美少女Vtuber(男)はじめました!スキル「世界一可愛い声」で借金2億男子高校生、V界を駆け上がります!   作:流石ユユシタ

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第7話 隣のSランク冒険者が俺を推してるんだけど?

「冒険者、才能ないから本読むのやめたらどうだ?」

 

 

 

 

 

 

 ──学校の同じクラスである藤木沼光一に俺はそう言われた。

 

 

 

 

 まぁ、あれだ、いつものことだ。あいつのことは友達でもなんとも思ってないけど。

 

 

 しかし、あいつの言ってることは的を得ている。わざわざ冒険者の本を読む必要などないのだ。だが、俺はいまだに朝の時間に読んでいる。

 

 

 何か、これまでの人生に見落としがないかと、探している。だけれども、そんな落とし物などないのだ。

 

 

 

 

「まぁ、落とし物があったところで冒険者としてはやっていけないけどね」

 

 

 

 

 昼休みに学校の屋上でごろりと寝ながら青空を見上げている。ぼぉーっと、なんだか何とも言えない気持ちで空を見上げていた。

 

 

 

「拾ったところで才能はたかが知れてるしねぇー。あーあ、俺も……」

 

 

 

 ──ガシャン!

 

 

 

 

 急に屋上に通じる扉が開いた。誰かが来たのかと思って目線を音の方向に向けたら、隣の席に座っている姫乃光が……

 

 

 

「あ、居た」

「どうも姫乃さん」

「そこで寝ると気持ちいいの? 屋上って来ちゃダメって先生言ってるけど」

「……そっかー、知らなかった。もう少ししたら帰るね」

「嘘つき。禁止されてる知ってるくせに」

 

 

 

 まさか、この場所が見つかってしまうとはね。だがしかし、なぜ姫乃光がここに来るんだろうか。

 

 

 

「どうして姫乃さんが?」

「……気まぐれ。落ち込んでる顔してたから」

「……まさか励ましてくれるとか?」

「ふふ、どうだろうね。まぁ、半分正解かな?」

「半分はずれなんだ」

 

 

 

 つまり、どういうことだってばよ? なんだかいつも無表情のくせにちょっとニヤニヤしてるのが不気味だ。

 

 

 

「まぁ、落ち着いて。幸木くん」

「あ、はい」

「色々人生は大変だよね」

「……あ、そうだね。なんか、雰囲気、変わった?」

「ふふふ、そうだね。最近、楽しみがあるから」

 

 

 

 へぇー、前はダンジョン以外は興味がない。強くなること以外は不必要であるみたいな人だったけど。

 

 そうか、楽しみができたんだ。なんだろうか。Sランク冒険者の楽しみとか言われるとちょっと気になる。

 

 やっぱり人とは違うものだろうか、それとも敢えて普通の趣味とかだろうか。

 

 

 

「因みに聞いても?」

「ん、どうしようかな?」

「……じゃいいや」

「いや、聞いてもらう」

「なぜ勿体ぶった」

 

 

 

 その趣味を俺に聞いて欲しかったのだろうか。俺としてもSランク冒険者の姫乃光の話は退屈しないけども。

 

 

 

「ちょっと落ち込んでる感じだもんね。そんな幸木くんにおすすめがある」

「へぇー、食べ物とか?」

「違う。ヒントはVチューバー」

「それヒントにしては大分限定したね……おすすめで見ると元気が出るVチューバーがいるってわけ?」

「うん、ワタシも最近知った人なんだけどね。でも、まだ始めてばっかりだから。話とかも聞いてもらいやすいし、古参ぶれる」

「……あ、そうなんだ」

 

 

 

 あぁ、そうそう、俺もVチューバー始めたんだよ。なんて、言えるわけないけども、だって俺は美少女のふりしてVチューバーしてますから?

 

 

 ……あ、そう言えば前にファミレスで会った時に最近見てるVチューバーがいるとかなんとか……言ってたな。それか?

 

 

「因みにだけど誰なの?」

「これ特別だからね、ワタシは本当に良いお店は教えたくない主義だから。でも、幸木くんは努力家なのは知ってるから。がちマジの特別」

「……Vチューバーね」

 

 

 以前の俺なら、Vチューバー自体にはそこまで興味ないと言ったところだ。だがしかし、最近は一応配信活動をしている。だから、興味本位と自身の経験値としてせっかくだから教えてもらって試聴でもしてみようか。

 

 

 

「因みに、この人。女神みたいな人なんだ」

「へぇ……え?」

 

 

 

──そう言って差し出されたスマホには

 

 

 

 

「こ、こここ、これ……あ、えとヴィクトルナ?」

「あ!? 知ってたの! へぇ、センスいいねぇ。そうだよ、勝利と月の女神。ヴィクトルナちゃん、ワタシはヴィクたんとも呼ぶ」

「……あ、そ、そうなんだ」

 

 

 あああああああああああああああああああああああああああ!? 俺かよ!? 俺をみてたのかよ!!!!!???

 

 

 

 おいおいおいおいおい、どうしてこうなった!? Sランク冒険者様が見るような代物では……いや、そう言う卑下的なことは言いたくないけど……でも、俺男だよ!!?

 

 女のふりしてるんだよ!? これ、どう言う顔したらいいの!?

 

 

 最近視聴者が妹を入れて5人登録者になった。つまり約半分が顔見知りってことになるのだろうか……わ、笑えねぇ

 

 

 

 

「あ、あの、こ、この人、可愛い?」

「愚問、可愛い。まさに勝利と月、暗闇を照らす女神のような人」

「……そ、そうなんだ」

 

 

 

 この人、俺の視聴者だったんだ……う、うわぁ。なんとも言えねぇ。

 

 

 

 

「ヴィクトルナ様、知ってたんだよね?」

「え、あ、はい」

 

 

 

 ヴィクトルナ様とも言うんだ……あ、いや、文句とかあるわけじゃないけども。

 

 

「この人の声にすでに魅了されたでしょ」

「……い、いや、別に」

「耳どうかしてる? このかたの声を聞いてファンにならないはずがない。耳鼻科行った方がいいよ」

「なんでそんな言われなきゃいけないの!?」

「まともな感性を持っているとファンになるはず」

 

 

 

 

 いや、スキルの影響で俺には俺の声として聞こえるんだって。

 

 

 

「これみて、この人の声を聞いて。アーカイブ出すから」

「い、いや」

「ほら、今、今日もお疲れ様ですって言ったよ。超絶特大可愛い。この声でどこが納得いかないの? まさかとは思うけどチャンネル登録してないとか言わないよね? これを聞いてしないわけがないよね?」

 

 

 

 いやだから、アーカイブでも俺には俺の声として聞こえてるんだって。まぁ、この事実をこの人は言えないから無意味なんだけどさ。

 

 

 だが、まさかSランク冒険者が見ていたとは……これは嬉しいと思うべきか、美少女のふりをしている自分を見られて恥と思うべきか。

 

 

 

 

「あ、えと、チャンネル登録はしてない」

「……まさか、アンチ? ヴィクトルナちゃんに逆らうの?」

「逆らってないけど……ヴィクトルナちゃんとも言うんだ……」

「アンチ、それともファン?」

「……」

 

 

 

 

 アンチとか言ったら面倒なことになりそうだ。それともファンと言っても面倒なことになりそうだ。

 

 

 

 ここは適当に誤魔化そう

 

 

 

「えっと、まだファンとは言えないけど、まぁ、み、見てるよ」

「……なるほど、幸木くんの正体は第三の選択肢、まだ見始めた途中ね」

 

 

 

 本当は第四の選択肢の本人なんだけど……まさか、美少女のふりをしていますとは言えない。

 

 

 

 

「でも、普通なら一回聴いたらファンになる程可愛いけど……まぁ、幸木くんはワタシにも普通に話しかけてくるしね」

「あぁ、魔力が多いんだっけ?」

 

 

 

 

 冒険者で魔力が多い人は無意識のうちに魔力を出して、周りを威圧してしまう人がいるらしい。

 

 特にSランク冒険者なんて、冒険者のトップオブトップ。魔力が垂れ流しなんて、あっても不思議じゃない。

 

 

 

「それもあるけど……ワタシの場合はスキルもある」

「へぇ」

「生物が恐るようになってるんだ」

「へぇ! そうなんだ!」

「なんか、嬉しそうだね……」

 

 

 

 あれ、これってご本人様にとっては地雷だろうか。しまったな、俺としては冒険者の知られざる一面を知れれて嬉しかったのだけども。

 

 

 

「あ、ごめん。Sランク冒険者のスキルだなんて、聞ける機会ないから」

「……幸木くんは本当に冒険者オタクだね」

「うん!」

「肯定100%とは……」

「だから、ごめん。不快にさせたなら」

「いや、不快にはなってないよ。魔力の威圧もスキルの恐れも個人差、モンスターによっても効き目に差があるから」

「ほほう!?」

「あ、興味持った眼になったね。説明が面倒だけど」

 

 

 

 うん、俺としてはそう言う話の方が好きだったりするんだよね。ヴィクトルナの話はもうどうでもいいから、冒険の話聞かせてくれよ

 

 

 

「まぁ、何事も効き目に差があるんだよ。魔力も恐れる人はすごく恐るけど、割とあっけらかんとしてる人もいる、スキルも同じようなものなんだ」

「へぇ……」

「そう言えば聴いたことなかったね。ワタシが怖くないの?」

「うーん。そう言われると怖いかも」

「あ、怖いんだ」

「でも、それより冒険の話が興味あるから。Sランク冒険者の話なんて滅多に生で聞けないよ、それに学校だって卒業したらもう会うことだってないはずだ。特に姫乃さんはハードコア会社にほぼ内定だろうし、接する機会はない」

 

 

 

 

 確かに言われてみれば姫乃さんは怖い。でも、だからと言って冒険者の話が聞きたくないとかではないのだ。

 

 なによりも、冒険の話が聞きたかっただけだ。

 

 

 

「……勿体ないじゃん。聞ける時に聞きたい!」

「……冒険の熱意で怖さを吹っ飛ばしてるってわけなんだ。イレギュラーモンスターみたいに変わってる人はいるんだね」

「へへへ、そんな」

「それ照れるところなんだ」

 

 

 

 なんか、イレギュラーモンスター見たいって言われた、嬉しいぜ。まぁ、本当は強い冒険者見たいとかの方が嬉しいけど。

 

 

 

「あ、そうだ、大事なこと、ヴィクトルナ、ヴィクたんのことだけど」

「それはもういいよ、それより冒険者の話を」

「は? おかしい、ワタシの話よりも女神の話をしたくなるべきなのに……おかしい」

「いや、普通」

「……やはり一般の感性とは離れている、イレギュラーモンスターみたい」

「へへへ」

「嬉しそう」

 

 

 

 また、イレギュラーモンスター見たいと言われてしまったぜ? ふふふ、まぁ、本当は英雄見たいとかの方が嬉しいけども。

 

 

 

「納得いかない、ヴィクトルナは素晴らしい声を持ってて人格も神々しい。それを拒絶できるなんて……悔しい。ワタシのヴィクたんが……」

「あ、姫乃さんのだったんだ」

「これから定期的にこの素晴らしさを布教する」

「いや、遠慮する」

「一緒に冒険の話もする、絶剣とか、武器とか見せてあげる、家も見せてあげる。まだ誰にも見たことない、全世界非公開」

「なにそれ気になる。マジで見たい」

 

 

 

 

 

 くっ、まさかそんな誘惑をしてくるとは……こればっかりはつられてしまってもしょうがない。

 

 

 こんな良い餌が来たら飛びついてしまうだろう!!!

 

 

 

 あ、そうだ。ライトセイバーさんもBランク以上の冒険者だったよね? 男性だったけど。つまり……俺の視聴者って高ランク冒険者が多いってこと!?

 

 ほ、ほぇ、益々恥ずかしいんだけど……

 

 

 ま、まぁ、取り敢えず、冒険の情報はもらおうか!!

 

 

 




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