悪役貴族転生【女装】悪役令嬢ルート~99通りで断罪される悪役に転生して女装したら死亡フラグが無くなる代わりに周囲の目が怖くなってくんだけど?~   作:あずももも

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43話 せっかく脱いだからお風呂に入った

頭の中で「メス堕ち退散サキュバス退散」って、99回唱えて避難先の妄想の世界から戻ってきた僕。

 

これで大丈夫だ。

 

よし、これで女装した僕によるストリップショーはなかったことになった。

 

だから普通に接しよう、普通に。

 

「――と、これを見てもらえば分かるでしょうが……ルーシー。ルーシー?」

 

……ルーシーくんが……後ろを向いてしゃがんじゃっている。

 

「だだだだめですぅ……! お貴族さまのお嬢さまのはだかなんて見ちゃったら……!」

 

大丈夫じゃなかった。

 

なかったことにはできなかった。

 

田舎から出てきたばかりの汚れを知らない少年の前で服を1枚ずつ脱ぎ出す痴女そのものな所業は、改変できない過去となった。

 

……現実逃避は意味がなかった様子。

 

しかしこれはいけない。

あまりにもあんまりだ。

 

改めて考えても、彼の情操が木っ端みじんになってもおかしくない所業だ。

 

だから、せめて誠意を示せないと。

 

「――ルーシー」

 

「ぼ、ぼく実はおん――――――」

「僕は、この町を含むデュクロワ領を治めるデュクロワ家が次男、ジュリオン・デュクロワです」

 

こういうときは、事実から先に述べる。

 

ここまでかわいそうなことをしたんだ、被害者に対して加害者は身分を明かす義務がある。

 

「ですから――――――えっ」

 

思わずといった顔で振り向いてくる彼。

 

その目は――――――

 

「先ほどまでの姿は女装。……見ての通りに、下は男でしょう」

 

――女児用のぱんつ(エミリーちゃんの・ピンクでかわいいね)が、女ではなく男の股を包んでいる証拠の膨らみを、見ていた。

 

「……」

 

「………………………………」

 

「………………………………?」

 

「――――――   ゛  ゜  ⊿ __〆――!?」

 

うわ、何その声……どんな発声期間からどんな発音しようとしたの?

 

「はい、そうです。僕は貴方だけではなく、すべての人を騙し――女性を騙っている、男です。教会の関係者に知られたら、今日にも破門に処されること間違いなしの所業をしている、悪ーい貴族です。つまりは人間の最底辺です。ですから、こんな僕を見て恥ずかしがることはありません」

 

そんなことを堂々と言ってのける、母親譲りのメス――じゃないじゃない、髪型だけで女子みたいな顔に見えるジュリオン様フェイス。

 

その下はエミリーちゃんのかわいいピンクの上下の下着しか身に付けていない状態での仁王立ち。

 

そしてこの状態だからこそ分かる、男としての肉体。

 

よし、これなら色気も何もあったものじゃないだろう。

これなら少年の精神は保たれるはずだ。

 

「       」

 

「つまりは男同士ということです。なら、何も問題は本当にないはずです」

 

しゅるしゅるっと――ぱんつを脱ぐ。

 

「       」

 

まだまだ子供だからお子様サイズで無いも同然だからこそ、本来このブツを収める場所を確保されていない女児用のかわいいぱんつでも苦しくないピンクの三角形。

 

それを下げ、片脚ずつから抜いて、今度こそ完全に男だと証明する。

 

再びに、仁王立ちをすれば――彼の目線は、僕のそこに……いややっぱちょっと恥ずかしいわ、いくら同性、いくら子供相手でも。

 

「       」

 

「……なるほど、確かに同性とはいえ一方的は恥ずかしいものですね。恥ずかしい思いをしたので、これで先ほどのはチャラということで」

 

相手はただの7歳男児。

 

昼間の雑談で聞き出したところによると、兄が何人も居るらしい。

 

それに農村育ちだ、夏になったら子供たちが揃ってすっぽんぽんになっての水遊びとかで他人のにも見慣れているはず。

 

よし、これで大丈夫だな。

 

「       」

 

「……ふぅ。せっかくだから僕も洗ってしまいますか。そもそも、思えば比較的綺麗な状態の僕から洗わないと、もうひとつお湯が必要になってしまいますものね」

 

――ちゃぷっ。

 

温かいお湯に、足先から体を沈めていく。

 

どうせ脱いだんだ、せっかくだから体の洗い方も教えないとね。

川で遊んだりするのとは違うからね。

 

「ここの宿は……今のルーシーの手持ちでは難しい価格帯ですが、こうしてちょうど良い温度の新鮮なお湯に石鹸まで貸してくれます。あなたも冒険者を目指すのなら、自前でこれくらいのランクに泊まれる生活をできるくらい稼ぐと良いでしょう」

 

「       」

 

あー、お湯って良いよね。

お風呂って良いよね。

 

聞けば、普通の宿だとこんなにたくさんのお湯をくれたりはしないんだとか。

 

それに、僕がまだ子供サイズだからこそ――もちろん身長の話であり、男の誇りの話じゃない――屈めば肩まで浸かる湯船になるのであって、これが大人なら普通にあぐらをかいて腰までしか温まれないだろう。

 

「はぁ……気持ちが良い」

 

「       」

 

僕の普段は無表情に固定のジュリオン様フェイスが、明らかにとろけていくのを感じる。

 

誰だってお風呂は気持ちが良いんだ。

 

じわじわとあったまってきて真っ白な肌が色づいてきて、体がじんじんするこの快感。

 

いくらジュリオン様でもこれには敵わないんだ、しょうがない。

 

「はぁ……♥」

 

あ、ちょっと色っぽい声。

 

ジュリオン様ボイスってば、こうして子供だと完全に女の子の声だからね。

 

「       」

 

「   」

 

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