“さて、それじゃあトリニティでタツミと交流のある残りの子達にも聞き込みをしていくとしようかな。”
“ティーパーティーやシスターフッドにはよく顔を出しているみたいだし、正義実現委員会とも最近はヒナと一緒によく話し合いの場を設けているみたいだから高評価だったのも納得だけど、それ以外でタツミがどう思われているかは気になるところだからね。”
“……それじゃあ、行くとしようかな。”
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〜補修授業部の部長の場合〜
「タツミさんですか?とてもいい人ですよね!エデン条約前に補修授業部の試験の際にゲヘナへ不法侵入した件を見逃してくれましたし、そこから縁がつながって私達の試験勉強を手伝ってくれたり合格の祝勝会で私達のために料理を作ってくれたり……」
“うんうん、あの時はカップケーキとかクッキーとか色々作ってくれたよね!美味しかったなぁ。”
「それにゲヘナ所属にもかかわらずにトリニティ所属である私達に何の偏見もなく接してくれますし、タツミさんが議長代理に就任してからはゲヘナとの交流も少しづつですが増えてきましたし!この前は補修授業部の皆でタツミさんの案内で初めてゲヘナの喫茶店へお邪魔したんですが、トリニティとはまた違ったお菓子が食べられてとても楽しかったです!」
“へぇー、そんなことがあったんだね。”
「はい!残念ながらエデン条約は破談になってしまいましたが、ナギサ様とタツミさんはいつまでもトリニティとゲヘナがお互いにいがみ合っているだけではダメだと言って交流会などを開いてくれているんです!もちろん両校の参加者は少ないですが、私達としてもゲヘナの事を知れるのは良い機会ですからね!」
「それにナギサ様もタツミさんとの会談が終わったあとはとても楽しそうな顔をされていますし、そのあたりも含めて彼の人の良さが伺えますよね。今思えば退学がかかっていたあの時もタツミさんは万魔殿の仕事もあるのに殆ど付きっきりでコハルちゃんに勉強を教えてくれていましたし……」
“うん、あれはコハルもかなり感謝していたよね。”
「もちろんあの短期間で合格点までたどり着くことが出来たのは他ならぬコハルちゃん自身の努力の賜物だとは思いますが、タツミさんの教えが力になったのも間違いないでしょうから。彼には感謝しないとですね!」
“……うん、本当にね。”
「そこで先生、今度トリニティとゲヘナの間で2回目の交流会が開かれる予定なんですけどそこで日頃の感謝も込めて補修授業部のみんなでタツミさんにプレゼントを送ろうかと思いまして……もし知っていれば、タツミさんが喜びそうなものってご存知ありませんか?」
“タツミが喜びそうなものかぁ……そうだなぁ、ぱっと思いつくのはイブキ関連のことだけどそんな物を用意するのは無理だろうし……彼、ああ見えて食べ歩きが趣味らしいからトリニティの美味しいお店でも紹介してあげたら喜んでくれるんじゃないかな?”
「本当ですか!?分かりました!ありがとうございます、先生!」
“うん、どういたしまして。機会があれば私も交流会に顔を出してみるとしようかなぁ。”
〜補修授業部の元アリウス生の場合〜
「……タツミか?そうだな、あいつはとても強い。エデン条約でサオリ達と対峙していたあいつからは大切なものを守り抜くためならば例え何があっても絶対に膝を曲げないと言う強い信念を感じた。確かにタツミの戦闘の腕は私でも敵うかどうか怪しいくらいだけど、一番の強さはその信念の強さだと思っている。」
“(……アズサも自分の信念を力に変えて今の現状を掴み取ったわけだからね。そこに共感したんだろうな。)”
「まだ直接お礼は言えていないけど、私はタツミにはとても感謝しているんだ。エデン条約の会場が襲撃される事はマダムの性格からして予想できたはず。にも関わらず私はやっと手に入れた安寧に甘んじていた……その結果あのテロでエデン条約は破談になってしまったし準備を進めていたナギサやタツミ、そしてエデン条約に関わってきた人の苦労も全て水の泡になってしまった……」
“……前にも言ったけど、それは決してアズサのせいなんかじゃないよ。マダムっていう、裏でアリウスの生徒を操っている大人の責任なんだから。”
「ありがとう先生。けど、それでは私が納得できない部分もある。やっぱり本来サオリ達を説得するのは私でなければならなかったんだ、けど私はサオリ達と拳を交えさえしたけど、結局は爆弾を使ってアツコのヘイローを破壊しようとした。タツミのように、命を狙われていてもサオリ達と向き合って彼女達の苦しみを理解しようともしなかった……心のなかではサオリ達を救いたいと思っていたけど、結局私の取った手段は皆を傷つける事……私は自分でそれが許せないんだ。」
“アズサ……”
「……だから、タツミには本当に感謝している。私が本来やるべき役目を押し付けてしまったこと、あんな大きな傷を負ってでもサオリ達を救ってくれたこと。本当に、いくら感謝してもしきれない。」
“……アズサ、何度も言うけどあの件は君の責任でもサオリ達の責任でもない。悪いのはマダムと言う大人だ。それだけは忘れないで欲しい。きっとタツミに聞いても同じことを言うと思うよ。”
「ありがとう先生……ふふ、彼ならたしかに先生と同じ言葉をかけてくれそうだ。」
“(そう、あの件でアリウスの皆が責任を追うなんてことはあってはならない……責任は、大人が取るべきだ。)”
〜補修授業部の正義実現委員会所属の1年生の場合〜
「え、タツミ?うーん……ハッキリ言って、ドがつくほどの妹バカじゃない?顔を合わせたらいつもイブキが可愛いだの、イブキは天使だの……あいつからイブキちゃんの話を聞かない時はないってくらいよ?」
“あ、あはは……まぁそれは否定できないかなぁ……”
「……まぁでも、あいつには補修授業部の特別試験の時にはいっぱいお世話になったからね。あいつだって万魔殿の仕事で忙しいはずなのにほとんど毎日夜になったら付きっきりで私に勉強を教えてくれたし……てっきりゲヘナに所属してるから勉強よりも腕っぷしのほうが強いのかと思ってたから、最初は驚いちゃったけど。」
“(……まぁ、タツミは腕っぷしもかなり強いけどね。)”
“ちなみにどんな風に教えてもらってたの?”
「私の分からない勉強の範囲とか方程式とかは一から丁寧に教えてくれたし、試験範囲から予想される模擬テストをわざわざ作ってくれてそれを解いたりもしていたわ。実際、いくつかはタツミの作った模擬テスト通りの問題が出てきてびっくりしちゃったけど。」
“人に勉強を教えられるのに加えて模擬テストの精度まで高いんだね……”
「それにタツミはなんと言うか要点?を伝えるのがすごく上手くて私にも分かりやすい言葉を選んでくれていたと思うのよね。しかも私が疲れているのを察するとすぐに休憩時間を入れてくれたり、勉強で疲れないようにって雑談をしたりもしてくれていたわ。……まぁ、ほとんどイブキちゃんのことだったけど。」
“あはは……イブキのことを楽しそうに話しているタツミの姿が目に浮かぶね。”
「全くよ、本当に妹のことになると性格が変わるんだから……あれさえ無ければ、私だってもうちょっとは……」
“……ん、なにか言ったコハル?”
「な、なんでもないっ!とにかく!タツミにはお世話になったし、今でもちょくちょくモモトークで話をしたりはしてるから……仲のいい友達って感じだから!本当だからね!?」
“う、うん。分かった。ありがとうコハル。”
〜補修授業部の秀才の場合〜
「タツミくんですか?うふふ、なるほど。先生が彼のことが気になるのも分かります。なんせタツミくんはキヴォトスでも殆ど見かけない男子ですから、先生としては生徒同士のあんなことやこんなこんなことは把握しておきたいででしょうからね♡」
“あんなことやこんなこんなことって何!?私はハナコがただタツミをどう思ってるか聞きたいだけだよ!?”
「あら、違うのですか?私はてっきり、女性ばかりのキヴォトスに現れたいわばハーレム状態と言っても過言ではないタツミくんの痴情の乱れを知りたいのかと……」
“そんなわけないって!”
“で、気を取り直してハナコはタツミをどう思う?”
「そうですね、一言で言えば不思議な方でしょうか。」
“不思議?”
「はい。まずはゲヘナに所属しているにも関わらず、トリニティに対する偏見のなさ。先生もご存知でしょうがトリニティとゲヘナは長年の敵対関係にあります。ですのでお互い敵意がむき出しなのはもちろん、穏便派でも互いの生徒を見ると顔をしかめるくらいなのですが……彼からはそんな素振りが一切見られませんからね。」
“まぁでも、そこがタツミの良さでもあるんじゃない?”
「それは間違いありません。現に私達は彼に一度救われていますし、もしゲヘナへ不法侵入した際に見つかったのが彼でなければもっと大事になっていたでしょう。」
「それに何と言いますか、タツミくんは万魔殿に所属しているにも関わらず政治的な関心がそこまでないように思えるんですよね。もちろん仕事である以上しっかりこなしてはいると思うのですが、心の底では政治のことを面倒だと捉えている節があります。一度、彼からそういう話を聞いたことがありますので。」
“……なるほど?”
「ですので、私はもしかすると彼のそういう部分には少し親近感を抱いている部分はあるかもしれません。そんな彼は今ではゲヘナの議長代理……本人がいくら嫌と言っても政治とは切っても切れない関係の立場の人間になっていますから……もしも彼がそれを負担に感じているのであれば、悩みくらいは聞いてあげたいですね。」
“なんか、思ったより彼を評価してるんだね?”
「うふふ、トリニティの人間ではないからかもしれませんが彼は私のことをただの浦和ハナコとして接してくれる人間ですから。それに彼は女性に対する気遣いも完璧なので……私だって女ですからね。男の方から優しくされたら誰だって少しは靡いてしまうものですよ♡」
“そ、そういうものなのかなぁ……?”
(……まぁ、本当はこの前のトリニティとゲヘナとの交流会にヒフミちゃん達と出席した時に最近また始まった私への様々な派閥への勧誘にうんざりしていたところをタツミくんに見抜かれて、私も弱っていたので思わず悩みを打ち明けて相談に乗ってもらったからなのが一番大きいかもしれませんけどね。)
『別に浦和先輩がいくら天才だろうが、浦和先輩は浦和先輩じゃないですか?貴方の才能にしか興味のない連中に浦和先輩が気を使う必要はないですよ。そんなことしなくても、貴方には補修授業部や先生って大切な人達がいるじゃないですか。もしあまりにも勧誘がしつこいなら言ってください。俺様の方から桐藤先輩に釘を刺してもらえるよう頼んでみますし、必要なら俺様が直接言いますので。』
『い、いえ。別にタツミくんがそこまでしなくても……』
『別にこのくらいお安い御用ですよ。それに人を助けるのに理由は要りませんからね。浦和先輩が困っているなら、俺様が力を貸さない理由はありません。』
『……何故貴方はトリニティの生徒である私にそこまでしてくれるんですか?』
『ゲヘナとかトリニティとか関係ありませんよ。困っている人がいれば助ける。何故ならそれが俺様の信念だから……それだけです。なので別に申し訳ないとかそんな事思う必要はありませんからね?』
『……ふふっ、はい。ありがとうございます♡』
(うふふ、補修授業部の皆や先生ももちろんですがタツミ君のことも大切な方だと思っていますよ♡)
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〜自警団の2年生の場合〜
「タツミさん?……確か、私が先生に初めて指揮をして頂いたシャーレの部室の奪還戦で共に戦った彼ですね。」
“そうそう、スズミはタツミをどう思う?”
「そうですね……最近彼はトリニティによく顔を出しているのを見かけていて、自警団の活動にもたまに顔を出してくれるようになりました。彼の印象は何と言いますか……すごく好青年だというふうに映りますね。」
「シャーレの奪還戦で彼と戦って感じましたが、タツミさんの強さはキヴォトスでもトップレベルです。ヘイローがないにも関わらずあの身のこなし、キヴォトス人には決して力で勝てないと分かっている上で自分なりにどうすればいいのかを追求し、たどり着いたであろう相手の力を利用して敵を制圧するあの技術。盾を用いた味方の防衛やポジションの確保、カバーリング能力、視野の広さ。そして何より、あの災厄の狐と1対1で戦って決して負けない。間違いなく実力者でしょう。」
“(……そう言えば感覚が麻痺しがちだけど、タツミって戦う時はフルアーマーとは言え一発でも銃弾をもらったら命の危険のある体で最前線に居るんだよね。)”
「それと彼はこの前自警団に顔を出してくれた時に、正義実現委員会で充分だと言う生徒に対して「自警団は正実で担えない部分を守ってくれている。トリニティには必要な組織だ」と堂々と言ってくれて……ふふ、まさかゲヘナの方にそんな事を言われるとは思ってませんでしたがとても嬉しかったです。」
「スズミさーん!そろそろパトロールの時間ですよ!」
「あぁレイサさん。すみません先生、自警団の活動があるので今日はこの辺りで……」
“引き止めてごめんね。ありがとうスズミ。”
「いえ、先生のお役に立てたのであればよかったです。それでは。」
“うん、頑張って!”
「スズミさん、先生と何のお話をしてたんですか?」
「いえ、少しタツミさんのことについて聞かれたので答えていただけですよ。」
「えっ、タツミくんですか?」
「……あれ、レイサさんは彼とお知り合いなので?」
「はい!最近タツミくんはよく自警団の活動を見学しに来てくれているので、その時に知り合いまして!あのゲヘナの議長代理がまさか1年生だと思わずに驚いてしまいましたが、その後は同級生だと言うこともあって話が盛り上がって仲良くなりました!」
「なるほど、そうだったのですね。」
(レイサさんはフレンドリーな方ですが……誰とでも仲良くと言うのは、タツミさんの一種の才能でしょうね。)
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〜救護騎士団団長の場合〜
「先生!彼には救護が必要です!」
“ちょ!落ち着いてミネ!”
「いいえ落ち着いてなどいられません!なんですか彼のあの殺人的なスケジュールは!午前中にゲヘナで執務をこなし、午後からはトリニティでナギサ様との会談にシスターフッドの手伝い、更には正義実現委員会との打ち合わせや自警団への顔出しまで……あまりにも無茶苦茶すぎます!即刻救護が必要です!」
“ま、まぁそれはそうかもしれないけどさ……!”
「タツミさんは最近我が救護騎士団へも来てくださるようになったのでその時にお話を伺ったのですが、聞けば議長代理に就任してからもうずっとそんなスケジュールを続けているらしいです。それに彼は休みの日は自校の部活の手伝いや、他校へ赴いてそこの手伝いをしているようで、そんなのは休日とは呼べませんよ!」
“……そうだね、それは前から私も思ってた事ではあるけど。”
「そもそもゲヘナの救急医学部のセナ部長からもお聞きしましたが、タツミさんはまだ銃で撃たれた傷口が塞がって間もないとのこと……いわば病み上がり状態。いくら議長代理だからとは言え、そのような方を馬車馬のように働かせるのはいかがなものかと思います!」
“……うん、ゲヘナの皆も同じ事を言っててタツミにも休んでもらえるよう説得はしてるんだけどね。けど、タツミは万魔殿のためにも自分が休むわけにはいかないって言ってるみたいで。”
「その志は立派なものだとは思いますが、だからと言ってそれで体調を崩してしまっては元も子もありません!やはりここは次回トリニティに来た際に、救護騎士団のベッドに縛り付けて救護を……!」
“いや、それはダメだよ!外交問題になっちゃうって!?”
(“うーん、タツミのことを案じてくれているのは嬉しいけどこの猪突猛進っぷりはどうにかならないかなぁ……”)
〜救護騎士団2年生の場合〜
「タツミさんですか?はい、彼はとてもお優しい方だと思います。彼はエデン条約の時に自身が傷ついてボロボロになりながらもアリウススクワッドの身を案じ、彼女達を説得して下さいました。救護騎士団の一員としては彼の無茶な行動を肯定することは出来ませんが……私達では救えなかったアリウススクワッドを救ってくれたことにはとても感謝しています。」
“そう言えば、セリナはエデン条約のときにタツミの病室担当だったんだっけ?”
「はい、ハナエちゃんと一緒にタツミさんの担当をしておりました。数多の救護者を救護してきた私達でも流石に男性の救護者は初めてだったので四苦八苦してしまいましたが、タツミさんのお気遣いもあってスムーズに救護を行うことが出来てよかったです。」
“……うん、ありがとうねセリナ。タツミが今元気でいられるのは君たちのおかげでもあるから。”
「そんな、大げさですよ先生。私やハナエちゃんはただ看病をしただけですから。……でも、そう言ってもらえるのは嬉しいです。ありがとうございます。」
「あ、それと最近タツミさんはトリニティへ来てくださった際に救護騎士団へも顔を出してくれるんですが、その際に必ず手作りのお菓子を持って来てくださるんです。そのお菓子がまたトリニティのどの名店のものにも負けないほどの美味しさで……なので、彼の来る日は救護騎士団の皆が楽しみにしているんですよ。」
“(……シスターフッドだけじゃなくて救護騎士団とも両校な関係を築けるなんて、本当にタツミの前ではゲヘナとトリニティの因縁なんてあってないようなもの……いや、彼の頑張りのおかげなんだろうね。)”
〜救護騎士団1年生の場合〜
「え、タツミさんですか?」
“うん、ミネやセリナの話だとタツミは最近救護騎士団にも顔を出してるって聞いたから同級生としての意見も聞いておきたくってさ。”
「うーんそうですねぇ……なんと言うか、トリニティに対する偏見がなくて気さくな方だなぁと思います!セリナ先輩とエデン条約のときにタツミさんを担当したときもそうだったのですが、彼はとても丁寧で腰が低いので普通はゲヘナの方と接する時は神経を使うのですが、タツミさんだけはそんな事なく接することが出来ます!」
“ふむふむ。”
「それに先生のおっしゃる通り最近は交流の一環という事で救護騎士団にもよく顔を出してくれるのですが、ゲヘナの美味しい名店を紹介してくれたりもしているんですよ!ただ美食研究会?と言う人達がよくいるから行くならタツミさんに連絡をしてほしいとのことでした!」
“あはは……まぁ、それが正解だと思うようん。”
「ですが、タツミさんは最近議長代理のお仕事でお忙しいみたいなので体調が心配ですね。この前モモトークでお話したときも忙しいと仰っていましたし……」
“……あれ、いつの間にモモトークを交換したの?”
「あっ、それはこの前タツミさんが救護騎士団にいらっしゃった時に普段から仲良くしてくださっているお礼にということでお近づきの印に私から交換を申し込んだんです!もちろん快く承諾してくださいましたよ!」
“(……なんと言うか、ハナエって思わぬ所で結構思い切りがいいよね。とは言えこれは友人としての範疇だし、健全で微笑ましいなぁ。)”
「けど、タツミさんは本当に妹さんが好きなんですね。モモトークで話しているときも、よくイブキちゃんのお話が出てきますし。」
“うん、タツミは自他共に認めるほどイブキのことを心から愛して可愛がってるからね。”
「……いいなぁ。私もタツミさんみたいなお兄さんが欲しかったです。そうだ!今度、タツミさんに1日お兄さんになってもらえないか頼んでみましょう!」
“(えぇ……兄ってそんなホイホイなれるものだっけ?)”
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“さて、トリニティは大方聞き終わったかな。それにしてもあの犬猿の仲のトリニティの子からこんなにも好印象だとは……これもタツミの努力のたまものだね。”
“じゃあそろそろシャーレに……あっ、しまった!今日中にリンちゃんに渡さなきゃいけない書類があるんだった!”
“……流石に明日になったら怒るよなぁリンちゃん。仕方ない、今から連邦生徒会に行って渡してこよう。”
“あ、そうだ!ついでにタツミのことを聞くのもいいかもしれないね。リンちゃんやアユムは最近タツミと仲良くしているみたいだし……聞いておくに越したことはないだろうから。”
“よーし!そうと決まれば早速連邦生徒会へ行こう!”
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〜連邦生徒会長代行の場合〜
「全く、先生はいつも書類の提出期限がギリギリなんですから……大人なんですから、もう少し提出期限には余裕を持ってお願いしますね?」
“ご、ごめんってばリンちゃん……えっと、それよりタツミのことなんだけど……”
「……何度も申し上げていますが、彼とは連邦生徒会代行としてあくまでゲヘナ学園の代表の方として接しております。確かに少し個人的に仲がいいのは否定しませんが決して先生の言うように彼を特別に気にかけていることはありません。」
“えー?でもこの前この部屋でタツミと会った時はやけに距離が近かったし、アユムが体を押し付けてた時には明らかに不機嫌そうになってたじゃん。”
「……何故この人はそんなところは目ざといんですかね。」
“え、なにか言った?”
「いえ、なんでもありません。それより、そんな事はありませんのでご安心していただければと思いますが。」
“でも、その割にはタツミの事を話す時は結構楽しそうにしてるよね?”
「何度も言いますが、彼とは個人的な友人ではありますので。友人のことを話す時に楽しげな表情を浮かべるのは普通なのではありませんか?」
“友人かぁ……なんと言うか、私にはリンちゃんがタツミの事を話す時は恋する女の子みたいな表情に見えたんだけどなぁ。”
「先生。今私は失踪した連邦生徒会長を捜索するのに奔走しております。恋なんてしている暇はありません。」
“けど、今度タツミと一緒に2人で海へ行く約束をしたんでしょ?”
「なっ!?な、何故それを……!?」
“この前アオイが言ってたよ。それに、あの鉄仮面のリンちゃんが恋する乙女の表情をしてたって。”
「くっ、あれほど口外しないで下さいと念を押していたのに……!た、確かにタツミ議長代理と海へ行く約束はしましたけどそれはあくまで普段お世話になっているお礼ということでお誘いしただけで、決して邪な思いがあってのことではなくてですね……」
“けど、その割には水着も気合いを入れて選んでいたらしいじゃん?”
「そ、それはせっかく来てくださるのですから彼に可愛いところを……ではなく、失礼があっては外交問題になりかねませんので!決して他意はありませんからね!」
“(……相変わらず素直じゃないなぁ。)”
“でも、他にもリンちゃんはタツミと親しげに会話しているとか2人で何時間も書類仕事をしていたとか、その時に寝落ちたリンちゃんをお姫様抱っこで仮眠室に運ぶタツミの姿を見たとか、彼から風邪を引かないようにかけてもらったジャケットを心底大切そうにしながら顔を埋めていたとか色々な噂があるんだけど……”
「な、何故をそれを……じゃなくて!デタラメ!全てデタラメです!と、とにかく!そういう訳なので彼とは個人的な友人としてお付き合いさせていただいておりますので!確かに彼にはモモトークで愚痴も聞いて頂いたり、実際に会った時に気遣いをしていただいたりはしていますが、決して今以上に親密になりたいと思っていませんから!彼女になりたいとか思ってませんからね!」
“(……いや、後半は本音が漏れちゃってるよ。)”
〜連邦生徒会調停室長の場合〜
「タツミさんですか?そうですね……最近はリン先輩との距離が近くて少し羨ましい……ではなくて連邦生徒会へいらした時によく調停室に顔を出してくださいますね。」
“(……なんか、いきなりぶっこんできたね?)”
「先生も知っての通り私の仕事は調停……各学園と連携を取って連邦生徒会の業務をスムーズに進める役なんですけど、ここ最近の連邦生徒会への不信感の高まりのせいで連絡をしてもまともに取り合ってもらえないことも珍しい話ではなくって……」
“それは……大変だね。”
「はい。ですが、たまたまそこに居てその様子を見ていたタツミさんが私と連絡先の間に入って円滑に話が進むようにしてくれたんです。あと、その場で「岩櫃調停室長だって頑張ってるんだから邪険に扱うのはやめてやってくれないか」と私を庇ってくださいまして……」
“(……なんか、サラッとイケメンムーブするよね彼。)”
「それに「もし連絡先がまともに話に取り合ってくれないなら俺様に連絡して下さい、俺様からも連絡を取ります」って言ってくださって……それからは調停室の業務は前とは比べ物にならないほどスムーズになりました。」
“……タツミの人脈ってすごいもんね。”
「はい。それと彼はその後もたびたび調停室に顔を出しては書類を運ぶのを手伝ってくださったり、悩みを聞いてくださったり、私のことを頑張っていると褒めてくださったり……それでその、気がつけば……」
“すっかり彼の事に夢中になっちゃった……と?”
「……は、はぃ……」
“(あ、顔が真っ赤になってる……ふふ、可愛いなぁ。)”
「それでその、リン先輩って明らかにタツミさんのことが好き……じゃないですか。」
“うん。本人は否定してるけど、あれは確実にタツミに気があるだろうね。”
「アオイ財務室長に聞いた話によると、今度リン先輩はタツミさんと海へ行くらしいですし……先生、私も水着を着て自撮りを送ればタツミさんを海へ誘えますかね?」
“……いや、そんな事しなくても普通に誘えばいいんじゃないかなぁ?”
「そ、そうですよね。私だって負けていられません。海は時期的にそろそろ終わりなので、勇気を出して遊園地か美術館などに……」
“(あの奥手なアユムがこんなに積極的に……本人に悪気は無いんだろうけど、本当に罪な男だなぁタツミは。)”
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“さて、あらかた聞き終わったかな。リンちゃんからはあれからも追加でお説教されちゃったからもう足がパンパンだよ……早く帰って残りの仕事も終わらせなきゃ。”
“けど、タツミはやっぱり連邦生徒会でも好印象に見られているんだね。モモカやアオイに聞いても概ね好印象だったし、やっぱりタツミってすごいんだなぁ。”
“……ただ、カヤだけタツミにあまり好印象を持っていなさそうだったけど……まぁカヤとタツミは多分会ったことすらないだろうから、会えば変わりそうだけどね。”
“さて、それじゃあシャーレに帰るとしようかな。”
次回に山海経とアリウススクワッドとワカモ等から見たタツミを投稿した後本編に戻りたいと思います。
番外編が5話と話数がかさみ本編まで少しおまたせして申し訳ありませんが、書きたくて書いてしまいました。
何卒ご了承いただけますと幸いです!