赤龍帝と騎士王の現し身   作:ファブニル

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 遂に休みが終わり、新しい異動先での生活が始まりました。慣れない環境、引っ越しについて来てくれた母、大学生に比べて圧倒的に短い休み、初日は寂し過ぎて泣いてました、マジで。
 この気持ちをバネに、投稿も頑張りたいと思います!

 よろしければ今回も、お気に入り登録や高評価、感想をお願いします。

 それでは第二十四話、どうぞ!


『騎士王』VS『堕天使』

 あの後、結局祐斗は帰ってこなかった。リアスの予想通り、祐斗は復讐に憑りつかれ一人突っ走っているのだろう。

 結局イッセーと小猫の折檻の後、アルトリアは本来の任務に戻った。リアスとしてもアルトリアという大きな戦力を遊ばせておく余裕は無いし、第一彼女の進退は兄であるサーゼクス・ルシファーが決める物だ。あくまで借り受けている彼女にはそこまでのことは出来ない。

 

 

「しかし罰は降るでしょうね。さて何パーセントカットになるか。いやそれ以前に旧魔王派閥や大王派に付け入る隙を……!?」

 

 

 夕方の公園、何かと彼女と縁深いこの公園で再び事件は起きた。公園の遊歩道の脇に紫藤イリナがぐったりと倒れている。駆け寄ってみるとその状態は酷い物だった。ぴっちりとしたあのスーツはその半分以上が破れ、身体のあちこちに火傷や打撲、様々な傷が出来ている。幸いというべきか尊厳を傷つけられた跡は見られない。

 

 

「うぅ……」

「まだ息がある。すぐに回復を!」

 

 

 彼女を助け起こし、回復魔法をかけるのと同時にイッセーへと電話を掛ける。すると一分も経たずにリアスたちがやってきた。

 

 

「状況は!」

「被害者は紫藤イリナ一人。状態は見ての通り重症ですが、暴行の形跡はなく、傷も後遺症が残るほどではありません」

「イリナ!しっかりしろ、何があった!木場とゼノヴィアは!?」

「うぅ、二人は…逃げたわ。私は逃げ遅れて……」

 

 

 どうやら二人は無事のようだ。続いてソーナ達もやってくる。リアスが知らせたのだろう。

 

 

「これは酷い……」

「すみません。私では全快とまでは行かず……」

「いえ、私の家ならば設備が整っております。此方へ」

 

 

 アルトリアはソーナの後ろに控えていた椿姫にイリナを託した。そのまま椿姫は一足先に転移する。さて、これで彼にも対処が出来る。

 

 

「こちらの用は済みました。出てきなさい、フリード・セルゼン!」

「呼ばれて飛び出て、俺っち参上~!」

 

 

 アルトリアが目線を向けた先、木立の陰からフリードが現れる。相変わらずの気色の悪い笑みだ。

 

 

「おんや~、クソ悪魔に寝返ったアーシアちゃんじゃーん。お久~」

「ッ!」

「フリード!てめぇ!」

「あぁあぁチョイ待ち!今日用があんのは俺っちじゃないのよ」

 

 

 突如発せられる威圧的な殺気!この重圧は上級悪魔の比ではない!リアスとアルトリアが何かに気付き、空を見上げた。突如として空がマーブルカラーに染まる。堕天使や悪魔など冥界系の存在が使う結界だ。そんな結界の中に浮かぶ赤い月をバックに空で浮かぶ、漆黒の翼を生やした男の堕天使。その翼の枚数は10枚、堕天使のそれも最高幹部クラス。装飾に彩られた黒いローブに身を包む男の堕天使はリアスを捉えると、苦笑する。

 

 

「初めましてかな、グレモリー家の娘。紅髪が麗しいものだ。忌々しい兄君を思い出して反吐が出そうだよ」

「ごきげんよう、堕ちた天使の幹部コカビエル。それと私の名前はリアス・グレモリーよ。

お見知りおきを。もうひとつ付け加えさせてもらうなら、グレモリー家と我らが魔王は最も近く、最も遠い存在。この場で政治的なやり取りに私との接触を求めるなら無駄だわ」

「魔王と交渉などというバカげたことはしない。まあ、妹を犯してから殺せば、サーゼクスの激情が俺に向けられるのかもしれないな。それも悪くない」

 

 

 挑発に対し、リアスは侮蔑したような目でコカビエルを睨む。

 

 

「…それで、私との接触は何が目的かしら?」

 

 

 リアスからの問いにコカビエルは嬉々として告げる。

 

 

「なに、単なる宣戦布告だよ。おまえの根城である駒王学園を中心にしてこの町で暴れさせてもらうぞ。そうすればサーゼクスも出てくるだろう?」

「!そんなことすれば、堕天使と神、悪魔との戦争が再び勃発するわよ?」

「それは願ったり叶ったりだ。あの聖剣でも盗めばミカエルが戦争を仕掛けてくれると思ったのだが、寄こしたのが雑魚のエクソシスト共と聖剣使いが二名だ。つまらん。あまりにつまらん!だから、悪魔の、サーゼクスの妹の根城で暴れるんだよ。ほら、楽しめそうだろう?」

 

 

 舌打ちするリアス。彼女がここまで不快感を露わにすることは少ない。それほどまでに彼女は怒っているのだ。目の前の男は戦争でいくら死のうが、表裏の世界に影響が出ようが関係ないのだ。ただ戦いたいのだろう。

 

 

「噂通りですか、戦争狂め」

 

 

 アルトリアが忌々しそうにつぶやくが、コカビエルは狂気の笑いを上げるだけだ。

 

 

「そうだ。そうだとも!俺は三つ巴の戦争が終わってから退屈で退屈で仕方なかった!アザゼルもシェムハザも次の戦争に消極的でな。それどころか、あれほどの人材を集めておきながら、神器ばかり集めだしてわけのわからない研究に没頭し始めた。そんなものが俺達の決定的な武器になるとは限らん!…まあ、そこのガキが持つ『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』クラスの物ならば話は別だが…そうそう見つかるわけでもないだろう」

 

 

 コカビエルの視線がイッセーに及ぶ。圧倒的格上からの殺気にイッセーの全身震える。が、気を高ぶらせ言い返す。

 

 

「…おまえらは俺の神器もご所望なのかよ?」 

「少なくとも俺は興味ない。だが、アザゼルは欲しがるかもしれんな。あいつのコレクター趣味は異常だ」

 

 

アザゼル、堕天使の総督の名だ。サーゼクスからの情報では大戦前から好奇心旺盛な性格をしていて、神器持ちを多数集めているらしい。てっきり神器持ちによる軍隊でも作るのかと思っていたが、どうやら純粋に研究がしたいのだろう。

 

 

「どちらにしろ、俺はお前の根城で聖剣をめぐる戦いをさせてもらうぞ。サーゼクスの妹、リアス・グレモリー。レヴィアタンの妹、ソーナ・シトリー、貴様らが通う学び舎だ。さぞ、魔力の波動が立ち込めていて、混沌が楽しめるだろう!聖剣を新生させるのにも最適だ!戦場としてはちょうどいい」

 

 

 狂っている。この街を丸ごと戦場にする気だ。然も集めたエクスカリバーを使い、本来のカレトヴルッフに戻そうとしている。

 

 

「コイツ、イカレてやがる!?」

「ひゃははは!最高でしょ?俺のボスって。イカレ具合が素敵に最高でさ。俺もついつい張り切っちゃうのよぉ。こんなにご褒美までくれるしね」

 

 

 フリードが取り出したのは奪われたエクスカリバーたち。両手に一本ずつ、腰にも二本、計四本のエクスカリバーだ。

 

 

「右のが『天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)』、左のが『夢幻の聖剣(エクスカリバー・ナイトメア)』、腰のは『透明の聖剣(エクスカリバー・トランスペアレンシー)』でござい。ついでにその娘さんから『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』もゲットしちゃいました!もう一人の女の子が持っている『破壊の聖剣(エクスカリバー・ディストラクション)』もゲットしたいところですなぁ。ひゃはっ!俺って世界初のエクスカリバー大量所持者じゃね?しかも聖剣を扱えるご都合な因子をバルパーのじいさんからもらっているから、全部使えるハイパー状態なんだぜ?無敵素敵!俺って最強じゃん!ひゃははははははははっ!」

 

 

 フリードは心底面白そうに哄笑をあげる。確かにここまで揃えた人間は歴史上存在しないだろう。

 

 

「バルパーの聖剣研究、ここまでくれば本物か。俺の作戦についてきた時は正直怪しい所だったが、まさか堕天使にすら適用可能になったのは驚きだ。なぁ、フレギアス?」

「はい、まさか俺が聖剣使いになれるとは思いませんでしたよ」

 

 

 コカビエルの側に現れた堕天使、あの時フリードたちの逃亡を手助けした堕天使だ。フレギアスと名前を呼ばれるということは奴はコカビエルに近い存在、側近と呼べる存在なのかもしれない。

 

 

「戦争をしよう、魔王サーゼクス・ルシファーの妹リアス・グレモリーよ!」

 

 

 コカビエル、フレギアス両名が魔法陣を展開させ、光の槍を飛ばしてくる!すかさずアルトリアが前に出てエムリスを大盾形態に変形させた。

 

 

「させません!『今は遠き白亜の壁(ロスト・ウォール)』!」

 

 

 すかさず防御用の魔術を展開し、槍をはじき返す。絶え間ない槍の雨をバリアとシールドで防いでいく。防がれ、砕かれた槍の欠片が周囲に土煙を立たせる。土煙が収まると、コカビエルは居なくなりその場にはフレギアスのみが残った。

 

 

「足止め、ですか」

「そうだ。コカビエル様はあぁおっしゃられていたが、あの方の求める戦場に生半可な雑魚はいらん。コカビエル様を追いたくば、この俺を倒してからだ!」

 

 

 そういうと量の魔法陣が展開され、そこから数十人の堕天使が現れる!トレンチコートを着た堕天使、マイクロビキニの様な衣装を纏う女堕天使、スーツ、ドレス、ワイシャツ、ローブ等々、様々な堕天使が現れたが皆一様に獰猛な笑みを浮かべている。

 

 

「堕天使の部隊!?」

「ここに集まったのは皆、今の平和に満足のいかぬはぐれ者たち。まずは貴様らの血で渇きを癒させてもらおう!」

「…ここは私にお任せを。コカビエルを追ってください!」

 

 

 アルトリアは覚悟を決めた。今最も避けるべきはリアスたちの消耗と、この堕天使たちが街で暴れないようにするための抑え。この数を相手に出来るのはリアスか、ソーナ、アルトリアしかいない。

 

 

「無茶だ!」

「私なら奴らを相手取れます。それよりも今は学園へ!」

「……イッセー、ここはアルトリアに任せて学園へ向かうわよ!」

「ッ……はい!」

「行きますよ、匙」

「ハイ、会長!」

 

 

 リアスとソーナは魔法陣を展開させ、学園へと転移を試みる。それを見逃す堕天使たちではなく、すかさず光の槍で妨害を試みるがアルトリアの張ったシールドに阻まれた。

 転移が完了し、その場には堕天使とアルトリアのみが残った。

 

 

「お前一人で俺たちを相手できるのか?」

「馬鹿な女だ」

「ちょっと力を持った人間ってホント身の程知らずね」

 

 

 フフフ……、アハハ……堕天使たちの嘲笑がアルトリアに向けられる。

 

 

「……私、この街の見回りを生業としているのですが、明け方や夕方などによく烏の集会を見る事があるのです。繁華街や電線の上でカァカァカァカァと、全くもって喧しい限りです」

「……てめぇ、俺たちを烏だと?」

「おや、失敬。余りこのような事を言いたくはないのですが、ついつい本音が漏れてしまいましたね」

 

 

 烏、それは堕天使に対する蔑称として最も有名なものである。ありきたりな表現だが、使われ続けているだけに効果は覿面だった。

 

 

「死ねぇぇぇぇぇ「フッ」ガハッ!!」

 

 

 沸点の低い堕天使が光の槍を手に持ち、アルトリアを串刺しにせんとする。しかし彼は一刀のもとに伏せられ、地面に叩きつけられる前に聖剣の光で浄化された。

 

 

「本気だな?」

「貴方がたは気を抜いて戦争をされるのですか?」

「……やれ!」

「「「オオォォォぉオォォォぉぉぉッ!!!」」」

 

 

 フレギアスの号令の下、堕天使たちは一斉にアルトリアへと殺到する。ある者は光の槍を、ある者は剣を、ある者は魔法陣を展開させ、目の前の女騎士を八つ裂きにせんとする。

 

 

「フッ!ヤッ!ハァッ!」

「グァッ!?」

 

 

 しかし群がられた程度でやられるアルトリアではない。槍による刺突を逸らし、剣を受け流し、魔術を避ける。そしてすれ違いざまに堕天使の一人を斬りつけた。

 

 

「コイツ!強いぞ!」

「密集するな!一撃離脱で仕掛けろ!」

 

 

 フレギアスからの指示が飛ぶと、堕天使たちは距離を取る。がその隙を突いてアルトリアは弓形態に変更、音の刃を堕天使たちに浴びせる。

 

 

「ギャッ!?」

「痛ッ!?」

「チッ!第一部隊、防御魔法陣を展開!残りで遠距離から弾幕を張れ!」

 

 

 フレギアスは光の槍を指揮棒のように振るい、すかさず陣形を立て直す。隊列を組んで光の槍を投射し、アルトリアを消し飛ばそうとする。が、全てアルトリアの防御魔術で防がれてしまった。

 

 

「上級にしては粗雑ですね。ではこちらから参ります!来なさい、『白亜に眠りし、王の馬(ヒルフィギュア・スタリオン)』!」

 

 

 剣形態に戻し、懐から白馬のイラストを取り出す。イラストを触媒としてグイントを召喚し、自身も空に上がった。そのあとはただひたすらに剣を振るい、堕天使達を切り伏せていった。

 

 切って、斬って、斬って斬って斬って斬ってきって斬って斬って斬って斬って斬ってきって、切って………おかしい。少しも堕天使達が減っている気がしない。エクスカリバーで切った瞬間、堕天使達は浄化され消滅する。目の前で何人もの堕天使が消え去ったのをこの目で見た。なのに……グイントの手綱を引き、一度足を止めてみる。

 

 

「どうしたの?もうバテちゃったのかしら?」

「人間にしてはそれなりにやった方ではないかな?まぁ、我ら堕天使に敵うはずも無いか、フハハハハ!」

 

 

 結界内に響き渡る嘲笑。周りには未だ多くの堕天使達がアルトリアを囲んでいる。既に二十、いや三十回はこの手で消滅させた。にもかかわらず周りには数十人の堕天使が浮いている。援軍が来ないか、しっかりと周りは見ているが転送魔法陣の類は見られない。

 

 

「これは一体……」

『落ち着くんだ、マイロード。これは幻術だ』

「今だ!やれ!」

 

 

 足の止まったアルトリアに光の槍が降り注ぐ。当たってたまるかとグイントを駆り、回避に徹する。

 

 

「幻術?まさか……」

『そう、『夢幻の聖剣(エクスカリバー・ナイトメア)』の能力だ。あれで幻影を生み出しているのだろう。君が切った何人かも幻影だったんだろうね。まさか切った感触まで再現できるまでの使い手とは思わなかったけど』

「ならフリードが持っている物はフェイクという事ですか。どう対処しましょうか?こちらの幻術で上書きを?」

『いや、もっと楽な方法がある。今から教えよう』

 

 

 そうするとエムリスから光の帯が伸びる。よく見ればそれは魔術の仕組みらしき文字列だった。複数伸びたそれはアルトリアの頭へとするり、と入り込む。少し経つと帯は全てアルトリアの中にインプットされた。

 

 

「何をしようと無駄だ!大人しく刺し貫かれろ!」

「……術式習得、完了。発動、『王権勅令(キングス・コマンド)』!」

 

 

 突如グイントの脚を止めたアルトリアが振り向きざまに手のひらを向ける。そこから金色の光の波動が発せられた!光の波動は堕天使を包み込み、その効力を発揮する。

 アルトリアを追っていた堕天使の半数がまるで霞のように消え去り、フレギアスが持っていた光の槍も、その正体たる『夢幻の聖剣(エクスカリバー・ナイトメア)』に変化した。

 

 

「なにを、俺の幻術を破るだなんて……一体なにをした!」

『別になにも不思議な事はない。その剣は元々ペンドラゴン家が造ったものだ。然もわざわざ他所にあげている。なら悪用されないように安全装置くらいはつけるだろう?』

「どうやら七本のエクスカリバーは機能は弄らずにそのまま打ち直したようですね。お陰でスムーズに解除できましたが」

 

 

 エムリスがアルトリアに授けたのは、彼の中に存在していた対カレトヴルッフ用を含めペンドラゴン家装備の管理者権限。真なるエクスカリバーに劣るとはいえカレトヴルッフもまた十分強力な聖剣、それがこちら側に刃を向けぬ様にカレトヴルッフの七つの機能を停止させる術式がエムリスの中にインプットされていたのだ。

 

 

「さて、タネは割れました。どうしますか?尻尾を巻いてコカビエルの元へ帰るか、それとも……」

「…我らは自由を愛する誇り高き堕天使。敵を前に逃げるなどコカビエル様に申し訳が立たん。逃げるくらいなら死を選ぶ!征くぞォォォォォッ!!」

 

 

 堕天使達は各々の得意とする獲物を構え、アルトリア目掛けて突っ込んでくる。己の命を顧みない、正しく特攻だ。

 

 

「決死の覚悟ですか、ならばその覚悟に報いましょう。エムリス!」

『お任せを』

「ハァァァァァッ!!」

 

 

 グイントの背に立ち、剣を両手で持ち、腰の辺りで構える。切先は飛び込んでくる堕天使達を向き、突きの姿勢を取る。

 

 

『擬似人格停止。魔力供給量、規定値を突破。第二段階、応用限定解除を開始』

 

 

 ここに再演されるは伝説の武具。かつてアーサー王の伝説の始まりを彩った、王の資格ある者のみが抜ける選定の剣。しかし剣はアーサー王の過ちにより失われた。

 

 今や失われたかの剣の一撃を、決死の覚悟の戦士達への手向けとなす。

 

 

「真名、再演。選定の剣よ、我に勝利を。偽・勝利すべき黄金の剣(イミテーション・カリバーン)!!!!」

 

 

 放たれた突き、その刀身から発せられた光条は空を裂き一直線に堕天使の一団へと走る。先頭を飛ぶフレギアスは咄嗟に剣を手放し、真っ向からその光を浴びた。光がフレギアスを包んだ瞬間、内包されたエネルギーは堕天使の魔力と反応し大爆発を起こす!

 彼に続いていた堕天使もまたその爆発に巻き込まれ、その命を散らしていった。爆発が収まった後には爆発で生じた煙と掻き乱された魔力の奔流のみが残った。結界もまた張っていたフレギアスが消滅した事で解除される。

 

 

「……『夢幻の聖剣(エクスカリバー・ナイトメア)』の反応が生きています。爆発に巻き込まれなかったのでしょうね」

『此方は聖剣ごと破壊する気でいた。最後の最後でしてやられたね』

 

 

 聖剣はほぼ間違いなく、学園に向かっただろう。バルパーの目論見がエクスカリバーを融合させ、新たな聖剣を生み出す事である以上、一本でも多い方が良い。

 

 

「兎に角急ぎましょう。イッセー達が待っています」

 

 

 転移が使えないアルトリアはグイントの背に跨り、手綱を操る。幻影に時間を取られ過ぎた。恐らく戦闘は始まっているだろう。彼らだけではフリードはともかくコカビエルには勝てない。

 

 この状況においては、此方のエクスカリバーを解放する事も考慮に入れなくてはならない。アレを使うには魔力量に不安が残るが彼となら可能だろう。

 そう、イッセーとなら私は神話や伝説すらも消し飛ばしてみせる。




 堕天使フレギアスは聖闘士星矢の冥闘士からそれっぽい名前の奴を選びました。完全に元ネタとは無関係です。

 ほんとは限定解除したかったですが、やっぱ見せ場は取っておかないと。
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