美少女Vtuber(男)はじめました!スキル「世界一可愛い声」で借金2億男子高校生、V界を駆け上がります!   作:流石ユユシタ

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第6話 挨拶は大事!

 昨日、俺は配信をした。それは妹の永遠が配信をしろと言ったからでもあり、同時にライトセイバーさんが勇気をくれと言ったからだ。

 

 まぁ、俺に何ができるんだよって思ったけど、何だかんだで毎回来てくれる人だし、もし、何かできるならやりたいかなと思ったのだ。

 

 

『えっと、今日も配信開始しますー。今日は土曜日なので午前中に……あ、もうライトセイバーさん来てるんですね。どうも、おはようございますー』

 

 

 

──ライトセイバー(男)さんが視聴開始しました

 

 

 

 まさに閃光のような早さで彼女は俺を見に来ていた。うーむ、相当に何か言いたいことでもあるのだろうか。

 

 

 

【ライトセイバー(男):ダンジョンに挑んでたのですが、すごく強い敵が出てきて……どうやったら、また、立ち向かえますか?】

 

 

 

 ええ!? またダンジョンに行っていたのか。この人ストイックだなぁ。俺からしたら高難度のダンジョン行ってるだけで凄いんだけども……

 

 

『え!? だ、ダンジョンに行ってるんですね! やっぱり凄いですね! で、でも、私Eランクなんですけど……アドバイスするほどの存在でもないっていうか』

【ライトセイバー(男):それでも……何か欲しい。ヒーローだから、立ち向かわないといけない】

 

 

 

 ヒーローだから……この人すごすぎない? いや、以前の配信でヒーロー願望を尊重はしたけども。ここまでの覚悟だったとは……

 

 

 そして、その人が恐れているモンスター。やはり、Bランク以上とかは俺では想像つかない場所なんだろうな。

 

 

 

 

『そうですか……あの、モンスターが怖いんですよね?』

【ライトセイバー(男):怖いんだ。怖くて、動けない……だから、勇気が欲しくて】

『だから、勇気が欲しいとコメントしてたんですね……で、でも、私にそんな大層なこと……出来ないですよ……』

 

 

 

 いやいや、俺に一体何が言えるというんだろうか。ただのEランク冒険者なんですが……しかも常人が半年でレベル10に到達するのに3年かかった男ですけども。

 

 しかも今は美少女のふりしてVチューバーしてますけども……そんな俺が勇気をつけるなんて。

 

 

 

 

【ライトセイバー(男):そうだよね、急に困るよね……】

 

 

 

 烏滸がましい……とは思う。俺には冒険者を語れるほどの実績がないしな。でも、なんか、それは違う気がする。

 

 

 俺は……俺に出来ることをしよう。この人が勇気を求めているなら、授けるようにやってみよう。

 

 

 冒険者として才能がなかったから、諦めた。諦めたことがすごく後悔として心に残っている。

 

 

 この人は才能があって俺とは違う、こんな凄い人が俺みたいに折れる人間になって欲しくはない。

 

 

 もう! 分かった! やってみるよ!! 応援してやる! ダメだった時のことは知らん!!!

 

 

『……いや、そんなことない! 全然困ってない!! 本当に困ってるのはライトセイバーさんですよ!! ごめんなさい!! ちょっと待ってください! 考えを改めます!!』

 

 

 

 おっしゃ!! 俺の渾身の応援を受けってくれ!!

 

 

『私は画面の外から、ダンジョンを見ることしかできない……安全圏で見ているだけだ。だから、私のできることは微々たるものかもしれない。でも、私は今、私にできることをしたい。ライトセイバーさん、貴方を応援します!』

【ライトセイバー(男):応援してくれるの?】

『はい!! 応援します! 頑張れ! ヒーロー!! ずっと応援してます!!! だけど、怖かったらまたここに来てください!! 私がここに居ます!! また絶対配信します!!

 

 

 

 

『──貴方が勇気をまた、貯めてくれるまで!!!』

 

 

 

 

 

『──頑張ることに疲れたら、また来てください!! 私がいる!!』

 

 

 

 

 

 

 

「いやー、お兄ちゃん、感動しちゃったよ。あんな熱いお兄ちゃんは3日ぶりくらいにみたよ! 可愛いねぇ」

「あっそ」

「もうー、拗ねないの。本当にかっこいいと思ってるんだから」

 

 

 

 

 こいつ、俺を揶揄っているな? 兄である俺を揶揄っているな?? ほほう? 妹は兄を揶揄ってはいけない法律があるのを知らないな?

 

 

 

 

「でも、やっぱりお兄ちゃんは芯があって素敵だなって思うよ」

「そりゃどうも」

「こういう熱いのでファンとか絶対増えると思う!! こんな美少女声がこんな素晴らしいこと言ってるんだから!!! 早くエロい声出そうね!」

「出さないよ」

「こんな可愛い子のエロいやつは絶対売れると思うんだけどなぁ」

 

 

 

 

 

 どんだけエロい声出したいんだ……俺はそういうのは嫌だぞ。まぁ、褒めてもらえるのは嬉しいけども。

 

 

 ただ、これで本当にファンが増えるのかね?

 

 

 

 

 

 

「あ、お兄ちゃん大事なお知らせがあるよ」

「ほほう?」

「チャンネル登録者が4人のままなんだけど……」

「そうか、変わらずか」

「だけど……これを見て!!!」

 

 

 

 そう言って妹の永遠はスマホを取り出した。その画面にはどうやら、配信の視聴分析が載っているようだ。

 

 

「あのね、視聴回数って一度見た人が何回も見てもあんまりカウントされないようになってるの」

「ふーん」

「でもね、ちゃんと何十分とか見て、AIとかじゃないと判断されれば同じ人でもカウントされるんだ! その点、現在登録者が4人しかないのに初配信が20回再生されてるんだよ!」

「へぇー」

「お兄ちゃん反応薄い!!!」

 

 

 いや、そうは言われてもちょっとよくわからない概念というか……

 

 

「それに、この間のライトセイバーさんへの応援部分がものすごい何回も見られてる。ここだけすごい回数見られてるんだ」

「そんなのも分かるのか」

「お兄ちゃん、こういうのを見て今後の方向性を決めるんだよ。つまり、頑張れというのをエロい声で出したら視聴回数は増えるんだよ」

「それはしたくないな」

 

 

 

 なんという分析だろうか。これが合っているのかどうかは知らないが……だがしかし、俺は本当にVチューバーとかには詳しくないなぁ

 

 

「お兄ちゃん! エロい声はいずれ出してもらうからね!! それでね、お兄ちゃん。今回はVチューバーに対しての勉強をしようと思ってる。理解を深めて欲しいの」

「俺Vチューバー知らないんだけど、人気なのはどこらへんなの?」

「ヴァーチャライトプロは流石に知ってるよね?」

「知らん」

「お兄ちゃんって本当に常識ないよね」

「Dチューバーなら任せろ」

「今、Vチューバーの話ね。でも、無知を誇っちゃうお兄ちゃんも可愛いぜ」

 

 

 

 Vチューバーはあまり知らないからね。ふふ、我ながら無知であることを誇っていくスタイル。

 

 

 

 

「いい!ヴァーチャライトプロとは……超大手Vチューバー専門事務所。3Dライブ・AR技術によるライブ演出・アニメ展開・バーチャルCM・リアルイベント多数。そして、看板ユニット【NeX:Flare(ネクス・フレア)】など、多数のユニット活動している一流事務所!! ここがVチューバーの1番の事務所だよ!!」

「ふーん」

 

 

 

 なるほど、よく分からないけど大きな芸能事務所ってわけね。

 

 

 

 

「アイドル的な売り出しだけでなく、個性重視の配信スタイルも推奨してるんだけど。そのライバーの中でも別格の人気の四人が居てね……それがさっきも言った特別選抜ユニット【NeX:Flare(ネクス・フレア)】なんだ!!」

「ほほう? なるほど」

 

 

まぁ、ざっくり言うと総勢99名ライバーを抱えているが特に人気の四人のグループがあるってことらしい。

 

 

 

 

「お兄ちゃんは美少女Vチューバーになるから、このグループである久遠シェリル(くおんシェリル)を参考にしよう」

「美少女Vチューバー……」

「正直お兄ちゃんの方が可愛いから安心して」

「安心できなくなったぞ」

 

 

 

 

 やはり、美少女Vチューバーになるしか道はないのだろうか。うん、まぁ、ここまで来たらやるしかないと分かっているのだけども。

 

 

「ほれほれ、シェリルちゃんを見てみて。ちょうど配信してるから」

「ほほう?」

 

 

 

 どうやら、本当に超人気Vチューバーらしいな。なんか、凄い勢いでコメントが流れていく。おお、これは読めるか?

 

 

 

「お兄ちゃん、今、こんなに早くコメント欄が流れていってライバーが読める? って疑問に思った」

「ほほう? よくぞ見抜いた。流石は我が妹、兄の心を読むとは妹の鏡だ」

「ラーの鏡!!」

「ん?」

「なんでもない。受け狙おうとして滑っただけ」

 

 

 定期的に永遠はつまらないネタを言ってくるな。うむ、ここは兄として妹のネタのセンスに厳しく当たっていこう。

 

 

「まだまだだね?」

「越前かよ。そんでね、このシェリルちゃんだけど、元Bランク冒険者なんだって」

「ええ!? Bランク!? すごいな! ステータスは!?」

「そんなに知らないよ。身バレ防止で言ってないから。てかお兄ちゃん冒険者ってわかってたら反応が露骨すぎ」

 

 

 

 そうか。Bランク冒険者なんて早々お目にかかれないんだけどね。凄いな、Bランク冒険者だったんだ。

 

 

 

「まぁ、ダンジョンの話もたまにしてるけど、お兄ちゃんにみて欲しいのはこの人の話し方だね」

「ほほう?」

 

 

 

 そう言われたので妹のスマホ画面を覗いてみる。

 

 

 銀髪ロングでツインドリル風サイドカール、髪に少し青みがかったグラデだ。

 

 そして、見た目はつり目気味のお嬢様系美少女であるようだ。瞳が紅で綺麗である。

 

 

 

『ふはははは!! 余の勝利ですわ!! 讃えよ民衆!!』

【パンプキン:流石でございます!】

【リンゴん:千年生きた魔女令嬢に描かれはこの程度は当然】

【かぼちゃん:GG,最後のスナイプは流石すぎる】

【にんじん侍:すげぇ】

 

 

 

 

 おお、なんかよく分からないけどFPSゲームをしていてちょうど勝利をしたタイミングなのだろうか。

 

 

 

「お兄ちゃん。ライバーは自身のキャラ設定をちゃんとしてるから」

「ほほう?」

「お兄ちゃん、女神を謳ってるのに女神感が薄いんだよ。もうちょっとキャラに忠実にいこう」

「ほ、ほほう?」

「ちょっと恥ずかしがって、キャラに徹しきれてないよ!!!」

 

 

 

 

 ががーーん!!! な、なんだか心が打たれた気がした。だが、確かに永遠の言う通りであろう。

 

 俺は恥ずかしがって、なんとも言えないキャラを演じてしまっている節がある。

 

 

 

「お兄ちゃん、キャラは大事。もう一回言うよ。キャラは大事」

「キャラは大事」

「そう! Vチューバーは配信を楽しませないと。配信は空気感が大事だよ。だからこそ、キャラがふやふやだと配信の世界観がぼやけるんだよ!!!」

「お、おう」

 

 

 

 そうだったのか。だけども、Dチューバーでもキャラ付けして配信してる人居たなぁ。それと同じか。

 

 ダンジョンを攻略する魔王!! 侍! とか色々居たからな。確かにキャラ付けとか適当だと萎えてたなぁ。

 

 

 

「まずお兄ちゃんは挨拶だよ」

「挨拶」

「どーもーこんにちはー。いやいや、女神!! 女神だよ!!」

「じゃ、どんな感じですれば?」

「漆黒の夜を彩る神秘の一閃……
月を司る神、ヴィクトルーナ様のおな~り~!
さあ、我が月光にひれ伏し、その祝福を受けるがよい!」

「いやいやいやいやいや。やだやだ」

 

 

 

 

 うむ、これは嫌だ。すごーく嫌だ。もうちょっと痛々しくないのがいい。

 

 

 

 

「お兄ちゃん、わがまま!! ちょっと鋭利な感じの方がいいんだよ!! 尖ってないと!!」

「も、もうちょっとない? 他のがいいんだけど」

「しょうがないなー、お兄ちゃんは……あなたの夜に、ひとすじの光を! どーもー、勝利と月の女神ヴィクトルナでーす!」

「ま、まぁ、うーん、恥ずかしいけど」

「さっきよりは大丈夫ってことね? はい決定ー!! これで決まり!」

 

 

 

 

 決まってしまった。う、うん、最初よりはこっちの方がいいけども。

 

 

「あ、お兄ちゃん。挨拶は同接が0でもやるんだよ」

「え、なんで?」

「後でアーカイブ見る人がいるからだよ。配信来なくてもアーカイブを見るファンの人だっているんだから。最近登録者4人になったんだから徹底していこう」

「あ、はい」

 

 

 

 なるほど、確かにそうかもしれないな。それは説得力がある。配信でなくても、動画投稿主とかってちゃんと挨拶するからな。

 

 俺がみてるダンジョン系の人も毎回してたな。

 

 

 

「それじゃ、お兄ちゃん挨拶しっかりね!!」

 

 

 

 うむ、分かった。

 

 

 

 

 

 

 

 




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