ありふれた転生者は異世界でも無双する   作:白の牙

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第10話

 

 

 

 ライセン大渓谷にある大迷宮を攻略した刀真とロクサーヌ。迷宮の主、ミレディ・ライセンからトータスの真実を教えられた。地球に帰るという目的があるため、ミレディの悲願である神殺しを積極的にするつもりはないと告げると“好きにしたらいい”と言われ更に目的を果たすために全ての大迷宮を回ることを勧められたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・・・俺たちが見つけた入口以外にも出入り口があったなんてな」

 

 ミレディに勧められ旅のメンバーに入ったライザの案内の元、大迷宮から出てきた刀真は他にも道があったことに驚いた。

 

 「最初は2人が見つけた入口しかなかったよ。だけど、私と一緒に住むことになったから新しく作ったんだ。でも新しい入口を作ると、敵にバレて大変なことになるでしょう?だから、迷路みたいにしたんだ」

 

 「じゃあ、ライザさんはどうして迷わずに出入り口までこれたんですか?」

 

 「それはねこのコンプスのおかげなんだ。このコンパスの示すほうに進めば出入り口にたどり着けるの」

 

 ライザは手の持つガラスの球で作られた特殊なコンパスを見せながらそう言う。

 

 「だけど本当にいいのか?」

 

 「うん」

 

 刀真の問いにライザは何の迷いもなく頷いて答えた。ミレディに言われてついていくことになったが、元々、ライザも刀真達と一緒に冒険の旅に行きたいと思っておりお願いしようと思っていたのだ。

 

 「刀真様、まずはどうするんですか?」

 

 「そうだな・・・入口を探していた時のようにここで1泊してから次の大迷宮のある町に向かってもいいが、一旦ブルッグの町に戻ろう。おばちゃんも心配してるだろうからな」

 

 「だけど、ここから町までかなり離れているから歩いて行くってことになると着くのは夜になっちゃうよ?」

 

 「問題ない。移動を助ける足がこっちにはあるから夕方までには着くさ。さてっと」

 

 「ふぇ!?」

 

 問いに答えると刀真はライザを抱える。突然、抱えられたことにライザは変な声を出し、顔が赤く染まった。

 

 「ロクサーヌ、上まで登れそうか?」

 

 「はい、登れます」

 

 「の、登る?」

 

 2人が何を言っているのか分からないでいたライザだったが、

 

 「えええええ!?」

 

 縄やピッケルも使わずに地を歩くかのように谷の壁を垂直に歩いて登って行くのを見て驚き声をあげるのだった。

 

 

 

 

 

 

 「ほんっとうにごめん!」

 

 自分が大声を上げたせいで渓谷に住む、空の魔物に気づかれ崖を登りきるのに時間がかかったことに対し、ライザは刀真とロクサーヌに謝った。

 

 「いや、事前に言わなかった俺も悪かった。すまん」

 

 「気持ちはわかります。私も同じでしたから」

 

 謝るライザに刀真はこっちも悪いと言って謝り、ロクサーヌはライザの気持ちが分かり、苦笑いをした。

 

 「予定より少し遅れたがブルッグの町に向かうぞ」

 

 そう言うや否、刀真はマジックバックからバイクを取り出した。

 

 「刀真、これは?」

 

 「俺の世界にある乗り物の一つで、バイクっていうんだ。他にも飛行機っていう空を飛ぶ乗り物だったり、電車っていう乗り物もある」

 

 「へぇ~~~~」

 

 ライザにバイクや飛行機などの地球の乗り物の説明を行いながら刀真はマジックバッグからサイドカーを取り出す。本来なら専用の工具がいるのだが、このバイクを作ったのは天才少女、近づければ自動で取付作業が行われるしろものなのだ

 

 「ロクサーヌは俺の後ろ、ルーナはこっちのサイドカーに座ってくれ」

 

 誰が何処に座るのかを決めた後、刀真はブルッグの街へ向け、バイクを走らせるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「日が沈む前に着くことができたな」

 

 バイクを走らせること数時間、目的地であるブルッグの町が見えてきた。門番が視認できるギリギリの距離でバイクから徒歩に切り替え、進む。

 

 「ん?坊主に亜人の嬢ちゃん、ライザちゃんじゃねぇか」

 

 門までたどり着くと門番をしていた冒険者の男が3人に声をかけた。

 

 「どうも」

 

 「お久しぶりです」

 

 「やっほ~~~〇〇さん」

 

 「ここ数日見かけなかったから不思議に思ってたんだが、どっかに行ってたのか?」

 

 「えぇ、ちょっと遠くに」

 

 「そうか。じゃあ、ステータスプレートを見せてくれるか」

 

 「ほい」

 

 3人は男にプレートを見せる。確認を終えると3人は門を通って町に入り、4日前までお世話になっていた宿に行き、2人部屋と1人部屋を借りようとしたのだが、

 

 「全室、うまってるんですか?」

 

 「そうなのごめんなさい」

 

 借りようと思っていた部屋は全室うまっていたのだ。

 

 「一応、3人部屋なら1部屋だけ空いてるんだけど」

 

 「・・・・どうする?」

 

 宿屋の女将から3人部屋しか空いていないと言われ、刀真はロクサーヌとライザの2人に確認を取る。

 

 「私は問題ありません」

 

 「私も大丈夫だよ」

 

 寝食を共にし、肉体関係もあるロクサーヌは一緒の部屋でも問題ないと言い、ライザも一緒の部屋で大丈夫だと告げた。

 

 「・・・・それじゃあ、3人部屋を2泊でお願いします」

 

 「はい。値段は夕食、朝食付きでOOコルになります」

 

 金銭を払い、3人は部屋まで案内されるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・ふぅ、やっぱ緑茶は落ち着くな~~」

 

 「さっぱりしつつも深みがあるお茶ですね」

 

 宿場の女将に部屋まで案内された後、3人は刀真が淹れた緑茶を飲んで一息ついていた。

 

 「お茶も飲んでリラックスできたことだし、今後の予定を決めよう。まず、残り6つの大迷宮のある場所はここ」

 

 カップをテーブルに置くと、刀真はトータスの地図を広げ、大迷宮のある場所に赤丸を付ける。

 

 「情報提供者いわく、オルクス大迷宮は総決算の場所で最後に向かうことを勧められたが、俺はここを次に攻略しようと考えている」

 

 次に向かう大迷宮の場所を刀真が言うと2人は目を見開いた。

 

 「ですが、刀真様。その迷宮は一度足を踏み入れると攻略するまで戻れないと」

 

 「あぁ、言っていたな。食料、回復薬等々が多すぎるからってな。だけど、それは俺がいるから問題ない、食料もな」

 

 自身が持つバッグとスキルがあれば食料も荷運びも問題ないと刀真は判断している。なにより、

 

 「それに俺の勘がここに行けって言ってるんだ」

 

 直感がここに向かうべしと告げているのことを話す。

 

 「・・・刀真様がそこに行きたいというのなら私は従います」

 

 「私もいいよ。まだ見たことな素材がたくさんあるだろうしね」

 

 ロクサーヌは迷いなく行くことに賛成し、ライザも賛成した。

 

 「じゃあ、明日はゆっくりしつつ、必要な物の準備をしよう」

 

 「はい」

 

 「うん」

 

 指針が決まると、3人は夕食を食べに下に降りて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、

 

 「これまたなんとも珍しい素材を持ってきたねぇ~~~」

 

 受け取った魔石と素材を鑑定しながらキャサリンが呟く。

 

 「この4日間、どこで何をしているかって思ってたらまさか、ライセン大渓谷にいたなんてねぇ。あそこは魔法が使えない事に加え、生息している魔物も大きいから倒すのに苦労するっていうのに」

 

 「ただ図体がでかいだけのでくの坊の間違いじゃないんですか?」

 

 「・・・そんなこと言えるのあんただけさね」

 

 刀真の発言にキャサリンは溜息を吐きながらも素材の鑑定を行い続ける。

 

 「合わせてOOコルだよ」

 

 「どうも。それよりおばちゃん、オルクス大迷宮について知ってること教えてくれないか?」

 

 キャサリンからお金を受け取った刀真はそのまま次の目的地候補であるオルクス大迷宮について尋ねた。

 

 「あんた、今度はオルクス大迷宮に行こうっていうのかい?」

 

 「予定ではね。まぁ、同行人の考えしだいでは行かないかもしれないけど、最終的には行くつもりだから」

 

 「そう言えば、ライザちゃんと一緒だったって門番をやってた子が言ってたね。いつの間に知り合ったんだい?」

 

 「昨日ですね。色々あって一緒に行動する事になったんです」

 

 「ふ~~ん。・・・・手は出してないだろうね?」

 

 「俺・・・そこまで節操なしに見えます?」

 

 女たらしとみられたことに刀真は軽くショックを受けた。

 

 「確認だよ、確認。この町に住んでる者はあの子を娘、孫と思ってるのが多いからね」

 

 「あ~~~成程(つまり、町全体で変な虫がつかないように目を光らせてるってわけか。道理で昨日の夜、見られていたわけだ)」

 

 向けられる視線の意味が分かった刀真は一人納得するのだった。

 

 「それより、オルクス大迷宮だったね。知ってることと言えば地下100階まであるって事と100階までたどり着いた者が1人もいないってことだけだね」

 

 「何で1人もいないのに100階まであるって分かってるんですか?」

 

 「そんなの私だって知らないよ。あそこは下に降りるにつれ魔物も強くなっていくからね、行くんなら気を付けるんだよ」

 

 「うっす」

 

 キャサリンの忠告に刀真は素直に頷き、ギルドを後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ふぅ~~~~目利きはすごいんだが、相手をしてると疲れるんだよな~~あの店長」

 

 ギルドから出た後、刀真はパンツなどを買うためにとある服飾屋へと行ったのだが、その店の店長は色んな意味で規格外でひじょ~~に疲れるのだ。

 

 「ロクサーヌ達はまだ、帰っていないみたいだな。・・・2人が帰ってくる前にやることをやっておくか」

 

 買ったものをベッドに置くと備え付けの椅子に座り、大迷宮で引いたカードを取り出し、

 

 「“解放(リリース)”」

 

 すると、カードが輝き粒子となって消え、代わりにベルト、アンダーウェア、15機のドローンが置かれた。

 

 「Gが付くってことは顎に出てきたG3システムの強化、発展が経って所か。説明書を読むにかなり進化してるな」

 

 刀真は付属していた説明書を読みながら技術の進歩に関心する。説明書を読んだ後、今度試しに使うことを決めるとアイテムボックスにしまい、別のカードを手に取る。

 

 「・・・解放」

 

 さっきと同じように言葉を紡ぐとカードが輝き、消え、刀真の両腕に腕に装着するのではなく手で持つタイプのガントレッド。名を、

 

 「“煌蠍の籠手(ギルタ・ブリル)”。重さはそこそこ自分の手を使って殴るわけじゃないから慣れるのにちょ~~と時間がかかりそうだな」

 

 籠手を持った状態で軽くジャブ、ストレートを行う使い勝手を確かめた後、アイテムボックスに収納した。

 

 その後、買ったものの整理にとあるスキルを使って食料や薬などを手に入れ、準備を整えていると、

 

 「刀真様、もう戻っていたんですね」

 

 別行動をしていたロクサーヌとライザが戻ってきた。

 

 「・・・・・その大量の荷物はどうした?」

 

 買う予定だった服のほかに袋いっぱいに詰め込まれた保存食や野菜、果物を見て尋ねる。

 

 「えっと、オルクス大迷宮に行くって事を町の人に話したら持って行けって」

 

 「(可愛がられるにもほどがねぇか?今日の夕飯、大丈夫かな~~~?)好意でもらったものだし有難く頂こう。2人の替えの服はこっちのバッグに入れてくれ」

 

 刀真はマジックバッグの1つに2人の服を入れておくように言って渡し、貰った食材は自身のバッグへと入れた。もろもろの準備を終えた3人は刀真が買ったシュークリームとエクレアを茶うけにお茶を飲みながら雑談をするのだった。

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