ガンダムSEED 太陽の少女 side night 作:黄金鷹
アークエンジェルがオーブに滞在している時の事。修復作業を受けているアークエンジェルをキラとセナは眺めていた。
「結構ボロボロになっていたんだね。アークエンジェル」
「そうだね・・・私達、まだまだ頑張れてないのかな?」
「そんな事は無いぞ。キラ少尉もセナ少尉も良くやっている」
奥から修復作業の様子を見ていたナタルがキラとセナに近づき声をかける
「流石にこちらが数で負けている上にずっとザフトの連中に追いかけられているからな。こればかりは仕方ないさ」
「ナタルさん・・・でも今後も上手く行くとは限りませんよね?」
「そうだろうな。敵も今まで以上の戦力を出してきたら今のままじゃあ対処不可能だろうな。スカイグラスパーのパイロットももう一人は欲しいな」
オーブに着くまではカガリがスカイグラスパー2号機のパイロットとして戦ってもらった事はあったが、流石にこれからの戦闘にまでカガリを連れていく事は出来ないと全員が思っていた。だからと言ってプロトとストライク、ムウのスカイグラスパーの3機だけでこの先やっていけるとも思ってはいなかった。
「それはそうでしょうけど、誰がパイロットをやるんですか?アークエンジェルの人員もかなりギリギリですよね?」
「それにいきなり実戦なんて危ないと思いますけど。せめて慣れるまでは」
「それを奴らは待ってくれないぞ。なるべく危険の無い様に戦い方は考えるが、訓練と実戦は違うのはもうお前達も分かっているだろ」
「確かに、そうでしょうけど・・・」
何度も最前線で戦ってきたセナとキラには訓練と実戦の違いなど分かりきっていた。何より自分達が訓練よりも先に実戦で慣れてきた側なので訓練だけ良くても通用しない事もあり得る事も分かってはいた。
「今のメンバーの中で希望者がいれば適性をみて判断するのが現実的だな・・・その時は二人にも判断して欲しい。実際に戦っているフラガ少佐とお前達が一番分かっているだろうからな」
「了解です」
「分かりました。そういえばアークエンジェルの修理っていつ頃になりますかね?」
「まだ数日はかかるだろうが、いつ終わるかはまだ分からない。だか流石に1週間もかかる事は無いだろうな」
「そうですか・・・」
あと数日、それで修理が終わればアークエンジェルはアラスカを目指して出航する。オーブに滞在できるのもあと僅かだとセナとキラは知らされた。
「今の内に家族に会いに行ってもいいぞ。それだけの時間は取れる筈だ」
「僕は・・・」
「そうですね・・・どこかでもう一回、会っておこうと思います」
「そうか。っと、思ったより話し過ぎたな。働きすぎには気をつけろよ」
話しを終わらせてナタルはその場を離れていく
「多分、忙しいんだろうなぁ、ナタルさん」
「だろうね・・・って僕もやる事あるんだった。じゃあセナ、また後で」
キラもやる事を思い出して走って行く
「あ・・・キラも少しは休めたのかな?それにしても、どうするんだろうね?」
セナは先程の話しを思い返していた。確かに戦力差を考えると1機でも多く出撃させる必要があるのは分かってはいるが、スカイグラスパーでモビルスーツの相手をするのは容易では無かった。そもそもムウ程の技量があって初めてモビルスーツ相手に渡り合えるのであって、素人が乗ってもすぐに落とされると思っていた。故にセナは新たなスカイグラスパーのパイロットを決める事に対して否定気味だった。
「けど私達だけだと守りきれないのは事実だしねぇ・・・でもスカイグラスパーかぁ、せめてモビルスーツならアークエンジェルの側で敵を追い払ってもらうだけで済むのに・・・アタッ⁉︎」
考え事をしながら歩いているとたまたま前を歩いていた男とぶつかってしまうセナ
「おっと⁉︎前見ないと危ないぞ」
「すいません、ちょっと考え事してまして・・・」
セナが謝りながら男の顔を見る。その男は茶髪に青いバンダナをしたジャンク屋の男だった。
「えっとアンタは・・・モルゲンレーテの人か?」
「いえ、アークエン・・・あの艦に乗っているんです」
「えっ⁉︎あの艦に?アンタ、地球軍なのか?」
ジャンク屋の男が自分よりも年下の少女が地球軍所属である事に驚きを隠せなかった
「てっきりオーブの子かと」
「まぁ色々ありましてね・・・それよりも、艦の修復作業、ありがとうございます」
「いやいや、こっちも仕事だしよ。それにこんな立派な艦に触らせてもらえるんだ、こっちもお礼したいくらいだぜ」
ジャンク屋の男が目を輝かせながらアークエンジェルを眺める。地球軍の最新艦であるアークエンジェルに関われる機会は軍に所属していないと少ないだろうとセナも思っていた。
「そういえば考え事ってなんだ?聞いてもいい奴なら聞きたいんだけど」
「えっと・・・まぁ良いか。実はアー、この艦は搭載機が少なくてですね、戦力不足なんですよ。あと1機スカイ・・・戦闘機あるんですけどパイロットが居なくてですね。そのくらいだったらもう1機モビルスーツがあったらなって思ってたんですけど」
軍の機密などもあるので話すべきなのか一瞬考えたが、一人で悩んでも仕方ないのでセナはジャンク屋の男に話す事にした
「モビルスーツ?地球軍にモビルスーツは無いんじゃないのか?」
「この艦にはありますよ、2機。その内の一つは私が乗っていますし」
「えっ⁉︎アンタがモビルスーツを?アンタコーディネイターじゃないよな?どうやって操縦を?」
「私はナチュラルですけど・・・なんか普通に出来ますよ」
「・・・マジかよ」
モビルスーツは基本的にコーディネイターしか操縦する事は出来ないものだった。それを特別な措置もなく出来るという目の前の少女に驚きでジャンク屋の男は言葉が出なかった。
「セナさん。そろそろ大丈夫かしら?」
「あっ、もうこんな時間か・・・今行きます!すいません、私はこれで」
「あ、ああ。じゃあな」
エリカに呼びかけられたセナが話しを切り上げて駆けていく
「・・・あんな子がパイロットとはねぇ・・・見た目じゃあ分かんねぇもんだな」
「どうしたのこんなとこで突っ立っちゃって?」
ジャンク屋の男に茶髪の少女が話しかける
「あの子がどうかしたの?一目惚れ?」
「違うよ。あの子、ナチュラルだけどモビルスーツ動かせるんだってさ。俺みたいにハチのサポートとか無しで自分だけで」
「そうなの⁉︎ってその子アレじゃない!最近噂になっている地球軍初のナチュラルのパイロットって子」
噂になっている地球軍所属のナチュラルのパイロット、その本人と会った事に盛り上がる二人。だが今会った少女が後にそれ以上の大物になる事をまだ知らなかったのだった。
名前は出しませんがアストレイのキャラを出しています。本編で出せなさそうなキャラをなるべくここで関わらせたいと思っています。