推しの子を目指して   作:滑空ペンギン

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第15話 学生街で制服デート

 

昨夜ツクヨミから驚愕の真実を聞かされたが結局やることは変わらないと思いなおし、今日は日曜日授業は無しそして午後からはアイとデート新しく増えたクラスのレベル上げも急がないと何かがあってからでは遅いからレベルは正義、起きる気配のない女性陣を置いて食堂に向かう。

 

女子寮で食べる朝食も段々違和感が無くなってきたなと思いながらお盆を持ち席へ着く。

 

塩鮭をかじりながら白米を掻き込んでいるとアンナ先輩に声をかけられる。

 

「あっれ~珍しいね一人なんて、アイちゃん達はどおしたの?」

 

アンナ先輩はここ雲雀荘(ひばりそう)の寮長をしている2年の先輩だ、クラスは盗賊(シーフ)系の二次職(セカンド)らしい。盗賊(シーフ)系と納得できる、すらりと伸びた手足と引き締まったスレンダーな体型が印象的な女性だった。顎のラインで綺麗に切り揃えられたショートボブの女性だ。

 

「まだ寝てるんです。皆起こしてもおきなくて」

 

ヒカルがそう答えると、アンナ先輩は「なるほどね」と納得したように頷いて、向かいの席に腰を下ろした。

 

「日曜日だもんね。私も今日はゆっくりするつもりだったのに、習慣で早く起きちゃった」

 

そう言いながら、先輩は自分の朝食を並べ始めた。

 

「先輩は休日でも早起きなんですね」

 

「寮長の性なのかしら。でも今日は特に予定もないし、のんびりできそう」

 

しばらくは他愛もない話が続いた。休日の過ごし方や、街への買い物の話。アンナ先輩は話し上手で、ヒカルの緊張もいつの間にかほぐれていた。

そんな時、先輩がクスクスと笑い声を立てた。

 

「それにしても、昨夜は随分と賑やかだったわね。まだ入学して一月もたっていないのに5人も連れ込んじゃって?」

 

「うっ」

 

(流石にやり過ぎたかな、寮生じゃない先輩や由良と楓も連れ込んでたからな)

 

「お盛んなのは良いけど、あんまりクラスアップ前にSEXに夢中になると罠クラスになっちゃうわよ、SSレアは大変よ?」

 

「すいませんうるさかったですかね……でもクラスは戦士(ファイター)系に成れましたので大丈夫だと思います」

(少しは将来性のアピールもしてないと下手したら出禁に何てされたら不味いから、クラス位は大丈夫だよね)

 

「え?...」

 

ヒカルが放った想定外の言葉にアンナ先輩の手が止まった。フォークに刺さったベーコンが宙に浮いたまま固まっている。そして前のめりになり小声で話してきた

 

「まって、まだ一年生はダンジョンが解放されてまだ一週間よ?それなのに戦士(ファイター)系にクラスアップしてるの?」

 

「は、はい……あっ何か自分に手伝えることが有れば、言ってくれれば自分にできることならお手伝いしますので言ってくださいね。だから、その他の寮の生徒を連れて来てるのはお目こぼししていただくと嬉しいのですが」

 

「いやそれは良いんだけど、はっ~この時期にクラスアップか、それなら仕方ないかそんな男子が居たらほっとくわけないもんね」

 

アンナ先輩は机を回り込んできて隣の席に座り耳もとでささやく。

 

「ヒカルくんどんな事が頼めるかの参考にしたいからこっそりクラス名を教えてよ」

 

耳に当たる息がくすぐったいが正直に聖騎士だと伝えるのは流石に不味いので一個前の騎士(ナイト)であることを小声で伝える。

 

「まじ!え?……ホントに、うっわ~マジか、まさかスキップ組だとは、ならなおさらほっとかれないわね。むしろヒカルくん良い子過ぎない?いい他の男子みたいになっちゃだめだよ、いつまでも今の君でいてね」

 

そういうと先輩は正面に戻り食事を再開する

 

「それじゃよく一緒にいる、おっきい男の子もクラスアップしてるの?」

 

「あぁ忠一の事ですか」

 

忠一の事について聞かれるが、人のクラスを勝手に教えるのはなと悩んでいると丁度トレーを持った忠一が席を探していたので呼ぶ。

 

「忠一いまアンナ先輩に僕らのクラスについて聞かれていたんだがどうする?」

 

「おはようございますアンナ先輩、ヒカルはどこまで言ったんだ?」

 

忠一にアンナ先輩には騎士(ナイト)になったというところまで伝えた

 

「アンナ先輩自分のクラスは闘士(ウォーリア)です」

 

「うわ~まさかのスキップ組が二人も……」

 

「アンナ先輩これからも自分やヒカルの雲雀荘(ひばりそう)への出入りを許可していただけると助かるのですが」

 

「もっちろん、強くて行儀のよい男子なら大歓迎だよ。ヒカルくんもよかったら新しい女の子たちも此処に引っ越してきちゃえば良いじゃない」

 

「えっ、大丈夫なんですか?空き部屋の数とか色々と」

 

「大丈夫、大丈夫ウチの寮めっちゃ定員割れ起こしてるから、新入生で大分埋まったけどまだまだ空室は沢山あるから」

 

「そんなに空きが有るんですか?一体何で」

 

その言葉にアンナ先輩は少しばつが悪そうな表情で続けた。

 

「いや~言いにくいけど、実はうちの寮、去年まで性悪クラブの遊び場に成ってたんだよね、だから金銭的に逃げ出せる女子は皆別の寮に行っちゃてて、ウチの寮ってさ寮費の安さは学園でも有数だから」

 

(おっと?ここに来て何だか聞き逃せない情報が出て来たぞ)

 

「その性悪クラブとは?どれ位の強さ何ですか」

 

「ダンジョン勢を自称してやってる事はそこら辺のエンジョイクラブと変わんないんだけど部長が戦士系の三次職(サード)襲闘士(ストライカー)でね、人数は15人位で戦闘系はその内の10人位で皆二次職(セカンド)には成ってる。最近は姿を見せないから飽きたんじゃないかな」

 

「解りました、できるだけの事はします」

 

そう答えるとアンナ先輩は諦めたような笑顔をみせ「期待してる」るとあまり期待されていないような返事をして朝食を食べ終え去って行った。

 

「忠一今の話……」

 

「事実だろう、ワシが集めた情報でも同じような話が幾つもある。そして件のクラブは現在はダンジョンでPKをしながら気に入った女子を男子寮に何人も監禁しているようだから、飽きれば何時帰って来るかわからんな」

 

「いったいお前さんどこでそんな情報仕入れてるの?ちょっと怖いんだけど。……それから忠一もそろそろ闘士(ウォーリア)がカンストするけど盾士(シールダー)武者(ムシャ)はどうする?」

 

闘士(ウォーリア)の具体的なレベルは?」

 

闘士(ウォーリア)は現在28Lvだ」

 

「それなら今日の午前中でカンストするな……両方付けられるか?」

 

「ポイントも問題ない、両方とも大丈夫だ付けられる」

 

「それなら両方頼む」

 

「了解……できたよ、それで今日の午前中はどうする?一緒に階層守護者(フロアガーディアン)にでも挑戦する?」

 

「いや二人で挑むのはリスクが高すぎる三階層で別々に行動するのが良いと思う」

 

「了解」

 

そうして朝食後一緒にダイブして中で別れて別々にレベリングを開始した。

 

 

レベリングで真言術士(スペルウィザード)を使っていて思ったのだがこのクラス滅茶苦茶面白い。

神様や精霊の力を借りてたり言葉に力を込めれるって説明を図書館のスキル関連の本で書かれていたが、実際に使ってみると色々と大雑把すぎる。本に載っていた通り不動明王や薬師如来の真言等の効果が決まっているモノの他にも、動くなとか重くなれといった言葉に力を込めて相手に命令するような使い方は向いているみたいで力を借りると言えばと思い出して冗談で「黄昏よりも昏きもの血の流れより紅きもの」と詠唱をはじめたら恐ろしい勢いでSPが減り始めて慌てて中断したりして、不動明王の真言を使って炎を出すことは得意でも、ゲームっぽい魔法火を出したり氷を出したりといった事は苦手なようで一次職の術士(マギ)の時と大して変わらないみたいだった。

そんな風に検証しながらレベリングをしていると、直ぐに午前中の閉門時間が来てしまった。

 

 

 

今回のデートは雲雀荘(ひばりそう)の玄関前で待ち合わせをすることになっていて。

ヒカルは約束の時間の少し前に到着し、多少緊張しながらアイを待っていた。

ヒカルはアイと二人きりのつもりだったのだが、アイが現れた時には冬子も一緒だった。

 

「やっほ~、ヒカル!」

 

アイが弾むような声で挨拶をする。普段の制服姿だが、薄く化粧をしているのか、いつもより一層綺麗に見えた。頬にほんのりとした紅が差し、瞳も普段より輝いて見える。

その隣で冬子が少し困ったような表情を浮かべていた。

 

「アイに無理やり連れ出されちゃって...せっかく今日はデビオクに張り付いていようと思ったのに」

 

 

どうやらアイに一緒に行こうと駄々をこねられた様だそして冬子も同じく制服姿だったが、やはり薄化粧をしているようで、普段のクールな美しさに加えて、どこか柔らかな印象を与えていた。

 

「でも、せっかくだから楽しみましょうか」

 

冬子がそう言うと、アイが嬉しそうに手を叩いた。

まずは昼食をと学生街のカフェへ三人は向かった。アイは初めてのお出かけといった様子でウキウキしながら歩いている。

相変わらず学生街は現代の街並みの中に武器屋や防具屋が混じる違和感のある通りだがその品ぞろえも女性を意識した物も多少は有りアイは三人で並んで歩くだけでも楽しいのかそれらを見ては目を輝かせていた。

一方の冬子は、休日に連れ出されたOLのような雰囲気を醸し出しながらも、アイの無邪気な反応を見て微笑んでいる。時折、ヒカルの方を見て「大変ね」と言いたげな表情を見せるが、その目は楽しそうだった。

 

「あのカフェなんかいいんじゃない?」

 

冬子が指差したのは、レンガ造りの外観が印象的な小さなカフェだった。大きな窓からは温かな光が差し込み、店内では他の女生徒が数組楽しそうに過ごしている様子が見える。

 

カフェの中は想像以上に居心地が良かった。シックな雰囲気の木のテーブルと椅子が配置され、壁には本や雑誌が並んでいる。三人は丁度空いていた窓際の席に座った。

 

「何にしようかな〜」

 

アイはメニューを見ながら迷っている。パスタやサンドイッチ、サラダなど、どれも美味しそうに見えた。

 

「私はこのキッシュセットにするわ」

 

冬子が落ち着いた様子で注文を決める。ヒカルはオムライス、アイは迷いに迷った末にカルボナーラを選んだ。

注文が終わると直ぐに冬子はDSを開き、画面を見始める。

 

「おいおいここでDSかよ」

 

「うるさいわね、小まめに確認しとかないと掘り出し物の仲魔やアイテムが出品されるのよこの前なんて気が付いたら物理無効の猫又のオークションが終わってたのよ」

 

そんな事を言っていたと思いきや急に真剣な目つきになりポチポチと操作を続けしばらくののち。

 

「おっしゃ~!ざま~見やがれDr・スリル今回は勝ったぞ!うっし」

 

突然女の子が言っちゃダメなセリフを言いながらガッツポーズを決める冬子アイはすでに運ばれてきたカルボナーラをフォークにクルクル巻いている。

アイが一口食べて満足そうな表情を見せる。冬子も一通り落ち着いた様でやっとキッシュに手を付けそれをを味わいながら「ここのキッシュ、本格的ね」と呟いた。

 

「いったい何が合ったんだ?」

 

「ふっふっふ良くぞ聞いてくれました実は今ドリー・カドモンをデビオクで競り落とした、そうだ今見せてあげるわ」

 

そういうと冬子はDSを開こうとするが慌てて止める。

 

「アホ、あんな物を食事中に出そうとするな、たしか結構気持ち悪い造形してたろ」

 

「まあ確かにそうね」

 

「ドリー・カドモンって事は造魔を作るのか?というか合体できるのか?」

 

「できるわよ邪教の館DSの中にあるもの」

 

「ということはピクシーかカハクどちらかを合体させるのか?」

 

「はぁー!そんな事するわけないでしょ合体はモンスターカードでも出来るのよ」

 

「二人とも早く食べよ」

 

そうアイに言われ二人は食事を再開した。

 

 

昼食後、三人は学生街では一軒しかないブティックに向かった。店内には春らしい明るい色合いの服が並んでいる。

 

「せっかくだから、何か新しい服を見てみない?」

 

冬子の提案で、女性陣は服選びを始めた。ヒカルは少し離れたところで二人を見守っていた。

冬子は落ち着いた印象のネイビーのワンピースを手に取った。シンプルながらも上品なデザインで、彼女の雰囲気にとても良く似合いそうだった。

 

「ふーちゃん、それ似合ってる!」

 

アイが興奮しながら言う。冬子は試着室で着替えて出てきた。やはり予想通り、とても良く似合っていた。普段の制服姿とは違った大人っぽい魅力が引き立っている。

 

「どう?」

 

冬子が少し照れながら聞く。ヒカルも思わず「とても似合ってるよ」と答えた。

一方、アイはミニスカートとブラウスの組み合わせを冬子に勧められていた。明るいピンクのブラウスに白いミニスカート、それにカーディガンを合わせたコーディネートだった。

 

「どうかな?」

 

アイが試着して出てきた時、その可愛らしさに冬子も「素敵よ」と微笑んだ。いつもより少し大人っぽく見えるが、アイらしい若々しさも残っている絶妙なバランスだった。

結局、二人ともその服を購入することにし制服から着替えて店を出た。

 

買い物を終えた三人は、別のカフェで休憩することにした。今度は少し静かな雰囲気の店を選んだ。

 

「疲れたね〜」

 

アイが椅子に座り込みながら言う。楽しそうにそして満足そうな表情を浮かべていた。

 

「でも楽しかったわ」

 

冬子も同意する。

 

三人は店員を呼び各人気になったメニューを注文した。アイはチョコレートケーキ、冬子はチーズケーキ、ヒカルはチョコレートパフェにした。

 

「今度はどこに行こうか?」

 

アイが次のデートの相談を始める。冬子は「今度はレストランにでも行ってみるすごく高いらしいけど?」と提案した。

 

結局ヒカルの注文したチョコレートパフェはそのほとんどをアイに取られてしまったが、まあいいかと思えた。

 

陽が傾き始めた頃、三人は名残惜しそうにカフェを後にした。雲雀荘に戻る道すがら、アイは「今日はとっても楽しかった!」と何度も繰り返し、冬子も「また今度もよろしくね」と微笑んでいた。

 

初めての三人でのデートは、思い出深い一日となった。春の暖かな陽射しのように、三人の距離も少しずつ縮まっていくような、そんな予感がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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