ガンダムSEED 太陽の少女 side night 作:黄金鷹
アークエンジェルがスカンジナビア王国の領海に潜伏している頃、真剣な顔つきでシュミレーターに入るキラとセナ。二人を見守るカガリ達。その間には実戦の時と同じ緊張感が漂っていた。
「いよいよだな・・・」
「そうね・・・こんな事、初めてだものね」
「さて、どうなる事やら・・・」
「頑張ってくださいキラ。私信じていますから」
「・・・・・ごめん、やっぱ耐えられない。何この空気」
緊張感のある空気に耐えきれなくなったキラが音を上げた。元は足が治ったキラがリハビリを兼ねてセナと肩慣らしするだけだった。だがセナの思いつきで負けた方が罰ゲームで艦内全ての清掃を、しかも予想者も連帯責任で強制参加となった以上もう二人だけの問題ではなくなり殺伐としていた。
「そんなに見られるとやり辛いよ・・・どうしてくれるのさセナ」
「実戦の時位に緊張感があれば良いかと思って。そんな事よりも、そろそろやるわよ」
「分かったよ・・・」
観念したキラがシュミレーターを起動する。するとモニターに宇宙空間が映し出され、目の前にはセナが操作するサンシャインの姿が見えていた。セナの方はキラが操作するフリーダムの姿が見えており、実際に機体に乗った時と同じ見え方をしていた。
「へぇ、本物に限りなく近くしてあるんだ・・・操作感も同じだ。そっちはどう?」
「・・・うん大丈夫。いつでも行ける」
セナとキラが準備運動がてら操作してみる。操作性や反射速度を確認し感覚を掴んだ二人は互いに向き合い臨戦体制を取る。
「どうする?一回で決めるか、3回勝負にする?」
「一回で良いよ。何回もやってると変な癖つきそうだし」
「分かった。じゃあマリューさん、合図お願いします。」
「ええ。これより模擬戦を始める。始め!」
マリューの開始の声を聞いた途端、フリーダムがバラエーナでサンシャインを狙い撃つ。サンシャインはそれを上に回避してビームライフルで狙い撃つがフリーダムは危なげなく回避しながら接近してくる。
「やっぱ凄いなセナの技量は・・・それに食らいつけるキラも大概だけど」
「キラの奴、いつの間にこんなに腕を上げて・・・これでまだ本調子じゃないってのが恐ろしいところだよな」
模擬戦の応酬を見守るカガリとバルトフェルドは思わず二人を称賛する言葉が漏れていた。モビルスーツを操縦した事があるからこそ二人のレベルが自分達とは違う事をカガリもバルトフェルドも実感していた。
「これを躱せるの⁉︎結構やるじゃない」
「まだまだ!」
フリーダムがビームサーベルを取り出して切りかかるがサンシャインはそれを後退して躱わす。サンシャインが避けた先にバラエーナとレールガンで狙い撃つが全て紙一重で回避されてしまう。
「やっぱり生半可な攻撃じゃあ当てられないか・・・なら」
フリーダムがハイマットフルバーストでサンシャインを狙う。サンシャインはバラエーナのビームをバックパックで吸収し背中向きにビームライフルを撃ち牽制する。だがフリーダムはシールドを前にして防ぎつつ突撃してくる。
「嘘っ⁉︎ヤバ」
フリーダムの突撃に反応が遅れたサンシャインは背中にシールドを叩きつけられ態勢を崩す。その隙をフリーダムはビームライフルで狙おうとするがシールドビーム砲を放たれる。フリーダムは咄嗟に体を捻らせて回避するが右腰のレールガンを撃ち抜かれてしまう。
「グッ⁉︎でもこの距離なら!」
「避けきれない・・・けど!」
フリーダムはレールガンを一つ失った状態ではあるが至近距離でハイマットフルバーストを撃つ。サンシャインは回避は困難と判断してビームライフルを投げつけ囮にし、破壊した時の爆発で身を隠す。
「煙幕のつもり?そんなもの」
「まだコレがある!」
フリーダムが近づいてくるのを予測してサンシャインは後退しながらシールドビーム砲とバックパックを合体させプロミネンスカノンの発射態勢になる。その読み通り近づいてきたフリーダムはバックパックと合体したシールドビーム砲を見て即座にUターンする。
「な、プロミネンスカノン⁉︎くぅ!」
「もう遅い!行けぇ!」
サンシャインがプロミネンスカノンを放つ。白い極太のビームは後退しているフリーダムを巻き込み大爆発を起こす。爆発が収まりだすとフリーダムの翼の残骸とシールドの破片が辺りに漂っていた。
「これは・・・流石にセナの勝ちか?」
「と思うがね・・・いや、まだか」
「こういうのもちゃんと再現するのね・・・けどまだ終わってないのね」
サンシャインが咄嗟に後退すると先程までサンシャインの居たところに向けて上からバラエーナが撃たれる。サンシャインは不意打ちを躱しきれずバックパックごとシールドビーム砲を撃ち抜かれていた。
「グッ⁉︎よく生き残ったわねアレを受けて」
「セナと同じ事をしただけだよ」
フリーダムはプロミネンスカノンが当たる直前にシールドを投げ捨て足止めにしていた。シールドで防ぎきれはせず左翼は破壊されてしまうが最小限のダメージに抑えたフリーダムはビームサーベル以外の武装を失ったサンシャインより有利な状態だった。
「逃がすか!」
フリーダムは左手に持ったビームライフルを撃ちながら接近する。サンシャインはビームライフルによる牽制のせいでビームサーベルを取り出す余裕すらなく追い込まれていた。
「このまま攻める!」
「こんのぉ・・・だったら!」
サンシャインが素手のままフリーダムに向かって突っ込んでくる。フリーダムはビームライフルとバラエーナで射撃するも躱されながら近づかれてしまう。
「どうする気なんだ⁉︎」
「そこ!」
フリーダムが右手にビームサーベルを持ちサンシャインに切り付ける。だがそれよりも速くサンシャインが逆手抜刀した2本のビームサーベルでビームサーベルの柄と左腕を切り落とされていた。
「なっ⁉︎くっ」
フリーダムは後退しながら残った左腰のレールガンを撃とうとするがサンシャインが右足でレールガンの発射口を塞ぎ暴発させる
「うわぁ⁉︎」
「ぐっ⁉︎これで!」
サンシャインが左手のビームサーベルで突きをする。だがフリーダムも咄嗟に右手で逆手抜刀したビームサーベルでサンシャインの左腕を切り落とす。
「やるじゃない。でも終わりよ!」
左腕を切り落とされた直後にサンシャインは右手のビームサーベルでフリーダムの右腕と右翼を切り落とす。そして抵抗する術の無いフリーダムの胴体を袈裟斬りで真っ二つにし撃墜する。
「よし、勝った!」
「負けちゃった・・・やっぱ強いねセナは」
「キラこそ大分強くなってるわよ。こっちも何度か危なかったし」
「そっか・・・なら次は勝つよ」
シュミレーターから出たセナとキラは互いの戦いっぷりを讃える。するとセナとキラを囲む様に全員が側に寄ってくる。
「凄かったぞ二人共!本当に強いなお前らは」
「久々にお前らの動きを見たが、やっぱとんでもない動きをしやがる」
「ほんと、どっちが勝つか分からなかったわ」
「お二人ともお疲れ様ですわ」
セナとキラに全員で労いの言葉をかけられ二人共照れながらも笑顔で応対していた。この後全員二人の戦闘に夢中になり過ぎて賭けの事を全員忘れていたので罰ゲームは取り止めになり全員で艦内清掃することになったのはまた別のお話しである。
自分が戦闘シーンを描く上でキャラの強さのランク付けというのを個人的にしており、それを元にして描いています。例えばセナとキラはかなり互角ではあるものの最終的にセナが勝つという力関係にしてます。アスランやマユはキラと同じくらいの強さであり、エリスはキラ達以上、セナに僅かに届かないくらいの強さとなっており、シンは最終的にはセナと互角になります。
搭乗している機体の性能や相性、その時のキャラのメンタルや状態に戦局など時と場合で勝敗は変わるのですが、戦闘シーンを描く上で一つの物差しとして考えて書いております。これが上手いやり方なのかは分かりませんが自分はこんな感じで戦闘シーンを描いています。