愛用のライターを片手にこの回廊を探索することにした。床は木、壁は土でできており、全体的に和風な感じの回廊だ。廊下にポツポツとおいてある燭台のロウソクにライターで光を灯しながら先に進んでいると壁に張り紙があった。誰かの手書きのようだ。内容はこうである。「君の身に何が起こったのか、理解できずに混乱していると思うが、どうか私の言うことを聞いてほしい。奴らに見つかる前に今すぐそこから移動するんだ。もし見つかってしまえば君の命はないだろう。ここから更に奥に進むためには、勾玉を5つ集めて祭壇に収める必要がある。勾玉は鍵のかかった部屋や、鳴き声の主の近くにおいてある可能性が高い。そしてコンパスを探すんだ。コンパスの針が指す方向に祭壇がある。私はこの回廊の奥で、君を待っている。私達がこの世界から出るためにも、君の協力が必要だ。君に生きて会えることを願っている。 -K-」・・・何なんだ?奴らってなんだ?勾玉を集めろ?コンパスを探せ?様々な疑問が頭に浮かび、混乱しそうになったがなんとか自分を落ち着かせ書き置きの指示通りに回廊を探索することにした。
どこまでも続く廊下、右に左にと複雑に入り組んでいる。どこにいけばいいかもわからず、前へ進んでいると遠くから誰かの泣き声が聞こえてきた。「私の他に誰か人がいるのか!」自分以外にも人間がいる、そう思い安堵の表情浮かべたところでさきほどの書き置きの文章がフラッシュバックする。「勾玉は鳴き声の主の近くにおいてある可能性が高い」。この近くに勾玉が?歩いて近づこうとすると泣き声の主が「ドコ?ドコニイルノ?」と急に喋りだした。これは、バレたら死ぬな。直感的にそう思った。こいつはどうやら敵らしい。バレないように気をつけながら泣き声の主がどのような見た目をしているのか確認してみる。性別は女、腰まで伸びた茶色の髪の毛、床にうずくまって泣いている。(こいつは泣き女と呼ぶことにする)何より奇妙だったのが、なぜか能面をつけていたことだ。泣き女は机の挟んで向こう側にいる。その机の上に緑色に光っている勾玉が置かれている。これは取るしかない。息を殺し、しゃがみながら恐る恐る机に近づいていく。机の間近までいき、震える腕で勾玉に手を伸ばす。、、、、取れた!取った勾玉をポケットに突っ込み、安堵のため息を吐く。それからまたゆっくりと泣き女の近くを離れていき、長い廊下を歩き始めた。廊下にはところどころ棚があったり、引き出しがあったりする。とりあえず手当たり次第に漁っていると、金色の鍵、厚手の長靴、古いカメラの3つのものが棚においてあった。まず厚手の長靴、丈夫な厚手の長靴。水場でも速度を落とすことなく走ることができそうだ。また、靴底も丈夫にできているため、足元が危険な場所でも多少であれば無視して通ることができそうだ。濡れた足場でも滑りにくく、寒さや害虫などから足を保護してくれる。次に古いカメラ。フラッシュバブル式の古いカメラ、フィルムが入っていないため撮影はできないが、フラッシュを焚いて目くらましに使うことができる。使用するたびに電球を交換する必要があるため、連続して使用することはできない。さっきの書き置きに書いてあった「奴ら」に遭遇したときに役立ちそうと思い、取っておいた。さらにもう一つ、金色の鍵。これに関しては使い道がわからなかった。が重要そうだったので取っておくことにした。最後に一つ、紙が一枚おいてあったので読むことにした。この筆跡、おそらく先ほどと同じ「-K-」が書いたものだ。内容はこうだ。「鳴き声の主、こいつは徘徊者の内の一人だ。音に非常に敏感で、近くを走るのはもちろん、歩くのも非常に危険だ。近づきすぎたり、光を当てるのも危険だ。近くを通る際は明かりを消して、しゃがんで通ることだ。あとは、音がした方に動いていく習性があるので、回廊に落ちている爆竹を使い、誘導するのも一つの手だ。爆竹が鳴っている間は、こちらの足音は聞かれない」なるほど。あいつはそういう特性を持ってるのか。しかし、「徘徊者」というワードが気になる。他にもなにかいるのか?疑問がもんもんと浮かんでくる。
ライターとカメラを手に持ち、てくてくと歩いていると、遠くからドコドコドコドコととてつもなく大きな音が聞こえ、だんだん近づいてきている。まずい、どこかに隠れなければ!すぐに部屋の中に駆け込み、たまたまあった竹でできたかごの中に身を隠し、隙間から音のする方を見た。その時私は自分の目を疑った。今まで見たことのない生物が目に写ったのだ。とてつもなく大きく、腕が8本ほど生えていて、その腕をドタバタと動かし廊下を徘徊している。そしてあの泣き女と同様、顔らしき場所に能面がついていた。何なんだこの能面は、と思いつつヤツが通り過ぎるのを待つ。音が聞こえなくなってから部屋を探索しているとまた紙を二枚ほど見つけた。床に腰をおろし、あぐらをかいて紙に書いてある内容を読む。一枚目の内容はこうだ。「走り廻る徘徊者、こいつは移動速度が他の個体と比べても尋常じゃなく速い。だから足音が聞こえたらすぐに物陰に隠れることだ。君も聞いただろうが、こいつは足音がとても大きい。そのせいでこちらの足音も聞こえていないから、物陰に隠れる時は走っても問題はない。」さっきの腕がたくさん生えてたやつのことか、確かに焦って走ってしまったがバレなかった。不幸中の幸いだな。にしてもどうしてこんな細かい特徴がわかるのか、と疑問に思いながら二枚目の文章に目を走らせる。「徘徊者は視覚と聴覚を駆使して君を探すだろう。まず視覚、ライターや懐中電灯を点灯していると見つかりやすくなるが、回廊に設置してある燭台にある光は見えてないようだからどんどん点灯して明かりを確保しておこう。そして、常に隠れる場所を意識し、いざという時はしゃがんで物陰に隠れることだ。竹で編まれたかごに隠れるのが最も安全だが、隠れる時は手元の明かりをかならず消すこと。次に聴覚、当たり前だが、しゃがんで歩く足音<歩く足音<走る足音、の順番で足音は大きくなる。どの程度の足音に反応するかは徘徊者の個体ごとに差があるが、基本、歩く程度の足音なら比較的安全だ。もし歩く足音に反応する徘徊者が近くにいる場合はしゃがんで音を立てずにすすむことだ。君は非力な存在だ。決して、決して徘徊者に挑もうなどと考えてはいけない。幸運を祈る-K-」やっぱり、これを書いているのは「-K-」だった。一体何者なのか、早く正体が知りたいと思い、勾玉集めを再開することにした。
先ほど通っていった走り廻る徘徊者がドアを壊していったのだが、壊れたドアの部屋を除いてみると勾玉がおいてあった。おそらくこの扉は鍵がかかっていたのだろう、それを壊してくれたから少し感謝した。これで2個目、先は長いなと思いつつ探索を続けた。廊下を歩いていると、奥の方に光が見えた。ヒグラシの声もたくさん聞こえてきて、ついに外に出られるのかと思い走った。しかし、壁の向こうから光が漏れていただけで、外には出られなかった。壁は思ったより頑丈にできていて、とても壊せそうにはなかった。観念して探索に戻ろう、そう思い左に見えていたドアを開けようと取っ手に手をかけるが、開かない。お、これはあいつの出番か?と思いポケットから金色の鍵を取り出し、鍵穴に鍵を入れ、回す。すると、扉が開錠されると同時に鍵は崩れ、消えてしまった。不思議に思いながら扉を開けると思ったとおり勾玉がおいてあった。この緑の光を見るとなんだか安心する。さあ、もう折り返し地点だ。残り2つもさっさと集めて祭壇にいこう。少し乗り気になりながらどこまでも続く長い廊下を再び歩き始めた。
廊下を歩いていると襖の扉が見えたので、横にスライドさせて開けると中は和室になっていた。今まで見たことないタイプの物入れ4つほどが見え、アルファベットのLの形で置かれている。一つ一つ開けていると、なんと中から勾玉が。こういう何もなさそうなところにも勾玉あるのか、こりゃもっと慎重に探索しなきゃだな。これまでの自分の探索の荒さに後悔しつつ、横の棚を漁る。その棚には紫色の鉢巻きが置かれていて、身につけるとなぜか気合が入り、いつもより持久力が上がったような気がした。棚を漁り終えてから部屋を出て、探索を続ける。ラスト一個どこにあるのかな〜と思いながらてくてく歩いていると、シャン、シャン、遠くの方から鈴の音が聞こえてくる。なんだなんだ、または徘徊者か?と思い音のする方を見ると、鈴を振りながら何かがこちらに向かってきている。赤い着物を着ていて、やはり他の奴らと同じように能面をつけていた。こいつは徘徊者だ。相手を見るのに夢中になっていた私はライターを消し忘れていたことを思い出し、消そうとした瞬間、バレてしまった。視界にノイズが走り、鈴の音が激しくなり、後ろからどんどん近づいてくる徘徊者。くそ、こういうときに限って足に力が入らない。なんで走らないんだ!頼む、動いてくれ!やっとの思いで、重い足を動かすことができた。恐怖を押し殺し、逃げることだけを考えひたすらに走り続けた。すると運良く竹でできたカゴがあり、その中に身を潜めた。シャン、シャン、シャン、まだ近くを徘徊している。早くどっかに行ってくれ、心の底からそう願いながらひたすら待った。しばらくして鈴の音が聞こえなくなり、安堵のため息を吐く。かごから出て周囲を見回すと、ポツンとコンパスがおいてあった。その横にはおそらく「-K-」が書いたであろう書き置きが。書置き読むか、そう思いライターで紙を照らす。「神楽鈴の徘徊者、こいつは特に厄介な徘徊者だ。走る音を聞かれてしまうと、音がしたところまで確認しに来るんだ。だから、鈴の音が聞こえたら、考えなしに走るのは危険だと心得ておけ。」神楽鈴の徘徊者、か。こいつとは長いこと付き合うことになりそうだな。そんなことよりコンパスだよ。さっきまでの恐怖心は消え、喜びが心を満たしていた。コンパスは静かに赤い光を放っており、祭壇のある方向を示していた。「よし、行こう」、覚悟を決め、祭壇へと進み始めた。
祭壇を目指す途中、今までの廊下と少し違う作り場所に出た。階段があり、登ってみると、石でできた門があり、その奥に大きなオレンジ色の勾玉がおいてあった。その勾玉は静かに光っており、今まで拾ってきた勾玉とは違うオーラを放っていた。その勾玉を回収した後、廊下を進んでいくと、ついに、ついに見えた。祭壇が見えた。大きな鳥居があり、その鳥居の下に勾玉を置く石の板があった。奥には閉ざされた扉がある。勾玉を一つずつ置き、最後の一個をおいた時、扉がギィィィと音を立てながら開いた。一本道、奥にはこの回廊にワープしたときと同じ、机の上に丸い鏡が置いてあった。壁には奇妙な能面が飾ってあった。やっと、この場所から脱出できる。そう思い一本道進むと、メキメキメキと音を立て、床が崩れ始めた。まずい!このままじゃ落ちてしまう。そう思ったのも束の間、すでに結構な高さを落下しており、戻る方法がない。「死」に直面した時、走馬灯見るって言うけど、俺は見なかったな。そんなことをしょうもないことを思いながら、どうすることもできない現状を受け止め、落ちていった。ばっしゃぁぁん、下には大きな川が流れており、私はそこに落下した。落下と同時に、私の意識はどんどん遠のいていき、完全に意識を失った。
今回もここまで読んでくださりありがとうございます。前よりは少しまともなものをかけたかな?書いてみてわかったんですけど、やっぱり目に見えるものを言葉だけで表現するのって難しいですね。これからたくさん書いてそこらへんをうまくできるようになりたいな。
ちなみに影廊は雨ノ四葩もやってますが花腐しの祭殿で萎えてます。初代はがちでやり込みました。4倍速も余裕クリアです。皆さんの腕前もぜひコメントで教えてください。
次回、骸流しの渓谷
走り廻る徘徊者のことパイセンって書いても良い?
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だめだろ!ちゃんと書け!
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全然OKだぜ!