ありふれた転生者は異世界でも無双する   作:白の牙

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 原作通りのミレディとの戦闘では芸がないと思い、考えながら書いていた結果、遅れてしまいました。


第08話

 

 

 

  「っ!あれはさっき刀真様が切り落とした腕」

 

 離れた場所でルーナと名乗った少女と戦っていたロクサーヌは空間全体に鳴り響く轟音に後ろを振り返ると、戦闘開始早々に刀真が切り落とし、底に落ちていったゴーレムの腕が浮かんで戻ってき、ミレディの肩に乗っていた刀真を押し潰していた。

 

 「戦っている最中によそ見をするなんて随分と余裕だね?」

 

 目を逸らしたほんの一瞬でライザはロクサーヌとの距離をとると持っている杖から光弾を飛ばして。しかし、獣人の身体能力に加え、常人離れした回避能力で全ての光弾を避けライザへと近づいたロクサーヌは剣を振るうも、ライザは杖でその一太刀を受け止めた。

 

 「(刀真様ならきっと大丈夫。今はこの人に集中しないと)」

 

 少しでも気を抜けば一気に押し込まれると知ったロクサーヌは自分の戦いに意識を集中させるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 『バレないように切り落とされた腕を上まで浮かして、落下の勢いと私の一番得意としてる魔法も加えた意識外からの一撃。それを受け止めきれるなんて、君、本当に人間?』

 

 「まだ人間だ」

 

 片手で切り落とされた騎士ゴーレムの腕を受け止める刀真を横目で見ながら呆れた口調で言うミレディに刀真はまだ人間だと言う。刀真は落ちてきた腕を持ったまま近くにあったブロックへと飛び移ると、腕をミレディに放り投げた。

 

 「前の部屋に配置していたゴーレムと同じで材料があれば直せるんだろう?さっさと直せ」

 

 『・・・・敵に塩を送るなんて随分と余裕だね?』

 

 「どうやってあんたを斬るか。それを考える時間が欲しいだけさ」

 

 『さらっと怖いこと言うね君』

 

 刀真の話を聞いたミレディは身震いしながら近くにあったブロックを引き寄せると砕き、切り落とされた腕の材料にし、腕を再構成した。

 

 『それじゃあ、改めて・・・勝負と行こうか』

 

 「あぁ」

 

 ミレディの言葉に刀真は刀を構える。その構えは霞の構えと似ているが右手でだけで刀を構え峰の部分を左腕の乗せるといった独特の構えだ。

 

 「“剃”」

 

 先手を取ったのは刀真だった。すばやく移動する歩法“剃”を使い、一瞬でミレディの背後へと移動し、横薙ぎに刀を振るう。刀真の動きをギリギリ視認することができたミレディは左腕に持つフレイル型のモーニングスターで受け止めようとするが、刀真の振るった刀はあろうことその鉄球を真っ二つにした。

 

 『このっ!!』

 

 この短時間で刀真のすることに慣れたのかミレディは驚くことなく右拳を刀真へと繰り出す。

 

 「朧・紫電突」

 

 ミレディの右ストレートに合わせるように刀真は刀で突きを放つ。質量と硬度の違いにより刀が折れるのが普通だが、刀真の放った突きは当たった個所を中心に抉り、風穴を作った。

 

 「いつも思うが突きじゃなくて大砲だなこりゃあ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放たれる魔法を時に避け、時に剣で斬り払い、当たりそうな魔法は両足に装着したブーツで蹴り払って前へと進み、ライザへと斬りかかるロクサーヌ。対するライザは魔法と杖術、たま~~に何処からともなく取り出したダイナマイト等を使う

 

 「(いや~~~亜人は魔力がない代わりに身体能力が高いってミレディが言ってたけど本当にその通りだね。能力をアップさせる道具を使わないと動きについていけない)」

 

 とある道具の身体強化のおかげでロクサーヌの動きについていけているが、効果が切れれば倒されてしまう。

 

 「(あれを使おう。でも、普通に使ったんじゃあ避けられちゃうから。あれも使って)」

 

 案が閃いたのかライザはそれが確実に当たるよう戦術を組み立てていく。

 

 「(よし!これで行けるはず)行くよ~~!!」

 

 準備を終えたのか、ライザはダイナマイトをロクサーヌに向けばらまく。ここまでの戦闘でダイナマイトが爆発するタイミング、範囲を把握したロクサーヌはダイナマイトが爆発するよりも早く動く。

 

 「まだまだ~~」

 

 避けられることは想定済みだったのかライザは焦ることなく持っている杖で地面を突くと地面から結晶が隆起し、ロクサーヌに襲い掛かる。

 

 「っ!?」

 

 今まで使われなかった魔法にロクサーヌは驚くも身を捩ることで隆起を躱したが、完璧に避けきることができず服が裂けてしまった。

 

 「(これも躱すか~~)」

 

 地面からの隆起という一種の不意打ちにも反応し、躱すロクサーヌに改めて身体能力の差を実感するライザ。

 

 隆起を躱したロクサーヌはそのまま一直線にライザの元までかけると速度も乗せた剣を振り下ろす。

 

 「くぅ」

 

 その一閃を杖を横にして受け止めたライザ。そのまま鍔迫り合いなるかと思われたが、

 

 「っ!?」

 

 不意に訪れた脱力感とともにライザは地面に膝をついた。使用していた道具による身体強化時間がきれてしまったのだ。

 

 「(あちゃ~~~時間が切れちゃったか~)ふんぬ~~~」

 

 ライザは力を振りしぼって右手がポーチに届くように杖を動かしポーチに届くようにすると、ポーチからダイナマイトに類似した筒を取り出し、上に放り投げる。

 

 「(巻き添え覚悟で爆発を!?)」

 

 ライザが投げたものが爆発物だと思ったロクサーヌは鍔迫り合いをやめ、爆発に巻き込まれないように後ろに下がった瞬間、まばゆい光が筒から放たれた。

 

 「う(目が)」

 

 腕で目を隠し、まばゆい光から目を守るロクサーヌ。すると、何かが身体に当たり、何かが体に巻き付き動きを封じられた。光は数秒で収まり、視覚が戻ってきたロクサーヌが見たのは植物のツタに類似したものが身体に巻き付いていたのだ。

 

 「ふぅ~~~うまくいってよかった~~~」

 

 考えた作戦がうまくいったことにライザが安堵し、息を吐く。

 

 「まさか狙っていたんですかこれを?」

 

 「まぁね」

 

 「じゃあ、さっきの追い詰められたように見せていたのも」

 

 「あっちはすだよ。タイミング悪く使ってた道具の効果が切れちゃったんだよね~。さてと、どうする?」

 

 動けないロクサーヌにライザは杖を突きつけ、尋ねた。

 

 「・・・降参します」

 

 ライザの問いにロクサーヌは自分の負けを認めた。

 

 「じゃあ、あっちの勝負が終わるまで一緒に見てようか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「どうやらあっちは終わったみたいだな」

 

 遠くから聞こえてきた戦闘音が聞こえなくなったことから決着がついたのだと刀真は判断した。

 

 「直すのに必要な材料があるかぎり、無限に修復される。最初こそ面白かったんだが・・・・飽きた」

 

 本日何度目かになるかわからい程、鎧を斬られ、修復をするミレディを視界に収めながら刀真が呟く。

 

 「(それにしても妙な感覚だな。前の生も含め、岩や鉄、鋼と同等の物は何度も斬ってきたんだが、この世界に来てから斬りやすくなったんだよな)」

 

 いつもとは違う感触に刀真は違和感を感じており、何が原因なのかを考える。

 

 「(剣神皇の加護・・・これしかないよな)」

 

 ステータスプレートに表示されていた身に覚えのない技能(技能と呼べるかは微妙なところだが)。このスキルの効果でいつもより鋼などを斬るのが簡単になっているのだろう。

 

 「(色々あって確認するのを忘れてたが、ちゃんと確認しとかないといけないな)試練とやらを終わらせた後に・・・・っな」

 

 そういいながら刀真は試練を終わらせるために刀を振るい斬撃をミレディへと飛ばす。すると、周囲に浮かんでいたブロックが引き寄せられるようにミレディの前までやってき、列をなしてミレディを守るも効果はなく、これまでと同じように斬り裂かれたに思えたが、

 

 「ん」

 

 鎧の落ち方が違ったのだ。これまでは塊で落ちていった鎧が、バラバラとなって落ちて行ってるのだ。そう、まるで生前見ていた天の道を行く男が変身していた戦士のように。

 

 『まったく、ここまで私に傷を負わせたのは君が初めてだよ。まぁ、君達以外、この迷宮に来た人なんていないんだけどね~~』

 

 ブロックを壊したことで起こった粉塵がはれると、そこには今まで対峙していたゴーレムに足をつけ、人間サイズにまで縮小させたゴーレムが浮いていた。

 

 「ゴーレムがゴーレムを動かしてたなんてな」

 

 『う~~~ん正確にはちょっと違うんだよね~~。まぁ、カラクリは後のお楽しみってことで。さて、今までの戦い方じゃあ、君の相手にはならないって事が分かったから、ここからは私本来の戦い方で行かせてもらうよ』

 

 ミレディがそう言い、人差し指を立てた状態で腕を掲げると、何処からともなく大量の砲丸が現れた。

 

 『これだけの鉄の塊、避けることができるかな?』

 

 そして、ミレディの手の動きに連動し、砲丸が刀真へと放たれる。

 

 「(少し間を開けて鉄球を投げて?逃げ道をなくしてきたようだが、甘い)」

 

斬撃を飛ばして斬り落とすこともできるが、最後ぐらいは直接斬って幕を下ろそうと思った刀真はブロックをつたってミレディへと近づいていく。近づくまでに必要な最後にブロックに跳び移った刀真は人間離れした跳躍で一気にミレディの懐に入ろうとする。

 

 「(貰った)」

 

 迎撃しようと投げてくる鉄球を斬り払い、上段からの唐竹でミレディを斬ろうとした刀真だったが、突如、宙で動きが止まった。

 

 「(なんだ?)」

 

 体を動かせなくなったことに驚いていると、

 

 『つっかまえた~~~♪』

 

 「何をした?」

 

 『ふふ、教えてほしい?教えてほしい?で・も、教えてあげな~~い♪』

 

 「っ!?」

 

 ともて楽しそうな声でそう言った直後、何かに引っ張られるかのように刀真は近くのブロックに叩きつけられた。そして、見えない力によって押し潰され、ブロックにめり込んでいく。

 

 「これは・・・重力?」

 

 覚えのある感覚に刀真がそう呟くと、

 

 『およ?よくわかったね~~』

 

 「まぁ・・な。そして、だんだんわかってきたぞ。魔法が使えないこの空間で何でゴーレムやブロック、鉄球が浮かんでいたのか。何らかの方法で物質に付与して使ってるってところか?」

 

 『おぉ~~~~大正解』

 

 刀真の解答にミレディは空いている手で花丸を描き、褒めた。

 

 『だったら分かるよね?人は重力には抗うことができない、今の君のようにね』

 

 ミレディが空いているもう片方の手を掲げると、周囲に漂っていた6つのブロックが引き寄せられ、刀真を囲うように配置される。

 

 『さて、その状態でこれに耐えられるかな?』

 

 ミレディが1本の指を動かすと、1つのブロックが刀真がめり込んでいるブロックへと落ちた。ブロック同士が接触した瞬間に生まれた衝撃がブロックにめり込んだ刀真へとダイレクトに伝わる。

 

 『まだまだ行くよ~~』

 

 間を開けて次々とブロック同士がぶつかりそのたびに衝撃が刀真を襲い、最終的に十字の形となった。

 

 『・・・・ちょっとやりすぎちゃったかな?』

 

 3つぐらいで終わらせようと思っていたミレディだったが、興が乗り引き寄せたブロック全部をぶつけてしまった。

 

 『あの子生きてるかな~~?』

 

 刀真の安否を確かめるべく、正面のブロックを引きはがそうと腕を伸ばすミレディ。その時、ブロックの僅かな隙間から赤黒い稲妻が迸った瞬間、ブロックが壊れた。

 

 「あ~~~~死ぬかと思った」

 

 『どうやって壊したの、って、ゆーか、何で浮いてるの!?』

 

 「企業秘密だ」

 

 ブロックに埋め込まれた状態でブロックを壊したことよりも、自分が力を付与した物以外、この空間では浮くことができないのに当たり前のように浮いている刀真にミレディが慌てる。

 

 「次で終わりだ」

 

 刀真はアレンジを加えた霞の構えで刀を構えると刀身が青白く輝き、スパークが伴る。

 

 「“剃刀”+虚空瞬動」

 

 準備を終えると刀真は2つの歩法を同時に使い、より速くミレディの前まで移動した。

 

 『っな、さっきよりもはや・・・』

 

 「朧・大地斬」

 

 驚くミレディを無視して刀真は上段から刀を振り下ろし、ミレディゴーレムを両断するのだった。

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