俺は、近くにあった石ころを手に取ると、振り返りざまに投げつけた。

 

 ポフッ。

 

 石は情けない音を立てて獣人の毛皮に当たった。

 ダメだ。落下時に負った怪我のせいか、腕に力が入らない。いや、腕だけじゃない。もはや全身が鉛のように重く、動ける状態なんかじゃ無かった。

 

「ひ、ひいぃぃ!!く…来るなぁ」

 

 情けないのは分かる。だが、動けないと理解してしまった俺の体は、逃げることさえ出来ないのだ。

 だが、その時だった。

 

 バシュッ!

 

 突然、頭上から何かが飛び出し──

 獣人の顔面に命中した。

 

「……ぐふっ?」

 

 獣人が情けない声を上げ、どさりと倒れる。

 

 呆然と立ち止まった俺の前に、

 ヒラリ、と軽やかに着地した影があった。

 

「──ふう、間一髪」

 

 それは、フードを被った小柄な少女だった。

 手には、使い古されたパチンコ。とてもじゃないが武器なんて呼べない、粗末なゴム弓を握っている。

 

「まったく、こんなとこで何してんのよ、お兄さん」

 

 少女の声を聞いた時、疲れからか、はたまた極限の安心という快楽からか、俺の意識は闇に落ちていった。

 

─────

────

───

──

 

 何なのだろうか?この男の人は……装備から見てもこの階層に居るような冒険者じゃない。

 おそらく、さっきのダンジョンの再構築に巻き込まれて落ちてきた、不運な冒険者と言ったところだろう。

 

「ふぅー」

 

 軽くため息を吐く。

 この男は助けるに値する人間だったのだろうか?しかし、"見殺し"という"人殺し"をするには、私にはほんのちょっぴりの情があって、勇気が無かった。

 

「……さて、どうしよっか」

 

 目の前でぐったりと倒れている男を見下ろす。

 正直、荷物はこれ以上増やしたくない。でも、このまま放っておいたらまた獣人の餌食だ。

 ──この男、使い物になるだろうか? 少なくとも、私一人よりはマシかもしれない。

 ちらり、と腰の短剣に手をかける。

 それから、ほんの一瞬だけ考え、ため息をもう一つ。

 

「……ま、捨てるのはそれからでもいいよね」

 

 私は、目の前で哀れになるくらい無様に気絶している男の腕を掴み、連れていくのだった。

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