オーバーロードに野生のラスボスが現れたの竜王RPするプレイヤーが居る作品 作:野生の生蛇
「なんだぁこりゃぁ?!」
洞窟の中。ガガーランの声が反響する。
その声に一同全員。アルベドでさえも同意したくなった。
一同が降りた先は──国だ。滅びた国が。そこにはあった。
「……こんなところに国があったというのか?」
地上に降り。イビルアイがポツリと呟く。
「……家の作りが小さいし。ドアも小さい……これはドワーフの国?」
「にしては小さすぎる気もするが……」
滅びた国。トブの大森林の地下洞窟に広がるは国──あるいは都市の跡地。
森の木々や洞窟の石を使い作られた大都市だ。家々には彫刻もなされ高度な文明を持っていたとわかる。
松明や道路。区画整備の為の道具などが放置されている。
道の整備具合などを見ればある意味では王国を上回っているとさえ言っていい国の跡地。そこに一同はたどり着いたのだ。
「見たことの無い文字……イビルアイ。わかる?」
「……この文字……ちょっとまて。記憶に引っかかった」
そこに。看板を見つけたラキュースがイビルアイに問いかける。
──アインズ達は知らないがイビルアイはかつての英雄の生き証人。伝説の存在。ならば何か知っているのではないかとラキュースは期待する。
「……思い出した。これは。ゴブリンの言葉だ」
「ゴブリン?」
ゴブリン。最弱のモンスター。
この異世界においてはそう認識されている存在だ。オーガやトロール等と行動を共にするーというよりは被支配者として扱われる存在。
街道に現れては商人を襲い喰らう小さな怪物たち。余談になるが別に女性を性的に襲いはしない。襲いはするが普通に食う。食料的に。
ただしそれは。一般的な認識でしかない。
イビルアイは知っている。かつて存在した十三英雄の一人はゴブリンだったことを。友から聞いたゴブリンの上位種を。英雄とたたえられた彼らを。
カイジャリ。シューリンガン。ロニスという人の間ではあまり知られていない者たちを。
無論イビルアイの活動していた時代──200年前には既に亡くなっていた。だが記録は知っている彼ら。
その言葉と、非常に酷似している。
「ていうことは。ここはゴブリンの国?」
「……この規模のゴブリンの国があったとなると。ぞっとしますね」
この広大な──トブの大森林全て入るのではないかという広大さに全員が引き攣る。
「……向こうの方から。何か音がする」
「音?」
「……何か。動くような……いや、これは──」
鼓動の音?
最後にそう付け加えたティアの声に返すことは出来なかった。
「──モモンガ様!」
即座に。アルベドが前に出る。
ウォールズ・オブ・ジェリコ。イージス。ヘイト系のスキル。イグニス──その他の防御系のスキルを併用し向かってくるモノを防ぐ。
「なっ──触手?!」
うにょうにょと奇怪に蠢く触手。それが襲ってきた正体だ。
木の根っこの様にも見える。炎のような色合いをする触手──それが襲ってきた。
「──」
そしてアルベドが。
無論受けたのは微量なダメージだ。だがアルベドにダメージを通すとなればそれは相手が同格ーー100レベル級。どれだけ低く見積もっても80レベル相応ということを示す。
「パリィ!」
スキルと共に。アルベドは触手の波を横に反らす。
反らされた触手は家々を破壊し。消えぬ傷跡を残す。
轟音に耳の強いティナとティアが思わず抑えそうになるがその暇も無く事態は動く。
がたがたと地面が揺れ出した。立っていられなくなるほどに
地震大国出身であるモモンガですら。感じたことの無い揺れ。超位魔法でも使われたかと錯覚する揺れにこれはまずいと警鐘が鳴る。
「ちっ! 転移するぞ!」
がたがたと洞窟の天井が揺れ。瓦礫が降り注ぎ家々が倒壊し始める中。モモンガは転移魔法を発動させるとアルベドに叫ぶ。
「そちらも! 死にたくないなら来てください!」
モモンガの声にどうにか反応し青の薔薇はモモンガに駆け寄る。
そうして全員が集まったのを把握したモモンガは転移魔法を発動させ。地下から抜け出した。
■
そのままでは落下死する青の薔薇の為モモンガは
また。地面に視線をずらせば揺れる地面が映る。一体何が起こっているのか。
轟音と共に、その答えが上って来る。
巨大な体。空に浮かぶモモンガでさえも見上げねばならぬ巨体。
ナザリックの戦略級攻城用ゴーレムであるガルガンチュアでさえ。足りぬ。並べれば大人と子供程の差があるだろう。
──遥かな昔。罪深き八人の王と共にやって来た異界の植物。
ユグドラシルでも、この異世界でも。はたまた地球でもない別世界から飛来せし怪物。
名をザイトルクワエ。