ちなみに副社長が乱入するとウルトラハードモードになります。
なのでアンケートに答えて頂けますと幸いです<(_ _)>
闇夜の原っぱ、凪が草々を揺らして心地よい音を出している中でリオは後悔と自責の念に苛まれていた。
あの瞬間にフラッシュバックした記憶から溢れ出た殺意を抑える事ができず衝動のままリオはゴンを殺す気で拳を振るった。
出来るだけ苦しみ抜くよう絶妙に手を抜きながら。
「無様であったな」
敢えてザクザクと草を軽く踏み鳴らし音を立てながらやって来た長身の男が揶揄う声色でそう語りかけて来た。
「まったく、お前らしく無い」
「カムン、さん・・・」
リオはその男、カムン・テレイズの言葉に何も言い返せなかった。
全て事実、自身でも情けなく、無様を晒したと思っている。
しばし沈黙が支配して大きくため息を吐いたカムンが切り出して来た。
「お前さ。前に強くなりたい理由を訊いた時、母の仇を討つためだって言ってたよな?
あの時は不躾な事だろうと思い、聞かないでいたがいつも理路整然としている奴が発狂したみたいな事をすれば伺わざるを得なくなる。
殺しを教えた手前、把握しなければならない事だからだ。
「・・・・・・目の前で、あの男に犯された挙句、殺されました」
観念したのかリオは長く沈黙したのちにその重い口を開いた。
母を理不尽に殺したあの男、ルシウスの顔を思い出すたびにリオはその心内にドス黒い憤怒が燃え盛る。
だがカムンはなにも言わずただリオが語る話に耳を傾けていた。
「なるほどな」
カムンは大まか予想通りの内容に特段驚きも無くそう締めた。
「貴様が思っていた以上に刻まれたトラウマと言うのは大きい、と言う事だな」
「自分でも、正直なところ驚いてます」
「
どこか他人事のように語ったリオの言葉にカムンは少し顰めた顔でそう吐き捨てた。
リオの中にある彼が7歳の頃に突如として蘇った前世の記憶。
その人物の名前が天川春人という日本人だという。
カムンに言わせれば彼の人生は虚無と言う他なかった。
死から遠ざかった世界で生きて来た記憶と誰かの死を望み手に掛ける事へ執念を燃やすリオは相反する存在である。
それはさて置き、問題は別だ。
「それだけの経験をして、なにも無いのはあり得ない事だ。貴様の反応は別に可笑しいものではない」
気遣うような言葉であったがカムンの声色は冷たく平等的なものであった。
「だがそれは弱みでもある」
その単語にリオはぴくりと反応した。
「我を失い、力の限り振るうそれは戦士では無く、
その言葉はリオの胸にグサリと冷たい氷のように突き刺さった。
自分が感じていた違和感の正体を突きつけられた気分である。
「
そう冷たく言い放つカムンであるがリオの反応を見る限りこれを無様と恥じているから違うのだろうと判断する。
「・・・どうすれば良いのですか?」
「戦士たる者、常に流れを読めとかつて
要は冷静に行動して周りを見て判断せよと言うことだ。
どんな衝動も御して己の力にするのが真の戦士であると。
「心を殺して戦えと」
「違う。その衝動もまた己を成すものと受け入れ、理解し、糧とせよ、だ」
リオは苦虫を潰したような顔をした。
当然だ、それができれば苦労はしない。
「だがそれ以前、貴様には
「どういう事ですか・・・?」
リオはカムンが放ったその言葉の意味が理解し得なかった。
修練が足りない、なんていう後天的な問題なのだろうか?
いや、違う。
直感が走り、否を突き付けた。
彼が言っているのはもっと根源的なモノであると。
「身体を鋼の如く鍛えようとも、どんなに外から増強された力が有ろうとも、物質的な器が小さければそれらは宝の持ち腐れに過ぎないのだ」
莫大な
「故に」
その時、カムンから漂う雰囲気が一変した事にリオはすぐ気付く。
だが振り向こうとしてそれができないことも同時に理解した。
いや、もっと正確に言うならば
『問おう。汝はどのような犠牲を払ってでも力を欲するか?』
超常たる存在が睥睨しながら問いかけるそれは嫌に甘美なものをリオへ与えた。
「俺は・・・」
リオは迷う。
カムンは戦い方や経験だけでなく、より根幹的な強さにつながるモノを与えよう、と提案しているのが分かった。
だがそれには当然、代償が必要である。
それほどの力を手にすれば人は有無を言わさず変わらざるを得なくなるからだ。
だから、より高みに至れる権利を与え、権利を使うならその対価も義務も払え。
それがカムンの言いたい事なのだとリオは思った。
『汝、今を生きる理由は一つ。母の仇を討つこと。そうではないのかえ?』
仇を討つ。
そうと決めたのならば貫き通せと蛇は嘯く。
『善悪を盾にして燻る己の本心を見て見ぬふりをしてきたツケがこれだ。それでは仇を討つとどころか何も守れない』
その言葉にリオは唇をきつく結ぶ。
分かっているのだ。
これそのものが【弱さ】であると。
それは覚悟が口先八丁なだけであることを暴露するも同然である。
『だがそれでも、と言うのならば』
拳を握り、歯軋りをするリオの背後からの伝わってくる雰囲気がまた変わった。
身体を締め付けるそれがなくなり、肌を突き刺す冷気はやわらぎ火照った身体と心を冷ます心地よい物になっていく。
振り返ると、そこには。
『我が手を取って見せろ』
巨大な体躯をした六対の翼を掲げ、二対の腕を持つ蛇のような影が居た。
遠く彼方にいるのに息をするのも許さぬ圧倒的な気は存在としての差をまざまざと突きつける。
その左目の瞳は
二対の腕のうち一つの右腕が差し出され、握られている拳が開かれる。
掌の上には一際、存在感を放つ真っ暗な穴があった。
穴のようなものは脈動し、絶えず力強い波動が放たれている。
言われなくとも理解させられる其れは彼が与える力だ。
『これを取れば貴様は人としての枷から解き放たれる』
黒く染まった巨蛇はその目を細めながら語る。
だが顔色は分からない。
リオにはそれを拝謁する資格がないからだ。
『それは同時に人としての世界から切り離されることも指す』
穴が放つ拍動をリオはじっと見ていた。
『人でありながら
「何を、捧げればいいのですか?」
莫大な力を呈する魔神にリオは尋ねる。
『そうさな・・・・では、貴様の【余生】を貰う事としよう』
「・・・余生?」
ファジーな要求にリオは困惑の声を上げた。
『
そして手足として存分にその力を振るってもらう。
まあ単なる終身雇用の一環だ。
人の世界から切り離れればもう生きて行けるのは難しい。
共同体というのは異質なものを排斥することで互いの信頼性を高める習性があるからだ。
『好機はこの一回のみだ。さぁどうする?』
これから神の如き領域に踏み込むのだ。
目的が終わった後の人生をくれるぐらい造作もないだろう?
蛇はそう告げた。
目をつむり、心に問いを掛ける。
リオに迷いはなかった。
「それでみんなを守れるのならば」
『宜しい』
蛇の手より穴は離れ、リオの目の前に差し出された。
手に取ればそれは恐ろしく冷たく、だが力に満ち満ちている。
リオはそれを手に取るとひと思いに呑み込んだ。
『契約は此処に相成った』
体に入り込んだ途端、なにかが変わっていくような言葉にし難い感覚をリオは覚えた。
『その選択が良き結果に繋がることを切に願おう』
生活リズム整え始めたらモチベが回復しだした。
行けるか・・・?
副社長アークライト氏が救助に向かうそうですが時期はどっちが良いですか?
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早めに越したことはない(原作5巻あたり)
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遅めでもまあ大丈夫でしょ(原作20巻)