AC好きの高校生、透き通った世界に転生する。 作:はぶらし023
転生したらどこだよここ
皆さんは、アーマードコアというゲームをご存知だろうか。
企業の思惑が蔓延る惑星や、地下世界、人の手で汚染され荒廃した地球などを舞台に一人の傭兵として巨大な人型兵器を駆り、戦う。
アーマードコアとは、そういうゲームである。
なんでそんな話をするのかって?それはこの俺、渡曾アスカが大好きなゲームだからだ。何を隠そう、そのゲームは俺の……人生を変えてくれた、世界で一番大好きなゲームなのだ。
(あー、、早く家帰ってアーマードコアしてえな……とりあえず家に帰ったらまずはアセンの研究だな。あのボスを1秒でも早く倒せるようなアセン……何がいいかなぁ……)
学校帰りでさえこんなことを考えるほど、俺はアーマードコアを愛している。こんな調子で歩きながらずうっと考え事をしているので、電柱に当たったりつまずいてこけたりすることがよくあるが、そんなことどうでもいいと思えるくらい俺はあのゲームが大好きだ。
だが、流石に踏切の警告音が耳に届かないほど集中しているわけではない。音が聞こえ、遮断棒がおりてきたので歩みを止めた。
カンカンカンカンカン
季節は冬に変わろうとしており、暖かくもあるが寒さも出てきた頃。周りの木も、赤色の葉をパラパラと散らして衣替えをしていた。
そんな様子を観察していると、遮断棒が降りそろそろ電車が通るであろう線路に何かが走って侵入しようとしていた。
よく見てみると、それは幼稚園児と思わしき小さな子供だった。しかも、後ろには急いで追いかけている母親らしき女性が。あのままでは、母親が追い付かずに子供が轢かれてしまう。
思考よりも先に身体が動いていた。
アスカ「危なああああああい!?!?!?」
キィィィィィィィィ
ガシャァァァァァン
──────────
俺は高校生の渡曾アスカ。
アーマードコアが好きなだけな「普通」の高校生である。最期は子供を庇って電車に轢かれて死亡。新聞にはそう書いてほしかった。
アスカ「……うわあ?!…………は?」
でも今は「普通」ではないかもしれない。
アスカ「…………生きてる……なんで……?」
死んだと思っていたら生きていた。しかも病院ではなく、どこかわからない謎の場所で目が覚めた。
目覚めてからどれくらいの時間がたっただろうか。
なんで俺は生きているんだ?俺は確かに死んだはずだ。でも俺は今ここで動いている、そして考えている。手も足もあるし、心臓の鼓動も聞こえる。ここは一体どこなんだ?なぜ俺はここにいる?轢かれた後、俺はどうなったんだ?
理解が追いつかず、疑問が尽きず、ずっと考え込んでいた。
そして、かなり多くの時間を喰らいひねり出した結論は
『なにもわからない』
今はそれしか出てこなかった。この場所からわかる唯一の情報は、鉄でできたカラっと乾いた場所であるということだけ。
もうここにいても仕方ない。俺はここから出る決心をした。
幸い出口の手掛かりが無いわけではなく、光が漏れ出している場所があった。光は長方形を形取っており、それはあからさまにドアであった。目覚めた場所から立ち上がり、そこに歩いていくと、ドアノブがついた紛れもないドアであることが分かった。
俺は近づき、ドアノブを捻る。
力を入れて押すと、長い間放置されたことがわかるぐらいに軋みながらゆっくりと動いた。そして、ドアの隙間から光が漏れ出てきた。暗い所に目が慣れてしまい、眩しさのあまり目を閉じる。
目が光に慣れ、ようやく目を開けると
そこには
アスカ「…………なんじゃ、こりゃ…………」
あたり一面に砂漠が広がっていた。
アスカ「どこだよここおおおおおおおお!!!!」
悲報、死んだと思ったら生き返り砂漠に飛ばされる。
轢かれて鉄の部屋に閉じ込められたと思ったら次は砂漠かよ!?なんなんだよここは?!
アスカ「どうしよう……何もない……本当にただの砂漠だ……」
何かの悪い夢だと思って周りを見渡したが、やはり砂漠だった。扉の先には希望がある、なんて事を思っていた俺が馬鹿だった。扉の先には砂しか無かった。生き返ったから少し喜んでいたってのに、結局地獄行きだったってオチか?神は曇らせ大好き脚本家か何かかよ……
だが、流石に可哀想と思ったのか救いを与えてくれるらしい。あたりを見回していると近くに謎の工場らしき建物があった。
アスカ「……いく場所もないし、あそこ行くかぁ……」
アスカ「はあ……ふう……」
砂漠に足を取られ、体力を奪われながらも工場らしき建物にはついた。
アスカ「入口は……どこだ?」
とりあえず裏に回ろう、扉があるかも。そう思い、壁伝いに移動しながら周りを見渡す。
やはり一面は砂漠。だが、遠くには都会の様な高い建物が砂漠の砂に埋もれながらも建ち並ぶ場所がある。地理は詳しくないのでうろ覚えだが、砂漠と都会が共存している国は……エジプトぐらいか?俺はそんな場所まで飛ばされてしまったのか……。
そんな事を思いつつ裏に回ると、ドアノブのついた鉄のドアが。これが裏口だろうか?
アスカ「ここが……入口か」
ドアノブを回し、押し開く。
こっちのドアはするりと開いた。新品のようで、もしかしたら誰かがメンテナンスしている可能性も……人に助けを求めることができるかもしれない。
そんな希望を胸に持ち、元気よく扉を開けた。
アスカ「こんにちは!誰かいm……は?」
だが、そこにあった光景は俺の予想を大きく裏切った。
扉を開けた先に見えたのは、人間ではなく……