AC好きの高校生、透き通った世界に転生する。   作:はぶらし023

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前の投稿からかなり遅れてしまいました。申し訳ございません。
まあまた書けば良いだろ……と思って、気付いたらもう年末になっており、流石にやべえと思い話を書き出しました。待ってくれていた人達に、深くお詫び申し上げます。これからも楽しんで頂けると幸いです。


初めての依頼

買い物をした翌日、俺は先輩から制服を3セットほど貰った。正直そこまで要らなかったのだが、生徒がいないから貰ってくれ。との事だった。ありがたく貰おう。それとついでに、ホシノさんからも思わぬプレゼントがあった。

 

 

ホシノ「制服を渡すついでに、これも渡しておきます」

 

アスカ「これって……」

 

 

手渡されたそれを見ると、革でできた変な形のポーチであった。変な形とは言ったが、それは殆どの人が見て何の形か分かるだろう。

 

 

ホシノ「ホルスターです。あなたの拳銃とは別の所から出てきたので、渡すのが遅れてしまいました。任務中に銃を手で持っていたら携行し辛いでしょうし、使ってください」

 

アスカ「ありがとうございます!かっけえなぁ……」

 

 

と言うことで、制服とホルスターを貰うことができた。ホルスターに関しては、いつもポケットに直入れしていたので、暴発が怖かった。すごくありがたい。

 

そして、転生生活5日目にしてようやく依頼を受け始めることになった。初めての依頼は指名手配犯の確保である。何をしでかした奴かは知らないが、アビドス復興の糧にさせてもらおう。

 

ということで、指名手配犯がたむろしていると情報のあったブラックマーケットにやってきた。ホシノさんとも一緒である。ユメ先輩はちょっとした日雇いバイトのようなものをするらしく、俺たちとは離れて活動している。……大丈夫だろうか。

 

 

アスカ「ここがブラックマーケット……」

 

ホシノ「気をつけてください。ここは連邦生徒会の管理が及んでいない、いわば無法地帯ですので」

 

アスカ「なんですかそれ……この世界どんだけ治安悪ければ済むの……?」

 

 

無法地帯「ブラックマーケット」

 

俺は法で守られた日本という世界で暮らしていたので、無法地帯なんていう場所に足を踏み入れた事が無かった。ここにいる人間は、大体が犯罪者、もしくは、何か違法な物を手に入れようと足を踏み入れた人間なのだろう。

 

ブラックマーケットに入ってからおよそ30分ほど歩いただろうか。ホシノさんに動きがあった。

 

 

ホシノ「……居ました。追いましょう」

 

アスカ「……どこですか?」

 

 

なんと、ホシノさんが爆速で手配犯を見つけたらしい。俺には全くわからない。ホシノさんが歩く速度を速めたので、俺もそれについて行くように足を速めた。今更だが、手配犯の容姿はパグで、灰色のコートと茶色のハンチング帽を被っている。ホシノさんの追う方向を見ると、それと同じ服装のパグが居た。多分あれだろう。

 

 

ホシノ「……人気のない路地裏に入って行きました。何かが怪しいですが、とりあえず追いましょう。罠でも私なら勝てます」

 

アスカ「了解です。……因みに、あいつって何しでかしたんですか?」

 

ホシノ「ゲヘナ、ミレニアム、トリニティの三大学園の生徒に対し、酒の密売を行っていたそうです。」

 

アスカ「密売って……大犯罪者じゃないですか?!」

 

ホシノ「だから指名手配されてるんですよ……」

 

 

ホシノさんから呆れの声色が聞こえた。

 

手配犯はなんと、未成年に対し酒を密売すると言う、なんとも悪人である。良い子の皆んなは未成年のうちから酒を飲まないようにしよう!

 

 

ホシノ「誰に言ってるんですか……?」

 

アスカ「シンプルに心読むのやめましょう?」

 

 

軽口を叩いているうちに、手配犯は路地裏の行き止まりに着いた。俺たちは近くの建物の陰にしゃがみ込み、潜んで、手配犯の様子を監察していた。すると、壁の前で立ち止まった手配犯は急にこちら側を向いて、喋り始めた。

 

 

指名手配犯「お、俺を追っているのは誰だ!わかっているんだぞ。出てこい!

 

アスカ「……バレてますけど、どうします?

 

ホシノ「……行きましょう。何があるかわからないので、銃をいつでも引き抜ける状態にしておいてください

 

 

建物の陰から立ち上がり、右腰にあるホルスターの銃に手をかけながら、手配犯の前に立ち塞がった。逃げられないようにする為だ。何を企んでいるのかはわからないが、ホシノさんが居るだけで一安心だ。

 

余裕を持ちながら、目の前に居る大悪人と相対する。ホシノさんは、ショットガンを向けながら、威嚇の言葉を発した。

 

 

ホシノ「今すぐに抵抗を止め、地面にひれ伏せ!さもなくば強制的に拘束する!

 

指名手配犯「う、うるさい!俺に逆らうな!どうなっても知らないぞ!

 

 

手配犯の振る舞いから、焦燥を感じた。だが、何かがおかしい。捕まりそうになって焦っているのではなく、何かを待ち遠しく思う様な、そんな感じがする。手配犯の目は俺たちを映していない。何を見ているんだ……?

 

その答えは、すぐにやってきた。

 

 

黒いヘルメットの少女「見つけたぞ!挟め!

 

 

突如、背後から聞こえたのは複数の足音と、少女の声であった。俺の左脇から、ホシノさんの右脇から、見覚えのあるヘルメットを被った少女達がゾロゾロと抜けていき、手配犯を守る様に大量の軍勢が陣取った。

 

 

アスカ「ヘルメット団?」

 

ホシノ「しっかりと罠だったようですね」

 

 

ホシノさんの眼光が鋭くなる。臨戦体制に入ったのだろう。俺もそれを見習って、右手からいつでも銃を引き抜けるように力を込めた。

 

 

ヘルメット団の少女「そこにいるお前ら!アビドスの奴らだな!護衛任務のついでだ!幹部の仇、取らせてもらうぞ!

 

 

護衛任務……なるほど。手配犯はヘルメット団を雇って身の安全を確保したかったらしい。だが残念だったな!ホシノさんに目をつけられたら、どんな輩でも敵わないだろう!!

 

ところで、幹部の仇と言われたが、あまり身に覚えがない……と思ったが、そういえば1人だけ赤い服の子が居たな。おそらくあの子のことだろう。

 

 

アスカ「幹部……ああ、あの赤い子か。その件に関しては向こうから攻めてきたから俺たち何も……」

 

ヘルメット団の少女「うるさぁい!お前ら!いくぞおおおおおおお!!

 

ヘルメット団の少女達「うおおおおおおおお!!

 

 

突然発砲しながら突撃してきた?!しかもこのままじゃ……挟まれる。不味い、非常に不味い。咄嗟にホシノさんの方を見ると、なんともう既に敵の方向へ駆け出していた。進行方向を見るに、ヘルメット団を無視して手配犯を捉えるつもりだ!

 

 

アスカ「ホシノさん!!アシストするから行ってください!!」

 

ホシノ「言われなくとも!」

 

 

そうとなれば、俺はそれをアシストすれば良い。ホシノさんの邪魔をさせないように、ホシノさんに近いヘルメット団の人のバイザーを着実に撃ち抜き、無力化させる。こちらにも銃弾が来ているが、機敏に動いて狙いを定めさせないようにすると、難なく避けることができた。少し当たってしまうが、この世界の身体なら問題はない。後ろから来たやつらに対しては前の世界より強化されたキックをお見舞いする。

 

アシストをすると高らかに宣言してしまったが、やはり数が多い。しかも、ホシノさんの足が速いから素早く狙って撃たないといけないし、ホシノさんに当てないように考えなければならない。前みたいにバイザーを狙っても、ヘルメットに当たったり、見当違いの方向に飛んでいってしまうこともある。何より、こちらも動いてるので狙いを定めるのがかなり難しい。

 

この身体になって銃の反動の制御が簡単になったのは良いが、狙いを素早く正確にするにはまだまだ練習が必要そうだ。

 

だが、狙いが外れてもホシノさんは素早い身のこなしとショットガンの扱いで難なく突破。そして、恐怖に染まった顔の手配犯の服の首元を左手で掴み、右手でショットガンを撃ち、右手だけでショットガンを持ち直してリロードするという、なんとも男心をくすぐられる手捌きでヘルメット団を片付けた。その様は、まるでサラ・コナーのようであった。

 

残るは入り口の方にいるヘルメット団だが、銃口を向けた時には、もう戦意を喪失していた。

 

 

ヘルメット団の少女「クソ!!また失敗かよ!おいそこの雇い主!任務は放棄させてもらうぞ!」

 

手配犯「おい待て!!護衛任務はまだ終わってないぞ!!」

 

ヘルメット団の少女「知るか!!こんな奴らにボコボコにされるよりマシだ!!」

 

 

そう言って、最初より数が減ったヘルメット団の少女たちは撤退していった。気絶している子たちは……まあ良いだろう。あとで自分で帰るだろ。知らんけど。

 

 

手配犯「くっそぉ……酒で大金持ちになる計画が……」

 

ホシノ「そんなくだらないことでお金を稼いで、何が楽しいんですか?」

 

 

ホシノさんは呆れながらそう言った。

 

 

手配犯「うるさい!何も知らないバカな生徒たちを酒に溺れさせちまえば、どんなに高くても酒を買いに来るからなぁ!そいつらから金を巻き上げりゃ、俺も金持ちだったんだ!!それなのにお前らは……俺の計画を邪魔しやがった!!」

 

アスカ「……この世界にも、こんな奴は居るんですね」

 

ホシノ「汚い大人というのは、どこにでも居るものです。この人をヴァルキューレに連行して、今日は帰りましょう」

 

アスカ「了解です。そいつどうやって運びます?」

 

ホシノ「アビドスから縄を持ってきているので、それで縛って行きましょう」

 

 

ホシノさんはそう言って、どこからともなく縄を取り出して慣れた手つきで手配犯を縛りはじめた。手配犯ももちろん抵抗するが、ホシノさんの圧倒的パワーでねじ伏せられ、あえなく身動きが取れないほど縛られた。

 

 

手配犯「ち、力が強すぎる……」

 

アスカ「あはは……」

 

ホシノ「乙女にあまりそう言うことを言わない方がいいですよ。貴方、モテませんね」

 

手配犯「うるせえ!とっとと運びやがれこの野郎!」

 

アスカ「言われなくとも〜」

 

 

そうして、ヴァルキューレ警察学校と呼ばれる、おそらく俺の世界でいう「警察」に手配犯を連行し、かなりの金を稼ぐことができた。しかし、億を超えているアビドスの借金に比べればまだまだ足りない。これを毎日繰り返しているユメ先輩とホシノさんは本当に凄いと思う。俺も頑張って手伝おう。

 

その後、アビドスに帰ろうと足を進めようとした時、俺はホシノさんに呼び止められた。

 

 

ホシノ「ちょっと待ってください。この懸賞金は、貴方も受け取る権利があります。受け取ってください」

 

 

ホシノさんは、封筒の中の厚い札束の中から数枚の紙幣を取り出し、こちらに差し出してきた。

 

 

アスカ「あ、ありがとうございます!お金だあ!」

 

ホシノ「今回の懸賞金はかなりの値段でしたから、貴方に渡しても今月のノルマを余裕で超えているでしょう」

 

 

そりゃあんな悪行を繰り返していたんだ。あんな厚い札束にもなるだろう。容易く捕まってくれたことに感謝だな。

 

 

ホシノ「何はともあれ、今月はもう安泰ですね。では。学校に戻りましょう」

 

アスカ「あ、ちょっと待ってください!実は買いたいものがあって、買い物に行きたいんですけど……」

 

ホシノ「わかりました。何があるかわかりませんし、私もついて行きます」

 

 

ということで、先ほど貰ったお金で買い物をすることになった。買いたいものは予め決まっていて、スムーズに買い物を済ませた。因みに買ったものは、家で食べる用の食料、筆記用具一式、ノート10冊である。ノートは使い分ける用と予備用と日記用で10冊買っておいた。お金はかなりあるので、かなり余裕のある買い物ができた。ホシノさんに何か買ってあげようかと思ったが、まあまたいつかで良いだろう。好きなものを知れた時にでもプレゼントをしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────アビドス高等学校─────

 

買い物が終わり、学校に帰って来た。教室に入ると、ユメ先輩が椅子に座って机に突っ伏していた。

 

 

ユメ「つ、疲れた……」

 

 

かなりお疲れの様子である。

 

 

ホシノ「お疲れ様です、ユメ先輩。バイトはどうでしたか?」

 

ユメ「なんとか頑張ったよ!見て!こんなに貰ったんだ!」

 

 

ユメ先輩の手には、少し厚い札束が入った封筒が。俺たちが稼いだ額に比べると、少し見劣りしてしまう。それくらいあの手配犯の懸賞金は高かったのだろう。

 

 

アスカ「ふっふっふ。ユメ先輩、俺たちはもっと貰ってますよ。主にホシノさんが活躍してたけど」

 

ユメ「え?どれどれ……って?!何この大金?!どれだけ悪い人を捕まえたの?!」

 

ホシノ「未成年にお酒を売っていたらしく、それでいて何回も繰り返し犯行を行なっていたのでこれだけの懸賞金になったようです」

 

 

ユメ先輩が呆気に取られながら札束を一枚一枚めくり、その額を数える。やはりすごい額だったようで、興奮気味に話し始めた。

 

 

ユメ「こ、こんなにあれば……今月どころか、来月の分まで足りちゃうよ?!」

 

ホシノ「生活費などを考えたら、それは無理でしょう……ですが、大金であることは間違いないですね」

 

アスカ「ほえー……今回そんなに稼げたんですね……」

 

 

ユメ先輩が大興奮している。ホシノ先輩もいつもより嬉しそうな表情でユメ先輩と話している。……大量の借金を抱えた学校の生徒には見えないほど、青春を楽しんでいるなぁ……。

 

お金を数えて喜んでいることを青春と言っていいのかはわからないが、まあいいだろう。

 

 

アスカ「今日ってもう帰っていい感じですか?荷物とか家に持って帰りたいんですけど……」

 

ユメ「あ、うん!ありがとうね!また明日!」

 

ホシノ「また明日」

 

アスカ「さよなら〜」

 

 

アビドス高等学校のいい所、それは自由に帰っても良いことだ。いやもちろんやるべきことはしっかりとやった上での話ではあるが。

 

今回に関しては、かなり充分なお金を稼ぐことができたのでやるべきことはできただろう。家に帰ったらゆっくり休むかな……。




そろそろ本編に入りたいので、次回から日記方式でとんでもなく時間を飛ばします。早くACが活躍する話を書きたいので。あと数話程度でアビドス過去編は終わりです!!
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