今度は1ヶ月近く経ってしまいました。
仕事で精神をやられて意欲がまるで起きませんでした。流石に辛いので現在転職活動中です。
その為今回はリハビリを兼ねて短めです。ご容赦ください。
それでもよろしければ、今回もお気に入り登録や高評価、感想、それと『ここすき』をお願いします。
それでは第六十話、どうぞ!
神殿の中は、広大な空間だった。大きな広間がずっと続いている。広間に巨大な柱が並ぶだけで他に目立った物はない。が、柱の一つにリアスの魔力と反応する仕掛けがあった。恐らくここがアザゼルの言っていたシェルターなのだろう。ここへアーシアを連れて戻るのが最終目標だ。
そのまま一行はさらに奥にある神殿へと入った。漂う空気に警戒していると、前方からフードを深く被ったローブ姿の小柄な人影が十名ほど現れる。
『やー、リアス・グレモリーとその眷属の皆、それにアルトリア・ペンドラゴン』
神殿中にディオドラの声が響く。周囲を見渡すが、ディオドラの姿はない。
『ハハハ、辺りを見渡しても僕は見つからないよ。僕はこのずっと先の神殿で君たちを待っているからね。だけどそのまま通す訳もないし、ただ妨害してもつまらない。だからゲームをしよう。中止になったレーティングゲームの代わりだ』
自分からゲームを滅茶苦茶にしておいて、今更暇つぶしのゲームとは。
「そんな勝手な言い分を私たちが呑むとでも?」
『呑まなければ仕方がない。すぐにでもアーシアを僕の物にしよう。君たちが僕の眷属をエクスカリバーで消し飛ばそうものなら、到着した君らが目にするのは僕色に染まったアーシアだろうね』
即ちこのゲーム自体にアーシアの貞操が掛かっているのか。無論、ディオドラが素直に約束を守るとは言い難い。が、ここは従う他ないだろう。
『お互いの駒を出し合って、試合をしていくんだ。一度使った駒は僕の所へ来るまで二度と使えないのがルール。あとは好きにしていいんじゃないかな』
「では部外者である私が審判代理として、戦闘不能かの判断を取ります。リタイヤ機能が無いため、倒された眷属には私が死なない程度の回復を掛けさせていただきます」
『構わないよ。大切な眷属をむざむざ殺されるのは僕も望まない所だ。君の方はどうだい、リアス』
「此方も了承したわ。アルトリア、公正な審査をお願いするわね」
「心得ました」
そういってアルトリアは両陣営の間に立つ。
『さてと、第一試合、僕は「兵士」八名と「戦車」二名を出す。ちなみにその「兵士」達は皆既に「女王」に昇格しているよ。ハハハ、いきなり「女王」八名だけれど、それでもいいよね?何せ、リアス・グレモリーは強力な眷属を持っていることで有名な若手なのだから』
「いいわ。貴方の戯言に付き合ってあげる。私の眷属がどれほどのものか、刻み込んであげるわ」
いきなりの裏工作にもリアスは快諾した。さすがの自信だな。
「相手の提案を呑んでいいんですか?」
イッセーがリアスに訊くと彼女は目を細めながら言う。
「応じておいたほうがいいわ。あちらは…アーシアを人質に取っているんですもの。下手に抗議してディオドラの気を変えさせたら、アーシアの身が危ないわ」
リアスの選択は正しい。悔しいが今の状況はディオドラの気まぐれと慢心の上に成り立っている。彼の気が変わってアーシアの身に危険が及ぶ事だけは避けなくてはならない
「こちらはイッセー、小猫、ゼノヴィア、ギャスパーを出すわ」
対するリアスも眷属でパワーに特化した三人とサポーターとしてギャスパーを投入する事にした。リアスに指名されたメンバーは彼女の元に集まり、作戦会議を行う。このメンバーなら基本戦略はパワーによるゴリ押しだろうか、それとも………
『じゃあ、始めようか。さ、スタートの合図を』
「では、開始!」
ディオドラの声と共に奴の眷属が一斉に構えだした。まずイッセーは祐斗の作った小型の魔剣で指を軽く切り、ギャスパーに血を与える。
ドクンッ!
遠目にもギャスパーの胸が脈打ったのがわかった。次の瞬間、ギャスパーの体を異様なオーラが
包み、赤い双眸も怪しく輝き始めていた。強者の血によるブーストが掛かったのだ。これで準備は整ったか!
「小猫ちゃん、ギャスパー!行くぞ!」
「「はい!」」
「ゼノヴィア!『戦車』二人は!」
「あぁ、任せろ!」
三人がそれぞれ元気よく返事をする。どうやらゼノヴィアが『戦車』二人と、残り三人で『兵士』全員と戦うらしい。
「にゃん!」
小猫が掛け声と共に猫耳と尻尾を生やす。相手は『女王』と化した『兵士』八名。強敵だが、あのイッセーの顔を見るに何か必勝法でもあるのだろう。
「まずは俺も『女王』にプロモーション!」
普段のゲームなら敵陣でしか行えないが、通常のゲームが崩壊した今なら、リアスの合意があれば昇格することが出来る。
『Boost!!』
更にイッセーはブーステッド・ギアで自身を強化する。
『Explosion!』
「煩悩解放!イメージマックス!広がれッ!俺の快適空間ッッ!」
イッセーを中心に謎の空間が展開していく!ま、まさかあの技は!
「部長ォォォッ!俺は変態です!俺はエロエロです!それでも俺はこの技を貴方の為に使います!いえ、俺自身の為に使います!」
イッセーがリアスに謎の誓いを立てた後、前方の『兵士』八名に照準を向けた。いや、イッセーが視線を向けた先は彼女たちの胸であり、この後の流れに気づいた全員はあきれ顔でイッセーを見るのだった。
『
「ヘイ!『兵士』のおっぱいさん達、右から順にこれから何をしようか教えてちょうだい!」
イッセーは聞き出した情報を二人に共有する。
「あの子とあの子とあの子はギャスパーを狙ってる!ギャスパー、今言った奴を停止させろ!」
「は、はいぃぃぃぃ!」
イッセーが指さした『兵士』三名をギャスパーが神器の力で停止させる。ピタッ、っと『兵士』三名がギャスパーの眼に捉えられ、容易に動きを停止させられた。イッセーの血込みとはいえ、完全に使いこなしている。彼も立派なグレモリー眷属の一員だ。
「次はそっちのおっぱいさん達!君たちは何を考えているのかな?」
敵の停止を確認したイッセーは逆側の『兵士』の声を聞く。
「ギャスパー、次はそっちの三名が小猫ちゃん方面に向かう!そこを停止させろ!」
「は、はいぃぃぃぃっ!」
カッ!ピタリ。
ギャスパーの眼光がきらめき、また三名がその場で動きを停止させられた!あっという間に残りの『兵士』は二名となった。イッセーとギャスパー、読心と停止の連携がここまで決まるとは、恐れ入った。
「ウハハハハハハハッ!圧倒的じゃないか!『女王』となった『兵士』八名が何もできずに俺達の連携攻撃の前に沈もうとしているのだからな!」
イッセーは邪悪で下品な笑みを発していた。女性限定とは言え相手の行動、作戦が筒抜けになるのはやはり凄まじい。仲間と情報を共有すれば、連携の精度も上がる。実際に実戦経験の少ないギャスパーとここまでの連携が取れるのだ、やはり通常のゲームでは禁止のままが良い。
「…どう考えても悪役側の態度」
小猫のツッコミにイッセーは動揺するが、すぐに立ち直りゆっくりと停止させられている『兵士』に軽く触れていく。
「フッ、『
軽い決めポーズとフィンガースナップの直後、『兵士』の女性たちの服が次々と弾け飛んでいく。装備も服も問答無用で破壊する、絵面の酷さを除けば最強の技だ。
「…ふふふ。見たまえ。動けない者がこれほど無防備とは。服も容易に破壊出来る。パイリンガルとドレスブレイクのコンボ。相手が女の子なら、ここまで無敵だとは…」
服を脱がす必要はあったのだろうか?いや、装備を破壊して完全に無力化するという事ならアリなのか?
「アザゼル先生、俺、いつかおっぱいを支配できるんじゃないかって思えてきましたよ。さーて、残りのお姉さん達をどうしてくれるかなー!」
おかしい。先程ディオドラの秘めた性癖と、眷属がその被害者である事にイッセーは義憤と危機感を募らせていたのに、完全に今のイッセーは辱しめる者の眼をしている。欲とはここまで人を変えてしまうのか……
イッセーが下品な笑みで両手をわしゃわしゃ動かしていると「ゴンッ!」と一発小猫に顔面パンチされた。良かった、ちゃんと制裁された
「…早く倒しましょう。ドスケベ先輩」
小猫はそう言いながら停止いている相手を『兵士』をパンチで打倒していった。
イッセーも小猫に活を入れられて、手早くギャスパーに指示を出して、残りの『兵士』も停止させていく。その後小猫の仙術で魔力を練れないようにし、ギャスパーのヴァンパイアの能力で気絶させて柱に縛り上げていった。
「アルトリア!これで良いよな!」
「えぇ。ディオドラ・アスタロトの『兵士』、全てリタイヤです」
アルトリアが裁定を下し、『兵士』達はリタイヤとなった。その様子を見ていたゼノヴィアもまた頃合いだ、と言わんばかりに『戦車』2人を弾き飛ばす。
「よし、これで心置きなく振るえるな。こい、アスカロン!」
虚空からアスカロンを取り出したゼノヴィアは、デュランダルとアスカロンの二振りを手に『戦車』二名の方へ歩みだした。
「アーシアを返してもらおう」
ゼノヴィアの全身からかつてないほどのプレッシャーが放たれていた。その眼光は鋭い。
「…友と呼べる者を私は持っていなかった。そんなものがなくても生きていけると思っていたからだ。神の愛さえあれば生きていける、と」
『戦車』二名がゼノヴィア目掛けて走り出す。スピードのある『戦車』かと推測するが、ゼノヴィアは動じずに独白を続ける。
「そんな私にも分け隔て無く接してくれる者達が出来た。特にアーシアはいつも私に微笑んでくれていた。この私と『友達』だと言ってくれたんだ」
『戦車』二名の激しい打撃をすんでで躱しながら、ゼノヴィアは憂いの瞳を見せていた。
「…私は最初に出会った時、アーシアに酷いことを言った。魔女だと。異端だと。でも、アーシアは何事も無かったように私に話しかけてくれた。それでも『友達』だと言ってくれたんだ!」
やはりゼノヴィアはあの時の事をずっと気にしてたのか。恐らくこの記憶は彼女から無くなる事は無いだろう。彼女の中で永遠の戒めとして残り続けるのだ。
「君たちの事情は知っている。かつて同じ教義を仰いだ同胞であった事も理解している。だがそれでも!私の親友を!アーシアを!助けるために君たちを倒す!」
ドンッ!
デュランダルから吐き出される絶大な波動が『戦車』の二人を弾き飛ばす。そしてデュランダルを天高く振り上げると涙交じりに叫んだ!
「だから!だから頼む!デュランダルよ!私に応えてくれっ!アーシアがいなくなったら、私は嫌だ!アーシアを失ったら私は…ッ!お願いだ!私に!私に友達を救う力を貸してくれッ!デュランダァァァァァァルッッ!」
ドゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッ!
ゼノヴィアの声に応えるようにデュランダルはその聖なるオーラを何倍にも膨れ上がらせた。第二段階まで解放したエクスカリバーにも迫るほどのオーラに、離れた場所にいるアルトリアもまたその圧倒的な質量を感じていた。
「私はデュランダルをうまく抑えることなんてできないと最近になって理解した。木場のように静寂な波動を漂わせるようになるには長期間かかるかもしれない。それならば、いまは突き進めばいい。デュランダルの凄まじい切れ味と破壊力を思うが儘に増大させる!」
その選択は正しい。今のゼノヴィアの技量と彼女の特性を鑑みれば祐斗が見せたあの三段突きのような達人芸は困難を極める。であれば攻撃性に振り切れた、アルトリアの必殺技『約束された勝利の剣』のような運用こそが彼女には合っている。
更にデュランダルとアスカロンをクロスさせ、オーラをアスカロンへも伝播させる。
「さあ、いこう!デュランダル!アスカロン!私の親友を助けるために!私の想いに応えてくれぇぇぇぇぇっ!」
二振りの聖剣が互いに相乗させ、爆発的に高まったオーラが天へと伸び、天井を破壊していく!あの構えは、マズイ!アルトリアが駆け出すのと同時にゼノヴィアの振り下ろしが炸裂した!
ドッオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッ!
神殿が大きく揺れる!揺れが収まった時、イッセー達の視界に映ったのは。ゼノヴィアの前方に伸びる大きな破壊の爪痕。その先にあった柱、壁を丸ごと消失し、神殿の半分以上がオーラで消し飛んでしまった!
聖剣使いによる全力の一撃。その一撃を受けた『戦車』二名は完全に消滅した、かに思えた。
「ハァッ、ハァッ!ディオドラ・アスタロトの『戦車』二名、戦闘不能につきリタイヤ……!」
ゼノヴィアに消し飛ばされたと思われた二人は、アルトリアの腕の中で意識を失っていた。あの圧倒的な『聖』のオーラと『死』の感覚に意識を飛ばされていた二人をアルトリアが咄嗟に救いだしたのだ。
『おや、騎士王の末裔ともあろう方が戦いに水を差すとは。着弾前にリタイヤを宣言するなんて、少々贔屓が過ぎるんじゃないかい?』
「戯言をッ!あの一撃をマトモに喰らえば消滅は免れない。ゲームならいざ知らず、今の状況では確実に死んでしまう!彼女たちの保護も私の任務だ!」
リアスたちだけではない。可能であれば彼女らの身を保護することがアルトリアに科せられた使命だ。彼女等はほぼ間違いなく無理やり眷属にされたクチだ。そんな彼女等の身柄は高度な政治的案件に繋がる。
無論全てを救えるとは思っていない。サーゼクス、ミカエルからも出来れば程度でしか言われていない。だが今後の天界と冥界の友好や技術交流、特に『悪魔の駒』に関する研究と摩擦解消のために彼女たちの存在は必要不可欠だ。
「ゼノヴィア、貴方の覚悟に水を差してしまった事、心からお詫びします。ですが……」
「分かっている、君にも事情があるのだろう。アーシアを救えるのなら私はどんなことが起きようと構わない」
救出した『戦車』二人にも『兵士』と同じ処置を施し、柱に縛り付ける。そしてミカエルに連絡を取り、救出用の部隊を動かしてもらった。
初戦はグレモリー眷属の圧勝。残す敵は『女王』、『騎士』二名、『僧侶』二名、ディオドラのみだ。
「行きましょう」
リアスの掛け声と共に一行は次の神殿へ足を進めた。次の神殿で待ち構えていたのは三名の敵。
「映像の一件から僕の記憶が正しければ『僧侶』二名と『女王』です」
「ダリア・ニコロディ、ルーシー・キスリンガー。そして……」
「待っていました、リアス・グレモリー様」
ディオドラの『女王』がフードを取り払い、顔を見せる。碧眼のブロンド女性だ。アルトリアはミカエルから渡された行方不明者リストと目の前の顔を照合する。
「アンナ・ルー・カストルディ。やはり彼女も……」
「全員教会で聞き覚えのある名だ。皆敬虔なシスターであったはずだが……」
アンナ・ルー・カストルディ。ダリア、ルーシー同様教会において敬虔なシスターとして一時期有名であった女性だ。これまでの女性同様行方が分からなくなっていたが、彼女もまたディオドラ・アスタロトによって攫われた女性だろう。
「あらあら、では、私が出ましょうか」
一歩前に出たのは朱乃、同じ『女王』として自分が出るのが相応しいと考えたのだろう。
「あとの『騎士』二人は祐斗がいれば十分ね。私も出るわ」
更にはリアスも前に出る。此処でグレモリー眷属のツートップが出るのか。
「あら、部長私だけでも十分ですわ」
「何を言ってるの。いくら雷光を覚えたからって、無茶は禁物よ?ここでダメージをもらうよりは堅実にいって最小限の事で抑えるべきだわ」
雷光と滅びの力、この二人なら問題なく勝利することが出来るだろう。これだけでも問題はなさそうだが、耳をピンと立てた小猫がイッセーに何か耳打ちしている。何か作戦を思いついたのだろうか?
「朱乃さーん」
するとイッセーが叫んで、朱乃が振り向く。何かエールを送る気なのか?
「えっと、その人たちを死なない程度に倒せたら、今度の日曜デートしましょう!」
!これが、小猫の作戦か。こんな事を朱乃が聴けば……
カッ!バチッ!バチッ!
突然、電光が辺り一面に散らばりだした。やはり、と思いながら朱乃の方を向けば、そこには尋常じゃない量のオーラに包まれた朱乃がいた。
「…うふふ。うふふふふふ!イッセー君とデートできる!」
大好きなイッセーからのお誘い。その嬉しさと必ず勝つという気概。結果彼女は周囲に雷光を走らせながら、迫力ある笑みを浮かべていた。
「酷いわ、イッセー!私という者がありながら、朱乃にだけそんなこと言って!」
今度はリアスが涙目でイッセーに訴えている。
「うふふ、リアス。これも私の愛がイッセー君に通じた証拠よ。もう諦めるしかないわね?」
「な、な、何を言っているの!デ、デ、デート一回ぐらいの権利で雷を迸らせる卑しい朱乃になんか言われたくないわ!」
リアスと朱乃が口論しだした。やはり狙いはこれか。イッセーが大好きな二人、その片方にイッセーというご褒美を用意すれば、もう片方が悔しがって攻撃性が増す。イッセーを取り合って二人が張り合えば簡単にパワーアップすることが出来る。が、欠点も存在する。こうなると中々決着がつかない。
「ちょっと審判!いい加減始めさせてもらえないかしら!」
余りに長く、どうでもいい口論にアンナがアルトリアへ抗議した。確かにいい加減やめさせなければ先に進めなくなる。
「……仕方ありません。リアス!アケノ!」
「私は既にイッセー君とデートしていますわよ?」
「それは私が許可した事でしょ!貴方がイッセーを自力で誘ったわけじゃないわ!」
アルトリアの声にも耳を貸さない二人。こうなっては仕方ない、先に一撃受けさせて目を覚まさせるしかないか。
「ハァッ、それでは、第二戦開始!」
「ハッ!敵を前にして男の取り合いなどふざけた「「うるさい!」」!?!?」
ドッゴォォォォォォオオオオオオン!
魔力を昂らせていたアンナ達だったが、突如リアスと朱乃が特大の一撃を三人に向けて撃ち放つ!その威力たるや見ているだけで寒気がするほどの強烈さだ!
滅びの魔力と雷光の魔力が同時に巻き起こり、うねりとなってアンナ達を容赦なく包み込んでいく。神殿も周囲の風景も巻き込んで、全てを木っ端微塵に吹き飛ばしていった。
…プスプス…
魔力のうねりが収まると、そこには煙を上げながら、『女王』と『僧侶』の二人が床に倒れこんでいた。辛うじて息があるが、完全に再起不能である。
「ディオドラ・アスタロトの『僧侶』二名及び『女王』、戦闘不能につきリタイヤ」
しかし二人の口論に口をはさんだばかりにこの結果か…。戦いどころか試合ですら無かった。ここまで一方的だと境遇以上に哀れに感じる。
「うぬぬ!…まあ、いいわ。後はアーシアを救ってからゆっくり話し合いましょう。まずはアーシアの救出よ」
「ええ、わかっていますわ。私にとってもアーシアちゃんは妹のような存在ですもの」
ようやく口論が終結し、二人の意見が一致したようだ。この手はあまり使えないな、リスクが大き過ぎる。兎に角『女王』と『僧侶』を撃破したイッセー達は更に先の神殿と進んでいくのであった。
ディオドラ眷属の一部に救済措置を入れました。まぁ、患者兼外交カード兼モルモットって感じですが。