転生したらイブキの兄だった件   作:砂糖菓子くん

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今回は番外編となります
三部構成となりますので本編は少しお休みと言うことで……


【番外編】他生徒から見た丹花タツミ ゲヘナ編

“……そう言えば、タツミって皆からどう思われてるんだろうか。”

 

時刻はお昼を過ぎたあたりだろうか。

ふと、シャーレにていつものように山ような書類仕事をしていた私はそんな事が思い浮かんだ。

 

キヴォトスでも彼以外には存在しないのではないかというくらい珍しい男子生徒、丹花タツミ。

彼はとてもお人好しで色んな人の手助けをしており、更には気配りも出来て料理も上手、その上で相手のことを思いやって尊重できるとても素敵な男の子だ。

更にこの前のアリウススクワッドの一件のように、自分を傷つけた相手でも苦しんでいるならば決して見捨てずに手を差し伸べる優しさや包容力も持ち合わせている。

 

更に彼はとても責任感が強くもあり、自分のことを俺様と呼ぶ乱暴な口調とは裏腹に非常に誠実で真面目だ。

そのおかげでゲヘナ学園の皆はもちろん、本来であれば関係が良くないはずのトリニティの生徒達や山海経の皆からも好かれているらしい。

それは、マコトが不在の間のみとは言え1年生ながらゲヘナの議長代理を務めていることからも伺えるだろう。

 

そんな彼に矢印を向ける子というのは少なくない。

かくいう私も、もし生徒達と同じくらいの年齢ならタツミに矢印を向けていた可能性だってある。

 

なんせキヴォトスには男子生徒がタツミしかいないのではないか?と言うくらいには男の子がいない。

そんな男の子への耐性のない中、タツミに接すれば脳を焼かれてしまっても不思議ではないからだ。

思春期の女子高生がほとんどの人口を占めているこのキヴォトスにおいて、異性の存在と言うのは下手をすれば劇薬になりかねないものでもある。

 

正直言って、外の世界から来た私でも思うけど外の世界でもタツミのような男の子は希少だ。

私はこんな身体だから男からジロジロいやらしい視線を向けられていたけど、タツミからそう言う邪なものは一切感じられない。

もちろんチラチラと視線は女の子の胸や足に行っているときはあるけど、それは健全な男の子ならあって当然の興味だからね。

 

更に、タツミは自己評価が低いため自分に向けられる気持ちには無頓着な部分がある。

あれほど大勢の女の子から気持ちを向けられているのに一切気づかないクソボケだけど……十中八九。彼の自己肯定感の低さは前世の出来事のせいなのだろう。

まぁそのせいで下心を一切感じないのも彼のいいところでもあって、同時に悪いところでもあるんだけど。

とは言え、このままではタツミに対する気持ちをこじらせてしまう女の子が出てこないとも限らない。

 

“……タツミに被害が及ぶ前に、少し調査をしておこう。”

 

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〜ゲヘナ学園風紀委員会の場合〜

 

「そうね、彼はとてもいい子よ?いつもマコトが風紀委員会に押し付けて来ていた書類を毎回回収してくれていたし、マコトが議長だった時は嫌がらせを防いでくれて予算の増額もしてくれていた。彼が議長になってからは積極的に風紀委員会の予算も増やしてくれているし、相談もしやすくなって良いことばかりね。」

“なるほど……結構やり手なんだね、タツミは。”

「……いえ、マコトがおかしいだけだと思うわよ。今はタツミが議長代理をしてくれているからストレスは少ないけど、またマコトが議長に戻ったときのことを考えると今から頭が痛いわ。」

“あ、あはは……”

 

「それに、彼は私がインスタント食品を食べていると「そんなんじゃ栄養が偏りますよ!」って学食の厨房を借りて料理を作ってくれるし……あとこれは完全に成り行きだけどもう何回も彼とは一緒に美食研究会や温泉開発部を捕まえてる。あと、私のことを見かねて胃薬をくれるわね。よく効くから本当に助かっているわ。」

“この前胃薬の話で盛り上がってたもんね、2人共。”

「えぇ。……まぁ、私達のような高校生が胃薬の話で盛り上がるというのも変な話だけれど。」

“そ、それはそうだね……”

「それにタツミはいつも書類仕事を手伝ってくれるし、戦闘にも参加してくれて最前線で盾を構えて戦ってくれる。彼に感謝している風紀委員も多いと思うわ。」

 

“それで、ヒナは率直にタツミをどう思ってる?”

「……そうね、頼りになる可愛い後輩と言ったところかしら。万魔殿所属じゃなければ是非ウチに入ってもらいたいくらいだわ。実はこっそり何度か引き抜こうとしたこともあるんだけど、その度に断られているのよね。なんだかんだで彼も万魔殿に愛着があるみたい。マコトのことも口ではああ言いつつも嫌ってはいないようだし。」

“ヒナがそこまで評価するなんて……すごいんだね。”

「えぇ。私としては少し残念だけれども。……けど、いくらゲヘナの選挙で決まったとは言え彼に議長代理の座を任せて日々プレッシャーを感じさせているのは私としても申し訳ないところではある……タツミにはたくさん助けてもらった分、今度は私が彼を助けたいと思うわ。」

“そっか、分かった。ありがとうヒナ。”

「えぇ。役に立てたのなら良かったわ、先生。」

 

「え、タツミか?あいつは良いやつだよな!最初は万魔殿の人間だから警戒してたけど、ヒナ委員長やアコちゃんの書類仕事をよく手伝ってくれるし私も何度か手伝ってもらったことがあるぞ!報告書の書き方とかよく分からないからタツミには感謝しないとな!」

“イオリ、流石にそれは自分で書いた方がいいんじゃ?”

「う、うるさいな!先生だってシャーレにタツミを当番で呼んだ時は泣きついてるだろ!ヒナ委員長から聞いてるぞ!」

“うっ……だ、だって書類の量が多すぎるんだもん……”

 

「まぁそれはともかく、タツミの良いところは何と言ってもあの強くなりたいって心意気だ!ヘイローの無い身で前線に出るなんて私には到底真似できないから、尊敬してるしその心意気を私は買っているよ。何回かタツミに頼まれて模擬戦をやってるけど、タツミは強い。立ち回りに隙がないし、盾を使って体や味方を守るのがすごく上手いからな。」

“うん、一度イオリやヒナとの手合わせを見させてもらったけど模擬戦とは言え互角以上だったもんね。”

「あぁ、最近は私も本気で行かないと負けそうになるし何よりもあのヒナ委員長とも長時間やり合えるくらいだしな。タツミと不良の鎮圧したことは何度もあるけど、タツミが前にいると後ろまでほとんど弾が飛んでこなくなるんだ。だから安心して前を任せられるな!」

 

「で、タツミをどう思ってるかだったっけ?そうだな……向上心のある可愛い後輩って感じかな!タツミは男だけど性別の壁なんて全然感じないし、気安く話せるから私は好きだぞ。男友達が居るってのは良いもんだしな。」

“イオリはとてもタツミと仲良しなんだね。”

「あぁ、タツミは良いやつだからな!」

 

「はい?タツミですか?万魔殿の人間のことで話すことなどありませんが?」

“ま、まぁそう言わずにそこをなんとか……”

「嫌なものは嫌です!大体、彼はいつも目障りなんですよ!ヒナ委員長の隣で書類仕事は手伝うし、イオリとは仲良く話してるし、チナツとの距離は近いし……!私にだって事あるごとに話しかけてくるし、コーヒーだって出してくるし、書類仕事を無理やり手伝ってくるし、私が寝落ちてたら自分の上着をかけてその間に黙って書類を片付けてくれたし……愚痴だってたくさん聞かせてるのに嫌な顔1つせず聞いてくれたりするんですよ!?」

“(めっちゃ語ってくれるじゃん……と言うか、最後のは最早褒め言葉なのでは?)”

 

「と、とにかく本当に腹の立つ後輩ですっ!どうせ万魔殿からの命で私達を懐柔しようとしてるんでしょうけど、私はそんなに安い女じゃないですからね!?」

“いや、別にそんなことは無いと思うけど……”

「そもそもタツミはだらしなさすぎるんです!この前だってネクタイが曲がっているのに気づいてないから仕方なく直してあげましたし、人のことは気にするのに自分のことは全く気にしないし、私の気持ちにだってちっとも……ゴニョゴニョ……」

“あ、アコ……?”

「それにこの前なんて私が寝てたらお、お姫様抱っこして仮眠室へ運んだんですよ!?女性に気安く触れるなんて不潔ですっ!私以外にやったら許しませんからね!」

“(自分になら良いんだ……)”

「……まぁほんのちょっとだけ、ちょーっとだけなら感謝してやらないこともないですけど!?」

“(はぁ……アコは相変わらず素直じゃないんだから……でもあのヒナLOVEなアコからも憎からず思われてるなんて、タツミの人柄は本当にすごいなぁ。)”

 

「タツミくんですか?そうですね、クラスメイトなので一緒にいる時間は多いですよ。たまにですけど屋上でお昼を食べたり、一緒に登下校したり、2人で放課後に遊びに行ったりもしてますね。」

“そっか、2人とも万魔殿と風紀委員会の重役に就いてるから忘れがちだけど1年生で同い年だもんね。”

「はい。この前なんかはタツミくんにお弁当を作って行ってあげたんですけど、とても美味しそうに食べてくれて嬉しかったです。今度お返しにタツミくんが作ってくれるそうなので今から楽しみです。ふふっ。」

“タツミの手料理か、いいなぁ……”

「……ただ、彼は結構自分のことに対しては無頓着で自信がないんですよね。ふふっ、俺様なんて言ってるのに……そんなところも彼のいいところなんですけど。」

“まぁ謙虚なのはタツミの良いところだよね。”

 

「ただ、自己評価が低いせいで自分を犠牲にしてしまうのは彼の悪いところですね。あと、人の気持ちにちっとも気づかないクソボケなところとかも。」

“……まぁ、それは否定できないかな。”

「うーん、彼女でも出来れば少しは変わってくれるでしょうか?先生、私結構アピールしてるんですけどもうこれ以上となると実力行使しかないですよね?こうなったら温泉にでも誘ってみましょうか?」

“……えっと、チナツ。間違いは起こなさいでね?”

「ふふっ、大丈夫ですよ先生。ちゃんと避妊はしますので♡」

“え、エッチなのはダメだよチナツ!?”

 

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〜ゲヘナ学園給食部の場合〜

 

「え?タツミ?ですか?そうですね……彼は自分も万魔殿の仕事で多忙なのに非番の日には必ず厨房を手伝ってくれますし、何なら仕事のある日でも手伝ってくれるし、それに予算の増額や人員の確保についてもかけあってくれてます。実際にマコト議長だった頃と比べると今は人員も機材も予算もとても充実していて私やジュリも休めるようになりましたし本当に感謝しても仕切れません。」

“給食部はゲヘナの生徒の食を支える台所だもんね。タツミも料理好きだし力を入れるのは分かる気もするなぁ。”

 

「それに……私に対して手料理も作ってくれるし、私の手料理もすごく美味しそうに食べてくれるし……いつもお疲れ様ですって労ってくれたり、あとは……その……私が悩んでたら相談に乗ってくれるし、新メニューの提案もしてくれて、その上で私が疲れてたら代わりに厨房を回してくれたりとかも……」

“そうなんだ、とても気にかけてくれてるんだね。”

「はいっ!最近はハルナ達が来たら相手をしてくれるから攫われる頻度もかなり減りました。……その代わり、タツミがハルナ達と騒いでるのはちょっとモヤッとしますけど。ジュリとも仲良くしてるし、もう給食部に入ってくれないかな……でも彼は万魔殿をとても大事にしてるし無理を言うのも……はっ、私はなんてことを……!」

“(あれ、フウカも割と重たくない……?)”

 

「タツミくんですか?フウカ先輩が困っていると厨房を手伝ってくれてるので、とても助かってます!それと、私は先生もご存知の通りお料理をするだけで怪物が生まれたりしてしまうんですけど、タツミくんはそんな私を励ましてくれたり「次こそは出来るぞ牛牧!」って何度も付き合ってくださってて……ありがたい限りですね。」

“(本人も悪気はないんだろうけど、ジュリのあれは何なんだろう……私としてもなんとかしてあげたいけど……)”

「それに、私のミスで生み出してしまったパンちゃんなどを迅速に処理してくれたりもしているんです。仕込みや配膳しか出来なくてフウカ先輩の負担になってる私をそれも給食部の立派な仕事だって言って認めてくださったりもしていて……悩みもとても親身に聞いてくれますし、お料理の相談にも乗ってくれてます。」

 

「それに、私が作りたいって言ったお料理をタツミくんが作ってくれたりもしますし……あ、今度一緒に材料の買い出しに行こうって約束もしました!それにこの前、私がパンちゃんを暴走させてしまって彼に思わず抱きついて泣いてしまったときも優しく頭を撫でて……はっ!」

“(……うん、タツミも罪な男だなぁ。)”

「と、ともかく!いつか必ずおいしいお料理を作って、是非タツミくんに食べてもらいたいですっ!」

“ふふっ、それは頑張らないとねジュリ。”

「はいっ!」

 

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〜救急医学部部長の場合〜

 

「タツミですか?そうですね……悩みを相談できる後輩と言った感じでしょうか。彼は日々死体……ではなく負傷者の対応でゲヘナを駆けずり回っているからと言ってよく救急医学部に顔を出しては書類の手伝いをしてくれたり、予算の増額や人員の増員など何かと便宜を図ってくれているのでとても感謝しています。」

“うんうん、救急医学部はゲヘナにとってある意味最も重要と言っても良い部活だからね。”

「最も重要かどうかは分かりませんが、日々大量に出る死体……ではなく負傷者を救護する組織がないのはゲヘナにおいて致命的ですからね。私も救急医学部の活動には誇りを持っていますが……同時に、少し疲れたなと思うときもやはりあったりはします。」

“(まぁ、それはそうだろうなぁ……)”

 

「そんな私に対して彼はとても良くしてくださっており部室に顔を出しては書類仕事を手伝ってくださったり、仕事が終わった私にコーヒーを入れてくださったり、悩みを聞いてくださったり……ふふ、私は普段弱音を他人に漏らすことはなるべく避けているのですが、彼にだけは正直に色々なことを話してしまいますね。」

“なるほど、信頼してるんだね。”

「はい。……ただ、選挙の結果とは言えまだ1年生である彼にゲヘナの代表を任せ負担を押し付けてしまっているしまっているのは非常に申し訳なく思います。私も出来ることなら、彼の力になってあげたいですね。」

 

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〜美食研究会の場合〜

 

「タツミさんですか?そうですわね……いつもフウカさんのお手伝いをされているイメージがあります。個人的には彼の料理もいつかは食べてみたいのですが、彼は私たちのことが気に入らないようなので……無理やり縄で縛って拉致することも考えましたが、戦闘力が高くてそれも難しいですしね。」

“いや、拉致するのはダメだからねハルナ?”

「何を仰っているのですか先生。タツミさんの料理はあのフウカさんと肩を並べるほどの逸品なのですよ?それを食さずして、美食研究会は名乗れませんもの。それに私達は常日頃からフウカさんを拉致していますし、今更拉致など珍しいものでもないでしょう?」

“……ハルナ、後でお説教だからね?”

「ふふ、冗談ですわ。それはともかく、タツミさんと言えばフウカさんを拉致する際にいつも私達の前に立ちはだかってくる障壁です。彼には彼の信念があるのは分かりますが、私達も美食研究会を名乗る以上やり方を変えるつもりはありませんので……私達が分かり合える日が来るのは遠い未来の話なのかも知れませんね。」

“(……飢えに苦しんでいた彼の過去の話を聞くとハルナ達のやり方が許せない気持ちは分かる気がする。けどハルナ達だって大切な生徒。どうすればいいんだろう……)”

 

「タツミくんですか?いい子ですよね☆」

“えっ、美食研究会とタツミは仲が悪いんじゃないの?”

「確かに仲は悪いですけど、ああ見えてタツミくんって結構私達に対して甘い所があるんですよ?実はこの前お店を爆破した時にタツミくんがすっ飛んできたんですけど、その時にジュンコさんが瓦礫の下敷きになってしまって……それを見たタツミくんは血相を変えて必死にジュンコさんを助けるのを手伝ってくれたんです。」

“えっ!?ジュンコは大丈夫だったの!?”

「はい。幸い下敷きになった箇所に空洞があったこととタツミくんの手伝いも相まった迅速な救助によりかすり傷で済みました〜☆」

“そ、そっか……なら良かった……”

「その時にハルナさんやジュンコさんがタツミくんに何故手を貸したのかと聞いたんですけど、彼は「いくら俺様がお前らを嫌ってようが、困っている人を見捨てるわけには行かない」と仰ってたんです。……変な人ですよね。嫌いなら放っておけばいいのに。」

“(……タツミの掲げる信念的に、それは絶対に許せなかったんだろうね。彼はどれだけ自分が嫌っている人でも困っていたら手を差し伸べる優しい子だもん。)”

「そういうわけなので、私個人としてはタツミくんは嫌いじゃないですよ。きちんとお話してみたいですね☆」

“分かった、ありがとうアカリ。”

 

「えっタツミ?うーん、なんか怖い人って感じかも。いっつも私達のことをすごい形相で追いかけてくるし、ハルナとは会うたびに口喧嘩してるし……ボコボコにされたこともあるし……あんまりいいイメージはないかも。」

“あ、あはは……”

「……あっ、でも前に一回だけ私が風邪を引いちゃって美食研究会の活動を休んだときがあったんだけど、その時にタツミってばハルナと会った時にそのことを聞いたみたいでわざわざ私の寮の部屋まで来ておかゆを作ってくれたんだよね。あの卵粥はすごく美味しかったな!」

“あっ、そうなんだ。”

「その後もぶっきらぼうだったけど、熱があって苦しい私の傍で頭に氷を乗せたりしてくれたし……ちょっと怖いのは確かだけど、悪い人じゃないのかもしれないね!」

 

「げっ、タツミ?嫌な思い出しか無いわね……」

“え?そうなの?アカリからはこの前助けてもらったって聞いたんだけど……”

「あ、あれはハルナが問答無用で店を爆破するからよ!ま、まぁその時のタツミはちょっとだけカッコよかったけど……それだけ!それだけなんだからね!」

“そ、そうなんだ……”

「そうよ!大体タツミはいっつも私達の邪魔ばっかりしてくるんだから!そ、そりゃ確かに私達が店を爆破して食材を粉々にしてるのは悪いけど、何も毎回あそこまでボコボコにしなくてもいいじゃない!?」

“あ、あはは……”

「……まぁでも、悪いやつじゃないってのは分かっているわ。お互いの価値観さえ同じなら、いい友達になれていたかもしれないけどね。」

“(うーん、分かってはいたけど美食研究会との仲はそこまで良くなさそうだね。ただ、思ったよりは悪くないって感じかもしれないな。)”

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜温泉開発部の場合〜

 

「た、タツミ!?ひ、ひぇぇぇぇええっ!!!」

“えっ!?ちょ、ちょっとカスミ!?”

 

「あちゃー。やっぱりこうなっちゃったか。ヒナ委員長やタツミのことになるといつもこうなんだから。」

“な、なんだか悪いことをしちゃったかな……”

「ううん、気にしないで先生。部長はいっつもあんな感じだからさ。ヒナ委員長やタツミは一見すると話が通じるように見えるけど、心の底では風紀を乱す奴は許さないって信念があるから実は話が通じないんだーって嘆いていたこともあるから。」

“そ、そうなんだね……”

「まぁでもタツミのことは私はそこまで嫌いじゃないよ?ヘイローがないのに最前線に立つほど気骨のある男の子だし、死を恐れずに敵に向かっていくあの感じは勇気があって素敵だなって思うし部長もタツミの度胸や優しさはちゃんと評価してるよ。それに女の子なら男の子に守ってもらいたいって言うのは共通だと思うし!」

“……なんか、メグにもそういう気持ちがあるんだね。ちょっと意外だったかも。”

「そりゃ私だって女だからね!けど、タツミはどっちかと言うと良いライバルって感じかも。今度また会ったら次は負けないぞ〜!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

“分かっていたことだけど、言わずともゲヘナでタツミは皆から信頼されて愛されているみたいだったね。”

“……ただ、何人かはちょっと危ない感じがしたから間違いは起こさないように指導していかないとなぁ。”

“さてそれじゃあ次は……あそこに行くとしようかな。今回の一番の目的と言っても過言ではない……”

 

“……万魔殿へ。”




次回は万魔殿編、続いて他校編となります
それが終わり次第本編へ戻ります!
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