という訳で前倒しでカルバノグ1章編、スタートです
あの後、やけに距離の近い岩櫃調停室長と共に調停室まで書類を運び込んだ俺様達。
その後、俺様は「せっかくだからお茶でも飲んでいってください」と言って岩櫃調停室長が出してくれた茶を飲みつつしばし彼女と他愛ない雑談に花を咲かせた。
そしてそうこうしているうちに岩櫃調停室長へ内線が入り、七神代行と先生の会談と書類の不備の修正が完了したとの連絡が入ってきたのでそのまま岩櫃調停室長に俺様が来ていることを伝えてもらい、七神代行の元へ向かうことの許可をもらった。
それを聞いた俺様は飲んでいた茶を飲み干すと、岩櫃調停室長に案内されて七神代行と先生の待つ連邦生徒会長室へと入室して七神代行と向き合っていて今に至る。
「どうも、七神代行。」
「こんにちはタツミ議長代理。この前議長代理就任の挨拶に来ていただいて以来になりますね。」
トレードマークであるメガネの端を親指と人差し指でつまんで直しつつ、七神代行は俺様に視線をやりながらそう言葉を発した。
そんな彼女の座っているデスクの隣にはシャーレの先生が頭から煙を立てながら突っ伏しており、その脇には恐らく修正が済んだであろう大量の書類が山のように積み上げられている。
「せ、先生……?大丈夫か……?」
“うぅ……精根尽き果てた……私は頑張ったよタツミ……”
「お、おうそうか……?よくわからんけど、後でメシでも作ってやろうか?」
“え、いいの!?是非お願いしようかな!”
「うわぁ!?きゅ、急に元気になるなよ!?」
俺様の言葉を聞きガバっと体を起こしてキラキラした目をこちらへ向けてくる先生に対して、俺様は思わずそう声を掛ける。
“だってタツミの料理美味しいんだもん!”
「そうか?そいつは光栄だが……まさかまたカップ麺や菓子パンばっか食ってんじゃないだろうな?」
“うっ……だ、だって仕方ないじゃん!シャーレの先生って忙しいんだよ!?”
「それは当番に行ったときに書類が積み上がってるのを見れば分かるけど……せめて食生活だけはきちんとしとけ。そういうのは歳を取ったら一気に体に来るぞ?」
“ぜ、善処します……”
そう言って苦笑いを浮かべながら罰が悪そうに頭をポリポリとかく先生。
……うん、多分善処する気ないなこれ。
仕方ないので、今度当番に行ったときにレンジでチンするだけで食えるものでも大量に作って冷蔵庫へブチ込んでおいてやるとしよう。
カップ麺や菓子パンでも腹は膨れるけど、栄養面で考えるとあまり良いとは言えないからな。
やっぱり食物繊維と緑黄色野菜をいっぱい食ったほうが健康にもいいし、その辺を重視したメニューを考えておくか。
「……はぁ、これだとどちらが大人か分かりませんね。」
そんな俺様達のやり取りを見て、特大のため息を吐きながらそういう七神代行。
「……あまり先生を甘やかさないでくださいね?タツミ議長代理。」
「まぁ先生も日々の業務で大変なのは事実でしょうからね……別にこのくらいならお安い御用ですよ。」
それに自分の作った料理を人に食ってもらう事は俺様は好きだし、料理をすることは苦ではないからな。
ゲヘナの給食部でスピードを、梅花園で質を日々高めているから味にも自信があるし不味いとは言わせねぇさ。
「はぁ……相変わらず貴方はお人好しですね。」
「人を助けるのに理由はいりませんからね。」
「……それは結構なことですが、あまり先生を甘やかしすぎると今回のように大量の書類の不備をまた修正していただかなくてはならなくなってしまいますから。」
七神代行は先生が処理したであろう書類の確認を行いつつ若干疲れたような声でそういった。
いや、別に書類仕事をやるって訳じゃないんだし料理を作ることくらいは構わないだろうと思うんだけどな……?
「はは……気をつけます。そう言えば七神代行、俺様に書いて欲しい書類というのは?」
「あ、はい。こちらになります。」
そう言うと、七神代行は自分の座っているデスクの引き出しを開けるとその中から一枚の書類を取り出して俺様へと差し出してきた。
「ありがとうございます。差し支えなければこの場で書いてしまっても構いませんか?」
「はい、大丈夫ですよ。そこの空いているデスクを使用していただければ。」
「分かりました、お借りしますね。」
俺様は七神代行から書類を受け取ると、七神代行が据わっている隣の空いているデスクの椅子へと腰を下ろす。
そして胸ポケットからペンを取り出すと、親指でカチリとボタンを押し芯を出して書類にペンを走らせ始めた。
“アユム〜……”
「せ、先生!?ここは連邦生徒会長室ですよ!?」
そんな書類にペンを走らせている俺様の視界の横で、疲れ切って頭から煙を立てている先生が岩櫃調停室長に抱きついている光景がチラチラと目に入ってくる。
“あ〜……アユム成分が体に染み渡るぅ〜……”
「アユム成分って何ですかぁ!?」
「……何をやっているのですか貴方達は?」
……あかん、七神代行の眉間に青筋が浮かんでいる。
まぁそりゃさっきまで先生と一緒にあの山のように積み上がっている書類の不備を修正していたみたいだし、彼女も疲れているのは間違いないだろう。
そこに先生と部下のイチャコラを見せつけられたら青筋の一つでも浮かべたくなるのは仕方ないと言える。
……後で七神代行には胃薬を渡しておくとしよう。
と言うか、先生はありゃ完全に書類仕事のやりすぎて頭がオーバーヒートしてんな。
俺様がシャーレの当番に行った時、書類仕事が多すぎると先生はああやって自分の限界を超えて若干幼児退行してしまうことがあったりなかったりする。
まぁ大体は先生の愚痴を聞いてやればすぐに収まるんだけど、流石に岩櫃調停室長に抱きつくのは想定外だ。
……まぁ、女性同士だし別に良いと言えばいいんだけど。
「……ん?」
そんな光景を横目にひたすら書類にペンを走らせていると、ふと書き方の分からない項目が目に入った。
こういう書類を書いていて、書き方が分からないのに自分で判断して書くのは良くないことだからな。
疲れている所申し訳ないのだが、七神代行に書き方を聞いたほうが良いだろう。
「あの、七神代行。少しよろしいですか?」
「どうかしましたか?」
「えっと、この項目の書き方がちょっとわからなくて。迷惑じゃなければ教えてもらえると助かるんですが……」
「構いませんよ、どちらの項目ですか?」
俺様がそう言うと、七神代行は書類を確認する手を止めて座っていた椅子から立ち上がると俺様の真横へとやって来て書類を覗き込んできた。
ふわっと香る甘い香りに一瞬ドキッとしそうになるが、俺様はすぐに真剣な表情を浮かべると書き方のわからない項目を指でトンと叩いた。
「ここの項目なんですが……」
「あぁ、これでしたらこの構文を用いていただければ構いませんよ。もしよければこちらに例文を用意していますので、参考にしていただければ。」
「分かりました。ありがとうございます。」
七神代行は更に身を乗り出してくると、俺様の座っているデスクの棚から手を伸ばして例文を取り出す。
目の前でゆさゆさと揺れる2つの丘に視線が釘付けになりそうになるが、気合で視線をそらした俺様は七神代行がそのまま手元においてくれた例文に視線を固定する。
「この場合だとこの文を参考にすると良いでしょう。」
そう言って七神代行は更に一歩俺様へ距離を詰めてくると、細い指で例文をトントンと叩いた。
……さっきから思ってたけど、やけに距離が近くないか?
なんかいい香りするし、七神代行の凶悪なスタイルや整った顔が近くにあるしで思春期の男にとっては心臓に悪いことこの上ないんだが……
とは言え七神代行の表情は真剣そのものだし、書類の書き方を教えてくれようとしているのに近いから離れてくださいって言うのも失礼な気がする。
“……なんか、距離近くない二人とも?”
予想外の出来事に内申ドギマギしていると、先生からそんな声がかかる。
「そうですか?別にこのくらい普通だと思いますが……」
(いや、近いのは確かだと思うぞ……?)
「それに私とタツミ議長代理の仲ですからね。今更遠慮するようなこともないでしょう。」
七神代行は先生の問いに対して淡々とそう答えた。
“……え?いつのまにそんなに仲良くなったの?二人にそんな接点あったっけ?”
「実はこの前タツミ議長代理が就任挨拶で連邦生徒会にいらしたのですが、その際に思ったよりも話が弾みまして。」
“えっ!?あの気難しいリンちゃんと話が弾むなんて……一体どんな魔法を使ったのタツミ!?”
「……先生、今から書類仕事を追加しても良いのですよ?」
“すみませんでした。”
妙にいい笑顔を浮かべて威圧感のある声色でそう言う七神代行に対し、先生は即座に両手を上げてそう言った。
「で、ですが私も意外でした。お二人はあまり共通の話題とかが無さそうなので……」
「先生やアユムもご存知だと思いますが、私はあくまでも連邦生徒会長が戻って来るまでの代理ですからね。同じ立場の彼とは同じ悩みを持つ者同士話が合いまして……私としたことがついつい長話をしてしまいました。」
笑顔を浮かべ、柔らかな口調でそう言う七神代行。
そう。俺様と七神代行は本来のトップが返ってくるまでの代理、と言う点では立場が同じなのだ。
そのため、最初に議長代理就任の挨拶を連邦生徒会にしに行ったときにひょんなことから七神代行と話が結構盛り上がったんだよな。
ちなみに話した内容についてだけど、主にお互いの抱えている悩みや不安についてだった。
自分はちゃんとやっていけるのかとか、そもそも自分に代理が務まるのかとか、悩んでいる点が共通しているから思ったよりも話が弾んだんだよな。
それまでは七神代行のことはお硬いお偉いさんくらいにしか思ってなかったんだけど、ある程度お互いの悩みを打ち明けたことで七神代行も悩みのある一人の女の子なんだなと思うようになった節はある。
七神代行、めちゃくちゃ美人なんだからいつもの仏頂面さえなんとかなれば絶対モテると思うんだけどなぁ。
……七神代行は、キヴォトス全体の運営を行う連邦生徒会の会長の代理を務めている。
そのプレッシャーはゲヘナっていう一学園の代表の代理を務めている俺様の比ではないだろう。
書類仕事だって山のようにあるはずだし、各学園と連携を取りながら業務をするのは気を使うはずだ。
それに七神代行は生真面目だから、そういう点でも余計に気を使うってもあるだろうからな。
俺様だってプレッシャーや責任に押しつぶされそうになる時なんて数え切れない程あるのに、七神代行はその何倍ものプレッシャーや責任を抱えている。
ゲヘナの未来が俺様の両肩に乗っかっているとすれば、キヴォトスの未来は現状七神代行の両肩に乗っかっていると行っても過言ではないからな。
どう考えても女子高生が背負って良い責任の量ではないのは明らかだろう。
俺様と七神代行は同じ悩みを持つ仲間同士だ、七神代行が苦悩している気持ちは俺様にはよく分かる。
だから、俺様が愚痴や悩みを聞くことで少しでも七神代行が楽になってくれるならこんなに嬉しいことはない。
それに、俺様も同じ立場である七神代行には前会ったときに結構悩みを相談したりしたからな……
結構吐き出すことが出来てスッキリしたけど。
「それにタツミ議長代理は私の話をとても真摯に聞いてくださったので……私としてもついつい話しすぎてしまった節はあるかも知れませんね。」
口元に手を当て、楽しそうに笑いながら七神代行はそう言葉を発した。
「この前なんて、あまりにもモモトークで熱心に彼が話を聞いてくれるものですから私としたことがついつい夜ふかしをしてしまいました。」
「り、リン先輩が夜ふかし!?」
「えっ……い、いや。あれは七神代行が相談があるってモモトークを送ってきたからそれに付き合っただけで……」
“……タツミ、他の女の子に刺されないようにね?”
「どういうことだよ!?刺されるわけねぇだろ!?」
そりゃ七神代行と夜遅くまでモモトークをしてたのは確かだけど、何でそれだけで女の子に刺されるって話になるんだよ!?良くわかんないんだが……?
ってか、それを言うならそもそも俺様のモモトークは常に通知でパンパンだし夜遅くまでモモトークすることなんてわりと結構日常茶飯事なんだけどな……?
“と言うか、二人はいつの間にモモトークの交換を……”
「それもこの前の議長代理の就任挨拶の時だな。思ったより会話が弾んだから、流れで交換したんだよ。」
「……私だって前からタツミさんとモモトークの交換をしたいと思っていたのに、リン先輩ばかりずるいです。」
“あ、アユム……?”
小声で何かをぶつぶつと呟く岩櫃調停室長に先生がそう声を掛けていると、俺様の隣にいた七神代行が更にもう一歩距離を詰めてきた。
「……!?」
いや、それ以上近づいてきたらもはや近寄ってきているなんてレベルじゃなくて密着しちまうんだが!?
なんなら今も肌と肌が触れそうなギリギリの距離なんだから、これ以上近寄ってくるのはマジでヤバイって!
俺様は思春期真っ盛りの男子高校生だぞ!?
七神代行のその暴力的な胸部装甲とか、胸部に負けない黒タイツに包まれた太ももとか、思春期真っ盛りの男の直ぐ側に置いておいて良い代物じゃねーだろ!
「ふふ、手が止まってますよ、タツミ議長代理。」
七神代行は俺様を見ながら心底楽しそうに笑うと、書類をトントンと指先で叩きながらそう言った。
「むっ……!」
それの光景を見て何故か先生に声を掛けられていた岩櫃調停室長は頬を膨らませ、俺様のデスクまでやって来ると七神代行とは逆側に陣取る。
そして、七神代行にまったく引けを取らないその凶悪な体を俺様にグイグイと押し付けて……
いや、ちょっとまて!?
「い、岩櫃調停室長!?」
「いくらリン先輩といえど、これだけは譲れません!」
いや、譲れないって何!?
ってか当たってる!当たってるって岩櫃調停室長!
貴方のその立派な2つの丘が俺様の腕にこれでもかってくらい当たってるんですってば!
「……ふふ、まさかアユムがここまで我を出すとは。」
おい何笑ってんだ七神代行!
あんたの部下だろ!?早くやめさせてくれ!
「ふふっ……」
(……!!!???)
おい!なんでアンタまで体を押し付けてくるんだ!
やめろ!マジで辞めてくれ!これ以上は俺様の精神が保たなくなっちまうぞ!?
ってかアンタそんなキャラじゃねぇだろ!普段の冷静沈着なキャラはどこへ行ったんだよ!
そりゃ議長代理就任の挨拶のときに疲れ切ってるアンタの悩みを聞いたり、その流れで俺様も同じ悩みを抱えてることを話したり、辛いならいつでも相談に乗るとは言ったり、メシ作ったり肩もんだり最近はモモトークで夜中まで話は聞いてるけどそんくらいしかしてねぇぞ!
ここまで距離が近い理由がわかんねーよ!
岩櫃調停室長も岩櫃調停室長だよ!
何でそんなに頬を膨らませているのか分かんねーよ!
アンタとはただ調停室に一緒に書類を運んだり、この前連邦生徒会に来たときに足元が見えずに躓いたアンタを助けたり、その流れで自分が役に立てているのかって悩みを聞いたときに励ましたりはしたけど……!
と言うか左は七神代行、右は岩櫃調停室長からサンドイッチにされてるんだけどなんだこの状況!?
なんか女の子特有の柔らかい感触がするし、鼻をくすぐるいい香りもするし、頭がおかしくなりそうだ……!
「せ、先生……!頼む、助けてくれ……!」
“うん。タツミは一回爆発すればいいと思うよ。”
「先生ェ!?」
無慈悲な笑顔を浮かべ、親指を立てながらそんなことを言う先生に対して俺様は絶叫する。
こうして、俺様は何故か2人からサンドイッチにされながらも無心を貫いて気合で書類を書き切るのだった。
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「つ、疲れた……」
結局、あれから2人にサンドイッチ状態でもみくちゃにされながらもなんとか書類を書ききった俺様はその書類を七神代行へ提出し、今は連邦生徒会長室に備え付けられたソファに座って出された茶を飲んでいた。
「〜♪」
“良かったねアユム。”
「はいっ!」
俺様の前の前では先生がこちらをニヤニヤしつつ生暖かい目で見てきており、更にその横には俺様とモモトークの交換をして何故かご機嫌の岩櫃調停室長の姿がある。
そしてソファから少し離れたデスクでは、七神代行が俺様が提出した書類に不備がないかの最終確認を行っている最中のようだ。ちなみに、胃薬は渡しておいた。
とりあえず、提出する書類はあの1枚だけだったみたいなのであの書類に不備がなければ大丈夫と言う訳だ。
まぁ多分例文を使ってしっかり書いたから不備はないと思うから、今から例の喫茶店へ寄ってプリンを買って帰って残った時間でイブキと遊んでやるとしよう。
不測の事態で少し時間はかかっちまったけど、まぁこの分ならそこまで遅くはならないだろうからな。
「……この分なら問題ないでしょう。ありがとうございます、タツミ議長代理。」
俺様がそんな事を思いながら茶をすすっていると、七神代行が書類を手元に置きながらそう呟いた。
良かった、どうやら一発で合格をもらえたようだ。
「あ、なら良かったです。」
「お疲れ様でしたタツミ議長代理。この後はゲヘナへお帰りですか?」
「そうですね。ちょっとDU地区で妹に土産でも買って帰ってやろうかなって思ってます。」
「分かりました。でしたらアユム、先生と一緒にタツミ議長代理をサンクトゥムタワーの出口まで送ってもらっても構いませんか?」
「はい、分かりました行政官!」
そして、七神代行と岩櫃調停室長がそんなやり取りをしている時だった。
ーピリリリリリ!ー
突如、その場に無機質な機械音が響き渡る。
その無機質な音の出どころは、どうやら岩櫃調停室長の服のポケットの中からの様子だ。
「……失礼、内線のようですね。アユム、対応を。」
「はいっ!」
七神代行の指示を受けた岩櫃調停室長はポケットに手を入れるとその中から小型の通信機を取り出し……
「もしもし、調停室長のアユムです。」
そのまま通話ボタンを押すと、機械の向こうの連絡してきた相手と会話を始める。
「すみません先生、タツミ議長代理。恐らくそれほど大事ではないと思いますので少しだけお待ちください。」
“うん、大丈夫だよ。ね?タツミ。”
「はい。連邦生徒会ともなれば仕事の量も桁違いでしょうからね……別に急いでいる訳じゃないんで、ゆっくり対応してもらえれば。」
「ふふ、お気遣い感謝いたします。」
そう言うと、七神代行はペコリと頭を下げてきた。
まあ別に先程言った通り俺様もそんなに急いでるわけじゃないからな、気にせずに連邦生徒会の仕事を優先してもらえればいいと思う。
そう考えつつ、俺様は目の前の湯呑を持ち上げると中に残った茶を一気に飲み干した。
そして湯呑をテーブルに置いた俺様は、ガラス張りの窓からキヴォトスの景色をボーッと眺めていると……
「え、えぇっ!?それは本当ですか!?」
何やら焦った様な岩櫃調停室長の声が耳に入ってきた。
何事かと思いそちらの方を向くと、そこには明らかに焦りの表情を浮かべた岩櫃調停室長が内線の通信機の向こう側の相手とやり取りをしている様子があった。
「はい……はい……分かりました。すぐリン行政官にお伝えさせていただきます。ご報告ありがとうございます。」
そして岩櫃調停室長は通信機の通話終了ボタンを押して服のポケットへ通信機をしまうと、真剣な表情を浮かべて七神代行へと向き直った。
そんな彼女の姿を見て七神代行もただごとでは無いと察したのか、先程までの若干緩い空気ではなくいつものお硬い空気をまとって真剣な表情を浮かべる。
「……一体何があったのですかアユム?」
「はい。それが今報告の上がった情報によりますと……以前から連邦生徒会で議題に上げていて先の会議で法案が可決されたSRT特殊学園の撤去についてなのですが、一部の生徒達が法案に反発して公園を選挙してデモを始めたとのことでして……」
“……SRT特殊学園?”
……SRT特殊学園か。
SRTっつーと、確か連邦生徒会長が管理している学校で対テロ鎮圧に特化した学校だったような気がする。
ゲヘナで過ごしていたらまったく縁のない学校だから、そんな感じのふわふわした印象しかないけどな。
「それで事前に準備していた部隊が出動したのですが……どうやらそれでは阻止が難しいようで。」
「……はぁ。」
岩櫃調停室長の話を聞き、ため息を吐く七神代行。
……俺様もSRTのことはあまり詳しくは知らないが、記憶が正しければ確か連邦生徒会長お抱えの厳しい訓練を積んだ特殊部隊……だったと思うんだけど。
まぁ早い話、連邦生徒会長直属のエリート部隊という認識で問題ないだろう。
当然厳しい訓練を積んでいるから練度も高く、装備も連邦生徒会が予算を注ぎ込んだ最新鋭の高性能な武器や兵器をふんだんに使っている装備の質も兵の質も高い特殊部隊。それがSRT特殊学園……だった気がする。
閉鎖ってのはよく分からないけど、ともかくそこに所属している生徒達が公園を選挙してデモ活動を行っており用意していた部隊では鎮圧が難しいという事のようだ。
「でしたら、ヴァルキューレの警備局に連絡を。」
「りょ、了解です!」
俺様がそんな事を考えていると、険しい表情を浮かべた七神代行が岩櫃調停室長へそう指示を出す。
七神代行の指示を受けた岩櫃調停室長はその場からパタパタと走り出すと、恐らくヴァルキューレに連絡を取るために生徒会長長室から退室していった。
……けど、ヴァルキューレの警備局で果たしてSRTの学生たちに対抗できるんだろうか?
SRTの生徒は厳しい訓練を積んで、装備も性能の良いものを持っているはずの特殊部隊だ。
いくらヴァルキューレの警備局とは言え、SRTの生徒達に勝てるとは到底思えないんだけどな。
“……何か問題でも起きた?”
「いえ、お気になさらず。よくあることですので。」
先生は困惑したような表情を浮かべながら七神代行にそう問いかけるが、七神代行はピシャリとそう言い放つ。
「連邦生徒会長の失踪以降、こういったことは日常茶飯事ですからね。」
(いや、流石にこれが日常茶飯事なのはマズイだろ……)
“えっと、SRT特殊学園っていうのは?”
俺様が内心でそう思っていると、先生は七神代行に更にそんな質問をぶつけていた。
……あれ、シャーレって確か厳密には連邦生徒会の傘下組織に入るはずだからてっきり先生はSRTのことを知っていると思っていたんだけど、そうでもないのだろうか?
まぁとは言え、先生が知らないとなると七神代行としても説明せざるを得ないはずだ。
俺様もSRTのことは正直よくわかっていない部分があるし、これを期にきちんとした説明を受けて認識を改めておく必要があるかも知れないからな。
ちょうどいい、というやつかもしれない。
現場でデモは起こっているようだけど。
「SRT、すなわちSpecial Response Team。文字通り特殊な任務に対応するためのエリート達の学園……でした。」
七神代行はため息を吐きながら、淡々とそう説明する。
……ん?何故過去形なんだ?
「まぁそれも少し前、連邦生徒会長が居た頃までは……ですけれど。」
「七神代行。でした、と言うのは?SRTは今も存在してるんですよね?なら何故過去形で……?」
「それはこの前の連邦生徒会の会議にて、SRT特殊学園を閉鎖するという法案が議会にて通ったからですね。」
七神代行は何でもないようにサラッとそう言ってのけるが……閉鎖とはまた穏やかな話ではないな。
“えっ、閉鎖しちゃうの!?”
「はい。SRT特殊学園の生徒達は厳しい入学試験を得て入校し、学園内でも日々厳しい規律のもとに戦闘訓練を積んでいきます。そして、所持している火器類に関しても我が連邦生徒会が設計、開発したキヴォトスでもトップクラスの質のものを装備しております。」
“そうなんだ。でもSRT特殊学園は連邦生徒会の管轄化なんだよね?なら閉校する必要はないんじゃないの?”
「それは違いますよ先生。SRTは連邦生徒会ではなく【連邦生徒会長】の管轄下の学園ですから。」
“え、連邦生徒会長の……?”
先生は頭にハテナマークを浮かべ、大きな胸の下で腕を組みながら首を傾げる。
「SRTの所属は連邦生徒会じゃなくて連邦生徒会長本人。つまり連邦生徒会長直属の部隊ってことだよ先生。」
“あ、なるほど。そういうことなんだね。”
「……丁寧な補足ありがとうございます。そういうわけでして、連邦生徒会長直属であるSRTの生徒達は彼女の権限にてあらゆる自治区への介入を可能としていました……連邦生徒会長が失踪するまでは。」
……なるほど、話が少しづつ見えてきた。
つまり早い話が連邦生徒会長の権限にて他の自治区へ介入して活動が可能なSRTと言う部隊を、連邦生徒会長が失踪した現状放置しておくわけには行かないという事なのだろう。
まぁ、確かにそれに関してはその通りだ。
SRTの生徒達は練度も士気も高く、装備している火器や兵器もキヴォトスでトップクラスのもの。
恐らくだが本気でぶつかればSRTの一個小隊でゲヘナの風紀委員会や、トリニティの正義実現委員会の1個中隊と互角以上の戦いができるであろう精鋭達だ。
そんな暴力装置とも言える部隊を管理していた連邦生徒会長が失踪した今、宙ぶらりんにしておくのは危険極まりないと言うのは理解できる。
「今の彼女達はいわば指揮官を失った状態。連邦生徒会長が存在したならば彼女の強力な権限でその存在を許されていましたが、責任者である彼女が失踪した今ではそのあまりにも強力な武力を責任者が不在の中で放置しておくのは危険だという声が出始めました。」
“誰かが権限を引き継ぐことは出来ないの?例えば、代行であるリンちゃんが臨時の指揮官として就任するとか。”
「そうしたいのは山々なのですが私もあくまで代行の身なので、SRTを指揮できるほどの権限はありません。あくまで彼女達の行動に責任を持てるのは連邦生徒会長ただ1人しかいないのです。」
七神代行は苦い顔をしてそう言った。
……そうだな、その気持ちは俺様も理解できる。
俺様も今は羽沼議長に変わって議長代理を務めている身だが、あくまで代理は代理。議長そのものではない。
そのため羽沼議長でなければ承認が降りない業務などは思った以上に多いし、なんとかしようと思えば結局は本人の承認がいると言う案件は決して少なくない。
必要なときに必要な業務を行えないなんて、なんのための代理なんだよと思わなくもないが……まぁ世の中というのは得てしてそういうもんだからな。
こればっかりは昔から変わらないのだから仕方ない。
そして、それはどうやら連邦生徒会も同じのようだ。
「更に彼女達はシャーレと同じく、様々な自治区に介入することの出来る権限があります。その様な部隊を責任者が不在の中放置はできない……そう危惧した連邦生徒会はこの前の議会にてSRT特殊学園の閉鎖に関する法案を提出し、それが多数決により可決されたため閉鎖されることになった……と言うことですね。」
“……なるほどね。閉鎖までのいきさつは分かったけど、SRTが閉鎖されたらそこへ通う彼女達はどうなるの?”
「ご心配なく。SRTの所属生徒達は既にヴァルキューレ警察学校への編入が決定しております。決して退学という扱いにはなりませんので、ご安心ください。」
“……あ、そうなんだね。なら良かった。”
七神代行の言葉を聞き、先生はホッと胸を撫で下ろす。
まぁそこは俺様も気になっていた点ではあったから、ちゃんと受け皿を用意しているなら問題はないだろう。
……けど、果たして連邦生徒会長直属で様々な特殊任務をこなしてきたSRTの生徒達がヴァルキューレで上手くやっていけるのかという疑問点は残るけどな。
SRTの部隊はいわばエリート、キヴォトスでもトップクラスの練度を誇る精鋭達だ。
対してヴァルキューレは対テロに特化した公安局、街中で不良が暴れたときなどに出動して鎮圧する警備局、市民の安全を守って日々街の治安維持に務める生活安全局の3つの部署から構成されている学校だ。
恐らく適正にもよるだろうけどSRTの生徒たちは配属されるなら対テロ特化の公安局か、前線で戦うことの多い警備局になるだろうけど……それでも訓練や装備の質では到底SRTよりも優れているとは言い難いだろうからな。
それにヴァルキューレと言えば矯正局からワカモを始めとする7囚人の脱獄を許してしまったり、予算が不足しているせいで装備がろくに支給されていなかったり、更には現場到着が遅い、サボっている奴を見かける、無能等と散々SNSで文句を言われている側面もあるからな。
SRTの生徒達にだって、今まで連邦生徒会長直属の名の下で過酷な任務をこなしてきたというプライドがあっても決しておかしな話ではない。
そんな彼女達がヴァルキューレで上手くやっていけるのかと言うと疑問点が残るのもまた事実。
SRTの閉鎖が決定して強大な武力の暴走という最悪の事態は避けられたものの、問題はまだまだ山積みなのは間違いないだろうな。
現にさっき岩櫃調停室長に連絡が入ったように、閉鎖の決定に反対している生徒達がデモを起こすって問題が早速発生してしまっているわけだし……
「た、大変です行政官!」
そんな事を考えていると唐突に生徒会長室のドアが勢い良く開き、その中から息を切らした岩櫃調停室長がひたいに汗を浮かばせながら飛び込んできた。
俺様はその慌てように思わず彼女に目をやり、同時に猛烈な嫌な予感を感じる。
そして、それは七神代行や先生も同じ様子だった。
「アユム、また何か問題が?」
「は、はい!それがその、デモの制圧に向かった警備局の生徒達が逆に制圧されてしまったようでして……!」
「……デモを起こしたのは一部の生徒なのですよね?」
「はい。数としては小隊1つ分みたいなのですが、やはりSRTですし火器が相当強力なのもあって歯が立たないとのことで……」
息を切らしながら、岩櫃調停室長はそう説明をする。
……図らずとも俺様の不安が的中してしまったようだな。
ヴァルキューレの警備局だって決して弱くはないんだろうけど、何せ相手はSRTのエリートたち。
いくら1個小隊とは言え、練度の差があるのは仕方ない。
「参りましたね、大事にはしたくないのですが……」
(いや、もうわりと大事になってる気がするけどな……)
「仕方ありません。ヴァルキューレの公安局へ連絡を、防衛室の方には私から連絡を入れておきますので。」
「そ、それがその……既に警備局だけでは対処できないと判断して公安局も出動したらしいのですが……」
「……まさかとは思いますが。」
「はい、公安局の生徒もみな制圧されてしまったそうでして……報告によると公園に近づくことすら出来ないまま大量の狙撃とトラップで部隊が壊滅した……と。」
「公安局の生徒は対テロ業務に特化しているはず。そんな彼女達ですら歯が立たないとは……」
……おいおい、流石にそれは不味いんじゃないのか?
ヴァルキューレの公安局でさえ歯が立たないとなると、事実上連邦生徒会の動かせる軍隊で彼女達の鎮圧を行うことは不可能ということになる。
しかもデモを起こしている生徒は公園を占拠していると言っていた、公園ってことは近くに公共の施設も多いだろうし民間人の往来だって頻繁にある場所だろう。
そんな場所で派手にトラップを作動させたり、狙撃を行っていては周囲の民間人に被害が出る可能性もある。
SRTの生徒だって、本質はヴァルキューレと同じで脅威を排除して民間人を守ることが使命のはずだ。
それが今や、ヴァルキューレと激しく衝突して逆に民間人を脅かす立場になっちまっている。
正直、気持ちは分からなくもない。
俺様だってある日突然ゲヘナが廃校して他の学校に転校しろと言われてはいそうですかとはならないし、そりゃ閉校を決めた連中に対して徹底的に抗議するだろうし、廃校なんて断じて認めないだろう。
……けど、これは違う。
いくらSRTの閉鎖に異議があるとは言え、SRTと言う秩序を守る側の人間が武力を盾に要求を呑ませようとするのはどう考えてもおかしい。
そんなの、テロリストと変わらないじゃないか。
デモをするにしろ廃校に抗議するにしろ、もっと民間人を巻き込まないやり方だってありはずだ。
例えばそれこそプラカードを持って訴えるとか、廃校に対する反対の署名を募るとか、SRTが存続できるよう指揮官を立ててくれと自分達から申し出るとか。
それこそ、シャーレの先生に頼む手だってあるはずだ。
先生は困っている生徒を見捨てるような人ではないのだから。
彼女達は廃校に講義するためにデモを行っているようだが、逆にそれよって連邦生徒会がSRTを閉鎖することに至った理由に説得力を持たせてしまっていることになる。
指揮官を失った武力の暴走……まさに連邦生徒会がSRTの閉鎖を決定するに至った理由そのものだ。
本人達は真剣な抗議のつもりなのだろうが、皮肉な話だと言わざるを得ない。
「クロノススクールの記者たちも現場に来てしまい、中継によって状況が加熱しているみたいで……このままですとどんどん問題が大きく……」
「まったく、どうしてこう次から次へと……!」
わなわなと体を震わせながら、怒りのこもった声でそういう七神代行。
……うん、後で胃薬を追加で渡しておくとしよう。
「あの、リン先輩。こういう時こそシャーレの先生に助けてもらうというのは?先生の指揮能力はもちろん、先生ならば各学園からすぐに精鋭を動員してもらうことも可能でしょうし……」
岩櫃調停室長は七神代行に向かってそう提案する。
まぁ、現状だとそれがベストなのは間違いないだろう。
ヴァルキューレだけで太刀打ち出来ない以上、もう取れる手段と言えばそのくらいしかないからな。
七神代行はしばし腕を組んで考え込んでいたが、やがて苦い顔を浮かべると口を開き……
「……仕方ありませんね。本来なら私達だけで片付けておきたいところですが……先生、お願いできますか?」
絞り出すような声でそう言った。
“うん、分かった。任せて。”
その言葉を聞いた先生は笑みを浮かべて自分の大きな胸を叩くと、力強くそう答えた。
……やっぱり、普段はだらしないのにこういう時の先生は何よりも頼もしく見えるな。さて、それなら……
「先生、そういうことなら俺様も協力するぜ。」
“えっ……タツミも?”
「あぁ、SRTの連中がデモを起こしているのは公園。周囲には建物はもちろんだが民間人だって大勢いるはずだ。恐らくヴァルキューレが避難誘導をしているだろうが、流れ弾が民間人に命中でもしたらまずい。俺様なら空崎委員長や桐藤先輩に連絡をすぐ取れるから、現場の状況次第で増援をよこしてもらうことも可能だ。」
と言うか、もうそれしか手段がないだろうからな。
公安局や警備局が壊滅状態となると、ヴァルキューレ側の残った戦力としてはもう生活安全局しかない。
生活安全局だってヴァルキューレの訓練プログラムを受けているだろうけど、それでも普段現場に立つ側ではない以上公安局や警備局よりも圧倒的に練度も士気も経験も足りていないのは否定できない事実だろう。
まずゲヘナ風紀委員会と万魔殿の戦車隊に援護を要請して、それでも無理なら恥を忍んでトリニティの正義実現委員会にも助けを求めるしか無い。
「げ、ゲヘナはともかくトリニティの部隊にまで要請できるんですか!?」
「まぁ色々ありましてね……トリニティの桐藤生徒会長は助けが必要ならいつでも連絡してくれと言ってくれていまして。」
「……ゲヘナとトリニィは険悪な仲と聞いていましたが、タツミ議長代理に関しては例外なのですね。」
そう言って目を丸くして驚く七神代行と岩櫃調停室長。
まぁ俺様はそれほど大したことはしてないのだけど、そう言ってくれるのはありがたい限りである。
“……タツミ、傷の方はもう大丈夫なの?”
「あぁ。この前抜糸してもらったし、氷室先輩からも長時間の戦闘じゃなければ戦っていいって診断も出てるから大丈夫だ。だから心配は無用だぜ、先生。」
“……分かった、それなら大丈夫そうだね。ただし無理は絶対にしないこと。約束できる?タツミ。”
「分かった、約束する。」
“……うん。ならお願いできるかな?”
「おう、任せとけ!」
心配そうにそう言う先生に対して、俺様は笑顔を浮かべながら親指を立てつつそう言った。
「すみませんタツミ議長代理、貴方にまでご迷惑をおかけしてしまうことになりまして……」
「気にしないで下さい七神代行。それに流石にこれ以上連中を暴れさせておくわけにも行きません。民間人に被害が出るまでになんとかしないといけませんから。」
「はい、よろしくお願いします。およそ状況は掴めていると思いますが、一部のSRTの生徒達が公園を占拠してデモを起こしています。彼女達を止めてきて下さい。」
“うん、分かった。”
「はい、任せて下さい。」
七神代行の言葉に、俺様と先生はそう答える。
「小隊一つとのことでさほど人数が多いとは思いませんがSRTの銃火器は相当強力ですので、お気をつけいただければと。」
七神代行はそう言うが、人数が少ないとは言えヴァルキューレの公安局と警備局を蹴散らせるほどには練度と士気の高い危険な連中な事は間違いないだろう。
一個小隊ということは部隊長を含めて恐らく4〜5人くらいだろうが、最大限警戒するに越したことはない。
「現場にはヴァルキューレの生徒たちもいますのでサポートしてくれるはずです。こちらで紹介状をすぐに用意しますので、そちらを渡していただければ。」
“分かった。よろしくね、リン。”
「はい、ご武運を。先生。タツミ議長代理。」
こうして七神代行がすぐに用意した紹介状を受け取った先生と共に、公園を占拠して危険なデモを行うSRTの生徒を鎮圧するために俺様サンクトゥムタワーを飛び出して現場へと向かうのだった。
……せっかくイブキと遊んでやる予定だったのに、お前らのせいで台無しになっちまったじゃねぇか。
クソ!覚悟しとけよ、SRT!
カルバノグ1章編が始まりました
流れとしては並行して日常編、アビ夏編を進める予定です