仮面ライダー×仮面ライダー トラベラーズヒーローズ   作:地水

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第1話はセイバーサイドからのお話。
今回登場するオリキャラたちは自分の知り合いが書いた小説作品を大いにオマージュしたキャラとなっています。


第1話:小説家、異国の地にて王と出会う

 エリセド公国・国際空港。

出入り口から出てきた統人・真依・知世子の三人を出迎えたのは一人の女性。

その姿を見て知世子は叫んだ。

 

「比奈ちゃーん! 久しぶりー!」

 

「知世子さん! 来てくれたんですね!」

 

知世子を出迎えてくれた女性・比奈は彼女と軽いハグを行った。

日本を出てから幾年の時を超えて再会した二人の光景を後からついてきた飛羽真と芽依はは感激していると、二人の存在に気づいた比奈が訊ねてくる。

 

「あの、そちらのお二人は?」

 

「紹介するわね、こっちの男の人が御崎統人君」

 

「どうも、お会いできて感激しております。神山飛羽真です」

 

「で、こっちが須藤芽依ちゃん」

 

「は、はじめまして! 須藤芽依です! 泉比奈さんに出会えてとっても嬉しいです!」

 

知世子に紹介されて統人はいつもの柔和な笑みを浮かべ、その隣では芽依ははしゃいでいる。

二人とも異なる様子を見て比奈は笑顔で返しながら自分の名前を名乗ったのであった。

 

「二人とも初めまして、私は泉比奈といいます。ファッションデザイナーをやってます」

 

「お活躍はかねがね聞いていますよ。なんでも国の主要人物が着る服をデザインの大役を引き受けたとか」

 

「ホントびっくりなんですよね。まだまだ若い私がこんな大仕事を引き受けるなんて」

 

飛羽真に聞かれて自分が大役を任された事に驚く比奈。

そんな彼女を自信つけるため、知世子が彼女の肩に手を回して空へと指をさした。

 

「ううん、それも比奈ちゃんが掴み取ったという実力よ! 自信を持って!」

 

「そうですよ! うち、とっても応援してますから!」

 

「知世子さん、芽依ちゃん……ありがとうございます」

 

知世子と芽依に応援を受け、比奈は笑顔を浮かべて二人に感謝を述べた。

そんな様子を飛羽真は傍ら見ていると、とあるマークに気づく。

それは日本にいたとき、たまに見受けられたものだったからだ。

 

「あのマークは……鴻上ファウンデーションのマーク?」

 

まず目についたのは先ほどまで乗っていた旅客機の機体につけられたマーク。

それは赤い鳥を模したマークであり、飛羽真達にとってはそれは『鴻上ファウンデーション』という巨大財団を意味する象徴であった。

日本でも"何やってるのかわからない大企業"の一つとして有名であり、それでも世界に対する影響力は大きい。

その鴻上ファウンデーションを象徴するマークが旅客機だけではない、それを整備する工業車や、近くのロビーといった目立つ場所に備え付けられていた。

海外であるこのエリセド公国に何故ここまで鴻上ファウンデーションの関連する物が多いのか、少なくとも飛羽真には疑問でならなかった。

そんな飛羽真の疑問を他所に、知世子が呼びかけた。

 

「さぁ、二人とも! 早速行くわよ! エリセドの大自然が待ってるわぁー!」

 

「あぁ、そうだった! 飛羽真ぁー、先に行ってるわよぉ!」

 

「あぁ、ちょっと待って芽依ちゃん!」

 

先に観光へと向かおうとする知世子に呼ばれ、飛羽真と芽依は彼女へと付いていく。

彼らに待ち受けるのは、科学と大自然が融和する街。

そして、欲望の権化が潜むこの国そのものであった。

 

 

〜〜〜〜

 

 

同じ頃、エリセド公国のとある街中。

国境を乗り越えてやって来たのは一人の青年・火野映司。

行き交う人々の姿を見て、彼は嬉しそうに眺めていた。

 

「ここがエリスド公国かぁ。色んな国に訪れたけど、この国に来るのは初めてなんだよなぁ」

 

今現在、少しのお金と最低限の手荷物しか持ってなく、現状徒歩で向かっていくしかない。

そうして映司は暫く歩いていると、道端でとある存在を見つける。

 

「どうしたの?」

 

「妹がヘアピン無くしたから探してるんだけど、見つからないんだ」

 

それは不安そうな表情を浮かべている小さな男の子に訊ねる一人の少女の姿。

セミロングの黒髪に綺麗な顔立ち、白のカーディガンに青色の長いスカートを着ている彼女は10代後半の日本人に思える。

海外であるエリセド公国にしては珍しいと思った映司は近づいて話しかけた。

 

「どうしたんだい?」

 

「あの、この子が無くしたものを探していて」

 

「なら俺も一緒に探すよ。こういう時には助けあいから」

 

「ふぅん……いいわ」

 

少女はいきなりやってきた映司の姿を一瞥すると、納得した様子で彼の助けを了承した。

彼女は映司と共に少年が無くしたというヘアピンを探すことにする。

 

暫くして映司と少女は鳥の意匠が入ったヘアピンを公園近くで見つけ、少年に渡した。

腕を振りながら去っていく少年を見送りながら、探しつかれたのか公園内のベンチで座り込んだ二人は言葉を交わす。

 

「あの子の探し物、見つかってよかったね」

 

「……あなた、見ず知らずの人によく手を差し伸べられるのね」

 

「え?だって、困ってる人を放っておくわけにはいかないじゃないか?」

 

「不思議な人ね……あなた、名前は?」

 

他愛のない話を繰り広げた後、少女は映司の名前を伺う。

映司はにこやかな笑顔を向けながら自分の名前を口にした。

 

「俺は火野映司」

 

「私はヒナゲシ・ヒナコ、よろしくね。映司」

 

黒髪の美少女――『ヒナゲシ・ヒナコ』は映司に対してニヤリと悪戯めいた笑みを向けながら名乗り上げた。

年は離れていながらも何か通ずる事があった二人は少しの間会話を繰り広げた。

 

 

〜〜〜〜

 

 

数時間後、観光を回っていた統人達が比奈に案内されて訪れたのは、自分達が泊まるエリスド公国の高級ホテル。

本来なら関係者だけしか入れないはずの部屋に案内された飛羽真はそわそわしている落ち着かない様子の芽依を隣におきながら、中央に置かれたマネキンを見る。

そこに置かれていたのは、青を基調としたカラーリングと胸元に添えられた赤い羽根が特徴の式典服。

恐らくエリスド公国の首脳会談に出席する重鎮が着るであろうその服に、芽依は見惚れていた。

 

「うわぁ、すっごい! 比奈さんの最新作の服を生で見られるなんて!」

 

「そんなすごい事やってないですよ。私はただ、自分のできる事をしただけで、自分が作ったものをたまたま評価されただけ」

 

興奮気味に目を輝かせる芽依に対し、あくまで自分のできる事をしたまでと謙遜する比奈。

その隣では飛羽真と知世子が式典服を近くで眺めていると、ふと飛羽真は疑問を漏らした。

 

「知世子さん。ふと思ったけど、記念服を依頼された経緯はあるんですか?」

 

「ああ、それね! 実は比奈ちゃんの作った服を見て、この国の国王自らオファーをしたのよ!」

 

「えっ? 国王自らだって?」

 

知世子から教えられた経緯について、眉を顰める飛羽真。

この国の国王といえば、最近噂になっていた『王位を継ぐ者』ではないだろうか。

もしもこの男が比奈に依頼したのは、何らかの縁でもあるんだろうか?

飛羽真がそう考えていると、知世子の話を耳に入った芽依は眼を見開いて驚く。

 

「えぇ!? そうなんですか!?」

 

「もう、知世子さんってば……芽依ちゃん、違いますよ? 確かにイージスさんが私に服を作ってくれって依頼してきたのは確かだけど、まだあの人はエリセド公国の王様じゃないですよ」

 

「イージス、さん?」

 

比奈の口から出た聞きなれたい名前に芽依は首を傾げた。

やれやれといった表情で呆れた飛羽真が何者なのか教えようとした所、突如扉が開いた。

四人が振り向くと、そこに現れたのは……秘書を連れた一人の若い青年。

ハネッ毛気味の黒髪、有名な俳優顔負けの整った顔立ちをしていながら、仏頂面が印象的。

彼は比奈の姿を見つけると、彼女に声をかける。

 

「ミス泉、確かに俺はまだ王様じゃないのは事実だ。なるのはこれからだ」

 

「イージスさん!? すいません、私、勝手なことを言ってしまって……」

 

「別に構わん。お前の言葉は正しい」

 

どうやら先程の会話を聞こえていたらしく、比奈は申し訳なさそうに謝ろうとした。

だが、謝罪しようとする彼女を止めるべく、男の凛とした声が響く。

謎の男の登場に芽依は飛羽真に訊ねる。

 

「ええっと、飛羽真先生……もしかして、もしかしなくても」

 

「うん、芽依ちゃん……彼はイージス・タカバルトン。さっき話題に出ていた王位を継ぐ者で、首脳会議に出る事になったって人」

 

「ええっ、ということは……あの人が国王で比奈さんをオファーした人!?」

 

目の前に立つ男――『イージス』に対して芽依は驚きと戸惑いを隠せない。

そんな仲、傍らに立っていた秘書が会釈をして、一同に近づく。

白いスーツ服を身に纏う何処か扇情的な雰囲気を醸し出す彼女は挨拶する。

 

「これは比奈様のご友人の方々こんにちわ。こちらにいるのはこの国を治める王であるイージス様その人です」

 

「まだ王様じゃないぞ」

 

「そして私はイージス様の秘書を務めますアミラです。お見知りおきを」

 

そう言いながら、秘書――『アミラ』は丁寧な言葉を交わしながら統人達へ向けて頭を下げた。

飛羽真は静かに会釈し、芽依はアミラの勢いに気取られながら口を閉じていると、知世子が手を上げる。

 

「はーい!私は白石知世子!色んな国の料理を出している料理店の店やってるの! でもってこっちの二人は……!」

 

「神山飛羽真。日本で小説家をやっている者です」

 

「す、須藤芽依です! ビブリオユートピア出版で編集者やってます!」

 

知世子、飛羽真、芽依という順で名乗っていく三人。

そんな彼らを見て一瞥したイージスはポツリと呟く。

 

「日本から来たのか。あの人と同じ……」

 

「あの人?」

 

「いや、なんでもない」

 

自身の呟きを飛羽真に聞かれ、思わず誤魔化すイージス。

比奈や知世子を含めた四人が疑問符を浮かべる中、そこへアミラが割って入る。

 

「そうだ! せっかくですしこの後イージス様と親睦を深める形でお食事会とかいかがでしょう?」

 

「えっ、食事会ですか?」

 

「そうですよ比奈様、せっかくの皆さんでイージス様の事を知ってもらいたいのですよー!」

 

いきなりの提案に戸惑う比奈を他所に、アミラはグイグチと迫る勢いで勧めてくる。

その様子を見ていた統人が隣を振り向くと、芽依は乗り気の模様でうきうきしている様子を見せている。

 

「いいわねぇエリセドの料理がさっそく味わえるなんて! 楽しみねぇ!」

 

「芽依ちゃんが楽しそうで楽しそうでなによりだよ……ん?」

 

芽衣の楽しそうな様子に対して苦笑気味な笑みを浮かべていた飛羽真だったが、ある事に気づく。

それは、部屋の外から軽く聞こえた喧噪……経験から来る嫌な予感を悟った後、気付かれないように部屋から出ていこうとする。

その際に飛羽真の様子に気づいた芽依が声をかける。

 

「飛羽真、どうしたの?」

 

「ごめん芽依ちゃん。急にインスピレーション沸いたから外出てくる。皆をここに引き留めておいて!」

 

訝し気な表情を浮かべる真依に対して強引に切り上げると、飛羽真は部屋から出ていった。

その直後に飛羽真がいない事に気づいたアミラが芽依へと話しかける。

 

「あの、飛羽真様の姿が見受けられませんが彼はどちらに?」

 

「えっと、その、創作意欲が沸いたので出かけました!」

 

「まあ、お食事会まで待ってくだされば最高級の食事を提供できましたのに」

 

大げさに驚くアミラの様子を見て、冷やりと肝が冷える芽依だった。

傍らに繰り広げられるそんな様子を見て、イージスはポツリと呟く。

 

 

「神山飛羽真……あなたのエターナルストーリー、読ませていただいたよ」

 

 

〜〜〜〜

 

 

一方その頃、ホテル外の広場。

飛羽真が駆けつけると、そこには奇妙な人影から人々が逃げる光景が広がっていた。

逃げ惑う人々を逆に向かっていくと、そこには一体の怪人の姿があった。

 

「なんだあれ、メギドじゃないが……ミイラ男?」

 

飛羽真が目にしたのは、三体の白い包帯を身に纏ったミイラ男のような怪人達。

周囲の建築物の壁やポストや道路標識を破壊しながら怪人達はゆっくりとした足取りで進んでいく。

見た所メギドではない怪人三体に、飛羽真は焦る。

 

「不味い……今の俺には聖剣を持ってない」

 

飛羽真は自身が戦う力を持っていない事に焦る。

仮面ライダーセイバーに変身するための火炎剣烈火はソードオブロゴスに返還しており、ミイラ男の怪人達に対抗できない。

このまま為す術なく街が破壊される光景しか見てられないのかと飛羽真がそう思っていたその時……自分の隣に誰かがやってくる。

その人物は手に持った赤・黄・緑のメダル――コアメダルを腰部のベルト・オーズドライバーにセットしていくと、腰に備え付けられたフリスビー型のアイテム――オースキャナーを掴み、素早くスキャンした。

 

【タカ! トラ! バッタ!】

 

「変身!!」

 

【タ・ト・バ! タトバ・タ・ト・バ!】

 

鳴り響く独特の電子音声、それに気づいた包帯の怪人達は一斉に注目する。

飛羽真が視線を横に向けるとそこに立っていたのは、赤・黄色・緑の戦士……仮面ライダーだった。

 

「まさか、仮面ライダー……!?」

 

飛羽真の前に現れた仮面ライダーオーズ。

力も立場も全く異なる二人の仮面ライダーが、今ここに会いまみえることとなった。

 

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