バーチャル配信者が揃う学校に飛ばされました   作:疾風“はやて”

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これは…

もしも、VTuberが集まる学校がありそこに飛ばされてしまったハヤテくんがそこで過ごしていく……。

そんな世界線の物語である。


1日目“朝”

目が覚めるといつもの景色ではなかった。

 

でも今見ている部屋は毎日見てきたという記憶“だけ”がある。

 

「存在しない記憶ってやつなのかな…」

 

夢の中でまるで記憶があるかのように導かれるがまま動くものの、夢が覚めればその場所がどこか分からないという経験は誰しもがすると思う。

 

いま実際に僕に起きているこれがそれだ。

 

「生徒手帳は確かここに……」

 

自分が体験していない記憶を頼りにリュックの中を漁ると生徒手帳は確かにあった。

 

「えーっと…中高一貫バーチャル高等学校…2年共学学科疾風ハヤテ」

 

いやどこ?っと頭にハテナマークを浮かべていると階段を誰かがかけ上がってくる音が聞こえてくる。

 

トンッ、トンッ、トンッ、トン

 

ガチャ…!

 

「お兄ちゃんおはよぉー!って寝癖すご…w」

 

どこか聞き覚えのある声に顔を向ける。

 

「クロヱ…?」

 

「え…!?////」

 

目の前に現れたのは、見知った顔……沙花叉クロヱだった。

 

「も、もう一回呼んで!!」

 

ズズイ!っと興奮した様子で顔を近づけてくるクロヱ。

 

「え?クロヱ…」

 

どこか変なのかという疑問を抱きつつも、もう一度名前を呼んでみる。

 

「えー!?///どうしちゃったの急に!いつもなら“シャチ”とか“沙花叉”って呼ぶのに…!」

 

普段通り名前を呼ぶと、顔を赤くし身をよじらせながら嬉しそうにするクロヱ。

 

呼んだことはなくもないけど、、っていうか“お兄ちゃん”って……。

クロヱと兄妹なのは知らん。

 

「もー沙花叉なに騒いでんのさー、、うるさいんだけどー」

 

すると、もう1人の女の子の声がクロヱの後ろから聞こえてくる。

 

やってきたのは天使の輪っかがアイデンティティの天音かなただった。

 

「だ、だってだって…!お兄ちゃんがクロヱって呼んだんだよー!?」

 

クロヱは興奮した様子で、かなたに状況の説明をする。

 

「そんなワケないでしょー?寝ぼけてないで急がないと遅刻するよー!お兄ちゃんも寝癖すごいことなってるし…!」グシグシ

 

クロヱの言葉をさほど信用していないのか、冷たくそう言って僕の寝癖を直してくれるかなた。

 

「ごめん…ありがと、かなたん」

 

「へっ……?////」

 

またか…。

この世界の僕はどんな呼び方をしていたのだろうか……。

 

「ほら言ったじゃん。今日のお兄ちゃん変だよ?って…」

 

“ほら言っただろ”と言わんばかりに不満そうにクロヱは告げる。

 

「いつも“DK天使”って呼んでくるのに…それに寝癖直す時もされるがままで払い除けたりしてこない…」

 

どこの最低野郎だよそいつは…。

 

あー、でも兄妹からやられたら嫌なもんか……?

 

「DKって“男子高校生”?」

 

「ちがうよ!“ドンキーコング”!!ってなんで僕がこんな説明しなきゃ……!!」

 

「ぷぷぷ…wゴリラww」

 

どうやらこの世界でも握力イジリはあるらしい。

 

2人がなんか言い合い始めてるけどいいや。

スマホスマホ…っとあった。

 

交友関係を把握しとかないと…。

 

《かみと》

『もうそろハヤテん家着くー』

 

やばっ…!

 

スマホの電源ボタンを押すと、そのメッセージ通知が一番上にあった。

 

3秒ほどで制服に着替えてリュックとネクタイとスマホを持ち部屋を出る。

 

後ろから、“はやっ!?”とか“置いてかないでー!”と聞こえるが無視。

 

「いってきまーす」

 

体が記憶してるってすげーな。

まじで、10秒もかからずに支度終えて家出れたわ。

 

「お?ハヤテおっはー」

 

「おはー」

 

外へ出るとそこには朝から目がチカチカするような髪色の男子と女子…。

 

白だったり黒だったりピンクだったりと、忙しない頭の“かみとくん”と“ひなの”ちゃんがいた。

 

「おはよー、かみとくんにひなのちゃん」

 

僕がそう言うと、苦虫を潰したかのような顔をする2人。

 

「なんで急にそんな他人行儀になった…?」

 

「キモイってw」

 

やっぱり呼び方が違うらしい。

 

「急に高速で動かないでよお兄ちゃん!」

 

「なんで置いていくのー!?」

 

すると後ろからかなたとクロヱが追いかけてくる。

 

「おう、おはよう2人も」

 

「おはよー!ねぇ、2人とも今日のハヤテおかしくね?」

 

「そうなんだよ!!」

 

「それは僕たちも思った」

 

そう言って女子3人で学校に向かって歩いていく。

 

「んで、どしたのハヤテ?」

 

女子たちの後ろ姿を見送りながら、かみとくんが聞いてくる。

 

「知らん」

 

そう返しながら、僕たちも学校へと歩き始める。

 

「幼馴染が急にくん付けとかちゃん付けしてきたらこえーよ」

 

どうやらかみとくんとひなのちゃんとは幼馴染らしい。

どうしてこんなことに……。

 

「ちょっと記憶が曖昧なんだよね」

 

「それって結構やばくね…?」

 

「なんか、、異世界転生的な?」

 

「転生って……なら、前の世界の記憶があるってこと?夢とかじゃなく……?」

 

「うん、、まーそんな感じなのかな…?」

 

夢にしてはリアルだったなぁ…。

 

「僕の世界では、配信者として活動する中でかみとくんと出会って仲良くなったんだ……かみとくんは僕よりも年上で結構オタク気質だったなぁ」

 

「ふーん?あんま変わんないじゃん」

 

さっぱりとした返答が返ってきた。

 

「いやだいぶ違うよ。他企業のVTuberが僕の妹になってて、配信者仲間が幼馴染なんだよ?」

 

「頭打ちつければ帰れるんじゃね??」

 

適当言うなよ馬鹿野郎。

 

と口から出そうになったが思いとどまる。

やはり同い年になったせいか、こう言った砕けた態度になってしまいそうになる。

 

「そういえば……」

 

思い出したかのように話を始めるかみとくん。

 

まあ聞き流そう。

 

この世界の僕の立ち位置ってどうなんんだろう…学校の名前的に、他企業のVTuberやら配信者やらが同じ学校にいるってわけだろうから………

 

「自分の彼女のことも覚えてないってわけか…」

 

…………は?

 

「…かのじょ?」

 

「おん」

 

「だれの?」

 

「お前の」

 

聞き流そうとしていたら絶対に聞き逃してはならないことを言い始めたよこのオレオくん。

 

「だ、だれなの?それって……」

 

「えー?覚えてねーって、、多すぎて…」

 

よし、元いた世界に戻ろう……!

 

えーっと、あったあった!

 

「ん?何そのでっかい岩…」

 

「…ひと思いにやってください……!」

 

僕はそこらにあったでけえ岩をかみとくんに差し出す。

 

「はあ!?置いてこいよそんなもん!」

 

「そんなクズ野郎として生きていくなんて僕にはできない…!」

 

考えるだけで寒気がする。

いや、足が凍って動かなくなった。

 

「安心しろ、冗談だから」

 

………………。

 

「………どうやらこの岩はまだ必要みたいだね」

 

「頼むからその岩を持って振りかぶった腕を下ろしてください」

 

「こう?」

 

ブォン!

 

「でも言い寄られてんのはマジよ?」

 

「……よっと」ポイッ

 

僕は持っていた岩を投げ捨て会話に集中する。

 

「それで?僕はどうしてたの?」

 

「心に決めた人が…って」

 

「スバルさんか…」

 

「え!?まじか…!!てっきり白上先輩かと…」

 

「いやここのことは知らないけど、、僕が元々居たとこではスバルさん推しだって公言してた」

 

「へぇー……」

 

いかにも意外と言いたそうな表情のかみとくん。

 

ここの世界の僕はどういう人だったんだろう?

 

結構さっぱりしている人ではある気がする。クロエとかなたんの話だと結構冷たい人だけど、モテてはいるっぽいし…。

 

分からん。

 

「同じクラスにはだれがいるの?」

 

「(三枝)明那とか仙河緑さんとか…あとはー、風楽奏斗くんに渡会雲雀くんとかいるよ?」

 

なるほど共学学科ってことはにじさんじとかって感じか…。

 

「ひなのちゃんは?」

 

「ぶいすぽ学科っていう女子だけのe-sports学科。クロエとかなたもホロライブ学科っていう女子クラスでアイドル系の学科だな」

 

「了解、だいたい把握した」

 

読み通り。

他にもCrazy Raccoonの人もいそうだね。

 

「はあ、とんでもない学校だな…」

 

「そうか?特殊ではあるけど美男美女が多いって有名だぞ?」

 

「治安が終わってるよ…」

 

ん?曲がり角に人の気配がする…。

 

誰か飛び出てくるかもな。

そう考えながら注意しつつ歩いていく。

 

「よし今だ……!いっけなーい遅刻遅刻〜♪」ダッ

 

「……」ヒョイ

 

予想通り誰か飛び出して来たので危なげなくそれをかわす。

 

「…え?」

 

考えたシナリオと違ったのか、頭に疑問符を浮かべながら僕の前を通過していく女の子。

 

「うがっ!?」

 

ドシーン!

 

「いってて…」

 

「いったぁ〜……」

 

飛び出してきた人は勢いもそのままに、かみとくんにぶつかって行った。

 

ぶつかってきたのは、見覚えがあった。

頭から猫耳を生やした“夜絆ニウ”さんだった。

 

「ちょっとぉ!なんで避けるんですか!?」

 

「人の気配がしたので…」

 

「まず俺に謝れよ……」サスサス

 

かみとくんのことはスルーで僕に文句を言ってくる猫。

 

それにかみとくんも不満気である。

 

「せっかくハヤテ先輩とのフラグを立てようと思ったのに!!」

 

「…学校行こう、かみとくん。関わったらめんどくさそうだ」

 

「ったく…そーだな」

 

学校は直ぐそこだから数十秒で着く。

 

「ちょっとぉ!?置いてくなぁー!!!」

 

無視無視…。

 

「僕ってだれと仲良いの?」

 

僕とこっちの世界の僕はどうやら性格が違うらしい。

 

「えー?強いて言えば〜、、俺?」

 

「なるほど、陰キャってことか」

 

幼馴染しか仲良い人がいないらしい。

 

「うーん、勿体無いって感じかな〜、、態度が冷たいんだよ、緊張してるのかわかんないけど…」

 

愛想が悪いのか…。

 

「部活とかは?」

 

「マジで記憶ないんだな……ハヤテはゲーム同好会に入ってる」

 

「へぇー、ゲーム好きだしね」

 

「でもお前幽霊部員みたいなもんだぞ?」

 

どんだけ陰キャなんだ僕は…。

 

「なんでや…」

 

「女しかいなくて気まずいって言ってた」

 

確かにそれは大変か…。

 

「今日顔出してみる…」

 

「おう、頑張れよ」

 

話していると、気がついたらもう校門の前であった。

 

「でっか……!?」

 

「俺も毎回来るたび思うわ」

 

普通の学校三つ分くらいあるぞこれ…。

 

「あっ!あれは…!」

 

学校に見入っていると後ろでそんな声が聞こえ振り返る。

 

「やっぱり!ハヤテくんおはこーん!」

 

そこにいたのは真っ白い髪にピンッ!とした耳が特徴的な馴染み深い人物が立っていた。

 

「ふ、フブちゃん…」

 

「…!?」

 

……あ。

 

言ってから思った。

かみとくんがフブちゃんのこと先輩って呼んでたじゃん。

 

「ハヤテくん…」

 

スススッ……と僕の前に擦り寄ってくるフブちゃん。

 

身長差に加えてフブちゃんが少し俯いているせいで顔色が窺えない…。

 

「えと…いま記憶が曖昧で…!」

 

なんとか誤魔化さなきゃ…!!

 

「ハヤテくんって…」

 

やばい……圧が。

 

「ツンデレだったんですかっ…!?////」

 

「す、すいません…!!………え?」

 

真っ赤な顔で詰め寄ってくるフブちゃん。

 

「いつもは先輩後輩の関係なんでって軽くあしらっているのに影で実はフブちゃんって呼んでくれてる、的な…!!」

 

「いや、、なんか夢の中の話でフブ…キ先輩が出てきて…!」

 

「いやー!夢に出てくるほど白上のことを考えてくれているなんて照れますねぇ…///白上はハヤテくんならいつでも彼氏にウェルカムですからね!」

 

止まらんこの人…!

かみとくん助けて……っていない!?

 

逃げたなあの人……!

 

ガシッ!

 

「放課後、ゲーム同好会の部室で待ってますからね!」

 

パッと掴んでいた腕を離し、フリフリと手と尻尾を振って歩いていくフブちゃん。

 

部活行きたくない理由わかったわ…。

 

“ふぅ〜”

 

「はわ…!?」ゾクゾク

 

「今のフブキちゃんだよねぇ?随分ご機嫌みたいだったけど、、何話してたのかなぁ??」

 

耳元で息を吹きかけられる+囁かれ、臨戦態勢となった僕は咄嗟に距離をとってしまった。

 

「ありゃ?そんなに嫌だったのか…」

 

「ハヤテくんは“椎名の後輩”やから手出したら許さへんよ?」

 

振り返ると紫色の猫、猫又おかゆさんと“神岡家”として有名な姉の椎名唯華さんがいた。

 

この世界だと本当に姉妹なんだろうな

 

「こわ〜い」

 

特に気に留める様子もなく僕に近づいてくるおかゆさん。

 

「時間間に合わなくなってまうから急ご!」

 

むぎゅっ!

 

「あ!ずるーい!」

 

おかゆさんの声も虚しく、僕は椎名さんに手を掴まれ、そのまま引きづられていくのであった。




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※元作品でも同じ話がありますが、元作品の特別番外編の方は4月いっぱいで削除いたします。

1日目の登場人物で好きなのは?

  • “かなクロ”姉妹コンビ
  • “おれあぽ”幼馴染コンビ
  • おかゆ•椎名の“神岡家”
  • “さくゆい”コンビ
  • 葛葉•叶の“くろのわ”
  • “七次元生徒会”
  • “ホロライブ二期生”
  • “レヴィ”さん
  • “胡桃のあ”ちゃん
  • “ホロライブゲーマーズ”
  • “ぺこトワ”ゲーム部
  • ハセシン先生
  • 様子のおかしい“白上フブキ”
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