転生したらイブキの兄だった件   作:砂糖菓子くん

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先生とハスミの水着を選ぶことになったタツミ
果たしてどうなるのか……


水着選びと丹花タツミ

“……ハスミ、どう?入りそう?”

「いえ……胸がきつくて入り切りませんね……」

“うーんこっちもだよ。これって一番大きなサイズなんだよね?せっかく可愛いデザインなのにきつくて入らないなんて……残念だなぁ。”

 

あれから先生と羽川先輩に連行され、散々水着を見せられながら2人に合いそうな水着を見繕った俺様。

現在2人は俺様から手渡された水着を着るために悪戦苦闘しているようで、試着室の薄いカーテンの向こう側から二人のそんな会話が聞こえてくる。

そんなやり取りを、俺様は試着室の外で全く落ち着かない気分で聞きながら待機していた。

 

と言うか、俺様は二人のスタイルに合わせて結構大きめの物を渡したはずなんだけどあれでも小さいのか……!?

俺様、水着を手に取ったときに「デッカ……」って思ったくらいなんだけど……そんなサイズの水着でも入らないなんて、一体どんだけダイナマイトなスタイルをしているんだ……もう頭が痛くなってきたんだが。

 

“せっかくタツミが選んでくれた水着だから着たいんだけど、流石にこれじゃ色々はみ出ちゃうね……”

「はい……流石にこれ以上大きいものになると色合いやデザインも地味なものになってしまいそうですね……」

 

俺様がそんなことを考えていると、試着室のカーテンの向こうからそんなやり取りが聞こえてくる。

……いや、はみ出すって何がはみ出すんだよ先生。

 

そう言えば2人が言っていたのだが、彼女達はこの丸々1フロアを使った水着コーナーの中でも一番大きいサイズのコーナーで水着を物色していたらしいのだがそれでも二人に合うサイズの水着は数着しかなかったらしい。

それに俺様は女もののことはさっぱりわからないのだがどうやら大きなサイズになればなるほどデザインがシンプル……と言うか地味になるらしく、可愛いデザインの水着は市販では中々にお目にかかれないのだとか。

まぁ確かに俺様が顔を真赤にしつつ無心で水着を選んでいる時も、デザインはシンプルなものばかりで凝ったものはほとんど無かった気がする。

 

そこまで行ったらもう特注するしか無い気もするのだけど……つくづく二人のスタイルが規格外だということをこれでもかと言わんばかりに思い知らされるな。

同時に先生も羽川先輩も規格外のスタイルであることで苦労していることも多いようなので、それに関しては気の毒だと言わざるを得ないが。

先生や羽川先輩にはたまに肩のマッサージをしてやっているのだが、その度に二人ともガッチガチに凝り固まっちまっているからな……難儀なものである。

 

ちなみに俺様が先生と羽川先輩に選んで手渡した水着は無難と言うか、露出度の比較的少ない肌を隠せるようなタイプの水着だ。

なるべく上はフリルが付いた布面積の多いものや、下はパレオなどが付属しているものを選んだ。

 

え?どうしてそんな水着を手渡したのかって?

そりゃこんな抜群のスタイルを誇るお姉さん方に露出度の高い水着を渡せるわけがないだろうが!

そんなもん渡してみろ、明日から俺様はキヴォトス中の女子生徒からゴミを見るような目で見られることは確定してるんだぞ!?

そもそも水着を選ぶのだって理性が危険だったり、世間の目もある中付き合ってるんだから勘弁してくれ!

 

“うーん……あっ、これだったらもしかしたら入るかもしれない!”

 

俺様がそんな事を考えていると、先程まで気落ちしていた先生から明るい声色でそんな言葉が聞こえてくる。

どうやら俺様が選んだ中になんとか体に収まりそうな水着があった様子だ。

良かった、これで全部入りませんでしたなんてなったら俺様としても気まずいってレベルじゃなかったからな。

ひとまずは安心といったところだろう。

 

“よいしょ……うん、ちょっとだけキツイけどサイズも結構いい感じ!これなら大丈夫そうかな!”

 

試着室の中からそんな先生の明るい声が聞こえてくる。

どうやら試着が終わったみたいだ。

 

“よし、じゃあタツミに見てもらおうかな!”

 

先生はそう言うと中から簡易的な作りの室内と外の世界を区切っている1枚の薄いカーテンに手をかけ、そして一気にカーテンレールの音と共にカーテンを開いた。

そして、その瞬間。俺様の目に飛び込んできたものは……

 

“じゃーん!どうかなタツミ!”

 

俺様が先生に合うようにと女物の水着が分からない中懸命に選んだ、薄紫色のビキニを着て自慢のスタイルを惜しげもなくこれでもかと晒す先生の姿だった。

 

(でっっっか……!?)

 

そのあまりにも刺激が強すぎる光景に、俺様は思わず目を見開いて驚愕する。

 

まずなんと言っても目を引くのは先生の豊かという言葉では表現できないくらいの胸部装甲だ。

デカい、そりゃもうデカい。まるでスイカのようだ。

しかも水着を着ていることによって先生の肌面積はとんでもないことになっており、水着の間から覗く深い谷間も圧倒的存在感を醸し出している。

そのあまりのデカさに先生が歩く度に2つの双丘はぽよんぽよんと揺れており、水着の紐が悲鳴を上げていた。

 

流石にこれ以上は直視できずに思わず視線を下に落とすと、今度はこれまた薄紫色のビキニに包まれた先生の健康的かつバカでかい尻にそしてそれを支える健康的なぶっとい太ももが目に入ってくる。

 

そして先生の肌はよく手入れがされているのかシミ一つ無いシルクのようなきめ細やかさを誇っており、見ていると思わず吸い込まれそうになるほど綺麗だった。

とてもじゃないが、普段カップ麺や菓子パンばかりを食べて徹夜を繰り返している女性の肌だとは思えない。

 

と言うかちょっと待て、俺様はキチンと一番大きなサイズの物を渡したはずだよな!?

何なら渡す時は「デカすぎるだろこれ……」って思ってたくらいなのに、先生のあまりのワガママダイナマイトボディのせいで水着がミニサイズに見えるんだが!?

そのせいで肌が押し上げられていてミッチミチだし、肌面積と薄紫色のコントラストが相まって余計に女神のような神々しさを感じるほどだ。

 

普段のスーツ姿でさえスーツの上からハッキリ分かるほどの規格外のスタイルなのに、それを先生は今は水着一枚という余りにも頼りない布のみを纏った状態で惜しげもなくさらけ出している。

出るところはこれでもかと言うほどに突き出しているのにも関わらず、腰はキュッと引き締まっているまさに男の理想をそのままお出ししてきたようなスタイル。

 

こんな格好、目のやり場に困るに決まってるだろ!

そのあまりにも刺激の強すぎる光景に、俺様はさっと目をそらして視線を先生の顔に固定した。

 

“どうどう?似合ってるかな?”

「あ、あぁ……正直めちゃくちゃ似合ってると思う。」

“ほんと!?やったー!ふっふっふ、まだまだ私だって若い子には負けるわけにはいかないからね!”

 

先生はそう言うとドヤ顔を浮かべ、えっへんと腰に手を当てて大きな胸を張る。

……いや先生、その格好でそのポーズは辞めてくれ。

あまりにも目に毒すぎる。

ってか若い子には負けないって言ってるけどあんただってまだ20代前半とかそこらだろ?

18歳組とはそんな変わらない……ってそうじゃなくて!

 

「と、と言うか先生!俺様はフリルとパレオの付いた水着を渡したはずなんだが!?何で付けてないんだよ!」

“うーん、フリルとパレオもたしかに可愛いんだけど私はビキニは何もついてないほうが好きなんだよね。だから外しちゃった☆”

「いや、外しちゃった☆じゃねぇよ!フリルとパレオ付けてればかなり露出は減らせるはずだろ!?」

 

そう。俺様が先生に手渡したのは薄紫色の胸部分にフリルが付いていて、下はパレオを巻いて隠せるようになっているタイプの水着だったのだが何をとち狂ったのか先生はその両方を付けずビキニのみでその自慢のスタイルを惜しげもなく晒しているのである。

と言うかあのフリルが着脱式なのは初めて知ったからそれはともかく、せめてパレオは巻いてくれよ!

 

“それよりもどう?自分が選んだ水着を女の子に着てもらった感想は。”

「まぁその……正直目のやり場に困るって気持ちのほうが強い。可愛いし綺麗だとは思うんだけど俺様も男だからその……な?そりゃ俺様が選んだ水着を喜んで着てくれたのは嬉しいぞ?けど失礼を承知で言うけど、先生のそのスタイルは男には目に毒すぎるからさ……」

“ふふ、やっぱりタツミは紳士なんだね。そういう所がタツミのいいところだよ。悪いところでもあるけどね。”

「え?それってどういう……」

“さ、それよりもうすぐハスミも着替え終わるみたいだからちゃんと可愛いって言ってあげるんだよ?”

 

先生はニコリと笑いながらそう言うと、自分が着替えていた隣の試着室まで歩み寄っていき中で着替えをしている羽川先輩に声を掛ける。

 

“ハスミ、どう?着替え終わった?”

「は、はいっ!何とか入りました……!」

 

羽川先輩は先生の問いかけに対して若干上ずった声でそう答えると、試着室のカーテンに手をかけて一気に横へ引きその姿を俺様の前へと晒した。

そして、羽川先輩の姿を見た瞬間……

 

(でっっっっか……!?)

 

俺様の頭の中には、先ほどの先生と全く同じ感想が浮かんでいた。

羽川先輩が身につけているのは、布面積がそのダイナマイトスタイルで先生と同様にミニサイズに思えてしまうほどの黒色のビキニなのだが……

 

まず俺様の目に飛び込んできたのは、普段羽川先輩の制服をこれでもかと言わんばかりに暴力的に押し上げている豊かな胸部装甲だ。

先生よりは一回り程小さいものの一般的に考えたら規格外のデカさであることに変わりないそれは余りにも頼りなく、そしてやや小さい黒色の布1枚で支えられており若干水着がくい込んでそりゃもう偉いことになっている。

流石に刺激の強すぎる光景に思わず視線を下へ逸らすとそこには上半身と同じく黒い布1枚で隠された彼女のでっかい尻とぶっとい太ももが……ってこれさっきの先生と同じパターンのやつじゃねぇか!

 

羽川先輩も先生と同じくシミ一つない真っ白な肌に黒の水着と背中から生えた大きな黒い翼、そして彼女の綺麗で長い黒髪のコントラストによって先生に負けずとも劣らない圧倒的な美しさを放っている。

 

しかも、羽川先輩は俺様よりも身長が少し高い。

先生は俺様よりも身長がやや低いから意図して顔に視線を固定していれば他の部分を見ずに済むけど、羽川先輩は俺様よりも背が高いので必然的に顔に視線を固定しようと思えば俺様が彼女を見上げる形になる。

その過程で、どうしても彼女の豊かな胸部装甲や惜しげもなく晒された谷間が見えてしまうわけで……

 

こんなの、どこに目をやったって俺様の理性が危険だ。

既に先生の水着姿だけでも精神がガリガリ削られているというのに、こんなものまでお出しされたらヤバい。

なるべく……なるべく直視しないようにしないと……!

 

“わー!可愛いねハスミ!すっごく似合ってるよ!”

「そ、そうでしょうか?入りはしたのですがかなりギリギリで……もう少し体を絞ればジャストサイズになりそうなのですけど……」

 

胸元に手を当てつつ、そんな事を言う羽川先輩。

……いや、体を絞ればとは言うけど俺様が見る限り羽川先輩の体は贅肉なんてほぼ付いていない完璧なスタイルだと言ってもいいと思う。

だから彼女の問題と言うよりは、水着コーナーに置いてある水着が小さいことが問題のように思うんだけど……

 

“いやーそれにしても、何度見てもビックリするくらい恵まれたスタイルだよねハスミって。”

「それを言うなら先生もではありませんか。自慢ではありませんけど、私は自分より胸が大きな方をキヴォトスで見たことがありませんでしたからね。先生を初めて見た時はびっくりしたものです。」

“またまたー上手いこと言っちゃって。褒めても何も出ないよー?”

 

目の前でミニサイズと錯覚するくらいの水着を着て笑顔で談笑し、お互いの体にペタペタと触って何かを確かめている先生と羽川先輩。

 

“いや~でも大変だよね。これだけ胸が大きいと肩も凝っちゃうし、水着だって大きなサイズのもののはずなのにマイクロビキニみたいになっちゃうしでさ。”

「肩こりに関しては激しく同意します。それに訓練をするにしても、狙撃体制に入るときに床に伏せる場合にしてもこの大きな胸が邪魔でして……」

“ハスミも色々大変なんだね……またタツミにマッサージでもしてもらう?”

「そうですね。タツミさんのマッサージはとても肩こりがほぐれますし、迷惑でないのなら是非お願いしたいくらいです。」

 

先生と羽川先輩はそんな遣り取りをしながらおもむろにこちらに振り向くと、そのまま俺様に対して歩み寄って距離を詰めて来た。

薄い布一枚で体を隠したダイナマイトボディの持ち主が2人揃って並んでいる光景は圧巻であり……そして同時に俺様の理性をガリガリと削り取るものでもある。

 

右を見れば大玉のスイカが、左を見れば特大メロンが揺れている光景は思春期の男子を絶対に殺してやるという強い意志をひしひしと感じざるを得ない。

俺様は鋼の意志で視線を逸らすが、そんな俺様の前に羽川先輩が歩み寄ってきたかと思うと口を開いた。

 

「それでその……どうでしょうかタツミさん。」

「あーえっとその……正直めちゃくちゃ似合ってると思いますよ、羽川先輩。」

「ほ、本当ですか……?」

「はい。羽川先輩の真っ白な肌に黒の水着がよく映えて……とても素敵だと思います。」

 

俺様は羽川先輩の距離の近さに若干しどろもどろになりながらも、彼女の目を見てハッキリとそう言った。

まさか一番大きなサイズのものを渡したのにそんなことになるとは思わなかったけど、羽川先輩の着ている水着が彼女に似合っているのは紛れもない事実だからな。

欲を言えばビキニだけではあまりにも肌面積が広すぎるので、上から上着を羽織るなりパレオを巻いてくれると俺様の理性にも優しくてありがたいのだが。

 

「あ、ありがとうございますタツミさん。」

「いえいえ、俺様の率直な感想を言っただけですよ。」

 

俺様の言葉に何故か顔を赤くしつつそういう羽川先輩を見て首を傾げつつ、俺様はそう言った。

うん?羽川先輩はなんで顔を赤くしているんだろうか?

 

“ふふっ、良かったねハスミ。”

「はい、頑張って体を押し込んだ甲斐がありました!」

 

そう言ってぐっと拳を握りつつ、先生に向かって笑顔を浮かべる羽川先輩。

……まぁ確かに水着が小さくて何がとは言わないがギチギチなこの状況なら、着たと言うよりは押し込んだって表現のほうがしっくりくるのは間違いないだろう。

俺様がもう少し大きな水着を選んであげられれば羽川先輩が苦しい思いをせずに済んだのだろうけど、ここの水着コーナーに置いてあるやつであれ以上に大きいサイズのものは無かったんだよな……

 

さっきも言ったけど、二人に手渡した水着のサイズは俺様が手に取ったときに思わず「デッカ……」と呟いてしまうほどには規格外のデカさを誇っていた。

その水着を着てなおギチギチだなんて、いかに二人のスタイルが飛び抜けているかが分かる。

と言うか何度も言うけど二人の体がワガママボディすぎるせいで水着が若干悲鳴を挙げているからな。

どんだけ恵体なんだよと思わずには居られない。

 

ちなみに二人にビキニを渡したのは俺様の趣味というわけではなく、単純に一番大きなサイズ物がビキニスタイルのものしか無かったからである。

本当ならあのスタイルで肌面積が大きくなりがちなビキニを着ると俺様の理性がヤバいから避けたかったんだけど、ワンピースタイプやシャツみたいな水着だと二人の体格に合いそうな物がなかったんだよな。

決して俺様の好みがビキニだからってわけではない。

 

そう、そんなわけじゃ断じないからな!

これは仕方なくだ仕方なく!

 

まぁそう言うわけで二人にはフリルの付いたビキニやパレオを手渡して少しでも露出を抑えてもらおうと思ったんだけど、二人とも何故かフリルもパレオも身につけていないと言うのが現状である。

先生に関しては「好きじゃない」って理由みたいだが、羽川先輩はまぁ恐らくサイズが合わなかったんだろう。

その結果、俺様の目の前にはギチギチの水着を着た肌面積の多い二人の美女がいるわけだが……

あかん、あまり直視しないようにしておかないと。

 

そりゃいくら俺様だって信用してない男に自分の水着を選ばせる女性が居ないことくらいは分かるし信用してくれてるのは嬉しいけど、だからってそれが彼女達の水着姿をジロジロと凝視していい理由にはならないからな。

と言うか見ないようにしないと色々とアブねぇんだよ。

え?誰がって?もちろん俺様がだよ!

 

“それにしても、こう言うのは失礼かもしれないけどタツミって結構水着選びのセンスいいんだね?”

「はい。先生がお召になっているものはよく似合っていると私も思いますし、私が着ているこの水着だって最初に渡された時に気に入りましたからね。」

「そ、そうですかね?俺様はただ単純に二人に似合いそうだなーって思ったものを渡しただけなんですが……」

 

二人から顔をそらしつつ、俺様はそう応える。

先生に薄紫色の水着を渡した理由は、単純に先生のイメージ的に普段はスーツを着ていてぴしっとした格好をしているからちょっと派手な色のほうが案外イメージ合うんじゃないかと思ったからだ。

羽川先輩に関しては普段から正義実現委員会の黒いセーラー服がよく似合ってるし、黒髪が綺麗だったりするから黒で揃えたほうが映えそうって思ったからだしな。

 

“それになんかやけに大きな水着を選ぶ時も躊躇がなかった気がするし……もしかして前に経験でもあった?”

「あーえっと……前に一度京極先輩の水着選びに付き合ったことがあって。そのせいかもしれないな。」

“あーなるほど。サツキもハスミに負けないくらい立派なスタイルの持ち主だもんね。彼女の水着選びに付き合ったことがあるなら手慣れているのも納得かな。”

 

先生は大きな胸の下で腕を組み、うんうんと頷く。

そう、実は俺様はこの前に一度京極先輩と一緒にゲヘナのショッピングモールに買い出しに行ったときに彼女に頼まれて水着選びを一緒にやったんだよな。

なんでも、そろそろ夏だから水着を合わせようと思ったら去年から体が成長していたせいで去年着ていたものが合わなくなったらしい。

万魔殿でも毎年海へ行くって恒例行事があるから、そのために必要な水着を新調するためにたまたまその場に居た俺様が彼女の水着を選ぶ事になったと言う訳だな。

 

流石に先生に劣るとはいえ、京極先輩も羽川先輩に負けないどころかタメを張れるんじゃないかと思えるレベルには抜群のスタイルを誇っている女性だ。

 

普段万魔殿で一緒に仕事をしていたり、毎日顔を突き合わせているから感覚が麻痺しているのかもしれないけど彼女も普段から結構大概な格好をしているからな。

俺様が今回顔を真赤にしつつもギリギリの所で理性を保てていたのも、一度京極先輩のような女性の水着を選んだ経験があるからというのに他ならないだろう。

そういう意味では彼女には感謝しないといけないな。

 

え?京極先輩の水着姿はどうだったのかって?

えっと……真っ赤なビキニが京極先輩の抜群のスタイルに合っていて綺麗だった……って何考えてんだ俺様は!?

はいやめやめ!この話はここで終わり!

 

……と言うか、どうでもいいけど俺様の渡した水着が似合ってるってことは分かったんだからそろそろ二人とも普段の服に着替えてきてほしいんだが!?

流石に俺様とてそろそろ限界だぞ!色々!色々とな!

 

“よし決めた!私はこれにする!”

「……はい。私もこの水着に決めました。」

 

俺様が悶々としながらそう考えていると、先生と羽川先輩は明るい声色でそう宣言する。

 

「え、いいんですか二人とも?俺様が言うのもなんですけどその水着よりもっと似合うものなんていくらでもあると思いますし、何ならここで買わずに別の店に見に行ってもいいんじゃ……それにサイズだって……」

“ううん。私はこれがいい。だってせっかくタツミが選んでくれたんだし、似合ってるって言ってくれたんだよ?なら私がこれに決めない理由はないからね!”

「私も先生と同じです。この水着は私達のためにタツミさんが悩み、考えた上で似合うと思って選んでくれたもの。大丈夫です、少しきついですがもう少し体を絞れば問題なくなると思われますので。」

“そうそう。私もダイエットすれば問題ないと思うし、それにキヴォトスには男の人なんてほとんど居ないしさ!”

 

先生や羽川先輩は笑顔を浮かべながらそう言う。

いや、羽川先輩はともかく先生に関してはそういう問題ではない気もするんだけど……まぁいいか。

それに俺様としても自分が選んだ水着を女の子が気に入ってくれて、褒めてくれるのは悪い気はしないからな。

 

「分かりました。期待に添えられて良かったです。」

 

相変わらず二人を直視しないように視線を泳がせつつ、俺様は親指を立ててそう言った。

 

“うん、ありがとうねタツミ。わざわざ私達のために時間を使わせちゃって。”

「気にすんな先生。こっちこそ、俺様の選んだ水着を気に入ってもらえたなら嬉しいからよ。」

“うん!あ、フリルとパレオは今度アビドスの皆とリゾートへ行くときはちゃんと付けておくから……多分。”

「多分って何だよ!?そこはちゃんとつけろよな!」

 

アンタただでさえ目に毒な体してんだから、ちゃんと隠しなさい!お父さんとお母さんが泣いちまうぞ!

まったく……外の世界と違って基本的にキヴォトスには女性しか居ないから警戒が薄れているのかもしれないけどもう少しキチンと警戒心を持ってもらいたいもんだ。

 

その後、再び試着室で普段着に着替えた先生と羽川先輩は俺様を選んだ水着を持って会計をするためにレジへと向かって行きお金を払うと会計を済ませてきた。

試着室のカーテンが開いて普段のスーツと正義実現委員会のセーラー服に身を包んだ二人を見て俺様は心底ホッとしたのだけど、よくよく考えたら水着姿じゃなくてスーツや制服の上からでもハッキリ分かるほどのスタイルなんだから……本当に規格外としか言いようがない。

正直なるべく意識して見ないようにはしていたのだけど悲しいかな、俺様の視線はどうしてもチラチラと先生や羽川先輩の胸や太ももに吸い込まれる場面はあった。

 

だ、だって仕方ないだろ!俺様だって男なんだぞ!

もちろんそういう欲だってあるし、女の子の体にだって興味津々な健全な思春期の男子高校生なんだ!

その前にあんなワガママボディを超えたダイナマイトボディをお出しされてみろ!見ないなんて不可能だ!

 

まぁとは言え、二人が俺様を信用して肌を見せてくれたのは痛いほど理解しているから失礼になってはいけないので本当にできるだけ見ないようにはしたけどな。

二人からエロガキとして失望されてなきゃいいけども……

なおその後、アビドスの皆とのリゾートへ向けて必要なイブキの浮き輪やクーラーボックス等のレジャー用品の購入にお礼ということで付き合ってもらうのだった。

そして、俺様は購入した先生や羽川先輩と別れて電車に乗ってゲヘナへと帰還した。

ちなみに寮へ戻った頃に何故か七神代行から水着姿の自撮り写真が送られてきたのだが……

 

「いやこの人こんなキャラだっけ!?」

 

……まぁ、顔を真っ赤にしつつ恥ずかしそうに鏡の前でスマホを構える上下青いビキニを着た七神代行の姿にドキッとしたことは白状しておこう。

 

だってしょうがないだろ!

七神代行だって先生には劣るけど、羽川先輩や京極先輩にも負けないくらいのスタイルの持ち主なんだぞ!

それになんか水着のサイズ妙に小さい気がするし、恥ずかしがりながらも惜しげなく肌を晒しているし……!

そんなメガネ美人が顔を赤らめながら水着の自撮りを送ってくるんだぞ!?ドキッとしないわけあるか!

 

なお、その後に七神代行から通話がかかってきて水着の感想を聞かれたり彼女と海へ行く約束をしたりしたのだが……それはまた別のお話。

 

『……使っていただいてもいいのですよ?』

『使うって何にィ!?』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「すみません先生。駅まで送って頂いて。」

“ううん。こっちこそ今日は忙しいのに当番に来てくれてありがとうね。助かったよ。”

「いえ、私こそ水着選びに付き合ってほしいというワガママに付き合ってくださってありがとうございます。とても楽しかったです。それに……ふふっ、とても素敵な水着を購入することも出来ましたね。」

“うん、タツミにも感謝しないといけないね。私も可愛い水着を選んでもらっちゃったし。”

「はい、そうですね。」

 

“ふふ、それにしても頑張って見ないようにしてたけどやっぱり視線がチラチラと私やハスミの胸や太ももに行ってたね。タツミもしっかり男の子なんだなぁ。”

「私としてはこんな贅肉のどこがいいのか理解に苦しみますが……殿方はやはりそういうものなのでしょうか?」

“うーんよく分からないけど、私も外の世界に居た頃は散々男の人から嫌らしい目で見られたからね。男の人で嫌いな人は居ないんじゃないかな。”

「そ、そうなのですね……」

“まぁでもそういう意味ではタツミは本当に紳士だよ。興味はあるけどちゃんと理性を働かせてジロジロ見ないようにしてたからね。チラチラ視線が行ってるのはあの歳くらいの男の子なら仕方ないと思うし。”

「……正直、私としてはこのだらしない体をあまり見られなくて良かったと思っています。昨日ケーキを3つも食べてしまいましたし……やはり、タツミさんにはもっとしっかりと絞って引き締まった体を堂々と見ていただきたいですからね。とは言え、彼にもっと見てもらいたかったと思っているのもまた事実ではありますけれど。」

“け、結構大胆な事言うんだねハスミ……”

「何を言っているのですか先生。あのクソボケを相手にするのであれば言葉ではいけません。実力行使をしなければ気づいてすらもらえないでしょう。」

“確かに彼は人の気持ちに敏感なくせに自分へ向けられている気持ちには鈍感だからね……そういう所がクソボケたる所以なんだろうけど。”

「ですのでもっとしっかりと体を絞って、必ず完成されたスタイルをタツミさんに見せつけてやります!ライバルは多いので、うかうかしていられませんからね。」

“う、うん。頑張ってねハスミ……”

 

(“ハスミみたいな女の子をここまで夢中にさせるなんて罪な男の子だよほんとに……まぁ、それも彼の人柄が成せる業なんだろうけどね。”)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「……ふふっ、とてもよく似合っているとの言葉を頂いてしまいました。海へ行く約束も取り付けられましたしアオイには感謝しなければなりませんね。」

「しかし、通話したときの彼の動揺したように上ずった声……1年生ながらゲヘナの議長代理を勤め上げる彼も、裏ではしっかり男の子なのですね。」

「さて、こうしてはいられません。今から仕事を消化して彼と海へ行くための休日を捻出するとしましょう。」

「今からとても楽しみです……ふふっ。」




次回からアビ夏編です
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