あっちの方で出してた12話はかなりカットしました。
死ぬほど受けが悪かったので仕方がないのだ。
あとやっぱなろうとかの表示方式だと5000文字でも長いですね。
という事で分割再構成いたしました。
さて、村に暮らすのならば働かなければならない。
働かざる者食うべからず、がカムンのモットーだ。
という訳で最初に目を付けたのが人手不足が顕著な狩猟チームであったがリオが優秀すぎたのとカムンの思いついた方法が火力高すぎで大問題になりかねないので断念せざるを得なかった。
もっとも、頭数が無いのも事実なので緊急時のお手伝いではお声がけいただけることになっている。
次に畑仕事。
腰を痛めると厄介なので立ったまま背の小さい雑草を取れる三角ホーを作ってひょいひょいやったら全員から作ってくれと殺到された。
農作業はほぼ全員が取り組むので他の仕事も熟すべし。
という訳で狩猟の時や村民たちの紹介の中で親しくなった村のガキ大将ことシンを試しに新型の弓を考案した。
末はずと下はずに偏心輪軸を搭載し、簡易的なアイアンサイトも取り付けた
結果は上々、この弓にしてからシンは獲物を捕らえたらしく効率化に一歩進めたようだ。
元々シンは採取や狩猟に向いた落ち着かない性格なのでいつか実績を上げるとは思っていたがあっさりと行ったので狩人の長を務めるドラからもお墨付きを貰えた。
リオもいることから狩人の後継問題も時間の余裕ができたのでこちらも一歩前進。
リオもカムンもこうした改善作業をした結果、2か月も経った頃には村の一員として受け入れられた。
様々な道具製作と共有施設を造っていたらそこから更に2か月ほど経過した頃にはすっかり刈り入れ時の時期が来てしまった。
さて、刈り入れであるが陸稲なのを含めても手作業でやるには中々効率の良い方法が無いのが実情だ。
刈り入れ鎌はもうあるし、基本は根切りするため腰を低くする姿勢がどうしても避けられない。
コンバインは実に偉大であるとカムンは感慨深く思いながらスパスパと神天力を使いながら稲を刈っていく。
最初は鎌を律義に使っていたが初めの田畑が終わった後に残りの量を見て自重を投げ捨ててしまったのである。
ギョッとしながら村人たちは人間コンバインと化してものすごい速度で刈り入れていくカムンを見るほかなかった。
とてもじゃないが真似出来るものじゃない。
本当はこういったズルは他人を堕落に導く悪手だが腰を痛くしてまで付き合う道理もないとカムンは判断した。
これは今後の課題だ、と自省しつつ他より数十倍の速度で刈り取りを行っていった。
その甲斐もあってか例年より圧倒的に早く刈り入れが終わったのは言うまでもない。
ただし自重してくれとユバやシンを通じて村人の熟年勢から文句を告げられた。
これに関してぐうの音も出ないので来年の教訓とさせて頂きたいと告げるので精いっぱいなカムンである。
効率を求めても良くない結果に繋がることも多々ある物である。
村人たちでも多少の教育で継続的に使えるローテクで負荷を抑える方法を模索しなければならない。
ただし個人で任されたからには自重は投げ捨てる。
ドラマーの如くカムンは怒りの複数同時足踏み式唐臼を敢行して爆速でやり切った。
何なら精米機術式を開発して同時進行でより多くやった結果、脱穀と籾摺りが間に合わないというポカをやらかしつつ高品質な白米を生産していく。
ユバは渋い顔をしながら交易用等に用意されていく白米を見るほかなかった。
そうして大忙しの収穫作業が早めに終わって一息つこうとした頃に事件は起こる。
それはユバからリオとカムンに王都へ年貢と冬への備えを除いた余剰分の売却に向かう際に護衛として同行を求められて居た時だった。
聞き覚えのある怒鳴り声がリオとカムンが作った浴場小屋から響いてくる。
「む・・・この声は、シンか」
彼は確かに血の気はあるがそう易々と怒鳴り散らすような激しい男ではない。
ルリは彼を落ち着きのない自分の不出来を棚上げにしている嫌味な奴と白い目で見ているが女性陣がリオに群がって他の男児衆に価値がないと言っているも同然なら危機感を持つのは当たり前だ。
それのまとめ役であるシンも村の中のパワーバランスが著しく崩れるならリオを警戒するのも無理ない。
ここら辺を上手く埋めてあげるのがカムンの役割だろう。
リオにそこまで人間の機微を受け止める程まだできてはいないのは確かだからだ。
話を戻し、全員で声のした方に向かうと案の定、シンが村の若人を引き連れて見慣れない同じく若人の連中に突っかかっていた。
シンは難癖付けて無闇に喧嘩を売りに行く男ではないと知っている為、怒鳴られながらに飄々と嫌味を言う大男に原因があるのだろうとカムンは仮定する。
大男はルリを貰って村の村長になるという何とも生臭い野望を語っていた。
シンたちは露骨に嫌な顔をする。
カムンもあんな脂ぎった欲望を持っている奴が村長にでもなったら村の運営が崩壊する事待ったなしと思うのでお断りだ。
あろうことかサヨにまで手を出すと言われてシンはついに手が出てしまう。
彼にとって、唯一の肉親であるサヨは代えがたい存在である。
それを穢してやるとうそぶくのは挑発の領域を超えた明確な侮辱だ。
シンの右フックが大男の左手の平で受け止められると乾いた音を響かせて止まってしまった。
驚く暇もなくシンは大男の空いていた右手に首根っこを掴まれて持ち上げられてしまう。
一線を越えたと判断したカムンは瞬時に動いた。
音もなく一気に接近するとシンを掴み上げている前腕を鷲摑みにする。
突然の乱入者に大男は虚を突かれたが前腕を掴むだけのカムンに下卑た表情を向けた。
「なんだぁてめぇ・・・?」
「・・・私の友人に、何かご用かな?」
大男の質問を華麗に無視してカムンは質問で返す。
同時に腕力を一段階上げて握力を高めた。
「ぐっ・・・!」
流石の大男もその鈍い痛みにうめき声をあげたがまだシンを解放しようとはしなかった。
なのでカムンは無言で更に握力を強くする。
ミシミシと腕の骨が軋む音が骨格を通じて大男の聴覚神経を震わす。
「もう一度問おう。私の友人に、何か用か?」
声のトーンは落ち、とっとと放せ。さもないとこの腕をへし折ると言外で突きつける。
その歴戦の戦士特有の凄みに気圧された大男は焦りを覚えるが。
「そこまでだ!」
遅れてやってきたユバが制止の声を上げた。
「ユバ殿お待ちを。これはまだ私の友人の殺生を握っている」
彼女のその場を収める手管は分かるがそれ以前の状況であるとカムンは低いトーンの声で訴える。
「ゴン、シンを離しなさい。その腕があらぬ方向に曲がっちまう前にね」
ため息を吐きながらユバは大男・・・ゴンに警告する。
「ちっ・・・わーったよ」
このままだと本当にそうなりかねないと感じていた大男―――ゴンが渋々と言った感じでシンを離した。
放り投げられなかったのはカムンがガッチリと掴んで動かせなかったのもある。
手が離れたのを見たカムンは素早くシンの脇に腕を回して着地の衝撃を緩める。
「お兄ちゃん!」
地面に降ろされて咳き込むシンに思わずサヨが駆け寄る。
その光景を見てゴンは嘲笑を浮かべようとしたがより体躯の大きいカムンからの強い警戒でそれを引っ込めざるを得なかった。
「・・・で、なんで他所の村長の息子であるアンタがここに来て騒ぎを起こしたんだい?」
「おーそうそう、俺たちゃ村の特産品を王都に売りに行く途中でよ。荷車が壊れちまったんでここの村で修理するのに泊まりたくってな。そんで村長である婆さんにお伺いしたって訳よ」
話の筋は通っている。
警戒を解かないがカムンはそう評価する。
恐らくは嘘も多分に混じって入ると直感しているが。
「そしたら見慣れない小屋が建っているから気になって近づいたらこいつらが飛び出てきてってのことさ」
そしてカムンたちが見た光景に繋がったという事である。
まるで自分たちは悪くないという言い草だ。
「その人相の悪さでこの場所にうろつけばそうもなろう」
信用されてないからだろう、とカムンは暗に言いながら呆れて指摘する。
そもそも見慣れない物だからと言って他所のところに無遠慮に近づけば警戒されるのは無理もないことだ。
不躾な事、極まりない話である。
「んだとてめぇ・・・」
嘲られたことはさすがに分かったのかゴンはカムンに詰め寄ろうとする。
「ゴン!カムン殿も、抑えてください」
「
ここで手打ちはエスカレーションに発展する可能性があり、白黒つけるのも重要だというのがカムンの意見であるが、これ以上の騒ぎは望ましくないのも事実なため引っ込めることとした。
物騒な発言をするカムンにしっとりとした一瞥を一瞬、向けつつため息を吐いてユバは沙汰を下す。
「村に滞在するのは一応、許す。掟に則って旅客用の小屋は貸してやるが不急不要の外出は禁ずる。次に騒ぎを起こしたなら問答無用で村から出て行ってもらうよ」
「へぇへぇ」
あれだけ殺気を当てたにも関わらず懲りないあたりなんと酷い有様だ、とカムンは呆れてものも言えなかった。
「申し訳ありません。ユバ村長」
今まで後ろに控えていた大人しそうな少年が頭を下げてきた。
なるほど、お目付け役という訳であるがちょっとばかし荷が重いように見えるとカムンは分析する。
「苦労は分かるがこれじゃあ意味がないよ」
ユバの嫌味に少年は返す言葉もないのか無言で会釈すると不機嫌そうに帰っていくゴンに着いていく。
後ろに控えていたリオを見つけてゴンは更に不機嫌になるとよろける振りをして肩を当てに行ったがリオは微動だにせず、ゴンを逆にふら付かせた。
「大丈夫ですか?長旅でお疲れでしょうし、早めに休まれてはどうでしょうか?」
しっかりと嫌味を残すのがリオらしい。
ゴンたちが見えなくなった後、シンたちはユバに説教をされていた。
先に手を出した挙句に返り討ちに合うというメンツ丸つぶれの結果だったからだろう。
とはいえ、あの様子だと言い含めて大人しくなるような行儀の良さはないとカムンは確信している。
「やっぱり半殺しにして教育した方がいいんじゃないですかね」
「アレでも他所の村長の次男坊なんだ。面倒なことになるからやめておくれ」
先ほど確かにちらっと言っていたがだとしたらあんなクソガキに出来上がっているのは大問題なのではないだろうかとカムンは訝しんだ。
あの自信は恐らく精霊術の肉体強化に天賦の才があるからだろう。
力に頼るならばそれ以上の暴力で打ちのめしてやるほかない。
「然様ですか・・・」
少し頭を捻る必要があるようだ。
悪い顔をしながら引っ込んだカムンにユバは一抹の不安を覚えつつシンたちに警戒を促す。
「なぁ婆ちゃん。今日はサヨを泊めてくれないか?」
シンは明らかにショックを受けた表情をしながらそう提案してきた。
今しがた無様を晒した折、妹を守れる自信が彼にはなかったのである。
自分だけなら死んでも別に良いが、妹があんな連中の慰めものになるのだけは我慢ならない。
ならば近くに自分の何倍も頼りになり、ゴンを圧倒できるだろうカムンが近くにいる村長宅で寝泊まりした方が安全である。
ユバはシンにも泊っていく事を提案したが、情けない姿を見せて傷心気味だったシンはそれを断って、トボトボと自宅へと帰って行った。
ああいうときは下手に触ってしまうと却って拗らせたりしてしまうので静かに見送ってやるのが情けである。
明日には何か渡してやるべきだろうとカムンは思案する。
ひと悶着はあったが夕飯の準備に取り掛かる、がその前にカムンたちは念のため防犯の仕掛けを用意することとした。
もしもの為、というがぶっちゃけた話カムンもリオも彼らは十中八九何か仕掛けてくると確信している。
来ると分かっているなら盛大な歓迎をしてやるのが道理だ。
精々、悪だくみに精を出してもらうとしよう。
まあ評判通りに賢いのならばカムンが仕掛けてきた時点で機ではないと判断すると思うが果たして。
カムンの動きがそんなないのも恐らく受けが悪いのかなと思うのですが思いっきり動かしたら一瞬で精霊幻想記 完 っとでんじゃらす魔神な結果となるので・・・。
だってスペースゴジラと宇宙戦艦ヤマトがシュトラールでぶん殴りあったらシュトラールが消滅するじゃない?(
我ながら面倒な奴を主役にしてしまった(; ・`д・´)
副社長アークライト氏が救助に向かうそうですが時期はどっちが良いですか?
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早めに越したことはない(原作5巻あたり)
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遅めでもまあ大丈夫でしょ(原作20巻)