悪役貴族転生【女装】悪役令嬢ルート~99通りで断罪される悪役に転生して女装したら死亡フラグが無くなる代わりに周囲の目が怖くなってくんだけど?~   作:あずももも

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2話 「女装メス堕ち悪役貴族」になった僕とドジっ子メアリーちゃん4

「ふぇぇ……」

 

頭を抱え、うるうるとちらちらとこちらを――なぜかスカートをめくり上げつつあるおしりを向けながら見てくる幼女が、スケープゴート。

 

そこからするするとスカートをめくってぱんつ――ではなくドロワーズっていうのを下げて、その下の――いやいや、めくらなくていいめくらなくていい……あ、つるんってしたおしりがかわいいね……7歳児のおぱんつとおしりなんて見たって、精神年齢大人の僕は反応できないから……。

 

おしりぺんぺんを待ちながら、うるうるとこっちを見てくる美幼女(メインヒロイン級)ロリ……うーん、背徳感が。

 

こんな感じで毎日毎時のようにやらかしてジュリオン様に折檻されるのがパターンだから、僕のヘイトを彼女だけで吸収させようとし、実際にこれまでしてきたらしい。

 

ちらりと周囲を見ると、使用人たちはただただ僕たちを見ているだけ。

 

……まあね、仮にも主君に対して馬小屋の雑巾を顔に塗りたくるとかする子だから、それもしゃーないってなるよね。

 

いややっぱこれドジの範疇超えてるわ……あまりにも臭すぎる、死にそうに臭い、てかたぶんジュリオン様、冷たさと臭さで死んだんだけど。

 

ジュリオン様(享年7歳)、元気を出してください。

 

あなたは散々な目に遭いながらも、上位世界では愛されています。

 

「……エミリー、沙汰を言い渡す」

 

「はいぃ!? で、できたらぺんぺんは10回くらいで……お仕事、まだ今日はあるので……」

 

「静かに」

「はいぃ……いつもより怖い……」

 

「僕が言い終わるまで、口を開かない。分かったか?」

 

僕が怒――ってはいないけども、真剣なことを示すために腕組みをして有無を言わさないステイ。

 

「は――むん!」

 

よし、ひとまずエミリーちゃんはお口チャック。

 

自分の両手でなんとかもごもご言いかけるお口を制御してくれるエミリーちゃん。

よしよし、案外素直にお口を閉じてくれたね。

 

「!?」

「ジュリオン様が……!」

「あの雰囲気……いや、まさか……」

 

――けど、あー。

 

今世の記憶をたどると、ジュリオン様、してたなぁ……おしりぺんぺん。

 

効果的に痛みを与えられて辱められるし、かつ後に響かないって理解してたから。

 

記憶を辿っても、エミリーちゃんのスカートとぱんつを剥いての生手で生尻をぺんぺんに対し、特に思うところはなかったらしい。

 

そりゃそうだ、そもそも7歳のお坊ちゃんだからな……色気にはまだ早い。

 

前世的にはいいとこの私立の小学1、2年生だもんな。

良くも悪くも、家柄で叱ることがでないポジションの、ただのわがまま坊主だ。

 

ジュリオン自身は本当に子供みたいだし、文明レベル的にも交友範囲的にも生活圏的にもそれ以上の知識はないし。

 

そんなわけで、スカートめくりとかすら思いつかない――ある意味純粋培養のお坊ちゃまだから。

 

――そうだった、からこそ。

 

僕は――「つい数分前までのジュリオン様」から逸脱した行動を取れない。

 

急に謝ったりしていい人にでもなってみろ、「もしや魔族から洗脳されたのでは?」ってことになる。

 

実際にジュリオン様、結構なルートで魔族からスカウトされて魔王軍の四天王とか魔王になったりしてたからね……設定上では主人公とヒロインの誰よりもスペックが上だから。

 

魔王軍は実力主義っていう悪役の王道パターンだからね、ヒロインたちが闇堕ちすると敵に回るっていう展開に――とまあ、それよりも、だ。

 

「……風呂の用意をさせろ」

 

「………………………………」

 

「……理解したら話して良い」

 

「ぷはっ。で、できたら5回くらいに負かってくれると……ふぇ?」

 

もしもし、エミリーちゃん?

 

いくらかわいいとは言っても毎時被害を出させてる主君の顔に馬臭の冷水と雑巾を塗りたくっておしりぺんぺん×5は甘すぎないかな?

 

「こんな冷たい水をかけておいて僕が風邪でも引いたら、いくら父上でも容赦はしない。今度こそ実家に帰してやる」

 

「ひゃっ、ひゃいぃー!!」

 

ばたばたばたと――

 

「あぅっ!? ……いたいぃ……」

「………………………………」

 

――転んだ拍子にぷるんとしたおしりをぺろんと出してから、起き上がって穿き穿きして駆けていくメイド服。

 

「……あ、エミリー様! お手伝いを……」

「……ジュリオン様。寛大な処置、痛み入ります」

「正直、打ち首でもお止めはしませんでしたが……御慈悲に、感謝を」

「まさか、母君の――いえ、失礼致しました」

 

そんな彼女に追うように遠巻きにしていた使用人たちが、風呂の手伝いをしに行く。

 

……生贄って言っても、平民の彼らとは違ってエミリーちゃんは一応は貴族だからね、生贄にはするけども手伝いはするんだ。

 

生贄にはするけども。

 

だってほぼ全部のおいたはあの子がしでかしたんだから、まぁしょうがない。

僕でもジュリオン様でも、今世のパパンでもブラザーでもそうずる。

 

それでも――原作開始までの10年近くをねちねちいじめられはするのはかわいそうだけども。

 

いやいや、そのほとんどはエミリーちゃんのドジのせいだけどね。

 

――でも、この子はメインヒロインなんだ。

 

少なくとも大きな怪我も仕打ちもされることなく――つまりはユーザーたちのユニコーンな成分が発狂する事態になることもなく、主人公の前に現れることが確定している。

 

そして物語の進行に合わせ、いずれはヒロインとして主人公サイドに着き、主人公のヒロインとして愛を育む。

 

それは、ここがあのゲームの世界なら確定事項だろう。

 

それはたぶん、避けることのできない未来。

 

――そして僕は、彼女にそんな扱いをしたと知った主人公から敵対され、屈服して奴隷の女装男として使われる身分になるか、高すぎる確率で――死ぬ。

 

そのどちらがマシか?

 

どっちも嫌だ。

 

だって、今世の僕だぞ?

 

生き残る道が女装して男――とは限らなく、半分くらいはヒロイン関係者の女の人だけど――の奴隷になる一生だなんてごめんだ。

 

……なら、変えてやる。

 

前世で知った、この世界の未来の情報を使って――そのどちらでもないエンディングを、つかみ取ってやる。

 

そのために、まずできることは。

 

「……いや、誰か僕にタオルくらい持ってきてよ……」

 

――怒りの収まらない演技をしながらバケツでも蹴ったりして――だけど、やっぱり使い古された雑巾の臭さに悩まされることだった。

 

 

【END/No.32:エミリー「みんなの前で公開おしりぺんぺんのことを話したら、許されそうな雰囲気だったのに殺されちゃったジュリオン様  ……その、ごめんなさい」――回避】

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