悪役貴族転生【女装】悪役令嬢ルート~99通りで断罪される悪役に転生して女装したら死亡フラグが無くなる代わりに周囲の目が怖くなってくんだけど?~   作:あずももも

61 / 149
44話 やらかした

「~♪」

 

この世界には幸運にも入浴の習慣がある。

 

もう少しお金を出すか郊外の宿にすれば、備え付けのお風呂とかがあるんだとか。

けどもこの宿との出会いは大切にしたい。

 

「       」

 

7歳児でもお金さえ出せば大人と同じ扱いもしてくれるし、いたいけな少年の情緒を破壊しようとしかけてたしなめてくれる良い人なんだ、仲良くしておきたいもんね。

 

ここに湯船はないけども、子供の体だからこそ半身浴くらいはできるんだ、この宿はぜひともに原作開始直前までは定期的に通っておきたい。

 

あ、そうだ、追加でお金払えばもっとたくさんのお湯も用意してくれるか聞いてみよう。

 

大丈夫、ただのビジホと温泉付きのとこを考えたら数千円なら充分に許容圏内。

お風呂も温泉も僕にとっては大切なんだ。

 

「あ、髪は外の井戸水で流してきましたから、この桶の中は綺麗ですからね? ……ではお先に」

 

ちゃぷんと濡らした髪の毛を……なぜか微動だにせずに、けれどもこちらへの視線を止めない彼を無視してあわあわして洗っていく。

 

大丈夫、僕たちは男同士って教えてあげたから。

 

多少美形だったとしても男は男――それに、少なくともゲームの中では女装と同様に、男同士の同性愛も世界観的に存在しないものになっていたはず。

 

それだとメス堕ちエンドの半分がどういうことかってことになるけども、あれはそもそもお姉様方が妄想を膨らませてただけであって、ゲーム内で女装ジュリオン様が男キャラにおげぇぇぇぇぇ……なことをされたって明確には書かれていなかった気がする。

 

だからあれはただ単純に、ジュリオン様に宗教的にも忌み嫌うことをさせて喜んでるだけだったと信じておこう。

 

まぁここはリアルの世界だからそういう趣味の人も居るとは思うけども、ルーシーくんは女装した僕の姿にどきどきしてたからたぶんノーマルだ。

 

今は男って教えたし、男の象徴も共有したし、大丈夫大丈夫。

 

「ルーシー? 洗う際には、こうして首筋や肩周り、脇の下、膝の裏や足の裏などをちゃんと洗うのですよ?」

 

せっかくこっちをガン見してるんだし、ひとつひとつを見せながら実況。

 

「       」

 

ちゃぷ、ちゃぷっと、体をあわあわしていくときに都度、その部位を見せてあげて説明していく。

 

「       」

 

男ってばカラスの行水って言うくらいにお風呂がいい加減だからね。

 

ほっといたらお湯に入って汚れを浮かして、はいおしまいになりかねないもん。

それは困る。

 

「       」

 

貴族の屋敷の中で常に良い匂いの女の子や女の人に囲まれて育ったジュリオン様としても、前世では潔癖って有名な文化圏の出身だった僕としても、臭いのはやっぱり嫌だもん。

 

「最後に……こうしてしっかりと股とおしりを洗ってください。しっかりと石鹸を着ければ汚くありませんから」

 

ちらっとおしりを――浮かせるだけで、さすがに男同士でも、いや、男同士だからこそおしりを見せるのには抵抗があったから、本当に軽く腰を浮かせて洗う仕草だけを見せた。

 

「       」

 

「常日頃から綺麗にしていないと、病気になりやすいですからね」

 

ジュリオン様のおしりは貴重品なんだ。

 

誰にも見せるわけには行かないし、チラ見でもメス堕ちフラグが立ちそうだから慎重にね。

 

「       」

 

 

 

 

「ふぅ……お風呂、先にいただきました」

 

「       」

 

結局最初から最後までガン見され続けたけども、相手は子供だ、僕は気にならない。

 

恥ずかしかったのも最初だけだし。

 

たぶん世界の価値観的に良いもの食べ肉付きがいいジュリオン様ボディが魅力的だったんだろうってことで。

 

大丈夫、初日に年上の女の人たちに囲まれて布1枚、しかも透け透けな無防備さであわあわされたり、エミリーちゃんのかわいいおしりをぷりんと見せつけられた僕に隙はない。

 

「ドライヤー……は、さすがに無いのでタオルでしっかりと拭かないと」

 

「       」

 

「では、失礼しまして。はい、ばんざーい」

 

「       」

 

「こら、ルーシー。ばんざーい」

 

「……? ば、ばんざーい……?」

 

もはやすっぱだかでの恥ずかしさなんて消え失せた僕は、髪にタオルを巻き付けただけで彼の前に立ち、ばんざーいを強要。

 

するりとシャツを脱がせ――お、見た目よりはきちゃなくないし臭くないし、あとがりっがりなわけでもない。

 

むしろなんだか胸回りにはお肉がついているような?

 

まぁ男でもそういう体型は居るよね。

まだ子供だし、指摘すると思春期の悩みの種になるから気にしないであげよう。

 

「……? ……?」

 

なぜかばんざーいしたまま、ぱんついっちょできょとんとしている彼。

 

……あー、なるほど。

 

この子はあれだ。

 

なんだかんだ、親は食いぶちのために追放するようなのでも兄とか姉は――年齢が近い何人かは、きっとこの子のお世話をしてあげてたんだろう。

 

そりゃそうだ、まだ7歳――生まれてから6年の子供だもんね。

 

じゃあ仕方がない。

 

「はい、ぬぎぬぎしますねー」

 

「え? あっ、やめ――――――」

 

大丈夫大丈夫、第二次性徴するまでは男のそれなんてみんな

 

 

【END/No.01~99が消滅しました】

 

 

親指サイズで、………………ん?

 

――――――ぐにゃり。

 

世界が、傾いていく幻覚。

 

 

【世界が再構築されました】

 

【観測されなかった世界は消滅しました】

 

 

おろ?

 

……長湯しすぎてめまいでも起きたか?

 

なんか目の前がちかちかして――――――

 

 

【勇者の名前が「ルーシー」に固定されました】

 

【勇者の性別が「女性」に確定しました】

 

 

………………………………。

 

………………………………。

 

……ん。

 

どうやらのぼせたのは確実。

 

なんだかんだ歩き回ったし、人と関わりすぎて精神的にも疲れたのかもしれない。

 

まぁいいや、そんなことよりルーシーくんのルーシーくんを――目の前が真っ暗になってたから忘れてたけども、立っていた彼の股ぐらを至近距離で、ひざ立ちになりながら見つめる体勢になっていたのは非常によろしくない。

 

そんなつもりは決してないけども、男同士のいかがわしい場面になってしまう。

 

え、これが強制力ってやつ?

 

こわぁ……。

 

とにかく離れないとな。

ていうかルーシーくんもルーシーくんだ、なんで隠しもせずじっとしてるんだろう。

 

「……失礼、じろじろと見るつもりは……え?」

 

「       」

 

まだまだかちんこちんに固まっている彼。

 

そのおまたには――無駄な構造物が、存在しない。

 

あれ?

 

さっき一瞬だけ「小さいながらも生えてる気がしたけど」――え?

 

どう見ても女の子?

 

え?

 

ジュリオン様の中の記憶にあった、なぜかすっぽんぽんで一緒にお風呂入ったときのエミリーちゃんのおまたとおんなじ?

 

……僕、幼女の前でストリップショーと入浴シーンと体じゅうを見せつける挑発をした上で、幼女を無理やり裸にして至近距離でガン見したことになった?

 

え?

 

……僕の人生、おしまい?

 

 

【分岐ルートが消滅しました】

 

【「男勇者ルート/上位世界観測正史ルート」は攻略不可となりました】

 

【勇者の性癖が「優しくてバブみを感じる貴族令嬢の姿――にしか見えない美しい男子【ジュリオン・デュクロワ限定】から優しくリードされる」に固定されたため、勇者がヒロインと結ばれる確率が0%になりました】

 

【勇者とヒロインの子孫が世界を救う「続編ルート」が消滅しました】

 

【人類が滅亡する確率が300%上昇しました】

 

【魔王軍が活発化しました】

 

【称号「アクヤクレイジョウ」を継承しました】

 

【勇者の代役が必要です】

 

【勇者因子を、最寄りの第二候補へ移動します】

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。