転生したらイブキの兄だった件   作:砂糖菓子くん

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今回でトリニティでのお話は終わります


剣先ツルギと丹花タツミ

「あぁ……♡もっと!もっとですタツミさんッ!もっと貴方の全てを私にぶつけてください!」

「チィ……その余裕、すぐに吹き飛ばしてやるよッ!!」

 

狐坂から目にも止まらぬスピードで繰り出される蹴り、銃撃、銃床での波状攻撃。

俺様はそれらを盾とブークリエを使って全て受け流し狐坂に接近して盾を振りかぶるが、俺様の渾身の一撃は狐坂が後ろへと跳躍したことにより空を切る。

 

「逃がすかよ!」

 

俺様は跳躍した狐坂に距離を詰めるために踏み込むと、そのままブークリエの引き金を引いた。

しかし狐坂はそれを並外れた身体能力を活かし、バク転や側転をして軽々と躱す。

 

「クソ、ちょこまか動き回りやがって!」

 

俺様はそう吐き捨てながら再度狐坂へ踏み込んで回し蹴りを浴びせるが、狐坂の歩兵銃でそれを防がれる。

そしてそのまま狐坂の蹴りが俺様の軸足を襲ってくるが俺様はそれを盾を引っ張って受け止めた。

お互いの攻撃が通らなかったと判断した俺様達は同じタイミングで後ろへ飛び、一旦距離を取る。

 

「ウフフ♡そんな大ぶりの攻撃では私を仕留めることは敵いませんわよ?」

「うっせぇな!んなこたぁ分かってるんだよ!」

 

こちとら何度お前と戦ってきてると思ってんだ。

この程度でお前が倒せるなら毎回精神を削ってギリギリの攻防をするなんて苦労はしてねぇんだよ……!

空になったブークリエのマガジンを銃を振って飛ばし、懐から新しいマガジンを差し込む。

そしてチャージングハンドルを引いてチャンバーに弾丸を送り込むと、俺様は盾を再度構えた。

 

「おらおらぁ!さっきまでの勢いはどうしたんだ正義実現委員会!」

「こ、ここから先へは通しませんよ!」

 

……まずいな、狐坂の登場により明らかに敵の不良共の士気が上がって攻撃の勢いが激しくなり始めている。

今はまだ最前線でショットガンを持った部員達が食い止めてくれているが、彼女たちも今までの戦いのダメージが蓄積しているのか徐々に動きが鈍り始めている。

その証拠に、俺様達の陣形は少しづつ後退を余儀なくされジリジリと前線が押され始めていた。

 

ちらりと後ろを確認すると、前衛のすぐ後ろでは後衛を努めている羽川先輩や静山。それに率いられた後衛担当の部員達が必死に敵の頭数を減らしているのが見える。

不良どもの射線と後衛のポジションは常に把握しているけど、狐坂と戦闘しながらだと何かあった時にすぐに割り込むのはちょっとばかし厳しいかもしれねぇな……!

 

「くっ、災厄の狐が出現した途端に陣形が……!」

「今は敵を倒すことに集中しましょうマシロ。本来であればツルギが居ないこの時に災厄の狐が現れたら私達の前線は崩壊しているはず……そうなっていないのは災厄の狐を1人で食い止めているタツミさんのおかげです。」

「……そうですね。早く敵を片付けて、タツミさんの援護をしなければ……!」

 

銃声や怒号に混ざって何を言っているのかまでは良くわからないが、静山の表情を見る辺り少し焦りが見える。

そんな中でも羽川先輩は流石と言うか、冷静な表情を浮かべて淡々と敵を処理しているようだ。

 

「それにしても前衛での立ち回り方から相当な実力者だとは思っていましたが、あの七囚人の災厄の狐と1対1であの立ち回り……タツミさんは一体何者なんですか?」

「本人曰く、普通のゲヘナ生とのことですよ。」

「いや、ヴァルキューレからもはや災害とまで呼ばれている程の実力者である災厄の狐と1人でやり会える人が普通なわけないじゃないですか……」

「……それもそうですね?」

 

相変わらず何を言っているのかは雑音のせいでほとんど聞こえないけど、ああやって話しながら対処に当たれるだけまだ後衛組に余裕があるのは確かだろう。

なら、ここは前衛組の踏ん張りどころだな……!

 

「あら……この私を前にして他の女に目移りするなんて……ワカモ、嫉妬で狂ってしまいますわよ?」

「そいつは悪かったな!まぁ安心しろよ狐坂、お前を地面に叩き伏せるまではお前の事だけ見ててやるよ!」

 

と言うか、そもそも狐坂から目を離しながらこいつと戦うなんて離れ業が出来る奴なんてキヴォトス中を探してもそうそういるもんじゃないだろう。

狐坂は強い。俺様の持てる全ての力をぶつけても勝てるかどうか怪しいくらいには強いんだ。

何度も襲撃されてるが、その度に引き分けが関の山なんだからな……こいつに勝てたことなんて一度たりともない。

 

……だからこそ、負けられない。負けたくない。

こいつにだけは絶対に勝ちたい。必ず勝ってやるんだ!

 

「まぁ……ウフフ♡それは私に対する愛の告白と受け取ってよろしいでしょうか?♡」

「あぁ!?宣戦布告に決まってんだろこのバカタレ!」

 

この、いつもいつもふざけやがって……!

今日という今日こそはそのふざけた態度をねじ伏せてその仮面を引っ剥がして素顔を拝んでやるからな!

 

「ウフフ♡まさかタツミさんからそこまで情熱的に求められるとは……このワカモ、感無量ですわ♡」

「オイコラァ!!!てめぇ人の話を聞けやぁ!!!」

 

狐坂は頬に手を当てながら愉快そうに笑うと、その場で体をくねくねと動かし始める。

だからその動きはやめろっつってんだろ!

気色悪ィんだよ!

 

「チクショウ!」

 

いつまでもこいつのお遊びに付き合っていたらこっちのペースを乱されるだけだ。

そう判断した俺様は盾を構え、狐坂へと突撃する。

狐坂は俺様が突撃してきているのを視認すると、迎撃のために歩兵銃を低く構えた。

 

「行くぞ狐坂ッ!」

「はいっ!思う存分戦り合いましょうタツミさんっ!」

「望むところだ!勝つのは俺様だがなぁ!」

 

そして、俺様の盾と狐坂の銃床での一撃が衝突する。

腕に伝わってくるとんでもない衝撃を耐えつつ、俺様は盾を滑らせると狐坂の胸元にブークリエを突きつける。

そしてそのまま引き金を引くが、狐坂は流れるように歩兵銃の銃床でブークリエの銃口を殴りつけた。

銃口を逸らされたブークリエはそのまま明後日の方向へ弾丸を発射する。

 

「クソ!」

 

だが俺様はブークリエの引き金から手を離して空中に浮かせてストックを掴むと、そのまま狐坂の肩を狙って銃床での攻撃を繰り出す。

だが狐坂はそれを読み切っていたかのように手にした歩兵銃でそれを防いだ。

 

「ウフフ、そう来ると思っていましたわ!」

「チィ、お見通しってわけか!」

 

流石に何度も戦っているとクセや行動パターンを把握されているのか、先ほどから狐坂が妙に俺様の行動の先まで読んで対応してきている気がしてならない。

 

だが、それはこちらも同じことだ。

もう何度お前と戦ってきてると思ってるんだ狐坂。

この状況になったら、次にお前が取る行動は……

俺様の足元を狙っての蹴り、これしかない!

 

「あめぇんだよ!」

 

行動さえ読めていれば、そんな蹴り怖くも何ともない。

俺様は急いで盾を足元に引っ張ると狐坂の蹴りを防ぎ、そのまま盾を振って狐坂を弾き飛ばした。

 

「あら、良く私の攻撃が分かりましたわね?」

「当たり前だ。もうお前と何度やり合ってると思ってんだ狐坂?そんな見え見えの攻撃なんざ食らうかよ!」

「まぁ……♡つまり私達は以心伝心ということですね♡」

「んな訳ねぇだろドアホ!」

 

狐坂は愉快そうに歩兵銃を俺様に構えながらそう言う。

クソ、やっぱりやり辛いことこの上ない……!

 

「押せ押せ!正実の連中は怖気づいてるぞ!」

「皆!苦しいだろうけど一歩も下がるなよ!これ以上前線を下げるとマズい!なんとか踏みとどまってくれ!」

「「「はいっ!」」」

 

周囲で陣形を必死で維持している正実の部員達にそう声を掛けると、前衛の正実の部員達は歯を食いしばって前だけを見て戦い始める。

 

「ウフフ……さぁタツミさん、もっと私と……っ!?」

 

俺様と正面で対峙していた狐坂は愉快そうに笑っていたが、ふとハッとしたような声色になると急に地面を蹴ってその場から大きく跳躍を始めた。

奴の唐突な行動に首を傾げていると、先程まで狐坂の居た位置に一発の弾丸が音を立てて着弾する。

あれは……羽川先輩のスナイパーライフルの弾丸か?

 

「タツミさん!援護は任せてください!」

 

そう推測を立てていると、俺様の後ろから羽川先輩の叫び声が聞こえてくる。

俺様は狐坂から視線を外さないようにしつつチラリと後方を確認すると、そこには手にしたスナイパーライフルをコッキングしながらこちらに向かって呼びかけてくる羽川先輩の姿があった。

やはり、あの弾丸は羽川先輩が発射したものらしい。

 

「それは助かりますが、後衛の方は大丈夫ですか!?」

「マシロを含めた部員達が全力で対処に当たっていますので安心してください!それに災厄の狐をなんとかしなければ、タツミさんも前衛の子達もいずれは限界を迎えてしまいます!」

 

……それは確かにそのとおりだ。

現状は俺様が狐坂を、前衛の子達が不良どもをなんとか押さえつけて前線をジリジリと下げつつも持ちこたえているがずっとこの状態が続いてしまえば陣形が崩壊するのは時間の問題と言える。

なら解決策は1つ、この暴動の首謀者である狐坂をとっと無力化してしまうことだ。

狐坂を無力化すれば不良達の士気も下がるだろうし、単純に敵の最高戦力が居なくなるなら前線を押し返すことも不可能ではない。

 

羽川先輩が俺様とともに狐坂の対応に当たるなら奴の実力的に必然的にそちらへつきっきりにならざるを得ないだろうが、静山を初めとした正実の後衛の部員達も羽川先輩が認めるほどの精鋭揃い。

なら彼女たちを信じ、羽川先輩に頼るのが得策だろう。

 

それに、羽川先輩の狙撃の腕は俺様が今まで見てきた人の中でも1、2を争うほどには正確無比なものだ。

それはシャーレ奪還戦の時に一緒に戦った時にひしひしと感じたしそんな人が援護をしてくれるというのであれば願ってもない申し出だ。断る理由などない。

 

「はい!頼みます羽川先輩!」

 

俺様は羽川先輩に手でハンドサインを送りそう叫ぶと、盾を構えて再度狐坂と対峙する。

 

「災厄の狐!ここからは私も相手になります!」

「……あら、私はタツミさんとの一対一を望んでいるのですよ?邪魔者はお呼びでは無いのですけれど?」

 

そんな俺様達のやり取りに思う所があったのだろうか。狐坂は俺様ではなく羽川先輩の方へと視線を向けると、仮面の下から冷え切った声で静かにそう言った。

先程までの愉快そうな雰囲気とは180度違う、明らかにつまらないとでも言いたげな声だ。

 

「……思い出しました。貴方は確か私がシャーレでタツミさんと初めて戦った時も邪魔をしてくれた女ですね?」

 

狐坂は背筋の寒くなる様な冷たい声でそう言い放つと、次の瞬間奴の前進から殺気が放たれた。

その雰囲気を感じ取り、俺様の頬を嫌な汗が伝う。

 

「私とタツミさんの初めてを邪魔した挙げ句、今回も邪魔をするとは……」

「いや言い方ァ!」

 

語弊を招くような言い方をすんじゃねぇよ!

周りの正実の部員達はもちろんだが、不良共も若干困惑してんじゃねぇか!

 

「……だからなんだというのですか、災厄の狐。」

「ウフフ。少しタツミさんと仲がいいからと言って彼女面とは……のぼせ上がりすぎなのではなくて?」

「……はい?」

 

……いや、何ってんだこいつ?

別に羽川先輩は彼女面なんてしてねぇだろ……?

 

「貴方は知る由もないでしょうけど私はもう何度もタツミさんとはこうして命の取り合いをさせて頂いておりますので……タツミさんの細かい癖はもちろん、戦闘時の動きなどは把握しております。」

「そりゃそうだろうな、お前が何度も何度も襲撃してきてんだからよ……!」

「ウフフ♡それに私は戦闘中にタツミさんに抱きかかえられたりしたこともありますので……♡」

「……タツミさん?」

「いや誤解!誤解です羽川先輩!」

 

ジト目でこちらを見てくる羽川先輩に対して俺様は抗議の声を上げる。

確かに戦闘中にビルの上から落ちそうな狐坂を抱きかかえた事はあるけど、あれはあのままだと狐坂が落下しそうだったからなだけで……

ってかこのやり取り申谷の時も同じことやったじゃん!

くそ、わざとやってんだろこいつ……!

 

「その無駄に育った体でタツミさんを誘惑するのはやめていただきましょうか、卑しい駄肉女さん?」

「だ、駄肉女……!?」

「お、おい狐坂てめぇ!なんてことを……!」

 

こいつ、よりにもよって羽川先輩が一番気にしていることを堂々と言いやがって……!

俺様は内心で舌打ちをしつつ羽川先輩の方を確認すると、そこには体中から変なオーラが出ているのではないかというほどに目を吊り上げて憤慨している様子の羽川先輩の姿があった。

 

「許しません……絶対に許しませんよ!災厄の狐ッ!!」

 

羽川先輩は周囲に響き渡る程の憎悪の籠もった大きな声でそう叫ぶと、手にした銃を狐坂へと向ける。

……マズい、あれは完全に頭に血が上っちまっている。

 

「あら、図星を突かれて憤慨してしまいたか?体は無駄に大きいのに器の方はとても小さいのですね?」

「まだ言いますかっ!!」

「おい狐坂!いい加減その口を閉じろ!これ以上羽川先輩を侮辱するなら俺様だって容赦しねぇぞ!」

「私は事実を言っているだけですよタツミさん。どうですか?あの様な無駄に肉のついた女よりも私のような程よいスタイルの方が貴方好みだとは思いません?」

「ハァ!?一体何の話をしてんだてめぇは!?」

 

つーかそれを言うなら和服を着てるせいでパッと見わかりづらいけど、お前だって羽川先輩に負けず劣らずのダイナマイトボディだろうが!

そもそも狐坂だってとんでもなく短いスカートを履いてるわけだし、その一点で見るならエグいスリットの入ったスカートを履いている羽川先輩に負けていない。

そうだよ!目のやり場に困るって意味では羽川先輩もお前も俺様にとっちゃあんま変わんねーっつーの!

しかもその格好で飛んだり跳ねたりすんだから別の意味でヒヤヒヤするわ!もっと羞恥心を持てよな!

 

「それとも、タツミさんはもっとスレンダーな女性の方がお好みですか?」

「だから何の話をしてんだてめぇはよぉ!つか人の話を聞けやゴルァ!!!」

 

クソ、もうこれ以上こいつに付き合ってられっかよ!

てめぇのペースに飲まれてたまるか!!!

 

「羽川先輩!絶対にこいつはボコボコにしますっ!」

「はいっ!私も全力で援護します!」

 

俺様は羽川先輩は顔を見合わせて互いに頷くと、それぞれの武器を構えて狐坂へと向ける。

 

「行くぞオラァ!!!」

 

俺様は地面を蹴ってその場から飛び出すと、再び狐坂へと距離を詰めにかかる。

そして狐坂との距離が詰まり、本日何度目か分からない狐坂との衝突が起ころうとした……その時だった。

 

「きえぇぇぇぇぇっ!」

 

突然、その場にこの世のものとは思えないほどの奇声が大声で響き渡った。

 

「何ッ!?」

 

俺様はその声を聞き、思わずその場で急停止する。

まさか新手か?クソ……狐坂だけでも厄介だってのにここへ来て敵が増えるなんて聞いてねぇぞ……!

俺様は狐坂への警戒を解くこと無くその場で盾を構えると、奇声のした方へと視線をやる。

 

「……厄介な方が来てしまったようですね。」

 

……が、図らずとも狐坂は俺様と同じくその場で停止しておりこちらへの警戒を解くことはなくその奇声の聞こえてきた方を仮面越しに睨みながらそう言葉をこぼす。

口ぶりからしてどうやらこいつの味方ではないらしい。

 

じゃあまさか本当に新手か?

この暴動を聞きつけて、便乗して暴れてやろうって企んで乗っかってきた第三勢力だとでも言うのか?

だとすると面倒なことこの上ないが……

 

「この声は……!」

「……やっと来ましたか。遅いですよツルギ。」

「ツルギ委員長だ!みんな、ツルギ委員長が来たよ!」

 

俺様がそんな事を考えていると、羽川先輩や静山を初めとした正実の部員達の士気が一気に上がり始める。

……ツルギ?

なんだろう、どこかで聞いたことがあるような……?

 

「おわぁ!?な、なんだこいつ!?」

「ぎゃあぁぁぁぁ!」

 

変わらず狐坂を警戒しつつ奇声の発された方向を睨んでいると、そこでは不良が悲鳴を上げながら宙を待っている言うとんでもない光景が目に入ってきた。

銃声的には恐らく単発系……それもショットガン系の武器だと思われるが、かなり高速で連射しているようだ。

となると俺様と同じフルオートタイプのショットガンか、もしくは両手に持っていると考えるのが妥当か。

俺様はそのまま銃声のする方へ視線を固定していると、やがてショットガンを何発も撃ってはこちらへ猛スピードで向かっている人影が見えてくる。

 

「きへへへへへへへ!」

 

後ろに正実の援軍と思われる部隊を引き連れ、ギョロリと血走った目をしながら奇声を上げつつこちらへと猛スピードで向かってくる集団の先頭を走る人物。

その姿はまさに鬼神。血気迫る表情を浮かべているのも含めて、思わず怯んでしまいそうな程の迫力だ。

 

……そうだ、思い出したぞ。

あの人は確か正義実現委員会の委員長である剣先ツルギ委員長だったはずだ。

羽川先輩のモモトークでの会話で良く出てくる情報によれば、確か普段は大人しいけど戦闘の時になると人が変わったようになるとのことだが……

 

「キャハハハハ!さぁ、次はどいつだぁ!」

 

……いや、あれは人が変わっているってレベルなのか?

血走った目と言いあの尋常ではない雰囲気と言い、端からはどう見ても戦闘狂にしか見えないのだが…… 

彼女とは前に美食研究会がトリニティで暴れてくれた際に少しだけ会っているけど、挨拶もままならないまま解散してしまったから良くわからないんだよな。

 

ただ、彼女の強さは本物だ。

なんせあの美食研究会を一切の抵抗すら許さずにたった1人で一瞬で無力化してしまうほどだからな。

美食研究会はああ見えて実力は本物であり、本気でやりあえば俺様はもちろん風紀委員会の面々ですら苦戦するほどの実力の持ち主だからな……

元々世紀末なゲヘナの中でも、そこから更にキヴォトス中に指名手配される程の札付きのテロリストなんだ。

俺様の知る限り彼女達を一方的に蹂躙できるのは空崎委員長くらいしか知らない……それと同じ事をやってのけるとは、流石は治安維持組織のトップと言えるだろう。

 

現に彼女は不良たちを吹き飛ばし、宙に巻き上げながら鬼神の様な強さをこれでもかと見せつけている。

そんな彼女が援軍として来てくれた……そりゃ正実の部員達の士気も上がるだろうし、不良は怖気づくわな。

だって風紀委員会で言えば空崎委員長が来てくれたようなものなのだから。

 

「どうやらお前もここまでみたいだな、狐坂。」

 

あの奇声が味方だと分かった以上はもうそちらを警戒する必要は一切ないだろう。

俺様は盾を構えて狐坂へ向き直りながら、威嚇するように低い声を絞り出した。

 

「……タツミさん。私の目が正しければ、あの委員長は私達へ向かって突撃してきているように思いますよ?」

「なに……!?」

 

俺様の視線の先で、狐坂は冷静にそう発言する。

その言葉に慌てて視線を再度奇声のする方へ向けると、そこには狐坂の言う通りこちらへ向かって両手に手にした2丁のショットガンを振りかざしながら突撃してきている剣先委員長の姿が見えた。

 

……よくよく考えれば、俺様は陣形を維持するために前衛の正実の部員達よりも前で戦っていた。

それはつまり敵陣に半分踏み込んで居るということであり、更に狐坂と俺様の距離は現状目と鼻の先だ。

しかも俺様はゲヘナ生だし、ゲヘナの制服を着ている。

以上を総合して考えると……確かに剣先委員長からは敵と判断されてもおかしくはないだろう。

 

「ウフフ♡どうやら私とタツミさんは仲間だと思われているようですね?」

「ちぃ、冗談じゃねぇぞ!」

 

狐坂は何故か嬉しそうに笑っているが、なんでこんなテロリストの仲間扱いされないといけないんだよ!

……え?そもそもゲヘナの生徒が他の学校から見たらテロリストみたいなもんだろって?

う、うるせぇな!事実陳列罪はやめろ!

 

「さぁ、覚悟しろぉ!!!」

「くっ……!」

 

そうこうしているうちにも剣先委員長と俺様達の距離はどんどんと詰まって行き、立ちはだかる不良を倒しながら彼女は既に目と鼻の先までやって来ていた。

 

「ま、待ってください剣先委員長!俺様は敵ではありません!」

 

俺様は必死にそう叫ぶものの、剣先委員長が足を止める様子は微塵も感じられなかった。

……まぁ、無理もないだろう。

今現場に到着した剣先委員長からしたら素性のわからないゲヘナの生徒などまず疑ってかかるのは当たり前だ。

今の状態で剣先委員長を説得しようとした所で、恐らく聞き入れてもらえない可能性が高い。

 

こうなれば……もう仕方ない。

一旦は腹をくくって彼女とやり合うしかないだろう。

彼女の攻撃を受け止めて、それから羽川先輩や静山辺りから説明してもらうのが一番手っ取り早い気がする。

そう考えた俺様は覚悟を決め、狐坂ではなく剣先委員長の方へと盾を構える。

 

「あら、私に背を向けてしまって良いのですか?」

「あ?良く言うぜ、お前は俺様と全力でぶつかった上で負かしたいんだろ?ならこの状況でお前が背中から刺してくるなんて事があるわけねぇだろうが。」

「ウフフ♡良くお分かりで♡」

「ケッ、伊達にお前と何度もやり合ってねぇよ!」

 

ったく、分かりきったことを聞いてきやがって。

狐坂は確かにテロリストだが、俺様との戦いに限ってはそんな卑怯な真似をするやつじゃないのは俺様が誰よりも理解しているからな。そんな心配はしていない。

 

そして俺様がそんな事を考えていると、再度狐坂が突然その場から大きく跳躍する。

何事かと思いそちらへ視線をやるとどうやら俺様が狐坂に背を取られたと判断した羽川先輩が援護のために狙撃をしてくれたようで、彼女の構えているスナイパーライフルの銃口から硝煙が立ち上っていた。

銃弾を避けた狐坂はそのまま俺様から少し離れた場所に着地すると、剣先委員長に向けて銃を構える。

 

「え……ツルギ!?その方は違いますっ!」

 

その後に少し冷静になったらしい羽川先輩の声が響き渡るが、アドレナリンがドバドバ出てると思われる剣先委員長は止まること無く俺様へと向けて突っ込んでくる。

どうやら狐坂の対応は羽川先輩がしていると判断したようで、先に俺様を無力化するつもりのようだ。

俺様はその場で足に力を込めて踏ん張ると、剣先委員長との衝突に備えて盾の取っ手を強く握り締めた。

 

「くっ、よくもタツミさんとの勝負を……!」

 

が、次の瞬間に苛立ったような声でそう吐き捨てた狐坂の手にした歩兵銃から剣先委員長に弾丸が発射された。

剣先委員長はそれを視認すると、狐坂の狙撃をかわすためにその場で急停止する。

そしてその後、剣先委員長の足元に弾が着弾した。

 

「……やはり仲間か。」

 

剣先委員長は狐坂に一度視線をやりそう呟くと、再度地面を蹴って俺様へと向けて加速を始めた。

 

「きへへへへへへへ!さぁ、行っくぜぇ!」

「さぁ来い、剣先委員長っ!」

 

そして……そのまま剣先委員長と俺様の盾が衝突した。

瞬間、全身に伝わってくるあまりにも強い衝撃。

少しでも気を抜けばそのまま足が浮き、後ろへぶっ飛んでしまってもおかしくはないだろう。

 

(チィ、どんな力してんだこの人……!)

 

恐らく狐坂が狙撃をして一旦勢いを止めてくれなかったら俺様はそのまま吹き飛ばされていただろう。

図らずとも奴に助けられる形になったのは気に食わないが……まぁ、今回は素直に感謝しておくことにしよう。

 

「……なるほど。動きからしてただものじゃないとは思っていたが、まさか私の攻撃を受け止めるとはな?」

「へっ、こっちだって伊達に鍛えてないんでね!」

 

ともかく、このまま押し合いをしてはいずれ押し切られてしまうだろう。

そう判断した俺様は盾を滑らせて剣先委員長の力を逃がすと、そのまま自分の力の行き所を失いややバランスを崩した剣先委員長を盾を使って弾き飛ばした。

俺様に弾かれた剣先委員長は少し後ろへ跳躍すると地面へ着地し、こちらへと向けて手にした2丁のショットガンを向けてくる。

 

「……やるな。」

「そいつはどうも!」

「きへへ……さっきまではまるで手応えのない虫けら共しかいなくてな。少し退屈していたところだ。」

(まぁそりゃあんたくらいの実力者から見たらそうだろうな……)

「だがお前は私の一撃を受け止めた上にビクともしていない……災厄の狐だけかと思ったが、まさかこんな実力者に出会えるとはな……」

 

そう言って俺様に鋭い眼光を飛ばしてきながら独特な構えからショットガンの引き金に手をかける剣先委員長。

……冷静に考えたらここで正義実現委員会の委員長と俺様が戦うなんてのはどう考えても良くないんだけど、今はそんな事を言ってられる場合じゃない。

恐らく……と言うか確実に剣先委員長は俺様を狐坂の仲間だと思ってるみたいだからな。

さっき何故か狐坂が俺様を庇うように剣先委員長に射撃をしたのも誤解を加速させる要因になっているはずだ。

 

確か仲正先輩が現場の指揮官に俺様のことを伝えるとは言ってくれていたが、剣先委員長は今合流したばかりのようだから事情を詳しく把握していないのは仕方ない。

正実の連絡網がどこまで機能しているかは正直よく分からないけど、ここで考えていても状況は変わらない。

なら……俺様は俺様に出来ることをやるしかないだろう。

 

「……行くぞ。」

「ちぃ!もうどうにでもなれっ!」

 

ともかく、まずは剣先委員長に俺様が敵じゃないことを分かってもらうしかないだろう。

そのためにも……まずは剣先委員長をここで止める!

 

相手はあの正義実現委員会の委員長。

キヴォトスにおいてトップクラスの実力を持つ、空崎委員長とタメを張れるかもしれないほどの実力者だ。

相手にとって不足はない。

思う存分、胸を借りさせてもらうとしよう。

 

「行くぞ、剣先委員長っ!」

 

俺様は盾を低く構えると、地面を蹴って走り出そうと……

 

「ツルギッ!」

「……ハスミ?」

 

した瞬断だった。

突如、その場に羽川先輩の絶叫が響き渡る。

羽川先輩はそのままスナイパーライフルを構えながら後衛のポジションを放棄してこちらへと駆け寄ってくると俺様と剣先委員長の間に割り込んで来た。

 

「待って下さいツルギ!この方は敵ではありません!」

「……なに?」

「この方は丹花タツミさんです!今回、訳あって私達の治安活動に協力してくれている方なのです!」

 

羽川先輩は俺様を庇うように前へ出ると、必死に剣先委員長に向かって説明を始めた。

 

「……それは本当か?」

「もちろんです!タツミさんは先程まで前衛が足りていない私達のために必死で前衛に立って部隊を鼓舞してくれていました!それは私はもちろん、マシロや他の部員達も保証します!」

 

羽川先輩がそう言うと、後衛の位置にいる静山や前衛の部員達は一斉に首を縦に振った。

 

「ハスミ先輩の言うとおりです、ツルギ先輩。」

「……そうか。すまない。悪かった。」

 

剣先委員長は周囲の様子を見て俺様を敵ではないと判断してくれたようで、両手に構えていたショットガンを降ろすとそのまま深く頭を下げてくる。

 

「勘違いとは言え、私は大切な部下に力を貸してくれていた貴方を攻撃してしまった。本当に申し訳ない。」

「いえ、大丈夫です剣先委員長。頭をあげて下さい。」

 

そんな彼女の姿を見て、俺様はそう答える。

そもそも前提としての話だが、俺様はゲヘナの生徒だ。

最近はトリニティに来ることが多いから俺様自身も忘れかけていたけど、トリニティ生からしたらゲヘナ生である俺様は問答無用で敵認定されてもおかしくない。

それに、剣先委員長は状況を見るに先程合流したばかりだろうから俺様を瞬時に味方だと判断するのは難しいと言わざるを得ないだろう。

俺様だって逆の立場ならまず疑うだろうし、そこへ暴動の首謀者であるテロリストが庇うような真似をしたのなら敵だと確信しても何らおかしい話ではない。

そもそも、元を正せば誰が悪いかと言えばどう考えてもこんなテロ行為を起こした狐坂に決まっている。

 

「しかし、私は貴方に攻撃を……」

「大丈夫ですよ、剣先委員長。俺様に怪我はありませんから……それに、俺様だって逆の立場なら敵だと判断するでしょう。貴方は何も悪くありません。謝る必要なんてありませんよ。」

 

俺様は盾を降ろすと、笑顔を浮かべながらそう言った。

そう、剣先委員長は何も悪くないからな。

謝る必要なんてどこにもないだろう。

 

「……すまない。感謝する。」

「大丈夫です。気にしないでくださいね。」

「あぁ……分かった。ありがとう。」

 

剣先委員長は俺様の言葉を聞いて初めて少し笑顔を見せると、申し訳なさそうにそう言葉を発した。

良かった。とにかくこれでひとまずは安心だろう。

俺様としてはこんな事でゲヘナとトリニティ間の問題にはしたくないしな。

エデン条約前にそんな事になっては大変だし、何より桐藤先輩の胃が破壊されてしまうだろう。

それだけはなんとしても避けないといけないからな……

 

「……ツルギ。誤解も解けたことですから、陣形の組み直しをしましょう。」

 

俺様がそう考えていると、羽川先輩から声がかかる。

 

「そうだな。前衛で動ける奴は私と一緒に前衛を、ハスミは引き続き後衛部隊の指揮を頼む。」

「剣先委員長。俺様も前衛部隊に加えて下さい。」

「……分かった。すまないが引き続き頼めるか?」

「はい、任せて下さいよ!」

 

俺様は剣先委員長に向けて親指を立ててそういう。

剣先委員長はそんな俺様を見て微笑むと、前衛の正実の部員達に指示を飛ばして陣形を再構築し始めた。

その後ろでは羽川先輩と静山が陣形の確認をしつつスナイパーライフルを構えているのが見える。

 

「何をボサッとしているのですか!早く陣形を整え直して下さい!」

 

そんな俺様達の正面では、狐坂の指示により不良たちが陣形を組み直している様子が目に入ってくる。

どうやらあの後狐坂は一旦自陣に引き、羽川先輩の狙撃をかわしながら陣形の再構築を行っていたようだ。

なにはともあれ、これで仕切り直しだ。

俺様は盾を地面に叩きつけると、正面で狐坂の指示により陣形を整え直した不良の集団を睨み付けた。

 

「さぁ、第2ラウンドと行こうぜ狐坂!」

「ウフフ♡望むところですわ、タツミさんっ!」

 

色々会ったが……これで完全に誤解は解けた。

さぁ覚悟してもらおうか……狐坂ワカモ!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そこからの正義実現委員会と不良たちとの戦いはまさにワンサイドゲームと呼べるものだった。

まず、剣先委員長が敵の集団に突っ込んだのを皮切りに俺様を含めた正実の前衛部隊が突入。

鬼神の如き強さで敵を吹き飛ばす剣先委員長の後ろで敵を倒しつつ陣形を押し上げ、その後ろからこれまた羽川先輩率いる後衛部隊の正確無比な射撃が乱れ飛ぶ。

そんな統率の取れた攻撃を受けた不良どもはバタバタと地面へと倒れていった。

まぁ無理もない、連中は元々狐坂に陽動されて暴れていた単なる不良どもだ。

剣先委員長が合流し、本来の士気を取り戻した正規の軍隊である正義実現委員会の敵ではなかった。

……と言うか、一緒に戦ってみて思ったけどやっぱり剣先委員長は空崎委員長と同じくらい強い気がする。

空崎委員長は不良を空中へふっ飛ばすことはしないけど地面には叩き伏せているからな……

正直、両者に力の差はそれほど無いのではないか。

それほどまでに剣先委員長の力は圧倒的なものだった。

 

そんな中でも狐坂は剣先委員長や俺様の攻撃を受け流しつつ羽川先輩や静山の狙撃もかわしてかなり粘っていたのだが、そこへ仲正先輩に率いられた更なる正義実現委員会の援軍部隊が到着。

流石に分が悪いと判断したのか狐坂は撤退を決断したようで、その場から大きく跳躍し……

 

「今度は1対1でやり合いましょう、タツミさん♡」

 

との言葉を残し猛スピードでどこかへと消えていった。

ここまで来て逃すまいと剣先委員長や俺様は追撃に出たのだが、数だけはムダに多い不良達に行く手を阻まれてしまい悔しいが結局取り逃がちまったわけだが……

チクショウ……次にあった時は覚えてろよあの狐野郎!

 

仕方なく狐坂への追撃を諦めた俺様達は、そのまま残った不良達の殲滅戦へと移行。

だが狐坂が撤退したことにより士気も連携もガタガタの烏合の衆と化した不良達が今の正義実現委員会の相手になるはずはなく、後は逃げ惑う不良達を正実の部員達が次々と拘束していくだけの殲滅戦とは名ばかりの一方的な虐殺ショーと化していた。

そして最後の1人を拘束し、正義実現委員会の幹部達と顔を合わせて被害の確認などの事後処理を手伝った俺様。

なお何故かその際に剣先委員長から再度謝られたり、剣先委員長が羽川先輩から叱られていたり、仲正先輩や静山からモモトークの連絡先を聞かれたりしたため交換しておいたりと、まぁ色々あったわけだけども……

 

ともあれ、こうして今回のトリニティでの狐坂によって引き起こされた暴動は幕を閉じた。

まぁ首謀者である狐坂を取り逃しちまったのは少々まずいかもしれないが、幸い民間人に怪我人はなく被害もなんとか許容できる範囲だったので良しとしておこう。

 

ただ、桐藤先輩の胃は破壊されてもおかしくないけど……

今度彼女に会ったら、また胃薬を渡しておくとしよう。

そんな事を思いつつ俺様は正義実現委員会の皆さんに見送られ、ゲヘナへと帰還するのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「いやーそれにしても、本当にゲヘナ出身とは思えないほどいい子でしたね。タツミくんは。」

「ふふ、そうでしょうイチカ?タツミさんはとても素敵な方ですからね。」

「彼と一緒に戦ってた前衛の子達からの評判もすこぶるいいっすからね。なんでもさり気なく射線を切ってくれたり、前線で不良を挑発しまくってヘイトを一身に買って守ってくれたりと大活躍だったらしいっすし。」

「それは後衛も同じですね。常に敵と私達の位置を意識してなるべく多くの人数の射線に常に割り込めるポジションをキープしてくれていたおかげで、後衛にはほとんど弾が飛んできませんでしたから。」

「あぁ。それに、どんな理由があれ私が正義実現委員会に協力してくれていた彼を攻撃したのは本来であればゲヘナとの外交問題になりかねない失態だ。それを彼は……タツミは笑って許してくれたからな。」

「えぇ。私が呼びかけてもツルギが止まってくれなかったあの時は肝を冷やしましたが……」

「……すまなかったハスミ。謝っても許されることではないと思うが……本当に反省はしている。」

「いえ、状況が状況ですし事情の説明を怠った私にも責任はあります。それに、タツミさんはツルギを許してくれましたからね。今回は彼の優しさに甘えてしまうことになりますが、次回から気をつけましょう。」

「そうだな。肝に銘じておく。」

「それにしても、タツミさんは前衛であれだけの仕事をこなしながら災厄の狐とも互角以上に渡り合っていた……彼は一体何者なんでしょうか?」

「いや、なんでも本人曰く万魔殿に所属してる普通の生徒らしいんすけど……」

「いや……あの災厄の狐とタイマンでやり合えるやつが普通の生徒なわけないだろ。」

「ですよねぇ……?」

「と言うか何ならツルギ先輩の攻撃も普通に受け止めていましたよね、彼。」

「……まぁ、タツミさんですからね。」

「あれでまだ私と同じ1年生だなんて……」

「あはは……末恐ろしいっすね。」

「……まったくだ。」




次回ゲヘナでの話を1話挟んで調印式の予定です
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