賭ケグルイ 転   作:神剣狩刃

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第2話 傍観する男

この『孤ヶ見響』という男に関して、分かったことがいくつかある。

寮生活であること(『扉の塔』を作るぐらいだから寮もあった。)。

木渡潤の仲間であること(これは非常に都合がよかった)。

だが一番驚いたのは…『通帳に5000万入ってる』ことだ。

 

「勝ち組の生徒だったのか…負け組よりはいいけど…」

ギャンブルでは運や心理の要素が重要なのは当然だが…

それらをすりつぶす『資金力』があれば話は別だ。

マーチンゲール法でほぼ確実に資金は増やせる。

(マーチンゲール?って人は『賭ケグルイ双』を読んで欲しい。)

 

とりあえず資金面は問題ない。だとしたら、今は待つべきだ。

下手にギャンブルで目立ったら、転校してきた蛇喰夢子と接触しかねない。

アレと関わると碌なことにならない。いつかは関わるが、少なくとも転校翌日に

「孤ヶ見さんはギャンブルがお強いのですね!一勝負どうでしょうか!」

なんて事態は避けたい。急いては事を仕損じる…時には待つことが正解になる。

 

そしてその時が来た。

「聞いたか孤ヶ見ちゃん!転校生」

「転校生『蛇喰夢子』だろ?お前好みの子じゃないか。」

蛇喰夢子…『賭ケグルイ』の主人公にしてこの百花王学園を壊す人物…

ちなみに俺は単行本勢だ。現状最新刊である19巻まで読んでいる。

アニメも履修済みだ。CV早見沙織はマジでぴったりだと思った。

 

「白鳥、見に行くぞ。」

「ああ!俺好みの」

「違う。『蛇喰夢子のギャンブル』を見にいくんだ。」

『賭ケグルイ』の始まりのギャンブルを見に行く。

 

「さァ、賭け狂いましょう!」

 

俺はその『狂気』を目の当たりにした。

早乙女のイカサマのトリックが分かってるとは言え

1000万出して勝てるかどうかは不明…人の道理を逸脱している。

早乙女が負け、蛇喰が教室をでる。その際、すれ違ったが…声が出なかった。

 

『俺はこの狂気を身につけないといけない』

人ならざる者に近づく時、人は何を思うのが正解なのだろうか。

 

翌日の皇伊月とのギャンブルも見た。

俺はマークによるスートの区別を『知っている状態で見て』も

『数枚の区別』しかつかなかった。

 

なのに蛇喰は『初見でそれに気づき』、『すべてを区別し把握』した。

狂気は当然として、実力も人のそれじゃない。

 

『俺はこの実力を身につけないといけない』

人ならざる者になろうとする時、人は何をするのが正解なのだろうか。

 

伝統文化研究会でのギャンブルも見た。

結果だけ見れば蛇喰の負けだが…内容を見れば蛇喰の勝ちだろう。

心で負けを認めた時、勝負の結果がどうであれ負けなのだ。

 

『俺はこの心を身につけなければならない』

少なくとも、見ているだけではどうにもならないと思った。




次回から物語が動き出します。
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