赤龍帝と騎士王の現し身   作:ファブニル

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 ドーモ、ファブニルです。

 完全にモチベーションが死んでました。まだまだ慣れない仕事への対処+職場の主任の代行として仕事を覚える+新作ゲーム=1ヶ月投稿してない。
 まぁ、最後は自業自得です。本当にすみませんでした。

 時間かけた結果が皆様に気に入ってもらえるかは分かりませんが、今回の話は入れたかった内容の一つです。どうかご覧いただいた後に、お気に入り登録や高評価、そして感想など頂ければ嬉しいです。

 それでは第五十話、どうぞ!


対『悪神』戦線、構築

 アルトリアがアーサーを倒した頃、森に立ち込める霧の中に赤い閃光が輝き、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の音声が響き渡る。

 

 アルトリアがアーサーと共に場を離れた後、戦闘状態に突入した黒歌は対魔の毒霧を散布し、リアスと小猫の動きを封じた。イッセーだけがドラゴン由来の高い耐性により難を逃れたが、一人で黒歌の相手をする事になる。加えて神器が不調を起こし、黒歌の高い実力も相まってイッセーは圧倒的不利な状況に追い込まれてしまった。

 

 しかし、小猫の「やさしい『赤い龍の帝王(ウェルシュ・ドラゴン)』になってください」という願いと、リアスの胸を突いて喘がせたという感動がイッセーの精神に劇的な変化を巻き起こした。未知の世界を体験した事でイッセーは『禁手(バランス・ブレイカー)』になる為の壁を突破し、遂に至ったのである。

 

 

Welsh Dragon(ウェルシュ・ドラゴン)Balance Breaker(・バランス・ブレイカー)!!!!!!!

 

 

 イッセーたちの方へと向かっているアルトリアが見ればショックで気絶するか思考停止しそうな至り方だが、その身から放たれるオーラは絶大なものだった。イッセーはドライグから性能の説明を受けた後、普段通りに魔力弾を射出した。それがどれほど恐ろしい物か知らずに。

 

 

 

 

 イッセーの覚醒の波動を感じたアルトリアは全速力で霧がかった森の中を走る。目眩しか何かだろうが、自分に害はなさそうなので無視する。その時、霧の中から魔力弾が飛び出し、森の遥か先に消えていった。

 

 刹那。赤い閃光が走る。

 

 

 ドッドッォオオオオオオオオオンッッ!

 

 

 森の先から爆音が鳴り響き、爆風がアルトリアの身体を叩きつける。その一撃の爆風で、木がへし折れ、霧が吹き飛ばされて霧散する。霧が晴れた事で、爆発した先の景色が見えた。なんとそこには、山らしきものが大きく抉れ消滅しているという衝撃的な光景が!かつて見たドラゴンショットの初披露時は山の形を多少変える程度だったが、今回は山そのものが消滅している!

 

 そして、霧の中から紅い鎧を身に纏ったイッセーの姿が現れた。今までも見せていた赤龍帝の姿を模した鎧。その背にはブースターだけでなくドラゴンの翼が生え、放つオーラはより重厚な物へと進化していた。あれこそ完全な『禁手』の姿!

 

 

「イッセー、その姿は……」

「フハハハハハッ!遂に至ったか!なるほどなるほど!大した力の波動だ!いいオーラの塩梅だぞッ!それに今の一撃で結界も吹き飛んだ!」

 

 

 空中のタンニーンが大笑いしていた。だが、いまので結界が消えたなら外の人達にもここが知られたはず。尤も、向こうも悪神ロキの襲来を受けている筈だから援軍は来れないだろうが。

 

 

「アハハハハ!」

 

 

 そして他にも笑う者がいた。黒歌だ。

 

 

「ハッ!面白いじゃないの!なら、妖術仙術ミックスの一発お見舞いしようかしら!」

 

 

 黒歌の背後に八角の方陣が浮かびあがり、妖術と仙術の火の玉が浮かびあがる。それらは一つに混ざりあい、白い輪を生み出した。アレを受ければ最上級クラスと言えどただでは済まない。異なる二種類の属性が反発し合い、身体を焼き焦がしてしまうだろう。

 

 

 ビュゥンッ!

 

 

 輪はチャクラムの様に空を裂き、イッセーへと襲い掛かる!イッセーは手のひらを向け、それを真正面から受け止めた!

 

 

 ドドンッ!

 

 

「……こんなもんか?」

 

 

 煙の中から無傷のイッセーが現れる。真正面からあれほどの攻撃を受けたにも拘らず、鎧には目立った傷は見られなかった。

 

 

「効かない!?嘘でしょ。かなりの妖力を練り込んだのよ!」

「今度はこっちの番だ!」ドッ!

 

 

 イッセーは空中から勢いよく飛び出し、黒歌との距離を一気に詰める!

 

 

「調子に乗らないでよッ!」

 

 

 黒歌が妖術と仙術を幾重にも撃ちだしてくるが、イッセーはそれらを打ち返し、時には弾き飛ばして黒歌の眼前まで迫る!アレを喰らえば黒歌とてただでは済まない!

 

 

 ブゥゥゥゥンッ!

 

 

 ……イッセーは拳を黒歌の鼻先で静止させた。止めた余波で周囲の空気が振動し、草木が大きく揺れる。拳の一撃に畏怖する黒歌にイッセーが言う。

 

 

「俺の可愛い後輩、泣かすんじゃねぇよッ」

「ッ」

「次に小猫ちゃんを狙ったら、この一撃を止めない。あんたが女だろうが、小猫ちゃんのお姉さんだろうが、俺の敵だッ!」

 

 

 イッセーが拳を引くと、黒歌はすぐさま後方へ飛び退き距離を取った。

 

 

「…クソガキがっ!」

 

 

 毒づく黒歌だが、その瞳には怯えが見える。イッセーの纏う鎧は俺から見ても尋常じゃないプレッシャーを放っていた。それを見ていた美猴が哄笑を上げる。

 

 

「ヒャハハハハ!こりゃ面白いや!ドラゴンの親玉が二匹も!これを楽しまなきゃ嘘ってもんだぜぃ!」

 

 

 如意棒をくるくる回して、美猴は戦闘継続の意思を見せる。リアスと小猫もまた身体を苦しめていた毒の霧が晴れた事で調子を取り戻しつつある。

 

 

「チッ、まだやろうってのか!」

「イッセー!私も協力します!」

「アルトリア!助かるぜ、これで5対2だ」

 

 

 数の上では圧倒的有利。力においてもイッセーが黒歌に畏れを与えるほどに強くなったのでこの場は何とかなるだろう。ここから反撃開始だと皆が思ったその時。

 

 

「美猴さま、黒歌さん。そこまでです」

「「!?」」

 

 

 突如、少女の声が響き渡る。声がした方角を見るとそこから何かが飛んできた。それはまるで魔女の箒が機械化したような物体、そこに金髪の少女が座っている。フワフワとした金髪に魔法使いが被るような帽子にマントを身につけた、正に魔女と言うべき格好だ。

 

 

「あの子も『禍の団』のメンバーか!?」

「はい!はじめまして、『赤龍帝』兵藤一誠さま。私の名はルフェイ。ルフェイ・ペンドラゴンと申します。ヴァーリチームに所属している魔法使いです。以後、お見知りおきを」

 

 

 可憐な少女がヴァーリの仲間と知り、イッセーは驚愕する。と同時に彼女の姓に気付いた。

 

 

「ペンドラゴン、って事は」

「貴方はアーサーの妹ですか……」

「その通りです。アルトリア・ペンドラゴンさま」

 

 

 アルトリアに向かってペコリ、とお辞儀をする。そこへ、シュタッ!っと空中から降りてきた美猴。

 

 

「ルフェイ。お前、ヴァーリの付き添いじゃなかったかい?」

 

 

 青黒い箒のような物から降りた少女が答える。

 

 

「えぇ。ですがロキさまが撤退されたのと、お兄さまが重傷を負われたので居ても立っても居られずに来てしまいました」

 

 

 ルフェイの言葉を聞き、美猴が目を閉じて気を探る。

 

 

「成程ねぃ。しかしアーサーの奴がやられるとはな。正直言って信じらんねぇや」

『無論、素の実力はあの者の方が上です。ですがこれは相性、いえ権限の差というべきもの』

 

 

 再び女性の声が響き渡る。黒歌のような妖艶さを持ってはいるが、何処か冷たい気配を纏った冷酷な声だ。

 

 

「!誰だ!どっから…」

『……そうか、まさか貴様が居るとはな。『破滅の魔女』モルガン』

 

 

 ドライグが何処か忌々し気に声を挙げる。そしてアルトリアは気づいた、声の主はルフェイの持つ青黒い箒のような物。そこから嫌なオーラと魔力の気配を感じる。このオーラを感じるのは初めての筈だが、身体が拒絶反応を起こすように震えていた。

 

 

『こうして話すのは初めてですね。ブリテンに巣くっていた赤き龍よ』

『あぁ、そうだな。貴様こそどうした?そんな物に押し込められて』

 

 

 互いに挑発し合う二人。イッセーは記憶の中からモルガンの名を引っ張り出してきた。

 

 

「ドライグ、モルガンって確か……」

『あぁ、騎士王の姉でもあり魔女でもある()()モルガンだ。王位を継げなかった腹いせに、キャメロットを滅ぼさんと暗躍し、最終的にはモードレッドという叛逆者を産み出したブリテン崩壊の一因だ』

『フン。どちらにしてもあの者が継いだ時点であの国の崩壊は決まっていた。それが早いか、遅いか。その程度の些細な差でしかない。』

 

 

 その口ぶりにはプライドの高さと冷酷さが見え隠れしていた。しかしそんな魔女がなぜあんな物の中に?そもそもアレは神器なのか?

 

 

「その箒みたいなの、神器か?」

「いえ、これは私がモルガン師匠から教えを受けて開発した魔道具です!移動から戦闘、お掃除までなんでもこなす、名付けて『妖精魔女の箒(ブルーム・モルガーン)』!」

『そのまんまだね』

『私のセンスに文句があるのですか?忌々しい夢魔の模造品。その人格、消し飛ばしてもよいのですよ?』

 

 

 エムリスのツッコミに、モルガンは先程以上に苛立ちを見せる。模造品とはいえかの夢魔を思わせる言動と声に、彼女は無い筈のはらわたが煮えくり返る思いをしていた

 

 

「もう!師匠、落ち着いて下さい。コホン。さて、みなさん帰りましょうか」

 

 

 ルフェイが箒に魔力を流すと、彼女らの足元に水面の様なものが浮かび上がり、次の瞬間勢いよく水が噴き出す!

 

 

「ごきげんよう、兵藤一誠さま、アルトリア・ペンドラゴンさま」

 

 

 近いうちにお会いしましょう……

 

 

 水柱の中に彼らの姿が消えた後も残る声に警戒を強めたが、結局ヴァーリの仲間たちは水柱の中へと消えていった。恐らく転移系の魔術だろうが、その出来は尋常ならざるものだった。

 

 

『あれは恐らく、転移とは別の目的で造られた魔術だ。あの規模なら転移は副作用の筈なんだが、それをああも易々と使いこなすとはね』

「ルフェイ・ペンドラゴン。油断ならない相手です……」

「ってそれどころじゃない!ロキが!会場が!」

「そうね。みんな、急いで戻るわよ」

「「ハイ、部長!」」

 

 

 

 

 その後、会場へ帰還した彼らは、自分たちが場を離れてからの顛末を知った。

 

 リアスたち抜きで始まった式典。サーゼクスの挨拶の後、協定に調印しようとしたオーディンを妨害せんとロキ、そしてフェンリルが乱入。会場は一時混乱に陥ったが、一部の悪魔と堕天使バラキエルがフェンリルの気を逸らし、その隙に魔王の一人であるアジュカ・ベルゼブブが封印を施したそうだ。

 

 これでロキを封じ込めることが出来たのだが、あくまでも一時的な物とのこと。封じられ、怒り狂ったロキをこれから相手する必要がある。既にオーディンが神造兵装『ミョルニル』での対処を提案しているが、まだ具体的な方法は定まっていない。

 

 それを決めるべく、これから会議が開かれるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「まさかロキに加えて『禍の団(カオス・ブリゲード)』まで潜入していたとは……」

「然もそのうちの一人はSS級はぐれ悪魔の黒歌だ。彼女をここまで野放しにしてしまった事、これは我々の失態ともいえる」

 

 

 会場の一室に設けられた会議室に悪魔、天使、堕天使、そして北欧のトップ級が肩を並べて座っている。議題は先のロキと『禍の団』ヴァーリチーム、二勢力の襲撃に対する情報共有、そしてロキの対処についてだ。

 

 

「相手は『禍の団(カオス・ブリゲード)』独立部隊『ヴァーリチーム』の孫悟空『美猴』と聖王剣コールブランドの使い手『アーサー・ペンドラゴン』と猫魈『黒歌』、さらに元『黄金の夜明け団(ゴールデン・ドーン)』所属の『ルフェイ・ペンドラゴン』も関与。一人一人が絶大な力を有する上にあの魔道具に宿る彼女は……」

「モルガン。間違いない、アレは『モルガン・ル・フェイ』じゃ。あの魂の色、見間違えるはずがない。じゃがあの者は確かに死んだはず」

「死んだものを蘇らせる。んな事が出来るとすればそれこそ『神滅具』の一つ、『幽世の聖杯(セフィロト・グラール)』ぐらいなもんだが、あれは肉体を再生させるものであって、魂は別で用意しなきゃならん。てことは何かしらの手段、それも禁術で魂だけ呼び出したか?」

「あるいは本物の『聖杯』か……どちらにしても彼等への警戒を更に引き上げる必要があります」

 

 

 続いて話はロキ対策へと移る。先ずは魔王の一人であるアジュカが立ち上がり、説明を始めた。

 

 

「現在ロキとフェンリルはレーティングゲームにも使われる異空間の中で、俺の封印術式に捕らえている。奴らは術式の中で完全停止に限りなく近い状態で閉じ込められているが、ロキの魔術の腕とフェンリルの牙の力を加味した場合、数日後にはこの封印も解かれるだろう」

「それでも数日間は無力化出来た。ありがとう、アジュカ」

 

 

 サーゼクスからの感謝にアジュカはどうってことないと言いたげな目線を向け、席に座った。

 

 

「ロキは曲がりなりにも神。故に対するには神か、それに匹敵するだけの力が求められる。その為に今、アスガルドからミョルニルのレプリカを手配しているところだ」

「だが、ジジイ。仮にも主要な神を処断するとなったら、ミョルニルを使って戦う奴にもそれ相応の力が求められるぞ。だがそんだけの力を持つとなると、中枢に席を置く奴と足止めに大規模な軍勢が必要になる。そいつらが外交の席で問題を起こした主要な神を殺したとなりゃ、それがきっかけで両方の不満分子が騒ぎ立てて、最悪国際問題だ。それこそロキの思う壺だろう」

「となると、聖書と北欧の中枢に居ない者で、少数精鋭で事に当たらねばなりませんね。天界側の主だった戦力が冥界で動くのは難しいでしょう」

「こっちもだ。神器持ちの主戦力は別の任務に行ってるし、堕天使はこの事案に対応できる中間層が居ねぇ」

「となるとやはり、我々悪魔から選ぶ必要があるか……」

 

 

 サーゼクス、そしてファルビウムは会談終了後にメンバーの選定を求められるだろう。だが、このような事態に対処し得る存在が果たしてどれだけいるだろうか……。

 すると、グレイフィアが突然サーゼクスに耳打ちする。なにか報告するべきことが起きたようだ。

 

 

「……なに、リアスが?……分かった、通してくれ」

 

 

 どうやらリアスからグレイフィアを通じて話す事があるそうだ。普通ならグレイフィアの時点で門前払いされそうなところだが、どうやらそうもいかないらしい。

 

 

「失礼します」

 

 

 扉が開かれ、リアス・グレモリーとアルトリア・ペンドラゴンの二人が入ってくる。パーティーがお開きになったため、二人とも駒王学園の制服姿だ。

 

 

「魔王様、意見具申の許可を頂き感謝致します」

「要件はグレイフィアから聞いている。ロキとの戦いに志願するそうだな?」

 

 

 会議場内に僅かな動揺が走る。対して紅髪の兄妹は静かな様子だ。普段とは違い、リアスもサーゼクスも公人としての仮面を被ってやり取りしている。

 

 

「ハイ、概要は把握しています。ロキを弱らせ、ミョルニルを以てロキを瀕死に追い込み、完全に封印する、と。そのミョルニルを使うまでの時間を私たちに稼がせてください」

「ロキを弱らせ、ミョルニルの調整までの足止めする。言葉にすれば単純だが、相手はれっきとした神だ。少しの隙で容易く命を落とす危険な戦いになる。それでもやるのか?」

「此方には神をも凌ぐ赤龍帝が居ます。魔王様、そして皆様の御顔に泥を塗った悪しき神に滅びをもたらしてご覧にいれましょう」

 

 

 リアスの顔に余裕や挑戦的な笑みは無い。あるのは覚悟と使命感、ロキの蛮行を許さないという意思だけだ。

 続いてサーゼクスはアルトリアに目線を向ける。

 

 

「ペンドラゴン卿、君も参加したいと?」

「はい。ロキの行いは聖書、そしてサーゼクス様への明らかな挑戦。騎士として主に敵対する輩に制裁の刃を向けぬ理由がありましょうか」

「きみの言い分は尤もだ。だが手はあるのか?確かに君は最強の聖剣、エクスカリバーの担い手だ。だが君の実力では神を相手取るのは難しい。それに聖剣の力を万全に引き出せなければ……」

「それに関しちゃあ問題ない。こいつはウチの施設で特訓して格段に実力を伸ばしてる。エクスカリバーについても第三段階、エクスカリバー本体に施された制御プログラムを解除できるまでに至ったからな」

「エクスカリバー本体の?」

 

 

 セラフォルーの疑問に副総督のシェムハザが答える。

 

 

「我々『神の子を見張る者』の解析により、エクスカリバーにはその出力を抑える13個の制御プログラムが組み込まれている事が判明しました。これらは戦況が特定の条件である場合に解除され、出力を飛躍的に上げるものとなっています。実際拘束の解除数が過半数に満たない場合でも施設が崩壊しかけました……」

「『十三拘束(シールサーティーン)』……つまりはあの騎士王にも匹敵しうるまでに育ったということか。フフフ、面白い。この時代にあの光を見れるかもしれんという事か。サーゼクスよ、儂は賛成じゃ。ミョルニルとエクスカリバー、二段重ねの作戦ならばロキを御せる可能性も高いであろうよ」

 

 

 オーディンが賛成の意を表すと、ミカエルやアザゼル、四大魔王たちも同様に頷いた。

 

 

「ありがとうございます、全力を尽くします」

「現在ロキが捕らえられている異空間は耐久力を上げるために空間の壁を厚く作っている。その為飛ばせるのは10名程度、増やせても1人か2人が限界だ。選抜はどうする?」

「グレモリーからは私と『女王』の朱乃、『騎士』の祐斗、ゼノヴィア、『戦車』の小猫、『兵士』のイッセーの6名、そしてそこにアルトリアを加えた計7名を予定しております」

「なら、私から3名推薦させてもらうわ、入って来て」

 

 

 セラフォルーが合図を送ると会議室の別の扉が開き、三人の男女が入ってくる。

 

 

「!ソーナ!」

「ツバキ、ゲンシロウも……」

「リアス、貴方も考えていることは同じだったようですね」

 

 

 駒王学園生徒会、そしてシトリー眷属に所属する三人が現れたという事は、彼女たちもまたロキとの戦いに志願するという事だろう。

 

 

「ソーナちゃんがどうしてもって聞かなくてね。最初は断るつもりだったけど、リアスちゃんたちが出てくるなら出さないわけにはいかないでしょ?それに今回の件は悪魔側の失態、なら魔王の身内がその恥を雪ぐのは納得の人選じゃないかしら?」

「成程……でしたら我々天界からも1名、参加させて頂きます」

「オイオイ、さっき難しいって言ったばかりだろ?」

「難しいだけで不可能とは言っていません。それに若人がここまで覚悟を決めているのです。()()もまた参戦を望むでしょう。それに良い機会と思いましてね……」

「ケっ、相変わらず抜け目がないな。なら俺は裏方に回るぜ。転送術式やミョルニルの調整にウチも手を貸す。シェムハザ、至急ラボの手配をしといてくれ」

「全く、仕方ありませんね」

「ならばアースガルズからはこのロスヴァイセを出そう。相手はロキ、同じ神話体系として奴の対処に役立つじゃろうて。実力は保障するぞ」

 

 

 それぞれの陣営が動き出した。悪神という敵を前に、それぞれが一つにまとまって動いている。世界を壊さんと動く者たちの存在が、皮肉にも彼等の壊したがっている世界の連携を齎しているのだ。

 




 設定

 モルガン・ル・フェイ
 所属:ヴァーリチーム

 騎士王の実の姉であり、かつてブリテンに混乱と災いを齎し、キャメロットと円卓崩壊を狙った魔女。ブリテン島の神秘を守る者として妖精の力を持ち、魔術の扱いに長ける。

 アーサー王の死後にその亡骸の処理などを行った後、役目を終えた事でこの世を去った。が、この世界の英雄のサガか彼女が予備として残したアーサー王のクローンの末裔であるルフェイ・ペンドラゴンの中に宿る。

 ある日、魂に関する魔術を研究していたルフェイが偶然自分の中に宿るモルガンを知覚した事で、禁術により魂を抽出され、現代に意識を取り戻す。

 その後は魂だけの存在ながら彼女の師匠として様々な魔術や魔道具の作り方を教え、彼女の制作物の内の一つに宿る事となった。

 性格はかつての冷酷さ、苛烈さを残しつつも、目的を果たした事で肩の荷が降り、子孫であるルフェイに対しては穏やかに接する事もある。


妖精魔女の箒(ブルーム・モルガーン)

 ルフェイがモルガンの指導を経て作り出した魔道具。モルガンの魂が宿っている為、実質的に彼女の今世での肉体となっている。元は魂の一部を抽出した事で魔力量などが落ちたルフェイの補助具の役割を担っていたが、モルガンの指導で成長した後も便利な魔道具として使っている。

 跨る事で移動の足となり、長杖型の杖にして振るう事で魔術を発動し、更には箒らしく掃除などもこなす。

 イメージは『株式会社マジルミエ』のホーキのような機械的な魔女の箒
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