推しの子を目指して   作:滑空ペンギン

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第8話 パートナー契約

 

ダンジョン開放の次の日、教室ではダンジョンダイブに関しての話題で持ち切りだった。無事に生還した者もいれば死に戻りで記憶がないものもいるようだし、さっそく男女間の関係にも変化が出てきたグループもいるようだこのまだ外の価値観を持った会話ができるだけ長く続いて欲しいものだが。

 

ウチのグループも涼香さんとゆかりさんはクラスアップもありかなり遅くまで頑張ったのか二人とも机でぐったりしている、冬子はいつの間にかクラスの女子の相談役のような立場になっているらしく、よく相談を受けているようで男子の方もクラスの勢力争いが終わりクラスの半分以上を占めるヤンキー系の男子はグループでまとまりギャハギャハと騒いでいて鬱陶しいし明らかに不良系以外の男子を馬鹿にしている。

 

ちなみに彼らは忠一の事が気に入らないらしい、なぜかオタク系男子のグループと認識されていて、ガタイはデカいがぱっと見は肥満に見えるし初ダイブ時の格好は勘違いしたミリオタみたいな格好も有るが、一番の原因はギャル系の涼香さんとロリ系のゆかりさんという、タイプの違う美少女と親しくしているのが気に入らないと言う奴が結構おおいようだ、正直お前らの目は節穴かと言いたいどうして、あんなナチュラルにヤバい奴の評価が鈍くさ陰キャデブになるんだよ。

 

そしてアイはといえば休み時間の度に人の膝にやってきて特に何をするでもなくニコニコと座っている。

 

「ヒカルくん!あのね、先輩から聞いたんだけどこのガッコパートナーっていうものがあるんだって、だからね…私ヒカルくんとパートナーになりたいな~」

 

「……アイさん言ってる意味分かってる?この学園のパートナーってかなりヤバいよ?」

 

唐突にアイがパートナーについて話してくる、このパートナーという制度は完全に男有利の契約になっている男子は何人でもパートナーを増やせるが女子は一度に1人としか契約できないしパートナーの解消だって女子だけでは出来ないが、男子は一方的に破棄することができる、他人のパートナー女子に許可なく手を出すと罰則があるらしいから、最低な男子が相手でも無いよりはマシと考える女子が一定数いるぐらいにはこの学園はクソすぎる。

 

「もちろん知ってるよ、寮の先輩達とも色々お話してるからねそれにヒカルくんは、アイたちの事守ってくれるんでしょう」

 

「……分かったよ、アイ改めて僕のパートナーになってほしい」

 

「やった~!じゃあ早速今日なっちゃおうよ」

 

そんな笑顔の裏に不安を隠しきれてない顔でお願いされちゃ断れないじゃないか、そんな事を考えながらも嬉しさに口元のゆるみを隠せなかった。

 

 

あの後机に帰ってきた冬子も一緒に午後一でパートナー登録することになり、一緒に忠一組もパートナー登録した忠一は太った三毛猫の意匠のバッチで、ぼくたちの方は白と黒のウサギが陰陽太極図にデフォルメされたバッチになっていた、登録時に4人がワイワイと決めて男子二人は蚊帳の外だった、バッチはその場で担当の職人と思われる職員さんが直ぐに作ってくれた、その後の忠一組は二人の回復のためダンジョンダイブは休みにするようで忠一は二人を寮迄おくり散歩に行くといっていたので今日のダイブは3人で行うことになった。

 

 

 

 

既知外領域第参階層

 

今日は三人でゲートを探しつつレベリングを行っている。

 

もうここら辺のゴブリンは数が居ようと敵ではなく次々にゴブリンを掃討して行く。ドロップ品も多くモンスターカードもぽろぽろとドロップするのだが、油断していると此方が回収する前にピクシーとカハクが先に回収してモグモグと食べてしまう。

非常に美味しいらしく回収したカードもおねだりしてくるので何枚かあげてしまったりする、玄室に溜まっているゴブリンを掃討し、次の玄室を探して通路を移動する事をすでに数回繰り返している。

 

モンスターを探すために索敵(エネミーサーチ)を繰り返しズンズンとダンジョンを進んでいると、急速に接近する敵性体が検知される。

 

「二人とも超越個体(オーバーボーダー)接近、最初は僕が前に出るその後は流れで」

 

通路の奥から腹だけが膨れ上がり手の長い赤黒い巨大なモンスター恐らく三六餓鬼(みろくがき)超越個体(オーバーボーダー)と思われるモンスターは餓鬼の名のとおり常に空腹で目に入る獲物を喰らうことしか考えておらず、現在も両手を突き出しヒカルを捕まえようとしてくるが、その動きはポイントでレベル以上に強化されているヒカルには、酷く緩慢に思え余裕をもって対処しその顔面に右手のバックラーを叩きこむ、ポイントで強化された身体能力と走りこんできた力も上乗せされたヒカルの左ストレートは一撃でその超越個体(オーバーボーダー)の顔面を粉砕しその巨体は瘴気へと帰ってしまった。

 

「えっ…一撃?見掛け倒しすぎないか」

 

ゴブリンに駆逐され数が減っている三六餓鬼(みろくがき)だが長年生き残ってきたその力は既知領域に出現しようものならイレギュラーモンスターに認定され専門のレイドが張り出されるような存在だったが偶然も重なり一撃で退治されてしまった。

 

「すっご~い、ヒカルくん一発で倒しちゃった」

 

「見かけだけで、弱い超越個体(オーバーボーダー)だったのかしら?」

 

なんだか拍子抜けだがドロップ品の特大クリスタルを拾いながら奥に進んでいく。

 

それから2回玄室のゴブリンを掃討すると二人ともレベルがMaxになったので皆で遊び人(ニート)のスキルである脱出(エクソダス)を使いダンジョンから脱出する、まだ閉門まで時間があるので混んでおらずスムーズにドロップを換金しカテドラルへ向かう。

 

到着すると最初にアイが入り、入れ替わりに冬子が入る。

 

「ちゃんとランクアップできたけど、なんだか変なのに成ちゃったヒカルくん、ちょっと見てみてよ」

 

そうアイに言われステータスを確認する。

 

星野愛Lv50

職種偶像歌手(アイドル)Lv1 戦士(ソルジャー)Lv20Max

振り分けポイント:26

力19

速15

防10

精3

操16

運0

定型技能

称号:

 

 

「それで一体アイは何になったのよ?」

 

カテドラルから出てきた冬子も心配そうに聞いてくる

 

偶像歌手(アイドル)だって、アイにはピッタリだと思うよ」

 

「なんだアイにはピッタリじゃない、心配させないでよ」

 

偶像歌手(アイドル)を長押しテキストを表示させる、どうやらアイドルは歌うことで味方にバフを掛けれるバッファーの様だ、性能的にはダンサーの派生系みたいな印象だこのことを二人に説明する

 

「アイドルか~私に出来るかな?」

「アイなら大丈夫よ最強で無敵のアイドルにも成れるわよ」

 

その後いったん別れて寮の自室に帰り身だしなみを整えて、雲雀荘で夕食を一緒にとる事が日課になっている今晩のメニューは鰆の味噌焼き、何だが目の前の光景も大分見慣れたものになってきた。

 

「ほらアイまた箸の持ち方が変になってる」

 

「え~良いじゃん、別に箸の持ち方ぐらいね~ヒカルくん別に良いよね~」

 

「良いわけあるか!良いことアイ食事の所作が悪いってのはそれだけで相手に舐められるのよ、どんなに他をバッチリ決めてても食べ方が汚いだけで台無しなのよ」

 

「ふーちゃん、いつもそう言ってるけどそんなの誰も気にしないって」

 

「いや、気にしなさいよ見た目が多少みすぼらしくても、テーブルマナーが完璧なだけでハッタリ咬ませるのよだから舐められない様に、最低限のマナーは身に付けなさいわかったわね」

 

いつものように冬子がアイの矯正を頑張っている、しかしアイはよくあんな箸の持ち方で食事が出来るな、テーブルマナーだけでなく、朝もなかなか起きれないアイをベッドから起こして、服だけ着替えてそのまま登校しようとするアイをシャワーに連れていったり、メイクのやり方が分からないと言ったアイの身だしなみを整えたりしていた、当初よりは大分改善されて来ているらしいので、冬子よ是非これからも頑張ってくれ。

 

 

そして二人が二次職にランクアップしたのでサブジョブの検証をする事になり、希望によりアイの戦士(ソルジャー)騎士(ナイト)にクラスアップしてみると無事に成功したが消費ポイントの関係で冬子のクラスアップは後日になった。

 

「ねえヒカル、相談したいことがあって」

 

冬子が少し言いづらそうに尋ねてくるので、内容を聞くと(うちの)クラスの女子全員が不良組の隠す気のない実質的な奴隷化要求を拒絶したらしく、戦闘可能な女子が中心となりレベルを上げようとしているがそんな普通のレベリングでは高が知れているしこのまま行くと、ろくでもない結果が見えているから何とかしたいという相談だった。

 

「まあ確かにあいつ等を見てたら女子は拒否するだろうな、どう考えてもハード系の同人誌みたいになるだろうしなあ、いいよ女の子が不幸な目に合うのは気持ちのいいモンじゃないしね」

 

「助かるわ、正直女子からの圧力も段々強くなってたのよ」

 

「圧力?どうゆうこと」

 

「今の状況アタシとアイでアンタを独占している状況なわけじゃない、早いとこヘイト管理しとかないと色々と面倒な事に成りかねないわ………アンタ全くわかって無いわねいいアンタ、今の外見は神木ヒカルなのよ、簡単に言うと周りから見れば、超イケメンで性格も良さそうで、なおかつダンジョンでの稼ぎもいいこの学園どころか外の基準でも優良物件に見える様な男子を独占してるのよ」

 

今ちょっと聞き捨てならないセリフが有ったぞ。

 

「ちょっとまて、ダンジョンの稼ぎがいいって何で他の女子が知ってるんだ、まさか話したのか?」

 

「あんた女子の観察力とコミュニティを舐めすぎよ、この二日間であたしたちがかなり稼いでることなんてすでにばれてるわよ、アンタがもっと地味な顔なら違ったでしょうが、いい加減自分のビジュアルを自覚しなさい、気づいて無いでしょうが寮の先輩達ちもアンタを狙ってるわよクラスアップの事はまだバレて無いから遊び相手として一晩みたい思われてるけど、まだ入学したてだから暗黙の了解で接触してこないだけで、それに直ぐに強さでも目立つんだから人によっては形振り構わずに来るから、いい加減自覚してないとどうなるか分かんないわよ」

 

そんなことを言われても、頭では理解しても実感が無いから直ぐには無理だといいたい。

 

「だよね~ヒカルくん全然わかってないもんね~そう言うところはポンコツだもん」

 

アイにまで言われてしまった。

 

「わかったよ、レベリングの件は了解でも自分のレベル上げもおろそかに出来ないから手伝えるのは週に2日位になると思うよ、そして今週は急ぎでレベルを上げたいから来週の月曜日からでもいいかな?」

クラスメイトのレベル上げを手伝って自分が遅れるとか本末転倒にも程がある事態は避けないといけない。

 

ゴールデンウィーク迄には第三段階位職に着いておきたいけど、原作のクラスアップのタイミング的にもしかしたら10階層に到達しないと転職出来ない可能性もあり得る、そうなったら、忠一を誘ってドラゴンガーデンまで既知領域をランニングになるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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