ガンダムSEED 太陽の少女 side night   作:黄金鷹

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ハイネが居た時のシルファ隊って絶対いい雰囲気だったと思います。のでこんなシリアスなど欠片もない緩みきった話しをしてみたくなりました。


お昼時の酒乱

ディオキアで待機中のミネルバ。その休憩室でシンとマユがソファで寝落ちしていた。

 

「二人共ぐっすりね」

「激しい戦闘が続いたからな。その中で一番戦果を上げているのはこの二人だ。少しくらい休ませても文句はないだろ?」

「私も休ませた方が良いとは思うけどさ・・・見てよコレ」

 

ルナマリアが二人を指差す。シンが寝ている上に重なる様にマユも横たわっており、そのマユが落ちない様に抱きしめながら寝ていた。兄妹仲が良い二人ではあるがそれにしても距離感が近過ぎる様に感じていた。

 

「二人で寝ちゃうからソファも独占されちゃってるし・・・それにしてもマユはともかくシンも寝顔可愛げあるわよね。ほんと童顔だよねシンは」

「・・・まぁぐっすり寝られるに越した事はない。そっとしといてやろう」

「お?揃いも揃ってどうしたんだこんなとこで?」

 

休憩室に入ってきたハイネがルナマリア達に声をかける。その後ろからはアスランも来ていた。

 

「ん?二人共眠っているのか。寝るならベッドで寝させた方が良いと思うが」

「寝落ちしちゃったみたいなんですよアスランさ・・・アスラン」

「言いにくいならさん付けでも構わないぞ。俺はどう呼んでも気にしないから」

「まぁすぐに呼び方変えるのも難しい話だよな・・・けど前よりは距離が近くなってきただろ?」

「そうですね・・・この方が俺達も連携をとりやすくなって良い事づくしですねハイネ」

 

ハイネが言い出したパイロット同士対等な関係を気遣うという提案。これにルナマリアとレイは少しずつだが慣れ始めており呼び捨てで呼ぶ事はパイロット全員に広まっていた。

 

「ん・・・あれ、寝ちゃってた?」

「あ、起きた。おはようマユ、よく寝れた?」

「おはようルナ・・・ちょっと首が痛い。寝違えたかも」

 

眠そうに目をこすりながら起き上がるマユ。寝起きでまだぼーっとしているのかすぐ近くにいるアスランとハイネに気づかず再びシンの上に座り込む。シンは腹部に乗られて僅かに呻き声を上げるがそれでも起きずスヤスヤと眠っていた。

 

「あれで起きないのかよ・・・」

「あ、お兄ちゃん寝てる。また夜遅くまでシュミレーターしてたのかな?」

「かもしれないわね。だから寝かしてあげたら良いんじゃないかな」

「そだね・・・ふわぁ〜こんなゆっくり出来るのいつぶりかな?アーモリー1にいたのがだいぶ昔に感じるよ」

 

再びシンの上で眠ろうとするマユをその場にいた全員が微笑ましく見守っていた。マユは赤服のエリートとはいえまだ11歳の子供。僅かな時間でも穏やかに過ごせているのを見て安心していた。そんな平穏な空間に様子のおかしい人物がやってくる。

 

「ありゃ〜みんなこんなとこにいたんだ〜」

「ああエリスも来たの・・・か・・・」

 

振り返って相槌をうったアスランが途中で言葉をつまらせる。同じく部屋に入ってきたエリスの方を振り向いたルナマリア達も絶句していた。両手一杯にお酒の瓶を抱えて顔を赤く染めているエリスがふらふらとした足取りで立っていた。

 

「なによみんなしてかたまって〜わたしのかおになにかついてるの〜?」

「顔にというか・・・その・・・」

「お前・・・どっから持ってきたんだその酒。というかどんだけ飲んだんだ?」

「ん〜〜〜たくさん」

 

今の言葉でエリスは完全に酔っぱらっていると全員が確信していた。これは面倒な事に巻き込まれると誰もが確信した中、マユは寝たふりをしてやり過ごそうとしていた。

 

「あれ〜マユがシンのうえでねてる〜おもろい〜」

「っ、・・・・・・」

 

しかしそんなマユにもお構いなくエリスはダル絡みをしてくる。マユの髪を撫で頬に触れるエリスにマユは声を押し殺して耐えようとしていた。

 

「むぅおきない・・・えい」

「ヒョワア⁉︎」

 

エリスに尻を撫でられ思わず声を出してしまうマユ。驚きのあまり飛び起きたマユは即座にハイネの後ろに隠れエリスを睨みつける。

 

「何するのよエリスお姉ちゃん!」

「なにって・・・なんだろうね〜」

「うぅこの酔っ払いめ・・・やっちゃってハイネ!もうコテンパンにしてやってよフェイス特権で!」

「フェイスってそんなんじゃないんだけどな・・・あーエリス、とりあえずその辺でムガッ」

 

マユに押されて仕方なく仲裁に入ろうとしたハイネ。だがハイネの言葉をエリスは持っていたお酒をハイネに無理矢理飲ませて塞いだ。

 

「うるさ〜いとりあえずのめ〜」

「モガ、ムゴゴゴゴ、モゲガ」

「あはは、なにいってるかわかんない〜ははは」

「おいエリス、お前そろそろ」

「おまえものめアスラン」

 

エリスの横暴に口を出そうとしたアスランだったがエリスの早技でお酒をひと瓶丸ごと飲まされてしまう

 

「バッ、おま・・・クッソォ・・・」

「ありゃりゃ、あんたもあんがいよわいね〜」

「ハイネとアスランが一瞬でやられた・・・」

「なんかいつもと違う・・・ただ酔っぱらってるだけではないの?」

 

酔っぱらったエリスは立っているだけなのに左右に体が揺れていた。そんな無防備な状態にも関わらずあのハイネとアスランを瞬く間に撃沈させたその立ち振る舞いは歴戦の強者の風格だった。

 

「今のエリス放っておいたらまずいわよね。でもどうしたら・・・」

「こうなったら二人で行くぞルナマリア。俺が囮になるからその隙に」

「わ、分かったわ」

 

レイとルナマリアが打ち合わせ通り二人でエリスに突進していく。しかし掴みかかろうとする手を躱しながらレイにはお酒をひと瓶飲ませ、ルナマリアの背後に回りこみ後ろから胸を掴み拘束した。

 

「ムゴ、バカな・・・」

「ヒャッ⁉︎ちょやめ、あぁん」

「お〜やわらか・・・これはたまりませんな〜」

「あわわ、二人までやられちゃったよ」

 

一気飲みさせられたレイはお酒が回っているのか足取りが不安定になっていた。一方のルナマリアは優しく胸を触られているせいで力が抜けエリスを引き剥がすことができず好き放題されていた。

 

「ううぅマユ、助けて・・・ンァ」

「いや助けてと言われても・・・二人がかりで負けたのに私一人じゃあ無理だよぉ」

「うるさいな・・・なんだよ」

 

周りの騒ぎに邪魔されて寝ていたシンが起きた。昼寝の邪魔をされたシンは不機嫌そうな顔でエリスの方を睨みつける。

 

「んだよ、ただエリスがふざけてるだけかよ・・・起きて損した」

「いやそれどころじゃないんですけど!」

「んだよシン〜そんなかわいくないかおして〜のむか?」

「はぁ?まぁ喉渇いてたから貰うけどさ」

「あ、ちょっと待っ」

 

寝起きのシンはエリスに渡されたものが酒だと気づかず受け取ってしまう。マユが止めようと声をかけるも言い終わる前にシンは一気飲みして瓶一本分を飲み干してしまう。

 

「うわぁ・・・大丈夫シン?」

「お〜いいのみっぷり〜やるじゃない〜」

「ん?・・・これ水じゃねぇ。なんてもん飲ませるんだよ」

 

シンはお酒に強かったのか一気飲みしたにも関わらず少し表情が苦くなる程度で済んでいた。すると足取りがおぼつかなくなりだしたエリスがシンにもたれかかるがシンは片手で支えながら周りの惨状を確認する。

 

「・・・何これ?いつからこうなったんだマユ?」

「お兄ちゃんが寝ている間に酔っぱらったエリスお姉ちゃんが来てね・・・大暴れしたの」

「酔っぱらったエリスのせいか・・・これ片付けないとな」

「そうだね。こんな事で艦長に怒られたく無いもん」

 

エリスをソファに寝かせてからシン達は散らかった休憩室の掃除を始めた。しかしこの騒動は既にタリアの耳に入っておりシルファ隊全員が罰として艦内清掃を余儀なくされた。ちなみにエリスはしばらく禁酒となった。

 

「マジで反省しろよ?」

「はい・・・申し訳ありませんでした」




 エリスは絶対に酒癖が悪いと思いますししっかりしている他メンバーと比べたら抜けているところがあるのでおふざけさせやすいイメージで描いています。その癖にパイロット以外の分野でも上澄みになれるくらいに優秀なので暴走すると止めるのが難しいキャラだと思います。
 ちなみにシンが飲むまで酒を飲むと勘違いしてたのは寝ぼけていたのもありますがDESTINY編中盤頃のシンは段々と味覚障害が出ていたという裏設定を入れており、その片鱗が出ていました。DESTINY編の後日談以降からは痛覚以外は治っており食欲も人一倍に戻っています。こんな暗い設定をここで出したのは本編で出すタイミングを逃した事と本編でFREEDOM編に入り既に治っているのでこんな形で出すしか無かったという裏事情の為です。
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