新・光神話ヒロアカの……え?   作:月日は花客

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3・入試②

 

「おおー! ロボ! ロボですよパルテナ様!」

《あれが仮想敵ですね、ピット、破壊しちゃいましょう!》

 

 街中に突然現れたロボ──仮想敵にピットは迷いなく撃剣による射撃を見舞った。

 横に飛んでのダッシュ射撃により、仮想敵は一瞬でその機能を停止させる。

 これでポイントを獲得できたようだ。

 

《神器の扱いに問題は無いようですね》

「奇跡も手軽に使えたら、もっと楽なんですけどね〜」

《飛翔の奇跡は負担が大きいですし、他の奇跡も、人前であまり使うわけにはいきませんから》

 

 奇跡は、便利な機能が多々揃っているものの、あくまでも冥府軍等の外敵用に整えられている。

 攻撃系の奇跡は、人間といった普通の生物には威力が強すぎて危険なのだ。神器の方がまだその方面の調整が利くので、この試験では神器中心に戦っていくことになる。

 また、奇跡はピットではなくパルテナが発動する力。いくらこの世界の神に許可を得ているとはいえ、頻繁に連発するのはよろしくないそうだ。

 神の力というのは人間にとって強すぎる薬で、ピットが理解したのは用法容量は大切と言うことである。

 

「うわっ!?」

「あ、ゴメーン☆」

 

 バシュ、と紙一重で避けた何かが、足元のコンクリートを焦がした。

 どうやら流れ弾が飛んできたらしく、ピンクの姿をした女子が軽く星を飛ばして走り去っていく。

 

《混戦状態ですからね、他の受験者の攻撃にも気をつけなければいけません》

「個性ってスゴイですね……他の人もどんどん敵を倒してますよ」

《合格するためにも、積極的に動いていきましょう。この世界の人間の耐久性なら、神器の攻撃にもある程度耐えられます》

「人を撃つのって、ちょっと遠慮しちゃうなぁ」

《殺すわけじゃないですから》

 

 人間を守護する女神であるパルテナの使いとしては、人を積極的に撃つのは悪い気がする。が、周囲でどんどん倒されていくロボを見て、ピットはあまりのんびりしていられないと再度撃剣を構えた。

 市街地が再現された会場はあちこちで煙や破壊音が昇っており、既に相当数のロボが倒されているだろう。

 別会場で戦っているブラピに負けないためにも、孤立したロボだけでなく他の受験者が戦うロボもお構い無しに撃つ。

 飛べない天使とはいえ、ピットは女神パルテナの親衛隊長を務め、過去には神々や外の英雄とも戦いを繰り広げた強者である。

 他の受験者より実戦経験が桁違いであり、その密度もまた比べ物にならない。

 平和になった後も天使の降臨やイカロスとの訓練で鈍らず研鑽を積んでいる以上、この程度朝飯前なのだ。

 

「おっと、危ない!」

「わわっ、ありがとうございます!」

 

 とはいえ、この戦いはあくまでも試験。神々の戦争の様に、世界の命運を決めるものでも無い。

 倒れたビルの瓦礫に埋もれていた受験者など、過酷なポイント争いで怪我をした者を助けつつロボを倒していく。

 ポイント稼ぎは順調で、数えてはいないがかなりの数のロボを倒している。撃剣の射撃数回で倒れるロボは、冥府軍より数段脆い。

 ジワジワと接敵数も減り、試験終了が近いのを感じる。

 

「楽勝楽勝! このくらい余裕だぁ!」

《あら、ピット? あまり油断してはいけませんよ》

「試験も終わりか……っ!? えぇー!?」

《所謂、ボスと言うやつですね》

 

 試験も終了間近……と言うところで、市街地を覆い尽くすほどの巨大なロボが姿を現す。

 その巨体は流石のピットも驚愕する程のデカさで、地上戦ではなかなか見かけないレベルの規模だ。

 こんな巨大なロボを、高校の入試に使うなんて贅沢過ぎる! とピットは反射的に視界を遮るその金属に射撃する。

 しかし、光沢のある機体に多少傷がついたくらいで、その動きはビクともしない。そもそもロボの外見は0ポイントであり、これを倒してもポイントは得られない。

 

《倒しても無駄な、巨大目標というのは厄介ですね》

「きょ、巨大過ぎてちょっと動くだけでも地響きがすごいですよ!」

《さぁどうします? ピット》

「ぱ、パルテナゴージャスダイナマイトキャノンとか……」

《無理ですね》

「あ、ハイ」

 

 ピットは、巨大ロボへの攻撃は一先ず止め、周囲を見回す。

 あの規模の敵には他の受験者も驚いているようで、大半の者が逃げ出していた。

 中には、腰が抜けたのか地面にへたり込んでいたり、出現の際の振動によって瓦礫に脚をとられてしまった者もいる。

 怪我でそれどころではない者も見えた。

 

「と、取り敢えず危なそうな人を助けます!」

《貴方らしいですね。まだポイントを持つロボも残っています、気をつけて》

「はい!」

 

 ポイント持ちのロボも、もはやそれより逃げることを優先している人が多いからかチラホラと棒立ちになっている。

 それを撃ちつつ、ピットは退避が難しそうな受験者の救助に回った。

 

 *

 

 時は遡り、別会場。

 ブラックピットは、スタートの宣言と同時に市街地へ走り出した。

 誰よりも早く駆け出したブラピに、周りの者もハッとして走り出す。

 

「フン、遅いな」

《標的はかなりの数が街に潜んでおるようじゃのう。混戦間違い無しじゃ》

「この程度の硬さなら簡単に突破できる。オレの敵じゃない」

 

 ブラピの武器は神弓シルバーリップ。愛用のそれを近接用に変型させ、早速目標の一体を撃破する。大きく駆動部を斬られたロボは停止して崩れ落ちた。

 後方を追ってくる他の受験者を鼻で笑いつつ、建物の影や壁を破壊して現れるロボを次々と破壊していく。その速度は、出遅れたライバルたちより数段早い。

 所詮この程度か、とブラピは囲んできたロボの一体に蹴りを喰らわせ、片手のシルバーリップをクルリと回す。

 

《それにしても、この量の金属にプラスチックとは。毎年ある試験だろうにエコじゃないのう》

「敵としても大して歯応えは無いな」

《これなら自然軍の幹部試験の方が余程難しいじゃろうし、お主なら余裕じゃろ》

「言っておくが、手出しは無用だからな」

 

 自然軍の幹部試験は、拾われた身だがブラピも受けた。ナチュレは神らしくふざけた部分はあるが、基本真面目な女神だ。実力は十分に知っているブラピにも、幹部になるからにはと例外なく試験を行ったのである。

 そもそも冥府軍に孤軍で対抗し、各陣営の幹部とも戦ったブラピには苦戦しない試験だった。

 いや、筆記は正直頭を悩ませたが、問題なく合格した。

 ので、ブラピはこうして試されることにも慣れている。元々ひとりで生きていこうとしていた分、オリジナルのピットよりもしっかりした部分があった。

 ナチュレも、幹部試験での様子を知っているので大して心配していないのだろう。

 

「逃すか!」

 

 神弓による曲射で、すばしっこい標的も難なく捉える。

 市街地の最前を走り抜けるブラピは、すぐに会場の端まで到達し、最奥のロボも射抜いた。

 そこで漸く振り返れば、後方では他の受験者たちがあちこちでロボを倒し始めている。

 既に自分が通ってきた道でわちゃわちゃと標的を奪い合う受験者たちを、ブラピは退屈そうに観察する。

 そして、弓の形態に戻した神器によって、そのうちの一体を射撃する。

 

「あぁっ! 俺のポイント!?」

「鈍い方が悪い」

 

 硬化したらしい腕でロボを殴ろうとしていた男子のショックを受けた声が上がったが、ブラピは意に介さず続けて他の受験者が狙っていたロボを撃ち倒していく。

 ブラピも、また神々の戦いや自然軍での鍛錬によって実戦を多く積んでいる。

 索敵や弓のエイム力は自然軍の中でもかなりの上位であり、攻撃力はピットに勝るとも劣らない。

 

《相変わらず攻めっ気が強いのう》

「これがオレのスタイルだ」

《流石、大乱闘でもピットよりダメージ量が高いわけじゃ》

「あっちの闘いは今関係ないだろ……」

 

 見物として手持ち無沙汰らしいナチュレの呑気な言葉に、ブラピは微妙な顔をしつつ反応する。

 雑談をしながらの戦いは、神と関わりながら過ごす以上嫌でも慣れる。ブラピの月桂冠は性能もきちんとオリジナルをコピーしており、ぬるっと話しかけてくる神の声をしっかり拾ってしまうのだ。

 次々と競争相手の獲物を横取りしていくブラピは、あちこちから上がる怒りの声を無視して矢を射る。横取りされる前に倒せない相手が悪いのだ。

 

《あーあー、楽々こなしおって。山場がないのう》

「人間の試験もたかが知れるな」

《まぁ、コレはわらわの軍も楽しめると思うがの》

「は? って、あれは……!」

 

 そうして現れた0ポイントロボ。

 巨大な金属の塊は、流石のブラピも目を見開いた。大きく会場に影をつくるそれは、下手な冥府軍よりも圧がある。

 他の受験者も、その強大さに悲鳴をあげるものすらいた。

 

《ほれほれ、やっと骨のある奴が来よったぞ》

「……たかが試験にコスト掛け過ぎだろう」

《排気量も桁違いじゃ。自然に良くない試験で腹が立つわ》

 

 破壊してもポイントは0。ここまで美味しく無い敵も珍しい。

 ハートでも出てくれば神器を買う足しにでもなるのに、とブラピはシルバーリップを構え直した。

 

「──ッチ」

「わ、あ、ありがとうございます!」

「礼はいい。さっさと退け」

 

 ブラピは、超大型ロボの地響きによってビルから転落した受験者を受け止める。

 ブラピとて自由を愛するが天使。目の前で落ちていく人間を見捨てる事はできない。しかし、別に仲良しこよしで助けた訳ではない。

 さっさと地面に降ろした受験者に短く言い捨てると、視線を0ポイントロボに向ける。

 試験は終わりが近い。あの規模の敵は流石の神器でも相当数の射撃を与えないと倒れないだろう。

 ブラピは数瞬思考を巡らせ、シルバーリップに矢をつがえた。

 

「おいナチュレ、あの目標の弱点を教えろ」

《ほう、それで倒す気か》

「利害一致だ。考えた奴の思惑通りに、アレ相手に逃げて試験を終えるのは気にくわない」

《良いじゃろう。環境破壊は根本から断つのが一番じゃ。装甲が一番脆いのは中央の赤いコアと見せかけて左の接合部。その弓なら当たれば十発以内で倒せるじゃろ》

「上等」

 

 ブラピはニヤリと笑う。

 ナチュレの予想通り、あの巨大ロボはシルバーリップの6発目の射撃によって沈黙することになるを








エアライドがリメイクしたんだから、パルテナもリメイク来て良いと思うの。
3DSの公式修理が終了したせいでうちのLボタンぶっ壊れ3DSでパルテナができなくなりました(血涙)
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