—彼は狂ってしまっている。
外に出たレミリアはまず最初にそう思った。どんな経験をしたらあんな風になってしまうのか、正直想像もつかない。今まであの様な人間には会った事がない。そして、自身の能力で見通せない理由も少しわかった気がした。彼は普通の人間と比べて何か特別な物を持っているのはわかっていたが、それは「運に関係することではないか」ということ。彼は自身が幸運だとそう言っていたが、客観的に見たら彼の人生は不幸な物でしかない。彼は以前「それに、大丈夫この後幸運が来るはずだから」と言っていた。つまりこれは憶測でしかないが、彼の言う幸運とは
ことわざの「禍福は糾える縄の如し」の様な物なのではないか?不幸と幸運が交互に来てその結果両親を失ったり、殺し合いに巻き込まれたりしても自身が幸運だと言う自信に繋がっているのではないか?と言う考えがレミリアの中で浮かぶ。いや、彼女の中では彼女自身でもわからない謎の確信があった。そうだとするのであれば、あの狂い様にも説明つく。彼はその幸運で色々な物を奪われて、そして得てきたのだろう。そして、その奪われてきたものの中にとても大事なものを取られたのだろう。おそらく家族だけでなく友人も....その結果希望を過剰に信じる狂人となってしまったのだろう。
.....だが、レミリアは狛枝凪斗という人間は本質は心優しい人間だと感じていた。出会ってまだ数日も経っていないが、狛枝の発言や行動にそれが現れている。物事を頼む時にはちゃんと誠意を持って頼んでいるし、お礼をする時は毎回何か手伝えることがあるなら手伝うと言っていると小悪魔や妖精メイド、そして咲夜から聞いていた。そしてレミリアが八雲紫に狛枝を渡さないと言った時に狛枝は、まだ結んで数日も経っていない主従関係を尊重してレミリアに味方してくれた。情報を得るなら八雲紫についていった方がいいにも関わらず、だ。そういったところを知ったレミリアは、彼を救いたいと考えていた。
レミリア(我ながらちょろいとは思うけどね。でも、凪斗はおそらく孤独な人生を送ってきたのでしょう。私にはフランがいて、パチュリーと小悪魔がいて、そして咲夜と美鈴がいた。でも凪斗には誰もいなかった。そしてあそこまで狂ってしまった。....でも、まだ間に合うはず。彼が何か自身の意思で取り返しのつかない事をする前に、彼を救いたい。その為には、凪斗の心の孤独をどうにかするしかない。そんな事私に出来るのか......いや、してみせるのよ。なんてったって私は凪斗の主人なんだから。)
とレミリアは内心決心するのであった.....
ちょっとレミリアさんが優しすぎるかな......?