美少女Vtuber(男)はじめました!スキル「世界一可愛い声」で借金2億男子高校生、V界を駆け上がります!   作:流石ユユシタ

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第13話 登録者1000人

──7月中旬、モンスター屋台フェスに永遠と行く日がやってきた。

 

 

【モンスター屋台フェス!! 開催のお知らせ!!】

・スペシャルゲスト。Sランク冒険者【天道天狐(てんどうてんこ)】、【姫乃光】。

 

 

 去年もあった、モンスター型の食べ物とかが売られるイベント。ここの出店とかが美味しんだよね。そして、何より楽しみなのが高ランク冒険者の対談イベントである!!

 

 

 いやー、楽しみだなぁ。そう思って俺は早起きをしたのだけど……

 

 

 ──だが、しかし、我が妹は大寝坊をかました。

 

 

 

「いやー、お兄ちゃんと行くの楽しみすぎて眠れなかったぜ」

「そうかそうか、それはしょうがないな」

 

 

 

 どうやら言い訳を必死に言っているが……俺とフェスに行くのが楽しみだったのならしょうがない。

 

 

 

「……よっしゃ準備完了! 行こうぜ、お兄ちゃん」

「おう」

「あ、そうだ。その前に……ヴィクトルナのチャンネル登録者を確認しておこっかなー」

 

 

 

 永遠は毎日、チャンネル登録者を確認している。コメントとかもチェックして、今日はこんなのがあったとか、こう言うのが喜ばれているとかも教えてくれる。

 

 これはもう、マネジメントだと思っており、本人もマネージャーとか自称している時もある。

 

 

 

 

「うああ!? えうあ!? おお!?」

 

 

 

 どうした? 妹、そしてマネージャーが大きな声をあげてスマホに目を奪われている。あ、そろそろ行かないと姫乃光、天道天狐のダブルSランク冒険者の対談が始まりそうなんだけど。

 

 

 

 

「お、お兄ちゃん!? こ、これ!」

「それより、そろそろフェスに……」

「フェスなんかどうでもいいって!! これ見て!!!」

 

 

 

 そう言って、永遠はスマホを差し出す。そこにはいつものように【ヴィクトルナちゃんねる】の情報が出されていた。

 

 

「いつものヴィクトルナだな」

「違うって!! ちゃ、チャンネル登録者を見て!!」

「……ん?」

 

 

 ん? なんでそんなに慌ててるんだ。いつものように情報が出ているだけ……ずらっと情報を見た。今までのアーカイブ……とか他には……

 

 

 

 

 

──登録者1069人

 

 

 

 あ、登録者が1000人超えてる……え!? 超えてる!? 

 

 

 

 

「お、登録者が増えてるな」

「お兄ちゃん、もっと驚いて!! 感情的になってくれ!」

「いや、驚いてるよ」

 

 

 

 

 ええ、急になんでこんなに増えてるんだ? 昨日まで60人くらいだったような気がしてたんだけど……

 

 

 

「これどうして急に増えたんだろう」

「お兄ちゃん、ちょっと待ってて。調べるから」

「あ、それは後でにしよう。フェス行って帰ってきてから……」

「お兄ちゃん! ちょっと待ってて!」

 

 

 

 ……う、うん、待ってる。妹はそう言うとソファに座ってスマホをいじり始めた。ずっと真面目な顔で数分間スマホを見ている。

 

 

 

「これだ……」

 

 

 

 そして、何かを確信したように呟いた。そのまま俺に向かってまた画面を差し出してくる。どうやらDチューブにある動画のようだ。

 

 

「これ、Dチューブのスレ紹介動画なんだ」

「へぇー」

「これでね、お兄ちゃん、つまりはヴィクトルナについてのスレが紹介されてたの……ほら、前に40歳超えてる人から将来が不安とかお悩み相談きてたじゃん。あの悩みを受けた人がスレでお兄ちゃんを絶賛してたの! 人生が変わったんだって!!」

「そっか。あの人の人生が少しだけ良くなってくれたのか……。ふっ、それなら嬉しいぜ」

 

 

 

 

 あの時、俺がしたことが何か良い方向になればと思っていたけど……少しだけ好転したのなら嬉しいなと思う。

 

 

 

 

「ねねね、お兄ちゃんはやっぱりすごいんだよ!! それで、スレがバズった訳ではなく、スレを紹介した動画がバズってヴィクトルナに皆んなが行き着いたって感じらしいの!!」

「へぇ」

「お兄ちゃん薄い!! これすっごいことだからね!!! それで……お兄ちゃんの動画にもコメントがたくさんついてる!!」

 

 

 

 そう言われて試しに見てみることに……おお。確かに沢山のコメントが書いてあるようだ。

 

 

【スレ動画見て飛んできたけど想像の1000倍声可愛いじゃねぇか】

【あのスレまじだった本当に耳溶けた助けて】

【声聞いた瞬間涙止まらんこれ本物の女神や】

【スレで人生変わるって言われてたけどガチで変わりそう】

【耳に優しすぎて逆に心が震えてる】

【スレ勢だけどまじで震えたこれから推します】

【一音で理解したこれは世界一間違いない】

【スレから来たけどヴィクトルナ様可愛すぎる無理尊い】

【耳に優しすぎて魂まで溶けそうヴィクトルナ様尊い】

【声一発で全細胞が恋に落ちた】

【冗談抜きで涙出た人生の推し見つけた】

【声すご】

【スレで騒がれてた理由10秒でわかったすごすぎる】

【スレ見てなかったら一生後悔してた】

【鼓膜が恋するって初めての体験した】

【可愛すぎて体温上がった耳が幸せすぎる】

【声で命救われるって本当にあるんだな】

【ここが天国の入り口だったか】

【ヴィクトルナ様って本当にリスナー想いなんだなって配信見て涙出た】

【スレのおっさんマジで感謝するヴィクトルナ最高】

【世界が優しく見えるヴィクトルナ様ありがとう】

【スレで期待値上がりまくってたのに軽く超えてきた】

【耳が幸せを超えて宇宙旅行してる】

【可愛いだけじゃなくて、誰よりもまっすぐ応援してくれる女神だった】

【子守唄聞いたらガチで涙出て止まらん】

【スレ民達が命かけて推してた理由わかった推す】

【こんなに尊い声聞いたの初めて】

【一音で全細胞が喜んでるすごい】

【がんばれ1時間耐久動画見たわ、100時間でも出してくれて構わない】

【こんなに心に寄り添ってくれる配信者初めて見た推すしかない】

【スレの伝説体験しに来たらマジで神だった】

【ヴィクトルナ様の声は国宝にするべき】

【生きる希望が耳から入ってきた】

【ヴィクトルナ様の声で心が洗われるってこういうことか】

【スレの言う通り女神だった推すしかない】

 

 

 

 

 ……あ、沢山コメントが……お、おう。沢山ある……

 

 

 

……まだまだあるけどここで一旦読むのやめておこうか。

 

 

 

「お兄ちゃんの時代が来たよ……!! 新時代ダァ!!!!! いずれV界隈の四皇とすら評される男じゃなかった!! 女神の凱旋だぁ!!!!」

「そ、そうなんだ。で、でもさ、急にこんなに注目される緊張もあるんだけど」

「お兄ちゃん、そんなに怖いの? 新時代が? お兄ちゃんはもう時代の中心になる準備進めておかないといけないんだよ」

「あ!? そんなに!?」

 

 

 

 それはそこまで言うことなのだろうか? え、えぇ、妹がものすごい顔でこちらにスマホを向けてくるんだけども……

 

 

 だが、やっぱり俺の声って可愛いのか。今までのコメントからもそうであると判断はできたけど、これまでは人数の桁が違うからな。

 

 それが全員声を絶賛しているのは可愛いわけだし、俺以外には本当に世界で1番可愛いということなんだろうな。

 

 

 な、なんか複雑

 

 

 

「お兄ちゃん、これからマジでエロいASMRも検討しないとダメだよ」

「しないよ」

「ダメだよ、喘ぎ声も入れたら絶対売れる」

「お兄ちゃんに何をお願いしているんだお前は」

 

 

 

 

 確かにヴィクトルナの登録者が一気に1000人超えたのは嬉しいけど……そろそろフェスに行きたいんだ。

 

 対談に遅れるわけには行かないし。

 

 

「まぁ、それは今日帰ってきたら考えよう。それより、フェスにさ」

「うんそうだね。お兄ちゃんとのデートも大事だからねぇ? 一緒に行こっか!!」

「おう」

 

 

 

 よし、俺としても驚くべきことだけどSランク冒険者の対談はどうしても見に行きたかったのだ。

 

 

 家を出て、フェスの会場まで二人で歩く。歩きながら永遠は随分とご機嫌のようだ。

 

 

「いやー、お兄ちゃんはやっぱり凄かったんだ! 妹として誇りだぜ?」

「そうか、それなら良かった」

「1000人、同接率もお兄ちゃんは高いしすぐに収益化できるよ!」

「収益になったら嬉しいな。永遠にも何か買ってあげたいからさ。服とか」

「あらー、嬉しい。でもお兄ちゃん、私はお母さんの服あるしね。自分の欲しいのを買ってね!」

「健気だなー。ただ、可愛い服を着てる永遠を見たいという兄の気持ちを無碍にはさせん」

「おお、シスコンだね? ブラコンな私と相性バッチリだね!」

 

 

 

 

 しかし、こんな一気にことが進むことがあるのか。初めて配信を開始してからまだ1ヶ月程度しか経ってないんだけど……。

 

 

 だけど、この間に俺の気持ちも少しだけ変わった。最初は冒険者の未練だけだったけど、今は少しだけ未練が薄まった。

 

 

 

 

 誰かの人生が好転してくれたという事実が嬉しいのかもなぁ……

 

 

 

 

「あ、お兄ちゃん。対談そろそろ始まるよ」

「おう、行くか!」

 

 

 

 

 

 おっと、時間が迫っているようだ。こればっかりは見逃すことができないから、小走りで向かうとしよう。

 

 

 

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