「さてと、今日は大河についてのインタビューか…俺の話が役に立つといいけど…」
IS学園を語るにおいて絶対に外せない人物の1人、織斑一夏。世界で初めて男性でISを動かした人物であり、織斑千冬の実弟。ISも専用機「白式」を持つ。ある日、一夏に2番目である井上大河について、IS学園の新聞部からインタビューが依頼された。一夏は承諾し、新聞部の部室に入った。
「失礼します」
「来たね。織斑君、そこに座って」
「はい」
一夏に椅子に腰掛けるように指示する彼女の名は新聞部の副部長を務める2年の整備科所属の黛薫子。何かと一夏や大河にインタビューを迫り、気に入らないコメントは無視したり、改竄や捏造したりなど真面目とは言い難い。大河曰く「将来絶対マスゴミになる」。
しかし、今日はそんな彼女の目はいつもの様な雰囲気ではなく、真面目な雰囲気だ。何をかくそう事前に千冬から「捏造や改竄をしたらどうなるか分かってるな?」と釘を刺されているからだ。
「それではこれより、織斑一夏君にインタビューを始めます」
「お願いします」
Q.織斑君から見た井上君はどんな人物ですか?
「俺から見た大河は…最初はちょっと変わった所があるなと思いましたね」
Q.変わった所というと?
「何かちょっと、ISの企業の事とか…政治の話とか…俺には難しい話をよくしてましたね…それに大河ってたまに変な事してたんですよ」
一夏が話す大河の変な事とは…
『さてと…今日も賑やかな1日だったな…ん?』
ある日のことだった。校舎から寮へ戻る途中、一夏はキョロキョロと辺りを見回す大河を見つけた。
『おーい大河!何やってんだ?』
声をかけると、大河は一夏を見て何やら都合がよさそうな表情を浮かべた。
『おお一夏。いい所に来たな!ポケットティッシュ持ってる?』
『ポケットティッシュ? 持ってるけど…』
『悪い。貸してくんない?』
『あぁ。いいぜ』
一夏は制服の上着のポケットからポケットティッシュを取り出し、大河に渡した。
『ちょっと待っててくれ。1分で終わらせる』
そう言うと大河はまたキョロキョロと辺りを見廻し、少し離れた茂みの木に隠れて座った。すると、何やらゴソゴソするとそのまま静止した。
『ん?……一体……』
一夏は、大河が何をしようとしているのか分からなかったが、影に隠れ、ティッシュを使おうとする。つまり…
『はぁぁッ!?』
一夏は全てを察した。大河が何をしようとしているかを。
『ちょッ! おいッ!大河ッ! やめてくりぇぇぇぇぇぇ!寮でしてくりぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!』
何がとは言わないが一夏は火事場の馬鹿力で大河を回収して全力疾走で寮へと運ぶのだった。
そ、そんな事があったんですね…
「いや〜あの時はホントに焦りましたよ。まさか大河があんな事をしようとしたのは驚きました。何がとは言いませんが」
苦笑いをしながら答える薫子と一夏。幸いには大河のそれは未遂に終わったとの事。何がとは言わないが。そんなこんなで一夏に対する質問は続く。
Q.織斑君から見て、井上君のISの操縦等はどう感じましたか?
「そうですね…大河のISは俺や箒達のISとは違って多目的開発用って聞いて、何か作ったりするのかなと思いました。俺から見た大河の鉄鋼神は、戦うだけがISでは無いって感じましたね。放課後の時にもパッケージの確認や工具を見せてもらいましたよ。あれらを使える大河も、俺的には羨ましいと思いました」
そう話す一夏は思い出す。その日、いつものように休日にアリーナへ向かうとカーキ色のISスーツを着る大河とその側のコンテナを見かけて、話しかけた。
『お!大河も来てたのか。朝練か?って何だ?そのコンテナ』
『まぁそんな所。日本重工から送られてきた拡張工具と護身用のパッケージ』
『日本重工って、鉄鋼神の製造元の?』
『あぁ。最近IS事業を拡大して量産型ISの世界シェアへ挑戦しようとしてる。ちなみに1位はアメリカのUSファルコン、2位は甲龍の製造・開発元である九龍鉄鋼集団公司だ』
ISの企業の話をしながら大河はコンテナのパネルを操作して開くと中から出てきたのはコンクリート用のハンマードリル、グラインダーに取り付けるダイヤモンドカッター、ショベルカーに取り付けるバケットが入っていた。
『すげえなこりゃ。俺にはバケット以外どう使うのかは分からないな』
『俺に解体業者になれって言いたいのか開発者達は?』
そう皮肉ると大河は貰えるものは貰っておこうという訳で
『そういや鉄鋼神って結構いろんな工具とか入れてるけど容量大丈夫なのか?』
『鉄鋼神は拡張性を重視しているから他のISと比べて
『いいなぁ。白式は雪片で容量いっぱいだからな…』
『だったら製造元の倉持技研に白式の
鉄鋼神は
そして問題はここからだ。新たな護身用の武装は、スチールボールと言い張る棘に返しが付いた大型のモーニングスター、ナックルダスターみたいなコンクリートを砕く小型のハンドクラッシャー、スプレーガンと聞こえが良いがボトルに充填されている成分を見るとHClとあり、「!」のラベルが貼ってある。
『……なぁ、護身用ってあるけどこれガッツリ武器だよな?』
『イカレてるだろ? これ作った連中が』
これを送ってきた開発者達の意図は分からない。使う機会はないかもしれないが。そしてこれらもまた戦力として使う事にした。いずれ役に立つだろうと。
『そうだ一夏。俺、やっと出来る様になったんだよ』
『何をだ?』
『見てな』
そう言うと大河は一旦鉄鋼神の展開を解除する。そして、右腕を水平に上げると、何と右腕のみ鉄鋼神を展開したのだ。更に初期装備であるシャベルを取り出して見せた。
『すげぇな大河! もしかして部分展開出来るようになったのか?』
『あぁ。これ出来るまで3ヶ月はかかった。まぁ、これがそもそも多目的開発用ってやつだから部分展開は通常のISよりはしやすくなってるんだろう。これで作業効率があげられる』
『俺も負けてられないな!』
一夏も大河に負けない様に部分展開を出来る様、更に自分の技量を高めようと決意したのだった。
「あの時は、大河は俺より一歩先を行っている様な感じがして、羨ましかったです。でも大河は全然鼻にかけずに俺と仲良くしてくれました。時々変な事したりおかしな事言うけど、俺にとってはこの手で守りたい大切な仲間でした」
一夏にとって、大河もまた自分の手で守りたい仲間の1人だと認識していた。一夏の言葉を聞く薫子も感心しながら相槌を打っていた。
Q.井上君は日常生活ではどう見えましたか?
「えっと、俺と大河は寮の部屋は別々でしたけど、お互いに行き来したりしてましたね。たまに騒ぎになったりしましたが別に変な事は無かったですよ? 普通でしたね。ただ、大河はハンバーガーが大好物だからもっぱら手作りしてましたよ」
一夏は、寮へ向かう途中の大河にすれ違った時の事を思い出す。
『大河。そのビニール袋に入ってるの何だ?』
『あぁこれ? ひき肉だよ。俺ハンバーガーが大好物だから作るんだよ』
大河は持っているビニール袋からラップでくるんだひき肉を取り出した。ただそれは、5kg程の量だ。
『お前そんなに食うのか!?』
『育ち盛りなもんで。三度の飯よりハンバーガーが大好物。1週間毎日食い続けても飽きない』
『そ、そうなのか…俺は…飽きるかな…っていうかひき肉だけか?』
苦笑いしながら答える一夏は何故かひき肉だけしかない事に気づく。バンズやチーズはどうしたのか。
『明日バンズ買って明後日チーズ買って明々後日にレタス買う』
『………まとめて買えよ』
『その手があったか!』
『よくそれでハンバーガー作る気になったな!』
「……とまぁ、そんな事もありましたが、大河ってハンバーガー作るのホントに上手いんですよ。一緒にレシピ考えた事もありましたし」
苦笑いをしながらも一夏は大河と一緒にハンバーガーをたくさん食べたり、お互いにレシピを作ったりしあったことを話した。
『大河、入るぜ…って何だこのたくさんのハンバーガー!?』
『お!一夏良いところに来た!ハンバーガー作り過ぎたから処理すんの手伝ってくんない?』
偶然大河の部屋に来た一夏はキッチンに置いてある20個以上のハンバーガーに驚いた。まさかあのひき肉を全部使ったんじゃないかと。
『処理って……お裾分けって事だろ?いいぜ』
大河の言い方に苦笑いしながらも一夏は快く承諾した。
大河のハンバーガーの味は、食にこだわりを持ち、普段から料理をしている一夏の評価は…
『うん!美味いな!パティも肉汁が溢れてジューシーで、チーズとレタスとの相性もベストマッチだ!』
高評価だ。ジャンクフードはあまり食べない一夏もこれは美味しいと高評価。
『マジで? それは嬉しいな!そうだ。俺結構いろんなハンバーガーを作っててさ、色々レシピ考えてんだよ。良かったら一夏の意見聞かせてくれない?』
『いいぜ!俺もレシピ一緒に考えてやるよ。そうだ!残りのハンバーガー、箒達にお裾分けしてきてもいいか?』
『頼むよ。一夏の頼みなら処理してくれるだろうし』
『だからお裾分けだろ!』
その日一夏は大河とともにハンバーガーのレシピを寮の消灯時間まで夢中で考えたのだった。
確かに織斑君と井上君が使った牛肉ポテサラバーガーは本当に絶品でしたね!
「はい。お裾分けしたハンバーガーを箒達に食べてもらったらとても好評だったので大河は喜んでましたよ。それから俺と大河で作った牛肉ポテサラバーガーはすぐに話題になって、1組から4組の生徒や先輩達がみんな食べたいって言い出して、楯無さんに頼んで期間限定で食堂で出してもらったんですよね。そこから更に派生メニューを出したり」
一夏は大河と共に作ったハンバーガーが生徒達の間で話題になり、学園の食堂で出された事を懐かしんだ。薫子もこれを食べており、IS学園の新聞にも掲載されたのだ。すると…
「あ、そういえば大河は前に意味深な事を言ってたんですよ。確か…」
一夏は前に大河が意味深な事を言っていたと話し出した。それは…
『俺たち、前にどこかで会わなかったか?』
いかがだったでしょうか?今回から原作キャラへのインタビュー等回想方式で進めていきます。まずは何故ここでインタビューが入るのか是非考えてみて下さい。このインタビューがいつ行われたのかがポイントです。後は大河はなぜ変な行動をしていたのか。そして、大河の最後の言葉にこの物語の真実が隠されています。ちなみにこの話で出てくる一部のIS企業の名前は作者考案のものです。アニメで企業の話があまり出てこなかったのであくまで作者の想像なのでご了承ください。
今回はここまでです。感想お待ちしています。