あけみ「そういえば、ちょっと訂正があるんだってね?」
実は、オリジナルキャラクターである『ヴィント・ギルディギア・エスカフローネ』が初登場しています。紹介はまた後ほど。
あけみ「それから、バカテスTASの方はお休みをもらう事になったらしいよ。大事な連絡ね、これ!」
美菜「それじゃ……始まるよ」
1
部活のビラを30分程度凝視して、特に入部したいと思うものがなかった俺とあけみは、人助けをモットーとする『混沌救済部』を新たに誕生させた。
最初は人員的に不安はあったが、美菜や翼が入部してくれ、顧問も木山先生が引き受けてくれたおかげで、事なきを得たのだった。
そして、ある少女が入部したいと言ってきてくれた。これで今7人ものメンバーが入部している。
とは言っても、『依頼』してくれる人がいなければ、救済する余地がないために暇を持て余す部活となりつつあるのが欠点か。
部室は『空き教室2』という教室を使わせてもらうことが出来、ビラも多少歪になりながらも完成した。
……結局、今は暇なのであった。
鈴長「なーんもすることがないねー」
部長であるあけみはだらけていた。当然部長がこんななので他のメンバーもだらけてはいないが、暇を持て余すばかりとなっていた。
蓮人「でも確かに暇だよな……何かすることがあればいいんだけど」
蓮「音葉は何をやってるの?」
音葉「無限プチプチ」
小林「うわあ…………」
翼の友達、音葉と蓮。音葉はソファーの上に座って無限プチプチをしていた。
蓮人「ヴィントも……すまないな。こんな部活で」
ヴィント「へ?…あぁ、大丈夫ですよ。むしろこの平和な感じが好きです」
蓮人「そうなのか?」
ヴィント「はい。文化部ですし、スパルタン星人がいそうな程妙にスパルタだったり、殺気立った部活は好きじゃないんですよね」
ソファーの上で寛ぎながら、元々設備されていたティーポットでお茶を作っていたヴィントはそう苦笑しながら言った。
彼女は1年B組に転校してきたのだが、まさかこの暇人の部活に入ってくれたので、ヤケに申し訳なく感じる。
蓮人「ふむ……木山先生理論か」
高地「私も好きじゃないよ。「夕日に向かってレッツゴー」の時代は過ぎ去ったと思うんだよ」
ヴィント「そうですよね。今は「あ〜毎日が素晴らしい」の時代ですよね!」
美菜とヴィントはグッ、と腕を組んだ。良かったな、美菜……同じ価値観を持つ友達が出来て。
そんな2人を余所に、駄弁り話を膨らませて行く。
鈴長「でもこの暇さはどげんかせんとあかんな!」
蓮人「某宮崎県知事みたいに言うな。だが、毎日こんなグダグダだと飽きる人も出てくるだろうし…」
小林「やっぱり暇な時は宿題するか、トランプみたいなパーティーゲームで遊ぶか………」
翼も流石に現状満足とはいかないようだ。俺も翼の案には賛成だ。
トランプ、と聞いたあけみは目を輝かせて言う。
鈴長「麻雀卓は?」
蓮人「待て。お前それどうやって学校に持ってくるんだよ」
蓮「しかも4人用よ?」
その前にもし学校持ってきたとしても幅50cmくらいのドアに大きい麻雀卓が入るとは思えない。
それが口火となったのか、次々と意見が飛び出す。
音葉「オセロ?」
ヴィント「2人用ですよ?」
高地「じゃあジェンガとかは?」
小林「うーん、この人数じゃ多すぎるよね………」
などとしばらく議論めいた公議をしていたが、やがて部長のあけみが場を収めた。
鈴長「手製双六でも作ってくるよ」
蓮人「手製って大変じゃないか?それに駒とかは」
鈴長「大丈夫。人生ゲームの駒を使おうと思う」
蓮「移動手段は車かしら……」
ようやく討論を終えようという空気の中、
コン、コン。(ドアをノックする音)
鈴長「ん?誰だろ。どうぞー?」
???「すみません。えっと、混沌救済部さんですよね?」
鈴長「そうですけど……」
???「相談したいことがあるんですけど、大丈夫ですか?」
鈴長「えっ……………」
思わずあけみと目を合わせた。部活を作って5日目、初の訪問客であった。
2
???「いきなり尋ねてきてしまってすみません。中央階段のビラを見て相談に来ました」
鈴長「別に大丈夫。暇だったし。で、貴女は………?」
リエル「私は中等部2年参組のリエルと言います。以後お見知り置き下さい」
鈴長「う、うん。リエルさんね。どうしたんです?困りごとなんて」
畏まった喋り方のリエル。初めての依頼なので、あけみにも緊張があるらしい。
リエル「相談と言うのは、学食についてなんです」
蓮人「学食?」
この学校には、中等部と高等部に学食と購買があり、初等部には購買と給食がある。
自炊する生徒も利用しているこの学食だが、日によってメニューが違うのが面白いようで、毎日確認をしている人もいるらしい。
リエルははい、と頷く。
リエル「私、学食部なんです。購買部は3年生の人が多かったから入ったんですけど……学食のメニューが何種類くらいあるか知ってますか?」
鈴長「え?……知ってる?」
蓮人「…何でチワワみたいな目で俺を見る。……具体的には分からないけど、100種類は超えてたような」
基本的に俺は自炊派だからあんまり学食を使ったことがない。今の数もかなりアバウトだ。
ノエル「102種類です。定食や日替わりランチを含めれば。ですが、最近マンネリ化して来てしまいまして」
音葉「それだけあるのに?」
ノエル「はい。1年生の人はそうでもないんですけど、毎日通う2年生や3年生の方には………」
そうか。200日くらい学校があるとすれば、そりゃマンネリにもなる。
学食と言っても唐揚げなどを単体で頼めたりもする。
リエル「そこで相談なんですけど、新メニューの考案をお願いしたいんです!」
鈴長「よし引き受けよう」
あけみは椅子にふんぞりかえりながら頷いた。
思わず返事早、と言いかけたが、よくよく考えると、わざわざ中等部の人間が俺たちを頼ってここまで来てくれたんだ。断るわけにもいかない。
流石我らの部長だ。そこまで考えたのか疑問だが。
リエル「ありがとうございます!…えっと、明日実際に作ってもらえると有難いんですけど……試食係に食べてもらうよう言いますので」
鈴長「分かったよ」
あけみは早々承知。ってか承知するの早すぎるんじゃないか?考える素振りも見せないぞ。
でも、なぁ。俺は美菜を見た。美菜が料理が出来ないことを、あけみは知ってるんじゃないのか?
蓮人「美菜、大丈夫か……?」
高地「ん?……あ。これでも私蓮人君に食べてもらおうと思って練習してるんだよ?」
蓮人「そうなのか?」
美菜は胸を張りながら言った。
中学2年生の頃、美菜の作ったオムライスだかスライムだかを食べて病院送りにされた記憶がよみがえった。
何でか蒟蒻ゼリーの味がしたオムライスだったが、今回はそういう事故が起こらないようにして欲しい。
鈴長「じゃあ部長命令!明日までに各々新メニューを考えてくること!」
あけみがドヤ顏でそう言った。
☆
翌日の放課後。
リエル「え、えっと……今から学食部×混沌救済部さんによる試食会を始めます」
学食に集合し、合同試食会が行われることになった。
司会はリエルらしい。まだおどおどしながら、手元にある紙に目を移している。恐らく台本だろう。
リエル「えっと、試食会の説明ですが、3人の試食係の人が『採用札』を2人以上あげれば学食で明日から早速販売します。しかし、『不採用札』が2人以上なら残念ながらボツとなります」
リエルは淡々と告げた。中々凝ったものとなっていて、面白そうだ。
リエル「で、では試食係の紹介に移ります」
長机に座っている3人の試食係。何れも見覚えのある面々だった。
リエル「左から、食べ物大好き大食いな空飛ぶ巫女さん、博麗霊夢先輩」
霊夢「タダ飯と聞いて来てしまったわ」
ただご飯食べたいだけだろ。タッパー持って、完全に持ち帰る気満々じゃん。これって新メニューの発表をする場であって、腹を満たす場所ではないんだけど。
リエル「真ん中は太巻き大好き、飛鳥先輩」
飛鳥「よろしく〜」
誰に向かってかは分からないが、手を振っている飛鳥。太巻きのくだりは要らないだろ……
リエル「右は、ヤドカリ大好きの直江大和先輩」
大和「よろしくお願いします」
軽く頭を下げる大和。ヤドカリ大好きとか言う状態は要らない。どういう基準で選んだんだよ、この試食係。
俺の内心な疑問には気付くわけもなく、まだ紹介を続ける。
リエル「えっと、特別ゲストにツッコミだったら任せておけ、とのこと霧雨魔理沙先輩と、リアクションなら任せておけ、とのこと射命丸文先輩」
魔理沙「実のところ、霊夢が気になって来てしまったぜ」
文「このこと、新聞の記事にして大丈夫ですよね?」
リエルの両隣に座ってコメントする魔理沙と文。3人の元にはマイクが設置されている。
そしてこの試食会、ギャラリーも沢山いて、料理は食べられないが、試食会の模様を見ることが出来る。
俺たち調理係は、それぞれの調理器具と調味料だけはすでに机に並べられていて、材料は厨房から持ってくることが出来るようだ。
リエル「調理時間は30分です。では、お願いします!」
まるで料理対戦番組みたいな出だしで始まったこの試食会。俺はてっとり早く昨日ネットで調べた料理を作ることにした。
まず材料の確保だ。
リエル「真っ先に動いたのは蓮人先輩です。厨房から、玉ねぎとピーマン…?」
大和「それにピザ用チーズか。ってことは蓮人はピザを作るつもりなのか?」
普通のピザだったら結構時間がかかるのは百も承知だ。
10分だ。10分で完成させる。
俺が下準備をしている間にも、実況と化したリエルたちが解説していく。
飛鳥「翼が持っているのは、南瓜とパン、粉チーズだよね?」
魔理沙「何をつくるのかこの時点じゃ分からないな」
リエル「あけみ先輩は……バナナにイチゴ、板チョコにビスケット……」
文「スイーツ系ですか…確かにこの学校の学食にはデザートがあまりないから、良さそうな感じはします」
蓮の話では翼は料理上手らしく、毎食作ってくれているのだとか。あけみも料理は出来る。デザート系は得意分野と聞いた。
リエル「佐々歌先輩は豆腐……?」
飛鳥「間違いなく麻婆豆腐だね……」
大和「ま、まぁ……この学食麻婆豆腐ないから良いんじゃないか?」
リエル「蓮先輩は卵に豆乳、ブロッコリーですね」
文「豆乳が気になりますね……」
ふむ、ここまでは問題なさそうだ。蓮も音葉も、翼に作ってもらってはいるが料理は出来るらしいし。
………問題は、ここからだ。
リエル「で、ヴィントさんは……ボ、ボルシチに七味唐辛子に豆板醤……?」
魔理沙「生姜と山葵もあるな」
飛鳥「….なんだろ、この辛いシリーズは」
リエル「え、えと、美菜先輩は……バ、バニラエッセンス?」
大和「人参に水菜、梅干しにタバスコにトウモロコシ」
文「な、何を作るのかさっぱり分からないです」
材料を切りながら横目で実況者を見ると、額に汗をかいていた。
だが、俺は見逃さなかった。美菜の左手には、俺を地獄へ突き落とした蒟蒻ゼリーが握られていることに。
蓮人(どうか、試食係の皆様に、ご武運を…………)
儚い命を思いながら、神に祈ったのだった。
4
自分のだけは混沌にならないように丁寧に作り、そして調理終了の合図が出た。
リエル「終了です!いよいよ試食会へと移ろうと思いますが……本命となる人はいますか?」
大和「まともそうなのは蓮人と翼だな……」
飛鳥「あけみさんにかなでさんも良さそうだけど………」
魔理沙「あのいかにも辛そうなものと、もう何だか分からない混沌な料理が気になるぜ……」
魔理沙が何かを感じ取ったのか、2人の料理から背を向けていた。
リエル「では、そろそろ試食タイムと致しましょう!まずは蓮人先輩の作った『ポテトのチーズ焼き』から……って霊夢先輩!起きて下さい!」
霊夢「ふぇ………?もう朝……?」
蓮人「まだ4時だぞ……」
魔理沙「お前全然喋らないと思ってたら寝てたのかよ……」
目を擦りながらようかく目覚めた霊夢。
同時、試食係のいる机の上に俺の作った料理がおかれた。ピザもどきなので、3人分作るのが大変だった。
飛鳥「じゃあ、頂きます」
大和「………ん?美味いな。ピザとはまた違ったような味だ」
飛鳥「じゃがいもとチーズが見事に合ってて美味しい!」
霊夢「(採用!札をあげる)」
リエル「早っ!霊夢先輩、まだ1口しか食べてないじゃないですか?」
霊夢「本当に美味しい料理は、1口食べれば分かるのよ」
札をあげたまま右手でピザ風の料理を持って口へ放り投げるように食べた。うん、気に入ってもらって良かった。
魔理沙は霊夢の様子を見て呆れているようだ。
リエル「では、判決と行きましょう。採用か不採用札をあげて下さい!」
直江大和→採用!
飛鳥→採用!
博麗霊夢→採用!
リエル「ということで、蓮人先輩の完全勝利です!明日から学食で発売開始なのでぜひどうぞ!」
文「えっと、蓮人君の『千切りポテトのチーズ焼き』は採用、と……」
文はその結果を聞いてすぐさまポケットからメモ帳を取り出してメモを書いている。
リエル「ではでは、次は翼先輩のグラタンです!」
翼の料理が試食係のテーブルに置かれた。パッと見だが、普通のグラタンのようだ。しかし入っている材料が南瓜にパン、ブルーベリー。グラタンとはまた味が違ってきそうだな……
飛鳥「頂きます。…………ぅんん?甘い!これ、甘い!」
大和「甘いけどとろみがあって美味しいな……これ、何で味付けしてあるんだ?」
小林「塩と砂糖。それからカスタード液かな」
霊夢「でも私こういうの好きよ?うん、採用ね」
成る程、甘いグラタンというのは新感覚かもしれない。甘いのが嫌いな人にはオススメ出来ないが、俺は普通に注文するな。
リエル「では判決です!札をあげて下さい!」
直江大和→採用!
飛鳥→採用!
博麗霊夢→採用!
飛鳥「甘いけど、小さい人とか甘党の人にはオススメだよね!」
リエル「と、いうことで採用された『カスタードグラタン』は明日より発売となります!」
文「か、カスタードグラタン……ふむふむ」
翼は微笑みながらこちらに向かってピースした。流石は救済部のホープ……料理くらいは朝飯前か………!
リエル「では次、佐々歌先輩の麻婆豆腐」
直江大和→採用!
飛鳥→採用!
博麗霊夢→採用!
大和「こういうシンプルな料理もいいな。中華系とか」
飛鳥「あったらいいなって思ってたんだよね!」
霊夢「麻婆豆腐にしては、ちょっと辛いけど……」
リエル「次は蓮先輩の豆乳茶碗蒸しです!」
直江大和→採用!
飛鳥→採用!
博麗霊夢→採用!
大和「この豆乳がいいな。茶碗蒸しに豆乳が合うってことを知った」
音葉、蓮と連続で採用の横行。審査が対して厳しくないのか、いや、普通にどれも美味しいんだよな。
ここまで採用ラッシュで続いてきたが、ついに大穴が姿を現した。
リエル「では次はあけみ先輩の料理です!見た目はケーキですね」
あけみの料理がテーブルに置かれた時、ギャラリーが湧いた。見た目がかなりいいものに仕上がっていたからだ。
イチゴでデコレーションこそしてあるものの、ココアパウダーとビスケットが目立っていた。
大和「い、頂きます………ん、これ中にバナナが入ってるな」
飛鳥「コーヒー牛乳も入ってますね!」
鈴長「う、うん。そっちの方が簡単に出来るって書いてあったから……」
あけみは照れつつ笑った。霊夢は食べながら『採用!』の札をあげていた。
当然結果は満員一致の採用!、今のところは絶好調だった。
しかし………
リエル「次は美菜先ぱ…………ぅ。何ですかこれ……」
高地「私ほんま大阪生まれやねん。お好み焼きを作って見たですがどや?」
魔理沙「……おい霊夢。死ぬなよ。生きてけよ」
霊夢「(モグモグ)ん?」
霊夢は先程のあけみのケーキを食べながら首を傾けている。
美菜の料理は本人はお好み焼きと言っているが、じゃあ何でこんなドロドロしてるのか。原型が一切無いのが気になるところだ。
無理な関西属性を作った美菜にそれぞれ溜息をつきながら、そのお好み焼きモドキを食べた。
瞬間。
桜の木から花弁が落ちるのを見たことがあるだろうか。地面に落ちると、寂しく感じてしまうのは俺だけなのか。
そしてまさしくその光景を彷彿とさせるように、3人の口からアーチが掛かった---------------
大和「ちょっ、これ何を入れた!?口の中でバニラエッセンスとトウモロコシがサンバを踊ってるようだ!」
飛鳥「これは、カマボコとカレールーの永遠ループ………」
霊夢「梅干しと砂糖の謎のコラボレーション!?」
蓮人「何で全員から違う味がするんだよ!」
普通、味と言えば全部同じのはずだが、何故か3人の口から出てきた材料の感想は違った。
美菜の方をみると、あの巷で有名の「てへぺろ」の仕草をしていた。
高地「かき混ぜるの忘れちゃった☆」
小林「忘れちゃったって……そりゃ一箇所にも固まるよ」
蓮「ただでさえ沢山材料をいれてた訳だし、一箇所に固まったらその材料の味しかしないわよね……」
リエル「そ、それはそれでも面白いかもですね……では、札をあげて下さい!」
直江大和→面白い、という理由で採用!
飛鳥→意外にマッチした。採用!
霊夢→アメリカンルーレットみたいね、採用!
リエル「おっと、試食係の人は全員採用!。ということで明日から発売になります」
蓮人(す、すごいな……このままいけば全員採用か?)
俺はそう確信していた。しかし、残されたヴィントの料理が、地雷だった。
リエル「最後はヴィント先輩の料理です………ぅ」
リエルが突然目を掻き出した。気のせいか、俺も目が痒くなっていた。
この嗅覚を刺激される感じ。空気全体を喰らうその物体は、試食係のテーブルの上に置かれた。
刹那、試食係の人は何かに取り憑かれるようにシャウトした。
大和「うぁぁぁぁぁぁぁっ!!?痛い、目が痛いぃぃぃぃぃぃ!!」
飛鳥「こ、この料理見た瞬間、反応出来ない速度で目に唐辛子を放り投げ---------」
霊夢「あまりの痛さに言語がゲシュタルト崩壊しかけてるわね……」
間違いない、原因はヴィントが生み出したあの何だか分からない料理だ。
しかしこれだけでは分からない。味も見なければ判断の基準にはならないのだから。
エキセントリックな人でもいれば普通に食べれたのかもしれないが、残念ながらそんな希少スキルを持っている人などいない。
飛鳥「にゃああああああ!辛いいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃ!!」
大和「うぉぉぁぁぁぁぁ!?」
霊夢「み、水っ!!水がないと辛すぎて死ぬ!!」
見ただけで辛いのに、食べたら激辛なのは知っていたはずなんだけどな……これを、チャレンジャーというのか。
地獄絵図と化した学食。赤い靄がかかる中で、あけみが大きい声で聞いた。
鈴長「ちょっとヴィントさんっ!一体何を入れたらこんな辛味に!?」
ヴィント「え、えっと……タバスコと七味唐辛子、ハバネロ、生姜に山葵、ブート・ジョロキアとカプサイシンです……」
文「最後の2つ全く聞き覚えがないものですけど……」
小林「……その2つって世界最恐の調味料じゃなかったっけ……」
高地「料理に……直視出来ない……」
美菜でさえ、あの料理を牽制する。試食係のあの壊れかたを見ればどんなものなのかが痛いほど分かってくる。
そんな阿鼻叫喚な世界の中、ただ1人全く異常なしのヴィントが人差し指を合わせる。
ヴィント「……えと、こう見えて私超!辛党で………辛いメニューがなかったので作って見たんですけど……駄目でしたか?」
『『『駄目だ(だよ)(よ)!!死人が出る!』』』
目が痛い料理って何だよ………暫くこの地獄絵図は終わることはなかったという。
--------------------少年祈祷中---------------
リエル「コホッコホッ!!……えっと、大分落ち着いたところで、最終判決は下して頂きましょう」
ようやく平静を取り戻して判決に移る。こんな辛いメニューなど採用されたら死亡者がでる、と思っていたが、
結果は、意外なものとなった。
直江大和→1度この苦しみを味わってくれ。採用!
飛鳥→1度この苦しみを味わって下さい。採用!
博麗霊夢→1度この苦しみを味わいなさい。採用!
蓮人「怠慢で決めるなよ!!」
霊夢「辛味なかったらただの餅なんだけど………」
トッポッキの何十倍か辛い料理。まさかの採用となった。
翌日、文の出した新聞にも乗り、どの料理よりも大反響だったらしいが、どの料理よりも気絶者や後遺症が残った生徒が多かった。
結局それでも尚、人気は落ちていないのだとか。
<今回の出演キャラクターの皆様>
『オリジナルキャラクター』
西園寺蓮人 鈴長あけみ 高地美菜 ヴィント・ギルディギア=エスカフローネ
『とある記憶のマリアート』
小林翼 佐々歌音葉 霧島蓮
『東方project』
博麗霊夢 霧雨魔理沙 射命丸文
『クイズ!マジックアカデミー』
リエル
『真剣で私に恋しなさい!』
直江大和
『閃乱カグラ』
飛鳥
<フリートーク・振り返り・裏話>
鈴長『んぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!辛いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!』
蓮人「アイツ、何してるの?」
高地「ヴィントさんの料理がどれほど辛いのか知りたいから食べてるんだって。折角作ってもらったのに食べないわけにはいかないでしょ?」
蓮人「いやまぁそうだけどさ……額に滝のような汗をかいて、口から火が出そうな料理を無理して食べる必要はないんじゃないか?」
高地「そ、そうだよね……私も実は食べてないの」
蓮人「ってことは、今日は実質2人か?」
高地「いやいや、あけみの代わりに霊夢さんに来てもらったよ」
霊夢「アンタたち……いつもこんなことしてるの?」
蓮人「え?あ、まぁな。本編ではボケるところも、下ネタも一切言わないから、あんまり面白くないと思うんだよ」
高地「だからこのコーナーで本編のネタバレ、裏話をすると同時にフリートークをしてるってこと」
霊夢「まるで漫画のカバー裏ね」
蓮人「そうなんだよ。本編の特典みたいな」
高地「特典だったらもうちょっと豪華にしたいよね。こんな駄弁ってたところで『辛いぃぃぃぃぃぃ!』なの?」
蓮人「そういうな。特典っても作者イラスト苦手だし、頭も堅いから『んぎゃぁぁぁぁぁぁ!』な案が思い浮かばないよ」
霊夢「確かに、それだったら裏話の方を話して『焼けるぅぅぅぅ!』がいいわよね?」
蓮人「だな。無理に『溶けるぅぅぅぅぅぅ!』とか作る必要はない。単なるオマケコーナーで『むぉぉぉぉぉ!』ってしつこい!!あけみが叫ぶと聞こえないだろ!」
高地「さっきからこの世の終わりみたいな声あげてるね……」
鈴長「無理!黙って食べたら私多分ヤケシヌ!』
蓮人「じゃあやめといた方が……っておい!唇真っ赤じゃねぇか!そのまま食べ続けると髪の毛まで赤になるぞ!変色するぞ!」
鈴長「ソレハコマル!セッカクノミズイロノカミガ……」
霊夢「声まで変わって来てるわよ!?ソプラノの声だったのにバスの声に早変わりしてるわ!?」
蓮人「美菜!今すぐあけみを保健室に連れていけ!3分以内だ!」
高地「りょ、了解した!」
蓮人「……大丈夫かな、アイツ……」
霊夢「無事を祈るしかないわね」
蓮人「と、いうことで今回のフリートークコーナーはここで終了だな」
霊夢「次回は長編になりそう……かしら?では、また第6話で会いましょう」
蓮人「………………まとめるの、上手いな……」
<フリートークコーナー出演:西園寺蓮人、高地美菜、鈴長あけみ、博麗霊夢>