???視点
「さて、幕は開かれたか…」
暗い夜の闇に紛れ、深紅の月を背景に私は佇む。
ここ海鳴の町に張り巡らされた結界、ベルカ式の結界を舐め回す様にじっくり、じっとりと眺める。
なるほど、と、私は呟きその中を、目を凝らし、初めての玩具を貰ったこどもの様に覗きこむ。
「なるほど…ここまでは元の脚本通り、さて…他の役者の皆様は、どの様にどの様な役を演じてくれますでしょうか…いやはや、とてもとても興味深い…」
白き悪魔、高町なのは…その嫁と言われている黒い死神、フェイト・テスタロッサ…いや、今はハラオンだったかな?
まあどうでも良いか、今重要なのは…この脚本に新たに一筆書き加えようとしている者が他にもいることだ。
「大根でなければ良いのだが…キヒヒヒヒヒッ…キヒッ?おや、お早いですね、もう来ましたか」
もう一度舞台(結界)に目を向ける。
そこには、この脚本にはあるわけのない一つの俳優の姿が。
「さて、貴女の演技力…見極めさせて貰いましょうか…さあ、オーディションの開幕といこうか!」
???視点修了
「フェイト、なのは!大丈夫!?」
現地に直ぐ様飛んだ私が先ず目にしたのは、ボロボロのなのはと、その傷を直すための治療結界を張ろうとしているユーノだった。
「嵐さん、ごめんなさい…私」
「無理に喋らなくて良いよ、ユーノ状況を教えてくれないかな?」
「う、うん!僕も来たばかりだから曖昧だけど、なのはが結界を張られたのを感知して調査に向かった、でもそこに正体不明の魔導師が居て…」
「それにやられたの…解ったわ!ユーノ、よく聞いて、私はいつも前に出てるから勘違いされがちだけど、私は狙撃特化の魔導師なんだ。ユーノ、その魔導師を私が撃てる位置までフェイトと一緒に誘導してくれないかな」
私はユーノにゆっくり解りやすく、それでいて早口で伝えた。
意図が伝わってくれたのか、ユーノは軽く首を縦に振った。
「解ったよ嵐さん!タイミングは任せたよ」
そういってユーノは夜空へと飛翔した。
「さてと、なのは?君はここでじっとしていて。飛び出したい気持ちは解るけど、今は堪えて。ここで君が大ケガをしてしまったら、私達は何のためにここに君を救助しに来たのか分からなくなっちゃうからね」
「あ、はい…」
「うん、良い娘だよ…さて」
そうなのはに告げると、私は絶好のスナイピングポイントを探しに空へ駆けた。
「(恐らく、まだシグナムは来ていない。となると後に来るシグナムのことも想定して…この位置か!)」
私は原作だと完全に背景とかしていた、大きなビルの屋上にに陣取った。
ここからならば、なのはがリンカーコアをはずされそうになってもカバーできるはずだし、何よりこの位置なら結界をぶち抜くこともできるはず!
まあそれしたいけど、今した瞬間位置がバレるから出来ないのだけど…
「〈嵐さん、この位置はどうですか!〉」
ユーノからの念話だ。
スコープを覗き、位置を見る。
駄目だ…
「〈だめ、その位置はビルの壁に当たって威力が減衰する、もう少し右に〉」
念話で意思を伝える。
流石ユーノ、もう調整をした。
あとはタイミングに合わせて私がトリガーを引くだけ…
(頼むからシグナムはこのタイミングで来ないで…)
そんなことを願いながら、しっかりと狙いを定め………
「ここ!!」
引き金を引く!!
放たれた魔砲弾は見事にヘットショットコース!
しかし…現実は非常である。
「シグナムぅ…!!」
いつのまにか、流星の如く表れた彼女は、飛ばした魔砲弾を両断して、ヴィータに当たらないように弾丸の破片を左右に飛ばした。
恐らくそんなとんでも無いことやった気は本人には無いのだろうが…
「〈ちぃ…ユーノ、そこはフェイトに任せて撤退!もう一つ反応ができたからそっちに!〉」
念話で伝え、アルフの援護に向かわせる。
さて、あとはなのはのカバーだけど…間に合わない。
振り向いた時にはなのはの体を、謎の手が貫いていた。
そしてその手には光輝く握り拳大の物体が!
「〈まず!みんな、結界をぶっ壊すよ、衝撃に耐えて!〉白羅!だあぁぁぁぁ!!」
空間をねじ曲げ、結界を強引に割る!
そして全員に。
「〈結界は割った!撤退だ、私達の目的はなのはの救護だから戦う必要はもうない!〉」と伝えたあと、私は面倒なこと(おもに管理局の質問等)になる前に、DOJOへと姿を消した。
???視点
ほう、やるではないか。
彼女は大根やハムでは無さそうだ。
これは他の役者達も期待できるな…
さて、私もそろそろ去りますか、これ以上の閲覧は、作品保護団体(管理局)に怒られてしまう。
さて、今後も楽しませてもらうか…これからあと1ヵ月の間はな…
キヒッ、キヒヒヒヒヒッ!!